レシーブ二郎の音楽日記

レシーブ二郎の音楽ブログにようこそ。マイペースでぼつぼつ更新していきます。

ときめきボンバーズ&ブレイク王's Live in November

11月6日、11月13日と二週間続けてライブがありました。どちらも「ときめきボンバーズ&ブレイク王's」での出演。まとめて報告です。11月6日は起業祭。昨年も出演させていただきましたが、八幡地区では伝統あるお祭りで、多くの人出で賑わいます。この日も雨模様にもかかわらず、たくさんの出店が出て、万人単位のお客さんが訪れていました。今年も昨年と同じメインステージに出させていただきました。この日、バンドは2組。14時少し前からオールデイズ中心のレパートリーのThe Blue Oldiesさんが出演。なんとドラムは中学二年生とのことですが、なかなかの凄腕。将来が楽しみです。一方ギタリストはロマンスグレー。なかなか幅広い世代のグループです。女性と男性のツイン・ボーカルで、バンドはギター2本、にベース、ドラムス、キーボードのオーソドックスな編成。「Be My Baby」とか、誰でも知ってる懐かしのヒットナンバー中心の選曲でした。写真はそのThe Blue Oldiesさん。

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あわただしい転換のあと、われわれのステージは14時25分頃から。この日は、ベース&スティール・ギターのスマイリー植田さんが、同じ企業祭の24時間マラソンに職場でご出場のため残念ながら欠席。9月はじめと同じく、3人編成のブレイク王'sでの参加となりました。レパートリーからワイゼンボーンで弾く「Water Is Wide」がはずれ、「Walk Like An Egyptian」と「Lovely Day」を今回ベースで演奏してみたので、持っていった楽器は二台だけ。最近稀に見る少なさです。逆に、ラップ・スティールを弾いたのは「Woo Woo」1曲だけで、あとは全部ベースを弾きました。もともとベーシストではないので、冷や汗ものの演奏ですが、なんとかおかしくない程度には演奏をまとめられたんじゃないかな、と思います。われわれの次が仮面ライダー・ショーということもあって、お客さんが結構増えてきます。数百人のお客さんを前にすると、やっぱり緊張しますね。いつものとおり「Billy-A-Dick」で幕開け、「Loving You」と続きます。そして、少し早いけどハロウィンも終わったことだし、クリスマス・ソング。「Jingle Bell」のプッピニ・シスターズ・バージョンをお届け。この次に「Under My Wings」、「Walk Like An Egyptian」を演奏。リッケンバッカーのエレクトリック・ラップスティールに持ち替え「Woo Woo」。最後は再びベースに持ち替えて「Lovely Day」でシメとなりました。前回に引き続いての野外ライブ。一番大きなステージでしたが、なんとか乗り切ることができたように思います。タイトなスケージュールの大きなお祭りでのステージですが、時間的にもはみだすことなく努めることができました。昨年9月からのブレイク王'sによる「ときボン」のバックアップも8〜9回目となり、なんとなく息があってきたような気がしております。

さて、その次の日曜日。13日は前々から「凄い!」という噂の福岡のグループ、Dancing Wah Wah Paradiseこと、D.W.P.さんの前座で、Live Bar Andyに出演です。この日は3組が出演。最初は地元北九州のPrecious Heartsさん。何度か三ヶ森界隈でライブを拝見したことのあるアコペラ・コーラス・グループ。いつもの会場より、Andyの方が断然ステージ映えしますね。音響もこちらの方が本格的でコーラスがより美しく聴こえます。おなじみのゴスペル・ナンバーに加え、「上を向いて歩こう」や「見上げてごらん空の星を」といった親しみやすい曲をとりまぜて、聴きごえのある約40分のステージ。アンコールでは「Silent Night」を披露してくれました。

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続いて、20時20分頃から我々、「ときめきボンバーズ&ブレイク王's」のステージです。起業祭のときは欠席だったスマイリー植田さんも復活とあって、自分の楽器は6台。10月23日の門司港の時と同じラインナップです。この日も定番となった「Billy-A-Dick」でスタート。2曲目に「Under My Wings」、3曲目に「Jingle Bell」を演りました。この3曲、わたくしがベース、スマイリー植田さんがペダル・スティールを担当。どの曲も楽器のソロはないのですが、植田さんのスティールによるオブリガード、決まっていました。ここで、植田さんがフレットレス・ベースに、わたしがマンドリンに持ち替え、まず「Midnight Train」を演奏。続いてワイゼンボーンで「The Water Is Wide」。このあとPrecious Heartsのスーパー主婦さんが飛び入り参加してほとんどアカペラの「One More Round」。次はゴダン・グリッセンターで「Walk Like An Egyptian」、リッケンバッカーのエレクトリック・ラップ・スティールに持ち替えて「Woo Woo」。ラストはやはり定番の「Lovely Day」。われわれも40分少々のステージでした。

最後に登場したDancing Wah Wah Paradiseこと、D.W.P.さん。プロでした。フロントは女性3人ボーカル。年齢は20代〜30代前半といったところでしょうか。バックはギター、ドラム、ベース、キーボードの4人編成。とにかくすべてが徹底しておりました。とにかくバンドが凄い。彼らのリハ中に到着し、店に一歩足を踏み入れただけで、「これは違う。ホンモノだ。」と感じました。バンドメンバー全員が相当なテクニシャンであるだけでなく、とにかくカチッとした音。あらゆるキメがきっちり決まっております。ウェザー・リポートとかのフュージョンも楽々こなせそうな力量をもった面々でしょう。ボーカルの三人も本番では、でっかいアフロのカツラにメイクを決め、MCでは「ケンタッキーから来た黒人三人娘」になりきっておりました。そういう徹底したところ、すばらしいです。メイン・ボーカルの方はパンチのある少々ざらついた声。こういう音楽に合ってますね。曲は70年代〜80年代ファンキー・ソウル・サウンド。曲はドナ・サマーの「Hot Stuff」、ジャクソン・シスターズの「Miracles」など。「Listen To The Music」のソウル・バージョンはインコグニートを下敷きにしているのかもしれません。ギターの方は、ほぼ間違えなくワー・ワー・ワトソンの信奉者でしょう。バンド名もおそらくそこから来ているんだろうと思います。ちらっと出てくるフレーズからデヴィッド・T・ウォーカーからの影響もうかがえます。しかし、ここまでワー・ワー・ワトソンの「音」を再現し、しかもオリジナルなアレンジでどんな曲にも違和感なくそのサウンドをとけ込ませております。すごいセンスです。キーボードの方もハモンド、エレピ、アナログシンセを多彩に使い分ける見事なプレイ。もちろんドラムとベースのサウンドも申し分ありません。バックのサウンドを聴くだけでも入場料以上の価値はあるんじゃないかと思いました。終演後、キーボードの方と少しお話をさせていただいた内容をたよりに少し調べてみたら、元クリスタル・キングの今給黎博美さんでした。他のメンバーも名のある方々に違いありません。ドラムの方は20代か30代前半といった風貌ですが、それ以外の方々はおそらく50代でしょう。みなさん風貌にもなんとなくオーラがありました。

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というわけで、11月6日、13日と連続二週。充実したライブに続けて出させていただきました。ご来場いただき、応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

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続いてもスワンプのアルバム紹介です。10年くらい前なら全くCD化なんて望めなかった希少盤が陸続とCD化されております。欲しいものみんなはなかなか手に入れられないけれども、vividが出しているBIG PINKシリーズはなるべく手にいれるようにしております。満足率がかなり高いですもんね。今回紹介するのはスティーブ・クロッパーのプロデュースで1972年にリリースされたこの盤です。10月発売の日本盤には丁寧な解説もついておりますので、今さら自分なんかが書くこともないんですけど、個人的感想だけでもご参考になればと思います。

この盤は、なんといっても8曲目「Love Will Be The Answer」にとどめをさすでしょう。この一曲だけのために、このCDを買っても無駄ではないと思える名曲です。クロッパーとこの盤の主役とも言えるシド・ヘリングが書いておりますが、まんまソウル・バラード。J.A.スペルのゴスペル・タッチのピアノにのせてせつせつと歌われる珠玉のメロディ。間奏ではクロッパーらしいギター・ソロも出てきます。これだけでも十分満足できる内容なのに、ほかにもスワンプ名作がたくさん入っております。3曲目「Love Shine」とかノリのいいスワンプ・ナンバーで大好きです。ホーンやコーラスの雰囲気も最高。どことなくダン・ペンの作品を思いおこさせるメロディではありませんか。それにしてもリード・ボーカルのシド・ヘリングさんの声いいですね。ちょっとしゃがれていて、無骨な感じ。4曲目の「Good Time Tommorrow」もごきげんなナンバーです。5曲目の「Bad Water」はジャッキー・デシャノンの作品。彼女も1968年頃からけっこう土臭い音楽に接近しておりましたが、1971年の彼女のアルバム『Songs』に収録の作品です。この盤には「Down By The Riverside」なども入っておりますが、やはり最もスワンピーな1曲が選曲されておりますですな。

以上が特におすすめのナンバーですが、このほかの曲もまったくもって悪くないです。冒頭の「People All Around Me」は、マンドリンも入ってくるアクースティックな雰囲気で、ヘリングさんの濃い歌声やオルガンのフレーズにスワンプ色が強く感じられるわけですが、こいつもなかなかグッドなメロディですよ。2曲目「Four Walls」と7曲目「Back Porch of my Mind」は、マイナーキィのロック・ナンバーでアルバムの中でよいアクセントになっております。ヘリングさんの声、こういう曲にもばっちりはまります。

解説に書かれているように不可解なのは、ラストに収録された「On The Run」です。この曲だけ曲を書いたビル・ホッジスが歌っているそうなのですが、全くもって60年代ビート・グループ風の演奏で、アルバムの中で1曲だけ完全に浮き上がっています。2本のギターがサイケな雰囲気を醸しボトムを強調したアレンジは悪くないのですが、ホッジスさんの声も曲調もポップ調、アルバムの途中に配置するのも難しくてラストにもってきたような感じかもしれませんが、そうすると、このアルバムは全8曲で9曲目はオマケとして楽しんだ方がよいのかもしれませんね。彼らの前身で1960年代中盤に活躍した、ザ・ガンツというグループ、わたしは全く聴いたことがないのですが、解説によると、この曲はそのガンツを彷彿とさせるようなサウンドらしいです。

それにしても、こういうアルバムが解説付CDで楽しめるようになったとは、よい時代になったものです。

Kim Carnes / Rest On Me

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キム・カーンズと言えば、「ベティ・デイヴィスの瞳」の大ヒット。ハスキーな声で女ロッド・スチュアートと呼ばれ、1970年代後半から80年代前半にかけてメインストリームで活躍した女性シンガーです。人気にかげりがではじめた1985年作にライ・クーダーがゲスト参加。わたくしはルーツ指向の1987年作『View From The House』がとっても気に入っております。彼女のアルバムは以上二枚と、1971年リリースのこのデビュー作しか持っていないのですが、これが隠れたスワンプ名盤なんですよね。レーベルはエイモス。わたくし、エイモス・レコードの作品というと、ほかにはイーグルス結成前にグレン・フライとJ.D.サウザーが組んでいたロングブランチ=ペニー・ウィッスルと、やはりドン・ヘンリーが参加していたシャイローのレコードしか知らないんですよね。そもそも、このレコード会社、ジミー・ボウエンのインディペンデント・レーベルだった模様で、このアルバムもボウエンさんがプロデュースしております。この方、シナトラ、サミー・デイヴィスJr.、ディーン・マーティン、ロイ・オービソンといった大スターと関係の深い人で、この頃には泥臭い南部音楽にも理解を示し、ディレイニー&ボニーも少し出演している映画ヴァニシング・ポイントのサントラにも参画。キム・カーンズの「Sing Out For Jesus」をエンドタイトルの時に流れる挿入歌に送り込んだりしています。

上にスワンプ名盤と書きましたが、スワンプ寄りのボッブス名盤と言い直した方がよいかもしれません。そういう意味ではリタ・クーリッジの初期アルバムに通じるところがあります。冒頭の「It Takes Time」はちょこっとマイク・ディージーの独特なギターが聴こえる、わりあい可愛らしい作品です。2曲目の「Sweet Love Song To My Soul」は、ダニエル・ムーアの作品。彼のファーストにも収録された決定的名バラードです。ゴスペル・タッチのコーラスがいいですね。歌詞も神への愛を歌いあげたもの。3曲目「Everything Has Got To Be Free」でぐっとは、ホーンも入って迫力満点のスワンプ・ナンバー。彼女の声にはこういう曲はよく似合っていると思うんですけど、A面ではこういうタイプの曲はこれだけですね。4曲目はボビー・フリーマンの「Do You Wanna Dance」。これが原曲とは全く違うお洒落な曲になっていて意表をつかれます。最初さらっと聴いた時は全く気づきませんで、二回目も、あれ? サビで、「Do You Do You Do You Do You Do You Wanna Dance」っい言うとるぞ、ってな感じでびっくりしてしまったわけです。こういうセンスもなかなかのもんだと思うのですけどね。間奏のリード・ギターかっこいいですが、このボリューム奏法、マイク・ディージー大活躍でございます。5曲目で本人の作品がはじめて登場。美しいピアノ・バラードで、自分は気に入っておりますです。A面ラストは、ジェリー・ゴフィンとキャロル・キングという黄金コンビによる「To Love」。キャロル本人のファースト『Writer』にも収録されていますが、どこかのガール・グループに提供したんじゃないかと思えるポップな作品です。おそらくジェームス・バートンが弾いているであろうドブロが大活躍するカントリー・ロック的なアレンジに仕上げています。ん、待てよ。けっこうオルガンも入ってるしドブロじゃなくてエレキ・スライドなら完璧スワンプ・ロックだよなぁなんて思うのですが。

B面1曲目はビージーズの『小さな恋のメロディ』に収められていた「To Love Somebody」。この曲も名曲なので多くの人にカバーされておりますなぁ。キムの歌をおっかける、ちょっと歪んだエレキ・ギターがいいですなぁ。これ弾いているのはカールトンでしょうか。それにホーンも入ってドラマチックな原曲のイメージをさらに高めているよいアレンジだと思います。2曲目「Fell In Love With A Poet」は、このアルバム2曲目のキムのオリジナル。こちらも静かで美しいバラード。出だしはエレピではじまり、中盤からバンドが入って盛り上がってきます。オブリガードのエレキは紛うことなくマイク・ディージーさんでございます。アコギはカールトンさんが弾いているまでしょう。3曲目は「One More River To Cross」は再びダニエル・ムーアの作品。やはり彼のファーストにも収録されております。こちらはスピード・ナンバー。この曲もギターがえらくかっこいいです。ディージーかカールトンが悩ましいところですが、こっちはカールトンかなぁ。もちろん後半はゴスペルチックなコーラス隊も入って盛り上がります。4曲目は再びピアノ・バラード。ベイカー・ナイトという方の作品ですが、これもいい曲ですね。ストリングスも入って、スケールが大きい感じの作品です。アルバムのラストを飾るのは、やはりスワンパーとして名を馳せたマイケル・マッギニスの「Rest On Me」。こちらもピアノ・バラードで落ち着いた演奏。ゴスペルタッチのピアノ・サウンドいいですね。アルバム全体のアレンジを担当したラリー・ミューホバーグさんが弾いているのでしょう。やはりアレンジャーがピアニストだと、ピアノをフューチャーした曲が増えるんでしょうね。オルガンもラリーさんが弾いているようです。

ベースにはレニー・プレスとビル・ペリーとあまり知らない人が入ってますが、ドラムはエド・グリーンです。ギターは上記のようにマイク・ディージー、ラリー・カールトン、ジェームス・バートンと当時ノトップ・ギタリストが顔を揃えております。ロングブランチ=ペニー・ウィッスルの方にも著名なロスのスタジオ・ミュージシャンが大挙して参加しておりますが、ジミー・ボウエンさんの人脈によるところが大きいんだろうなぁと思います。ただ、エイモス・レコード自体がインディーズでプロモーション能力に欠けたんでしょうね。どれもなかなかの力作なのにヒットとは無縁。キム・カーンズも1975年にA&Mから再デビューするまでしばらくブランクが空いてしまいます。余談になりますが、彼女の1987年作『View From The House』もこのアルバムと同じジミー・ボウエンさんのプロデュースです。

Van Dyke Parks / Arrangement volume1

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ヴァン・ダイク・パークスは大好きなミュージシャンですが、このブログでは一度だけ、『Discover America』を取り上げただけですね。前回書いたボビー・チャールズ同様、彼は日本での評価が特に高いアーティストだと思います。細野晴臣さんが60歳を迎えた2007年の7月にも来日されて、細野さんとの共演がDVDに収録されていますし、昨年も来日して細野さんの今年リリースされた新作に参加しています。そういえば数年前のクラウス・フォアマンさんの70歳記念アルバムでも活躍しておりましたし、2008年リリースのロウェル・ジョージの愛娘イナラのアルバムでもアレンジを担当して大々的にフューチャーされておりました。でも、本人の作品としてはサントラ盤を除くと、1998年のライブ盤『Moonlighting』以来まったくリリースされていなかったんですね。もともと寡作な人、というか主役でなく裏方ミュージシャンではありますが、そんなに前だったとは。いやはや、時が過ぎるのは早いものです。

で、先日リリースされた久々のフルCDがこれ(LPもリリースされます)。全く新作ではなく、ずいぶん昔に発表したシングルなどと、1960年代末から70年代前半にかけて彼がアレンジを担当した楽曲からなるコンピレーションです。もともと持っていた音源もけっこうあるのですが、この時代の彼の仕事をまとめて聴くことができるという意味では貴重な作品ですね。まず冒頭は、彼の代表作『Songsycle』に収録されている「Donovan's Colours」のモノ・シングル・ミックスで幕開け。ヴァン・ダイクの自己紹介としては申し分ない選曲でしょう。2曲目に1966年にMGMレコードからリリースされたセカンド・シングル曲「Come To The Sunshine」が入っています。この曲、67年のハーパーズ・ビザールのファーストアルバムにもけっこうよく似た同じアレンジで収録されているわけですが、このレアな曲、わたくしはじめて耳にしました。初々しい本人の声で聴くのもなかなかおつなものです。3曲目の「The Eagle And Me」は1970年にリリースされた彼の4枚目のシングル曲。牧歌的なカントリー・テイストを交えつつもマッドなアレンジ。ころがるような不思議なピアノも楽しめます。バーバンク・サウンドの見本のような曲ですね。

続く「Friends And Lovers」と「Aligator Man」は、ボー・ブラメルズのサル・ヴァレンティノのソロ・シングル。どちらも先頃ライノ・ハンドメイドからリリースされ、ここでもとりあげたばかりの『Bradley's Barn』拡大版に収録されています。前者が1969年4月、後者が同年1月の録音でいずれもヴァン・ダイクらしいドリーミーなアレンジ。後者にはライ・クーダーも参加しています。6曲目はふたたびヴァン・ダイク本人に戻って、「Come To The Sunshine」のB面に収録されていたカントリーのスタンダード「Farther Along」です。ここでも高音のピアノ、マンドリンをフューチャーしポップなアレンジで迫っていますが、ストリングスもなく彼にしては比較的オーソドックスなアレンジと言えましょう。

7曲目に1970年にリリースされたアーロ・ガスリーの4枚目のアルバム『Washinton County』に収録されていた「Valley To Pray」です。ホーンとストリングスのアレンジがとっても心地よいのですが、アーロのアルバムの中では少々浮いた印象がありました。この流れの中では全く違和感なくおさまっていますね。続く8曲目には「Out On The Rolling Sea When Jesus Speak To Me」が入りました。「The Eagle And Me」のB面に収録されていた曲で、ライ・クーダーがよく取り上げるバハマのギタリスト、ジョセフ・スペンスの作品です。1994年にリリースされたジョセフ・スペンスへのトリビュート・アルバムに収録されたので、初めて耳にしたときには驚いたものです。なんと大胆なアレンジ。オーケストラとクラシカルなコーラス、ティンパニーやホーンを強調した演奏、それをバックに自由に奏でられるピアノ。ヴァン・ダイク本人は歌っていなくて、歌は合唱団に任せピアノ演奏に徹しているようです。ちょうどカリプソ期に移行する過渡期を象徴する作品ですね。

9曲目は俳優やコメディアンとしても著名なディーン・マーティンがディノ・マーティン名義で1972年にリプリーズから発売したシングル。この時期話題になっていたジミー・クリフの「Sitting Here In Limbo」。割合オーソドックスなアレンジですが、これも汎カリブ海的な演奏。たまたまなんでしょうけど、バハマ→ジャマイカ→トリニダードと彼の興味が南下して行くさまを示しているかのようです。続いては、1973年リリースのボニー・レイットのアルバム『Takin' My Time』から「Wha' She Go Do」。彼女のアルバムでは今だにこの盤が一番好きでよく聴いているので、この曲も耳によくなじんでいます。このころエッソ・トリニダード・スティール・バンドやマイティ・スパロウのアルバムをプロデュースし、『Discover America』を世に問うていたヴァン・ダイクらしいカリプソ作品に仕上がっています。どちらかというと『Discover America』の不思議チックなアレンジではなく、むしろ『Clang of the Yankee Reaper』に近いすっきりしたサウンドです。

11曲目はちょっと時代があがって1967年にワーナーがオータム・レコードを買収した折、所属アーティストのモジョ・メンが出したシングル「Sit Down, I Think I Love You」。12曲目は1970年のライ・クーダーのファーストのうち、ヴァン・ダイクがアレンジしたストリングスが3曲ある中から、もっとも個性がよく出ている「One Meat Ball」が選ばれています。13曲目は1979年のローウェル・ジョージのソロ作から「Cheek To Cheek」そして、次にリトル・フィートの1974年作からホーン・アレンジを担当した「Spanish Moon」が入っています。このあたりの曲は耳になじみの深いものばかりですが、並べて聴くとヴァン・ダイクの才能のほどがわかろうというものですね。

「Ice Capades」は、1969年のワーナーのサンプラー・アルバム『Raido Show』にも収録されていたテレビ・コマーシャル用の曲。当時最新のムーグ・シンセサイザーを駆使しながらも、ちょっと聴いただけでヴァン・ダイクとわかるサウンド。これをラストにもってくるとは、なかなか粋な構成です。

この作品集、vol.1と銘打たれているので、第二弾もきっと出るはず。ファースト・シングルの「No.9」やワーナーのサンプラー・アルバム『Songbook』収録のダットサンのCM曲、カーリー・サイモンの1976年作『Another Passenger』収録の「Darkness 'til Dawn」とか、ハーパーズ・ビザールやランディ・ニューマンあたりも入れてくれるんじゃないかと想像しております。ただ、「No.9」のB面に収められていた「Do What You Wanta」は、予告編的にダウンロード販売されていた4曲の中に入っておりました。さて、vol.2の方には入れてくれるんでしょうか。この曲も今回はじめて耳にしましたが、2分足らずの短い曲ですが、なかなかポップで素敵なナンバーでした。

そうそう、この盤とは別に、今年新録のアナログ・シングルが6枚出るとのこと。今のところ3枚リリースされているようですが、これについては、全部出そろってからレビューすることにしようと思っております。

Bobby Charles / Bobby Charles (box set)

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続いてもライノ・ハンドメイドからリリースされた作品です。こちらも日本盤が出るのなら…と、発売後しばらく様子を見ておりました。ワーナー・ミュージック・ダイレクトにメールで問い合わせたところ、「お問合せをいただきました商品につきましては、 日本国内での販売権が弊社になく、お取り扱いができません。 誠に恐れ入りますがご了承のほどお願い申し上げます。」との返信が来たのでこちらも直接本国のライノ・ハンドメイドにオーダーしました。少し前のバラカンさんのラジオ番組では、「日本人には3枚目のインタビューは必要ないし、1枚目もほとんど既発の内容なので、2枚目だけ日本盤を出すかも」 というような発言がありました。

驚いたことに、本国アメリカでは名盤『Bobby Charles』はこれまで一度も再発されたことがなかったんですね。日本ではウッドストック・サウンドのマストアイテムのように扱われ、1970年代後半にすでにワーナーの名盤復活シリーズで日本盤が出ております。もちろんCDでも何度か再発されているし、これだけたくさんのCDが再発される時代ですから、当然本国でも出てるものだとばかり思っていました。あれだけジェフ・マルダーやポール・バタフィールドたちがカバーして、比較的新しいアルバムにはウィリー・ネルソン、ニール・ヤング、ドクター・ジョンはじめロックの偉人達が大挙して参加しているのに、本国での扱いはその程度だったのか。向こうでも熱心なリスナーは日本盤CDを逆輸入して聴いていたんだろうなぁ。当然、日本の方が彼のファンは多いだろうし、このセットも日本からのオーダーがとっても多いんじゃないかと思います。

なんといってもこのセットの聴きものは2枚目でしょう。収録された全17曲のうち、5曲目から17曲目の13曲は、ベアズヴィルからの第二弾アルバムに収録する予定で、ポール・ロスチャルドをプロデューサーに迎えて1974年11・12月に録音されながらも、今まで全く日の目を見ることのなかったものなのです。ここに収録された曲は、後にボビーが録音して発表したものもいくつか含まれていますが、ウッドストック産のオリジナルようやく聴くことができるです。これは冷静にはなれないでしょう。すでに10回くらい聴いておりますが、『Bobby Charles』同様に噛めば噛むほど味が出るスルメ・アルバム。いまじわじわと良さがしみ込んできているところです。ワルツの「Ain't That Lucky」は、ゴスペル・タッチのピアノにエレピがからむ三拍子のナンバー。間奏のブルース・ハープは間違えなくポール・バターフィールドでしょう。続く「Better Days」は少々ファンキーでノリがよくなりますが、ボビーらしいほのぼのとした味わいが最高です。こちらでもバターフィールドのハープが活躍。ピアノとオルガンもいい感じ、ちょっと地味ですがエレキ・ギターも入っています。

この中で一番気に入っているのが、次の「You Came Along」です。ほのぼのとしたバラードですが、歌詞が前向きです。「君に出会えたことを神に感謝する。ぼくは昨日までの自分とは違う。泣き方なんて忘れちゃった。ぼくにできることは微笑むことだけだ。君が来てくれたおかげだよ。」といった内容。単純なんだけどピアノのフレーズがとっても素敵です。この曲にはハープは入ってなくて、キーボードはピアノとエレピの二台のよう。素晴らしいボビー節を聴くことができます。なお、この曲はジョー・コッカーに提供した作品です。続いてはサニー・ランドレスのギターが印象的だった「Jealous Kind」のオリジナル。こちらではやはりバターフィールドのハープが大活躍。この曲には生ピは入らず、エレピとオルガンが伴奏。それにしても素晴らしいアンサンブルです。

「Whatever Happened」も実にボビーらしいメロディを持つ素朴であったかい曲。この曲ではギターのオブリが少し存在感を増しています。「Livin' In The World」もワン&オンリーのボビー節。演奏が少しばかりロッキンになりますが、ザ・バンドを思わせるツボを得たプレイなのです。なんとなくホウカム調でけだるく楽しい「Nickles Dimes Dollars」のピアノは少しばかりニューオリンズ・タッチ。リチャード・マニュエルのような気がするのですがどうでしょう。オルガンの方がドクター・ジョンかも知れません。ファンキーなナンバーで一番印象的なのは「Why Are People Like That」でしょうか。じわじわとはじまって後半ぐんぐんと盛り上がってきます。珍しくギターもソロをとっていて、エレピとオルガンのからみもめちゃめちゃかっこいいですよ。この曲、1975年2月のマディ・ウォーターズによる「Woodstock Album」に収録されています。

味わい深くブルージーな「Please Please」も単純なメロディの繰り返しのナンバーなんだけど、聴けば聴くほど発見がある演奏。ベースが特にいい味を出してます。キーボードはピアノとエレピで使われています。ゴスペルタッチの生ピで始まる「Little Town Tramp」も落ち着いたバラード。一瞬オルガンがガース・ハドソンじゃないかと思ったんですけどどうでしょう。「Keep Cookin' Mama」はもっともスピード感あふれるファンキー・チューン。歌詞にも何やらワイセツな匂いがして、バターフィールドのハープもなんとなくセクシーな雰囲気があります。こちらも「Why Are People Like That」同様、めちゃかっこいい演奏です。こちらはジェームス・コットンに提供されています。

16曲目の「What Are We Doing」もボビーらしいワルツ。田舎道が似合いそうなほんわかした曲。後にジェリー・ジェフ・ウォーカーに提供した作品です。1974年ボブ・ニューワースのデビュー作に収録されていたラストの「Cowboys And Indians」はペダル・スティールのベン・キースとの共作曲。なんとなく「It All Comes Back」のメロディにも通じるサビメロ。バタバタした感じのドラムとオルガンが曲を盛り上げていきます。やっぱりかっこいいですねぇ。

以上13曲のバックは基本的に同じメンバーだと思うのですが、一切クレジットはついていません。ドラムは前作と同じN.D.スマートII世が多くの曲を叩いているように思います。もしかしたらリヴォンとかクリス・パーカーも参加しているかもしれません。ベースはやはりジム・コルグローヴとリック・ダンコでしょうか。あとビル・リッチも候補に入るかな。ギターはエイモスもロビーも参加していないようで、フレッド・カーターあたりが候補でしょう。キーボードの一人はドクター・ジョン。もう一人はリチャードかジョン・サイモン、あるいはガース・ハドソンといった布陣じゃないかと思うのですが。どこかでメンバーの当てっこやってないかなぁ? ブルース・ハープは音色からもフレーズからもポール・バターフィールドで間違えないところでしょう。

以上の曲で、後のアルバムにアレンジを変えて収められたものを列挙すると、「Jealous Kind」が1994年の『Wish You Were Here Right Now』、「Why Are People Like That」が1998年の『Secrets』、「Nickles Dimes Dollars」が2010年のラストアルバム『Timeless』、「Cowboys And Indians」は1987年の『Clean Water』と2008年の『Homemade Songs』といった具合です。昔の曲もずっと大切にしてきたんですねぇ。

この2枚目冒頭の4曲は1972年の『Bobby Charles』セッションのアウトテイクです。これらもかなり興味深いものばかり。まずは、なんといってもポール・バターフィールズ・ベター・デイズのバージョンが著名な「Done A Lot Of Wrong Things」の作者バージョンの初お目見えでしょう。こちらではベン・キースのペダル・スティールをフューチャーし、ベター・デイズとは結構雰囲気の違う演奏ですが、作者ならではの味わいありますね。ドンカマとエレピ、アコギをバックにした「New Mexco」のデモもよいです。ボビーとリック・ダンコがいっしょに歌っているのは1枚目収録のものと同じですが、伴奏がよりシンプル。どちらも甲乙つけがたいですね。あとやはりベン・キースのペダル・スティールが心地よい「Homemade Songs」のロング・バージョンもありますが、テープの保存状態が悪くところどころ雑音が入るのが残念です。

先に2枚目を紹介しましたが、1枚目は10曲目まで『Bobby Charles』を収録。11曲目に「Small Town Talk」のホーンが入ったシングル・バージョンを収録。12曲目から18曲目はアルバム・アウトテイクです。そのうち14曲目「New Mexico」、15曲目「Homemade Songs」、16曲目「Rosie」はずっと前に買ったベアズヴィル・ボックスに収録されていたものの再録です。あとの4曲は今回初お目見え。12曲目は「Save Me Jesus」のモノ・シングル・バージョン。本編のものと比べると音の質感が違いますね。エイモスのギター・フレーズとかはほぼ同じように感じます。13曲目は「He's Got All The Whisky」のロング・バージョンです。 17曲目は初お目見えの「Don't Be Surprise」。ボビーらしいバラードでギターがけっこう効いていますが、リードはエイモスではありません。少々ロビーっぽいようにも感じられます。曲はブルージーですが、なんとなくのどかな感じもします。ラストに収録された「You Were There」はアコギ一本の伴奏ではじまり、抑制の効いたドラム、ベースとともにペダル・スティールが活躍します。もちろんベン・キースのプレイでしょう。どこかで聴いたことがあるように感じる懐かしいイメージのメロディですが、今回はじめて日の目を見た未発表曲です。

とにかく、ライノ・ハンドメイドによる快挙ともいえる仕事です。1972年から74年にかけての、彼が最も充実していた時期の音源がほぼ全部聴けるようになったのですから。しかし、これでベアズヴィル時代の録音すべてが明らかになったわけではない模様。1977年にもアルバム・リリースを目指してレコーディングが行われたようですが、今回その部分は全く日の目をみませんでした。いずれ、このあたりの音が明らかになる日が来るかもしれません。とにかく今は40年近いの月日を経て十数曲もの埋もれていたボビーの録音がわれわれの耳に届いたこと。それだけで感無量です。

ときめきボンバーズ&ブレイク王's Live at 門司港ハーバーデッキ in 関門まちかどジャズ

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10月22・23日は、門司港で第一回「関門まちかどジャズ」という無料イベントが開催されました。22日はあいにくの雨模様。翌23日は天気も持ち直し、快晴とまではいきませんでしたが、ちょうどいい感じの曇り空の下、楽しい秋の一日となりました。この記念すべき第一回のイベントに、ときめきボンバーズ&ブレイク王'sで参加させていただきました。会場は国の重要文化財に指定されている門司港駅前と、観光船の船着き場である門司港ホテル横のハーバーデッキの二カ所に分かれて開催。われわれはハーバーデッキ側で15時からのステージ。こちらの会場では最後の出演です。この日は、ナッシュ皐月&The Hill's Ramblersのバンドメイト、スマイリー植田さんが加入しての初ステージとなりました。

今年は町内会の世話役当番で、午前中はその仕事、昼から出かけて13時30分頃会場に到着しました。やはりこういう天気だと心配なのは楽器です。この日はアンプも2台持ち込み、ヴィンテージの楽器もあったので、演奏中に雨に濡れそうであれば、ワイゼンボーンとラップ・スティールはスペアの楽器にしようと考えておりました。しかし、この日朝方は少し雨が残ったものの、午後にはほとんど雨の心配もなくなり、ほんの少しは晴れ間ものぞくようになりました。もっとも気候がいい時期の秋の休日とあって、観光地門司港はたくさんの人出です。

われわれが会場に到着したときは、ちょうどこの日2番目のグループが演奏を終えた直後だったようで、次のバンドのセッティングがはじまっていました。ステージ前には40脚ほど椅子がならべられておりましたが、お客さんは誰もいません。もっとも、ドラムセットを含め機材は完全持ち込みなので、30分セッティング、30分演奏というスケジュールなので、ずっと聴いてるお客さんもこの時間は土産物とかを見ているのかもしれません。ステージ上には雨よけの屋根が透明なテントも設けられているし雨の心配はなさそうです。14時になって江崎しおりカルテットの演奏が始まる頃には客席もほぼ満杯、歩道とデッキの段差にもたくさんのお客さんが腰掛けて演奏を見守っています。彼女達は北九州市立大学のジャズ研のメンバーで、サックスの江崎しおりさんを中心に、ピアノ、エレキ・ベース、ドラムスという編成。インストでジャズのスタンダードを次々に演奏します。エレキ・ベースは女性、ピアノとドラムスは男性です。学生さんらしい初々しさもありますが、なかなかに上手いです。ピアノとドラムは結構場慣れしている感じがしました。

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彼らの演奏が終了したのが14時30分頃、彼らのセットのバラシを待って自分たちの機材をセットします。雨の心配がまずなくなったので、ステージ上のテントははずしてもらうことにしました。これでさらにロケーション向上。この日は楽器が6本。チューニングをしているうちにあっという間に演奏時間が近づいてきます。各自の音だしもそこそこに定刻をほんの少し過ぎて、われわれの演奏がはじまりました。この日の一曲目は「Billy-A-Dick」、2曲目は「Under My Wings」と、ときめきメンバーのハモリ中心の曲です。この二曲で自分はベースを担当。スマイリーさんには得意のペダル・スティールを弾いていただきましたが、特に「Under My Wings」では美しいフレーズをたくさん決めていただきました。ソウル・ナンバーにペダル・スティールという取り合わせもなかなか乙なもんだと思いますよ。三曲目「Midnight Train」からあとは、スマイリーさんがフレットレス・ベースを担当。この曲では間奏のソロをバッチリ決めてくれました。自分はこのユニットではじめてマンドリンを演奏。GibsonF-4コピー、Eastman514のデビューステージとなりました。この曲ではよっしーがリード・ボーカルを担当。じわじわと盛り上がっていく感じがいいですね。次はわたしがワイゼンボーンに持ち替えて「Water Is Wide」。間奏ではソロも弾かせてもらいました。こちらはみっちょんのリード・ボーカルです。次にアカペラ輪唱ソング「One More Round」をはさみ、「Walk Like An Egyptian」。こちらもはじめてのベース入り。今まで自分がゴダンのグリッセンターでベースのパートを弾いていたのですが、今回はカッティング中心。サビメロのユニゾンで少し存在感を出します。ときめき3人の振り付けもなかなか板についてきたようです。続いてはマルコのリードで「The Bells」。前回、栄町商店街のときは演奏しなかったのですが、個人的にはこの曲大好きです。そして、わたしがリッケンバッカーのエレクトリック・ラップスティールに持ち替え「Woo Woo」と「Lovely Day」でしめ。この2曲もベースが入ってしまった演奏になりました。「Woo Woo」ではヨネさんのレゲエ・タッチのカッティングも決まっておりました。「Lovely Day」では最前列でずっとニコニコしてご覧になっていた梅宮辰夫似のおじさまが、ついに踊り出し、ステージまで来てトキメキの3人いっしょに踊っていたのには驚きました。その後まさかのアンコールをいただきまして、今回メンバーでのレパートリーがこれだけしかありませんので、再度「Walk Like An Egyptian」に挑戦。さきほどは少々遅かったのですが、今度は少しばかり速すぎたみたいでした。おかしくなかったですかねぇ。

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ライブ終了後は、ジャズの町、門司港の拠点ともいうべき六曜館でイベント全体の打ち上げに参加させていただきました。手弁当にもかかわらずとってもいい音をつくってくださった音響担当フロム・ワンの社長さんとも少しお話をさせていただいたし、熊本から来られたプロ・ヴォーカリストの田上智美さんのシークレット・ミニミニ・ライブもあってとっても楽しかったです。お天気が心配だったのですが、この日は絶好のライブ日よりとなり、おかげさまで充実した秋の一日を過ごすことができました。足をとめて聴いて下さったみなさん、応援にかけつけて下さった方々、本当にありがとうございました。写真は下関の素敵なバンド、Gold Clubのベーシスト、ランさんが撮影して下さいました。いい写真が多かったのでたくさんアップしました。20111023tkbb5
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The Beau Brummels / Bradley's Barn (Expanded)

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ライノ・ハンドメイドって、貴重な発掘音源をたくさんつけてアルバムを再発してくれるレーベルとして有名ですが、今まで不明だった参加ミュージシャンのクレジットを公開してくることもありますね。そのあたりも大変重宝しております。今回取り上げるのは7・8月に長くブログをお休みしている間に入手したこのアルバム、ボー・ブラメルズが1968年に発表し、彼らのラスト・アルバムとなった『Bradley's Barn』の拡大版です。まずは、昨年シングルで入手していたサル・ヴァレンチノのソロ作「Silkie」と「A Song For Rochelle」が収録されています。ライ・クーダーがなかなかよいギターを弾いておりますが、昨年にレビューしておりますので、ここでは割愛です。それから、ワーナーのサンプラー・アルバム『Song Book』にも収録されていた、やはりサル・ヴァレンチノのソロ作「Alligator Man」も収録されています。こちらも2005年9月の記事で、アクースティック・ボトルネック・ギターがライ・クーダーではないかと推測しておりましたが予想どおりでした。プロデュースがレニー・ワロンカーとヴァン・ダイクというとこまではわかっていましたが、ギターはライ・クーダーとロン・エリオット、ドン・ベックがマンドリン、カービィ・ジョンスンとヴァン・ダイクがキーボード、マイク・ボッツがドラム、トミー・モーガンがハーモニカ、このほかにもサックス、ハープなどなどの面々で録音された典型的バーバンク・サウンドのドリーミーな作品になっております。こういう貴重な音源がCD化されるというのはなかなか意義深いことだと思いますよ。

ボー・ブラメルズについては、かなり前に『Magic Hollow』なる4枚組が同じライノ・ハンドメイドから出ていまして、未発表曲も満載だし彼らのキャリアの全貌がわかる上に、アルバム・アウトテイクもたくさんついていて、バーバンク・サウンドをこよなく愛する自分のような輩にとってはとっても嬉しい内容でした。したがって今回の2枚組とは少々ダブる曲もあるのです。でも『Bradley's Barn』はもともとロサンゼルスのスタジオで録音さされていたのが、バーズの『Sweetheart Of Rodeo』あたりに触発され、ナッシュビル録音を敢行。現在のような形になったので、もともとロサンゼルスで録られていたアウトテイクなどがまだ残されており、上記のようなサル・ヴァレンチノのソロ作まで含めて、今回のコンピレーションが世に出ることになりました。バーバンク・ミュージックのファンとしては嬉しい限りです。

このアルバムについて、かつてどなたかが「70年代のロック・アルバムのサウンドを先取りしたしたかのような音」みたいな表現を雑誌上に書かれていたことがあると思いますが、まさにそのとおり。70年代前半を席巻したカントリー・ロック調のサウンドがかなり洗練された形で収録されており、その意味ではヴァン・ダイク色がとっても強かった前作『Triangle』とは大きな方向転換です。このアルバム、学生時代にエドセルからの再発LPを入手し愛聴していましたが、こういう形での復活は大歓迎です。聴いていると、ナッシュビルの連中の骨太ながら、センスのいい演奏にささえられ、ヴァレンチノもエリオットも存分に力を発揮しているように思うのです。でも時代を先取りしすぎていたのかなぁ。商業的にはこれも失敗作に終わりました。クレジットをながめていると、オリジナル・アルバムでも最後に収録されたランディ・ニューマンの「Bless You California」だけは、ロサンゼルス録音だったことがわかります。もっともフロントの二人以外のサポート・ミュージシャンの名前はunknownで残念ですが…。エレキ・ギターがロン・エリオットでピアノはランディっぽいんだけど、バンジョーとか誰が弾いているのかなぁ? 1枚目ではハーパーズ・ビザールに提供した「I Love You Mama」のブラメルズ・バージョンが聴けるのも嬉しいです。こちらでのエリオットのギターも秀逸です。もう一曲、今回はじめて日の目をみた「Just A Little Bit Of Lovin'」と「Black Crow」のデモも簡潔なアレンジながら、なかなかの完成度を示しています。

2枚目の方は全曲レアトラック集。冒頭の「Deep Water」の別バージョンはすでに『Magic Hollow』で公開されていたものですが、ロサンゼルス録音、ジム・ゴードンがドラムを叩くタイトな演奏です。今回日の目を見た中で耳をひくのはディランの「I' ll Be Your Baby Tonight」と同時期にザ・バンドもとりあげた「Long Black Veil」が入っていること。前者はブラメルズの二人にジム・ゴードンのドラム、レッド・カレンダーのウッド・ベースだけの簡潔な演奏ですが実に味わいがあります。後者はアコギ2本によるフォーク調のアレンジでザ・バンドのものよりずいぶんおだやかな印象を受けます。8曲目収録されているライオネル・リーヴス&ステラ・パーカー名義の「42nd Street」もとってもいい感じの曲。女性ボーカルも入った懐かしいフォークの香りがしますが、ドラムスがハル・ブレインにランディ・ニューマンのピアノも入って、サウンド的には当時の最先端のものなのです。

12曲目から18曲目までは、ブラメルズ解散後のヴァレンチノの試行錯誤を記録したもの。「A Little At Time」と「Home of The Blues」はジョニー・キャッシュのナンバーですが、ヴァレンチノは自己のハイトーンを生かして料理しています。後者は特に胸に沁みますねぇ。「Down In The Flood」も言わずと知れたディランのナンバーで多くの人にカバーされていますが、もちろんこの時期には未発表。『Basement Tapes』が関係者のみに配られたアセテート盤の段階のものを彼も入手しカバーを試みているわけですが、よくあるブルース・ロック調でなく、ランディ・ニューマンとエレピとロン・エリオットのエレキを軸に少しばかりフシギチックなブルーズに仕上がっています。というわけで、ちょっと地味ですが個人的には評価したいライノ・ハンドメイドの今年の仕事の一つを紹介しました。

この盤、ワーナー・ミュージック・ダイレクトから解説の日本語対訳つきのが出ておりますが、日本盤は出ないだろうとたかをくくり高い送料を負担して先に外盤を入手してしまいました。日本発売待てばよかった…と思ったのですが後の祭りです。限定版なのでなくなったら買えなくなるし、安くて対訳のついた日本盤が後で出たら悔しいし、こういうセットを買う時はなかなか悩ましいですね。

復興チャリティ Love For All at 下関ドリームシップ

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去る10月10日体育の日は、下関市の生涯学習プラザ、ドリームシップで『復興チャリティ LOVE FOR ALL』に金さん銀さん&すけったーずで出演してまいりました。東日本大震災で被災された不幸にも両親を亡くしてしまった遺児たちへの支援をしている「あしなが育英会」へのチャリティが主体のイベントです。テーマは「癒し」と「音楽」で、昨年新築されたばかりの真新しい施設の二階を会場に、午前11時から夜8時半頃まで行われました。「癒し」の方は、アロマテラピー、ネイルサロン、心の癒しセラピー、占いなどなど、女性の方々が喜びそうなメニューがたくさん。多くの人々ににぎわっておりました。音楽の出演は13組。われわれは夕方17時45分から約30分の演奏でした。この施設。なんとホールが三つもありまして、一番小さい「風のホール」が会場なんですけど、キャパは200くらい、客席もちゃんとひな壇状になっています。金さん銀さん&すけったーずにとっては初の「ホール・ライブ」です。

レパートリーは先日の9月23日、北九州市のミュージック・フェスタに出たときと全く同じです。その間二週間と少し、メンバーの都合が合わず一回も練習なし、当日リハもなくぶっつけ本番状態で少々不安でしたが、みんな大きなミスもなく、いつものノリでライブをこなすことができました。楽器は前回と少し変えたので報告です。1・2曲目「Soul Daddy」と「うわさのマリー」はAチューニングにしたリッケンバッカーB6。前回から使いはじめておりますが、こいはなかなかいいです。3・4曲目、「I Saw Her Standing There」と「Twist & Shout」は今回はエコーの700-4Vを使いました。チューニングはレギュラー。わりあいいい感じで「Twist & Shout」の方ではコーラスとも相性がよかったので、しばらくこれを使ってみようかなぁと思っております。「Lala Means I Love You」はこのところ毎度使っているジェリー・ジョーンズのエレクトリック・ベイビー・シタールです。続いての「恋の爆弾」ではテスコのTRG-1を使いました。この型番は日本での呼び方ですが、シルバートーン・ブランドの輸出品なのでTRE-100と呼ぶべきなんでしょう。この楽器はボトルネックで弾くつもりだったのですが、なんとスペアも含めて家に忘れてきてしまいました。急遽膝にのせてラップタイプにしてバーを使って演奏したのですが、いかんせん弦高が低いのと弦が細いので、のばすべきところで音が切れちゃったりしました。続いての「あなたに負けたの」、「Proud Mary」はいつものメローバー・スタンドアップ・スティール、Dチューニング。「Get Ready」、ラストの「Mercury Blues」はOAHUのラップスティール、F#チューニングでした。この日は金さんのMCもけっこう受けていたようです。海峡をはさんだだけですが、やっぱり故郷でのステージはリラックスできるでしょうか。ステージは下関と北九州を中心とした音楽仲間のみなさんが盛り上げてくださったおかげで、楽しく演奏できました。ありがとうございました。

われわれの前にはエンジェリック・シャウトとシルエットが出演。楽屋の空き時間の関係で荷物番をしなければいけなかったので、エンジェリック・シャウトさんは今回あまり見ることができませんでした。残念。次回を期待したいです。シルエットさんの演奏を聴くのも久々。あいかわらずカチッと決まった演奏でした。そういえば大聖くんのドラムを聴くのも久々だなぁ。しかし、彼らの演奏も中程でひきあげ、自分の準備にかかりました。自分たちの演奏が終了した後は、地元下関のバンドが続いて登場です。まずはベンチャーズ・カバー系バンド、ザ・バックフォー。メンバーの中に重機のオペレーターの方がいらっしゃるのでしょうか。ベンチャーズ・バンドなのでモズライトを弾いている方がいらっしゃるかと思いきや、ギターはお二人ともフェンダーでした。リード・ギターの方はその風貌からしても、70年代ロックやファンクが好きなんだろうなぁと思いながら演奏を拝見しておりました。そして、19時15分頃からBrick Wall Under The Blue Sky Band(略してBBB)の登場。とにかくパワフルでエネルギッシュ。4ピースながら大迫力の演奏だし、メンバーみんなが高度なテクをもっていてとっても気持ちいい演奏です。英語の曲が多いのですが、どうやらみんなオリジナルみたい。曲もみんなかっこいいです。特にファンキーな曲では他の追随を許さないものがありますね。

この日は真新しい会場で、とても楽しく過ごさせてもらいましたが、たくさんお客さんが来られていたのでイベント自体も成功だったことと思います。スタッフのみなさんお疲れさまでした。上写真はテルアキ氏が撮影したBBB。下の写真はこの日の機材です。20111010guitars

コージー大内 & 菊田俊介 Live at Mr.Lefty's in Kokura

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報告がずいぶん遅れましたが、10月8日は小倉北区紺屋町のMr.Lefty'sで翌日の紫川ブルース・フェスティバルの前夜祭が開催されました。このお店、近くにあったLefty's Barが改装移転したもので、店内もずいぶん広くなり本格的なステージもついております。今年も日田弁ブルースの雄、コージー大内さんがフェスティバルに出演するのですが、その日はスタンリー・スミスのライブと重なったため、前日の前夜祭を見に行きました。開演時間の15分前ほどに到着したら、会場の客席はかなり埋まっておりましたが、ステージの真ん前がぽっこりと1席だけ空いており、そこへご案内していただきました。すでにステージ上にはコージーさんがいらっしゃってて、チューニングなどをしておられます。

定刻になったら、紫川ブルース・フェスティバル実行委員に方がごあいさつ。続いて早速コージーさんの登場です。例によってライトニン・ホプキンスの曲を2曲演奏。歌にもギター・テクにもますます磨きがかかってきたように感じます。3曲目に「Mo' Penzie」。やはり今回も日田弁の曲は、このせつない恋のブルーズで幕開けとなりましたか。それから「パンチDEデート」、「パパとナバブギ」、「角打ブルース」、「オヤジ・ブキ」と彼のファースト・アルバム「角打ブルース」収録曲を次々と披露。途中にミシシッピ・ジョンのカバーも織り込んでいましたっけ。それにしても、「オヤジ・ブキ」は何度聴いても笑いをこらえきれません。一昨年、この近所のライブスポット「竹松洞」でやったときには、この曲の主人公のお父さん、まだ日田に住んでおられたのですが、今はコージーさん一家と一緒に東京で暮らしておられるそうで、往年のギャンブル狂の元気はさすがになくて、たまのパチンコを楽しみにしているなんてMCで語っておられました。さて、ここでスペシャルゲストの登場。年明けにも発売というニューアルバムに参加した、飯塚市在住のハーピスト、森部良さんの登場です。森部さん、ホリホリさんと一緒に演奏しているのを何度かLive Bar Andyで拝見しているし(2005年8月の記事に写真あり)、ちょっとセッションをさせていただいたこともあるのですが、いいハープを吹きますですねぇ。今日はひさびさに演奏を拝見しました。ゲスト参加したのは、すでにコージーさんの演奏で聴いたことのある「しぇんしぇ〜」と「オンボロ・トレイン」の2曲。ということはこの2曲はニューアルバムに収録されるということですな。トレイン・ソングの後者にやっぱりハープは欠かせませんなぁ。このあとニュー・アルバム収録予定の曲を何曲か演奏。ラストは名曲「大鶴村のサイレン」で終了となりました。もちろんアンコールの拍手が鳴り止みません。コージーさん、「やっぱり最後は自分はお笑いですね。」なんていいながら、やはり新曲の「えすい夢」を披露してくれました。「えすい」というのは日田弁で「怖い」という意味です。どういう内容かはネタバレになりますので、ここには書きませんが、新しいアルバムを楽しみにして下さい。

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ここまで約1時間。15分ほどのインターミッションを経て、菊田俊介さんの登場です。彼の演奏はオーティス・クレイのバックで演奏していたのを拝見したことがありますが、メイン・アクトとしてのステージははじめての体験です。この日彼はテレキャスターをかかえ、ロケット副島さんやLeeちゃんといった福岡のミュージシャン達を従え得意のブルース・ギターをガッチリを決めてくれました。オリジナルを含め2曲ほどインストが続き、3曲目あたりで歌ものが登場。歌はギターほどではないにせよ、ブルージーな味のある厚みのある声ですね。中盤にロケット副島さんが「Every Day I have the Blues」を、Leeちゃんが「Hound Dog」をそれぞれ歌い、後半は菊田さんの定番曲の連発となります。エルモア・ジェイムスの「The Sky is Crying」、ジュニア・ウェルズ「Little By Little」、そしてフレディ・キングの、というかドン・ニックス作の「Going Down」とかなり熱く盛り上がります。菊田さんも目を閉じ陶酔した様子でギターを弾いておられました。アンコールはコージーさんを交えて超定番曲の「Sweet Home Chicago」でシメとなりました。菊田さんのバンドですが、かなりまとまりのある音でした。ツアーに回るそれぞれの地域で地元ミュージシャンとバンドを組んでおられるようですが、福岡バンドはかなりの水準だと感じました。ホムペを見ると、ベースは村上勝敏さんの予定が別の方に変わっていたけれど、それでもかなりの一体感あるサウンドでした。

終演後、少しだけコージーさんとお話しすることができました。ホント、ニューアルバムが楽しみです。

Stanley Smith Live at Modern Times in Fukuoka

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今年は東日本大震災とそれに伴う福島原発事故の影響で、前半期に来日ミュージシャンのキャンセルが相次ぎました。自分も4月に大阪まで見に行く予定だったリチャード・トンプソンの公演がなくなったのでがっかりしておりましたが、それだけでなく、このところの不況もあって、特に福岡ではビルボード・ライブの閉店もあって海外のミュージシャンの公演が激減しています。2011年はもしかしたら、25年ぶりくらいに「来日ミュージシャンを一度も見に行かなかった年」になるのかなぁ、なんて危惧していたんですが、先月だったか、ずーっと見たかったテキサス州オースティン在住のミュージシャン、スタンリー・スミスの公演が決まってうれしかったです。彼は2002年に来日していますが、その時は福岡公演はなくピーター・バラカンさんのラジオで知って大好きになり、彼のソロCD『In The Land of Dreams』を買って何度も聴いておりました。翌年は彼が所属していたアサイラム・ストリート・スパンカーズの初来日公演がありました。このときは福岡の住吉神社能楽堂でものすごく楽しいライブを見ましたが、スタンリーは病気で来日できませんでした。この時ワモがスタンリーの声真似で「Since I Met You Baby」を歌ったのをよくおぼえています。

スタンリーは病気が完治し一旦はスパンカーズに戻ったのですが、その後バンドを脱退し、今はソロ活動を続けているようです。10月9日、三連休の中日。今回の会場は福岡市の天神に近い今泉にあるモダン・タイムスというおしゃれなバーです。今泉には国体道路沿いに昔よく通ったレコ屋があり、安い駐車場をもとめてよくうろうろしていましたが、天神の直近にあるのにいまだに区画整理がなされず、とっても道が細かったりするのですが、しばらく来ないうちにお洒落な店がたくさん増えていて驚きました。大名地区が飽和状態になってこちらに流れてきたような感じですね。この日も日がいいんだろうなぁ、結婚式の二次会と思しき集団をあちこちで見かけました。今回も予約番号が1番だったので、なるべく早めにでかけたのですが、会場に到着した時にはすでに開場していました。けれどお客さんはちらほら。ステージ前のグッドシートを確保することができました。最初はお客さん入るのかなぁと心配していたのですが、開演時間が迫るにつれてどんどんお客さんが増加、開演10分前頃には満員札止めで若干の立ち見が出る盛況となりました。

開演時間を少し過ぎて、トムス・キャビンの麻田さんがステージに上がり、オースティンと姉妹都市である大分市のイベント彼の来日が急遽決まって全国ツアーを組むことになったこと、福岡での会場確保が難しかったが、いい会場を紹介してもらえたこと、2003年のスパンカーズの福岡公演に本人も来たがっていたが果たせなかったため、今日の公演を楽しみにしていたこと、その時は腎臓の重い病気だったので日本からも寄付をつのりテキサスに送ったことなどを解説し本日の主役スタンリーを紹介しました。まずは彼が一人で登場。アクースティック・ギターの弾き語りではじまったのは、タジ・マハールの「Baby, You Are My Destiny」でした。意外なナンバーで幕をあけたのでびっくりしましたが、とっても彼に似合ったドリーミーな選曲。アレンジもジャジーに仕上がっていました。この曲が終わるとサポートのギタリスト今井忍とマンドリニストの井上太郎をステージに呼び出します。リロイ・カーのブルースをやります、と言ってはじまったのは「How Long Blues」。ブルーズもちょっとジャジーになっていますね。3曲目はジャズ・ピアニストのアール・ハインズの曲と紹介して「Rosetta」を演奏。アール・ハインズはライ・クーダーとの共演で知っていたので、ベスト盤を持っていますがこの曲はインストで収録されています。グループ名は聞きもらしましたが、テキサスのアクースティック・スゥイングのグループのバージョンだと紹介していました。古いジャズ・ソングには「オリジナルはインスト」というのはよくありますね。

4曲目でようやくスタンリーのオリジナルが登場。『In The Land of Dreams』収録の「Your Eyes Are Smiling」。まずは渋い曲選ですな。続いては確か、「Since I Met You Baby」だったと思います。はじまる前にスパンカーズではクラリネットを吹いていたけど、今日はギターでやりますなんて言っていました。そのあと、『In The Land of Dreams』収録の「New Dreams」と「Sweet Butterfly」をたたみかけます。大好きなナンバーで完璧に演奏の虜になってしまいました。間奏では太郎さん、今井さんに順にソロを振り、上品な笑みを浮かべながらずっとソロをとってる方を向いて、バッキングに徹しています。こういう曲を聴いていると、スタンリーってとってもロマンチストなんだなぁと感じます。つづいて、彼自身が大ファンだというボブ・ディランの曲をやりますといって始まったのは「I Shall Be Released」。ちょっとばかりスゥインギーなアレンジが新鮮。サビでは太郎さんがいっしょに歌っていました。今井さんは間奏でボトルネックを滑らせ味のあるフレーズで迫っていました。ディランの次はブルーズ・コーナー。マディ・ウォーターズとリトル・ウォルターの曲といって演奏したのは「My Babe」でした。おそらくこれってメリー・ウェルズの「My Guy」の翻案ですよね。続いてはウィリー・ディクソンの曲と作曲者を紹介していましたが、やはりマディ・ウォーターズの「Live The Life I Love」でした。こちらもちょっぴりジャジーなアレンジで楽しく演奏されておりました。「ぼくはブルーズ、ジャズ、フォークなんかをやってるけど、次はニューオーリンズの有名なジャズの曲をやるよ。」なんてMCのあと、1部のラストはクラリネットを持って「When The Saint Go Marchin' In」。自身のソロもさることながら、太郎さんにソロをとらせるバックでのプレイもいぶし銀です。とってもホットな気持ちになってブレイクを迎えました。20111009194127stanleysmith


後半は『In The Land of Dreams』の1曲目に収録されている「Riverboat Dreams」でスタート。むろん大好きな曲で演奏にも大満足です。「今の曲はニューオーリンズのことを歌った歌だけど、次に大好きなニューオーリンズのミュージシャン、アラン・トゥーサンの曲をやるよ」と言ってはじまったのは、『In The Land of Dreams』の最後に収められている「Country John」でした。この曲では太郎さんのマンドリンが大活躍。後半3曲目は「Monday Morning Blues」。これもジャジーなアレンジでとっても聴きやすいです。4曲目でまたもやディランのカバー「Copper Kettle」。この演奏が実によかったです。「I Shall Be Released」と違ってオーソドックスな演奏。ぜひまた聴きたいものです。おそらくこのあたりでブレイクの間に受けた客席からのリクエストで「Mountain Town」をやってくれくました。スパンカーズ時代のレパートリーですが、今回のセットリストには入っていなかったようで、二人のサポート・ミュージシャンには全く寝耳に水だったみたい。曲が始まる前に簡単にコード進行を二人に伝えて演奏がスタート。どうなることかと心配しましたが完璧な演奏でした。自分も聴きたかった曲だったので嬉しかったです。続いてはハンク・ウィリアムスの「Hey Good Lookin'」が披露されました。この有名なカントリー・ナンバーもスゥンギーにアレンジされています。それにしてもスタンリーさん、いい声ですね。手を伸ばせば届くような距離で彼のプレイを堪能することができ感無量です。

続いて三たびディランのナンバーが登場。「You Ain't Going Nowhere」です。バーズによってカバーされ、あの地下室のアルバムにも収録された名曲。この曲でも太郎さんがいっしょに歌っていました。ライブは佳境に入ってきましたが、もちろんバカ乗りすることもなく、大人の雰囲気でたんたんと進んでおります。もちろんこちらのハートはずんずんとホットになっているのですが、演奏の方は適度なお洒落さを失わず、スタンリーの好きな曲やオリジナル曲が次々と演奏されていきます。続いて登場したのはヴァン・モリソンの「Crazy Love」でした。ちょっとしわがれたスタンリーの声で歌われるこの曲の良さ、筆舌に尽くしがたいものがあります。うーん沁みます。そして再びタジ・マハールのカバーで「Going Up To The Country, Paint My MailBox Blue」が演奏されます。こちらは典型的なブルーズで、スパンカーズのレパートリーにもなっていました。最後のナンバーはスパンカーズの『Spanker Madness』に収録されている「Blade of Grasses」。本編は前後半ともに10曲の合計20曲。一時は重病で心配したスタンリーですが、とっても元気な姿を見せてくれました。

アンコールは客席からの声でクラリネットをフューチャーした「Topsy」になりました。クラリネットを吹く前にリードを湿らせるのですが、竹製のリードを見せて「竹は日本に多いだろう?」なんて客席に話しかけたら「China, too」なんて応えが帰ります。ジョークで次の曲は「ラプソティ・イン・ブルー」ですなんて言って出だしのフレーズをちょっと吹き、「僕は吹けるけど、二人が弾けないからやめとくよ。」なんて言って客席の笑いをとっていました。そして最後に「Topsy」の熱演です。クラリネットも音数が多くないですけど、本当に心の琴線を揺さぶるフレーズの連続。そして、「あの声」の歌。至福の時間でありました。太郎さん、今井さんの演奏も後半ますます乗ってきて演奏の一体感も増していきました。いやぁ、本当にホットなライブでした。関東、関西ではまだ間に合うので、迷っている方は絶対行った方がいいですよ。

Gina Chavez & Jeff Plankenhorn Live at Dreamboat in Fukuoka

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昨日、ジーナ・チャベス&ジェフ・プランケンホーンのライブに行ってきました。会場は福岡のドリームボート。ここは8年ほど前にデヴィッド・リンドレー&ウォリー・イングラムをかぶりつきで見たところです。しかし、しばらく来ない間に移転していて、元の場所に行ってあせりました。ブレイク王'sの敏腕パーカッション・プレイヤー江利くんに電話で教えてもらって、2軒となりのビルに移転していたことを知り事なきを得ました。そういえば、ずーっと前に「なべや」が移転していたことを知らずに、親富孝通りの怪しげなビルをうろうろしたこともあったなぁ。

このライブ、テキサス州オースティンから質の高いミュージシャンをしばしば招聘している広島の岩見修一さんからのご案内で知ることができました。彼の企画では2007年の2月に徳山までマット・ザ・エレクトリシャンを見にいきました。この時もとってもいいライブだったので、今回も期待して会場に行きました。ライブのご案内をいただいて、見に行く決めてになったのはジェフ・プランケンホーンがワイゼンボーン・プレイヤーだということがYoutubeで確認できたからです。最近ではけっこう弾く人も多くなってきたとはいえ、アクースティック・ラップ・スティールは、まだまだ認知度の低い楽器。今まで来日ミュージシャンでその演奏を耳にしたのは、デヴィッド・リンドレー、ボブ・ブロッズマン、ベン・ハーパーの3人しかいません。ケリー・ジョー・フェルプスは福岡に来てくれなかったのでまだ見たことがないです。もう一人、ジーナ・チャベスがスペイン語でも歌うバイリンガルのシンガーというのも興味深かったです。ライ・クーダーの息子の嫁、ジュリエット・コマジュアも、最近はあんまり聴いていないけど好きなシンガー、ティシュ・イノホーサもバイリンガルですしね。

そんなこんなで、開場時間を少し過ぎた19時40分頃、ドリームボートに到着。お客さんはわれわれ以外には、カウンターに少々きこしめされた感じのおじさまが一名いらっしゃるだけのよう。どうも直前までリハが行われていたようで、そのおじさまがジェフに話しかけてカウンターで何やら話しウィスキーをおごったりしています。しばらくするとジーナが出てきて、われわれのテーブルにきて「こんばんは」と話しかけてくれます。とってもフレンドリーです。自分が楽器を多数所有していることを伝え、それでもチャランゴは持っていないことを言うと、彼女のチャランゴをさわらせてくれ、簡単なコードを3つ教えてくれました。カスタム・メイドの楽器だそうですが、とてもいい音で鳴っていました。

お客さんが10人ほどになり、予定時間を15分ほど過ぎてライブがはじまりました。普通ヘッドライナーが二人のライブというのは、それぞれのステージが別々に続けてあって最後にセッションして盛り上げてお開き、というのが普通ですが、今回の二人のツアーでは基本的に二人ともステージにあがって、1曲ごと交互に歌うというパターン。それが本当によかった。ジェフは通訳も兼ねていたツアーマネージャーの岩見さんを通じて、「リハーサルなんてしない方がエキサイティングだ。」という意味のことを客席に伝えていましたが、おそらく二人は入念な練習などしないままいっしょに来日したのでしょう。今日まで3回の公演を通じてだんだん息があってきたというところではないでしょうか。曲によっては互いにサビをハモったりしていました。ジェフが歌う曲ではジーナはじっと横で聴いているという場面もありましたが、ジーナが歌う曲では必ずジェフはほとんどワイゼンボーンでバックアップ。スライド専用のこの楽器は正確なピッチを維持することが難しく、自分が弾く時は指盤の上に視線が釘付けになるのですが、ジェフは音をのばすところでは、ジーナの方をしっかり見てアイコンタクトをとっています。さすがプロフェッショナル。余裕のあるプレイに脱帽です。

ジェフの曲の中ではラスト近くで演奏された「Trouble Find Me」や、前半に歌われた「Cheating Man」。ブルージーな雰囲気の日中から呑んでいることがテーマの曲などが気に入りました。会場で買ったCDには当日演奏された曲はさほどたくさんはいっていたわけではありませんが、彼の人柄をしのばせる好内容の盤でした。声も自分好みのいい声で、こういうアクースティックなものももちろんいいのですが、スワンピーなバンドで歌っているところも聴いてみたいものです。ワイゼンボーンの弾き語りは意外に少なく「Trouble Find Me」と「Cheating Man」だけだったと思いますが、その分ジーナのバックでワイゼンボーンの超絶テクニックをたくさん披露してくれました。彼もとってもフレンドリーで、ジーナからわたしが楽器マニアでワイゼンボーンも持っていることを聞いて、ブレイクになるとすぐにわれわれのテーブルに来てくれて、彼の使っているドブロ・カポが「60ドルと少々高いけど一番いい」とかアドバイスして実物を見せてくれたりしました。

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ジーナ・チャベスの方は、ファルセットの部分では少しジョニ・ミッチェルを思わせるいい声の持ち主。前半はギターの弾き語りで、後半になると数曲でチャランゴを披露しました。チャランゴを弾いた曲でのスペイン語の比率が高かったです。テキサスはメキシコと国境を接しているので、メキシコの血を弾きスペイン語も話せるミュージシャンが多いのですが、彼女もそんな一人です。前半に演奏した「Love Made Me Skinny」とかを聴くと、いかにも現代のフォーキーな女性ミュージシャンという感じがするのですけれども、スペイン語の曲になると、少々トラディショナな雰囲気が強くなってきます。後半になってくると、客席に一緒に歌わせたりしてぐんぐんステージが盛り上がりました。後半演奏したアルゼンチンのことを歌った「Chacarera Clap-Clap」とかスペイン語の曲がとってもよかったです。彼女はエルサルバドールの学校で8ヶ月ほど英語を教えたことがあるそうですが、貧しいエルサルバドールのカレッジのための「AUSTIN 4 EL SALVADOR」というファンドのためのチャリティもやっているとのこと。さすがオースティンのミュージシャンらしい取り組みです。

あと、お店のマスター、蓑原淳平さんのギター・プレイにも毎度のことながらうならされました。この日も数曲を除きノーリハで約半数以上の曲で演奏に絡んで、ジェフとのギターバトルで盛り上げてくれました。淳平さんのおかげで、ジェフもいつも以上に実力を発揮できたことでしょう。アンコールはみんな知ってる「Stand By Me」でしめ。1番をジェフが、2番をジーナが歌い、間奏は淳平さんがリード・ギターを弾きます。もちろんサビは客席と合唱。とってもアットホームな雰囲気でライブが終わりました。時間は11時少し前。休憩時間を除いても2時間を超える熱演。ほんとうに楽しいライブでした。それに普通のギターの弾き語りだけでなくワイゼンボーン、チャランゴ、手作りみたいな不思議なパーカッションといったさまざまな楽器も楽しむことができました。今日・明日はオースティンと姉妹都市の大分市で行われる「おおいた夢色音楽祭」に出演されるそうですが、きっと客席も大いに湧くことと思います。2011gina&us2011jeff&us

東京タワーズ Live at B-Spot in 飯塚

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さて、10月に入りました。スポーツの秋とも申しますが、文化の秋、芸術の秋です。例年この季節は見たいライブがたくさんあるし、出演の機会も多い時期です。仕事もそこそこ忙しいのですが、しばらく毎週末「出る」のと「見る」のが続きそうです。10月1日土曜には10月第一弾、東京タワーズのライブに行ってまいりました。会場は飯塚B-SPOT。おなじみの葛原清剛さん主催です。彼らのステージについては、約3年前ここのすぐ近くのVintageで行われたライブについてのレポートを掲載しておりますが、そういえば昨年も田川郡福智町で行われた彼らの演奏を聴きにいきました。今回は約1年ぶりに見る彼らのステージです。

大庭珍太さん。今度の10月10日で55歳なんだそうです。しかし、全然枯れてない。すんごくエネルギッシュです。ギターも上手いですが、目を見張るほどのテクニックではないし、たいていの曲はよくあるコード進行だったりします。しかも外見は写真のとおり。およそ「売れる」という要素からかけ離れた存在で、実際知る人ぞ知るミュージシャンなのですが、その徹底したパフォーマンスは絶対に一見の価値があります。音楽もこのブログをちょくちょく見てくださっている方なら絶対気に入るはずです。

この日のステージは、19時50分頃にはじまり休憩をはさんで2ステージ。1ステージ目は、最近オープニングで必ず演奏している「8ビートに身をまかせ」でスタート。この曲まさに彼のテーマ・ソングとも言える内容ですね。金森幸介さんの「もう引き返せない」とか思う出してしまいます。あと、前半では去年つくった時には「もうすぐ54」だったナンバー。1年たって「もうすぐ55歳」と歌詞を変えて歌っていました。あと、「いとしあの娘」「約束の場所」「ひかり」といった曲が演奏されたように思います。途中から葛原さんがエレキギターで参加。音に厚みが増します。

彼らの真骨頂は後半のさらに後半。「江戸っ子」「新しい靴」「ロックンロール・ミュージック」「穴」と怒濤のように続くパワフルな演奏と曲のエンディングで繰り広げられる珍太さんの徹底したシャウトやポーズに完璧にやられてしまいました。「新しい靴」のファンキーな演奏もめちゃめちゃかっこいいのですし、何度聴いても「穴」には心を奪われてしまいます。「ロックンロール・ミュージック」はもちろんチャック・ベリーのナンバー。亡くなった西岡恭蔵さんの奥さんKUROちゃんの作詞です。曲のオープニングに珍太さんは「西岡恭蔵!!」と叫んでおりました。もちろん、この4曲にも葛原さんは参加。味のあるギターを奏でてくれておりました。ラストナンバーは「ステップワゴンで」。日本全国を回る彼らの果てしない旅のテーマソングです。曲が終わるとすぐにアンコールの拍手。最後の最後は高田渡さんを思い起こさせるフォーキーな曲で締めくくりです。

パーカッションのANNSANのプレイも曲によって、カホン、ジャンベ、ブラシで叩くタンバリンなど使い分けめちゃめちゃノリのいい演奏を聴かせてくれました。過去に桑名晴子さんのSHATやモーガンズ・バーのサポートでの演奏も聴いたことがありますが、珍太さんとのコンビ。最近は定着してきているようです。

東京タワーズは、この二人に佐久間順平さんを加えた3人でスタートしたそうですが、この面子のうち順平さんと珍太さんは、高田渡さんのヒルトップ・ストリングス・バンドのメンバーでもありました。まさに吉祥寺一派なんですよね。そういえばこの日後半に「私の青空」も演奏していたなぁ。一方、この日の二人にタコさんこと長田和承さんを加えるとマンドリン・ブラザーズになるんですね。今から8年ほど前、熊本まで彼らを見に行ったことがあります。それはさておき、1970年代のはじめに、京都から再び東京に拠点を移した高田渡氏を中心に、才能ある多くのルーツ系ミュージシャンが集った町が、吉祥寺でした。シバ、いとうたかお、佐藤GWAN博、中川イサトといった面々です。彼らより少し若い佐久間順平さんや珍太さんたちは、いとうたかおさんが名古屋に、イサトさんが大阪に戻った70年代中盤頃より合流し、一緒に演奏していたんだろうと思います。珍太さんのパフォーマンスは誰にも真似のできないパワフルなものですが、先輩達へのリスペクトも感じさせてくれるのも、また素晴らしいところですよね。

Lindley Session 8 Patti Dahlstrom / The Way I Am

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1970年頃からテリー・リードのバンドに参加するために渡英していたデヴィッド・リンドレーは、1973年にジャクソン・ブラウンのバンドに参加するため、ロサンゼルスに帰ってきます。その年は、テリー・リード、ジャクソン・ブラウン、グレアム・ナッシュ、デヴィッド・ブルー、マリア・マルダーそしてこのパティ・ダルストロムの6作にセッション・マンとして参加。どのアルバムでも、とっても充実したプレイを聴かせてくれています。翌1974年になると、ジャクソン・ブラウン・バンドの一員として活動するかたわら、マルチ・プレイヤーとしてさらに多くのアルバムに参加するようになります。パティ・ダルストロームは当時ジャクソン・ブラウンの弟のセヴェリンの彼女だった人物。このアルバムはセカンドです。リンドレーさん、おそらくジャクソンつながりで参加することになったのでしょうけど、同時期に発表されたセヴェリンのアルバムには不参加なんですけどね。パティさんの音楽性は、そのセヴェリンと共通する都会的で洒落たポップ・センスをもっています。ただ、この頃はまだカントリー・ロックやシンガー・ソングライター全盛期。アルバムの路線も都会的な線でしぼりきれず、わずかにカントリー的な要素も残しています。個人的にはそのあたりが面白いと思っております。

このアルバムのバックを務めるミュージシャンですが、この時期のロサンゼルスにおけるキラ星のごときスタジオ・ミュージシャンが大挙して参加しています。ドラムスはジム・ゴードン、ベースはリー・スクラー、ジャック・コンラッド、ブライアン・ガロファロ、ギターはディーン・パークス、ラリー・カールトン、デヴィッド・スピノザ、ネッド・ドヒニー、1曲だけデヴィッド・リンドレー、キーボードはプロデュースも務めるマイケル・オマーティンとクレイグ・ダーギ、マイク・アトレー、ホーンにトム・スコットとクラレンス・マクドナルド。こういう名前を羅列するだけで、音が聴こえてきそうです。もちろん演奏にも全く破綻なく、かっちりした音づくりになっています。

この方、1972年にUNIからデビュー・アルバムをリリースしておりますが、このアルバムは20th Centuryに移籍しての第一弾。前作同様キャロル・キングの強い影響をうかがわせます。セヴェリン・ブラウンと共作したタイトル・トラックもラリー・カールトンのギターがとってもおしゃれでソウルフル。彼と同じく今なら『フリー・ソウル』の枠で語られるであろうセンスのいい作品に仕上がっています。また、冒頭の「I'll Come Home」や「Cleveland Snow」(これがなかなかいいです!)などのピアノ・バラード、さらには「Smack Water Jack」を彷彿とさせるホンキー・トンク調の「High Noon Alibis」あたりも含めて、やはり「似てるなぁ」と感じるのはキャロル・キングです。それにしても、「High Noon Alibis」で聴かれるリゾネーター・ギターのスライドは、ラリー・カールトンによるもの。こんなのも弾けるなんて、なんとも器用ですねぇ。

B面冒頭の「Emotion」は、スケールの大きいポップチューン。なかなかの佳曲で最近リリースされたベスト盤CDのタイトル・トラックとなっていますが、個人的にはあまり好みではありません。この曲を含めB面はバラードばかりですが、「Innate」はクレイグ・ダーギのピアノをバックに、デヴィッド・スピノザのギターとトム・スコットのサックスが掛け合いを演じ、ジャジーでお洒落な味わいがあります。

デヴィッド・リンドレーさんはアルバム・ラストに収録されたマイナー・キーの渋いバラード「For Everybody's Sake」のみに参加。アクースティック・ギターをスライド奏法で弾いています。音色からしてリゾネーターでなく木のギターであることは明白。かといって通常のギターをボトルネックで風でもありません。思うに、このころすでにセッションでワイゼンボーンを弾いているのではないかと推察しております。おそらく同時期のマリア・マルダーの「Any Old Time」で聴こえてくる演奏も同じギターでしょう。正規音源は出ていませんが、ジャクソンと二人で回ったアクースティック・ライブでも「Redneck Friend」などで、ワイゼンボーンを弾いている模様ですが、現在と違ってサンライズのピックアップはまだ開発されておらず、音を拾うのはけっこう苦労したかもしれませんね。ピアノはこの曲でもクレイグが担当。ドラムにゲイリー・モーラバー、ベースはリー・スクラー、オルガンはマイク・アトレーが弾いています。

Dan Modlin, Dave Scott / The Train Don't Stop Here Anymore

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韓国のBIG PINKレーベルは良質なアルバムを再発してくれますなぁ。9月に出た中ではこのアルバムがかなり良かったです。まず、ジャケットがいいじないですか。アメリカ南部のローカル線によくありそうな線路脇の監視小屋をペン画で描いております。このアルバムがリリースされた1976年というとパンク・ロックがまさに産声をあげていた年であり、AORやディスコがブームとなりつつある一方で、レゲエが大きく浸透するなどロックが大きく変質していた時期です。この頃、シンガー・ソングライターの音楽というのは完全に時代遅れとなっていましたが、彼らのように地味ながらもいいアルバムをつくる奴らは、しっかりとそこそこの地域で根をはって音楽活動をしていたようです。逆に同じシンガー・ソングライターでもメジャーからリリースされたアルバムは、会社やプロデューサーの意向で妙にAORっぽい脚色をされてしまう例が多く、だんだんつまらないものが多くなっていった時期でもありました。

日本盤CDの解説によると、このアルバムをリリースしたレーベル、「700ウエスト」は、RCAの専属エンジニアだった人物が独立し、インディアナ州の農場に建てた個人スタジオ兼レーベル。同じくBIG PINKシリーズから再発されているセコイアやレイ・グーリアックのアルバムもこのスタジオで録音されたそうです。このアルバムのサウンドを聴いていると、「メジャーレーベルがどんどん売れ線にシフトしていく」中、「良心的な料金設定で質の高いレコーディングの場を提供すること」を目標としていたと解説で触れられている「700ウエスト」の基本姿勢に納得することができます。

この素敵なメイル・デュオのアルバムは、全体的にアクースティック・サウンド。曲によってはペダル・スティールやバンジョー、リゾネーター・ギターも入ってカントリー的な味付けもありますが、けして「どカントリー」ではなく、あくまでもシンガー・ソングライターの作品。そういえば、インディアナ州ってジョン・ハイアットの出身地でしたね。南はケンタッキー州に接しているし、ナッシュビルもそう遠くはないのですが、一方でシカゴのあるイリノイ州にも接しています。そんなローカルな香りも漂わせながら、じっくり聴くと沁みる作品がここには並んでいます。個人的ベストトラックは、12弦ギターのの響きに彩られ、低音のエレクトリック・ギターが少々スワンピーな雰囲気を醸し出す冒頭の「Loser, Lover」。スピーディなバンジョーが素敵な「Highways」も、疾走感あふれるカントリー・ロック・ナンバーでいい感じです。鳥の鳴き声で始まるマイナー・キーの4曲目「Jack McCall」も良質なシンガー・ソングライター・チューン。ドブロをフューチャーした5曲目「I've Seen Your Face」も捨てがたいですが、叙情的なナンバー8曲目「Southern Lady」がかなり気に入っていますです。作曲クレジットから考えて、中低音の渋い声がダン・モドリンさん、澄んだ高音で歌うのがデイヴ・スコットさんと思われます。1〜3曲目、6・9曲目がモドリンさん、4・6・8曲目がスコットさんが歌っております。7曲目は、二人と関係の深かったホーボーのじいさんの語りに、モドリンさんがつくったアクースティックなインスト曲をバックで流しております。

このアルバムからは、そこはかとない南部の香りもただよってきますが、むしろ、フォーク系の音楽が好きな人向けかもしれません。目を見張るようなメロディとか、斬新なコードチェンジとかはまったくなくて、とりたてて大騒ぎする必要のない、どこにでもありそうな作品の一つなのかもしれません。けれど、二人の人柄がにじみ出ている、この作品を部屋で流しながら、ぼぉーっしているとなんとなく心地よくなってくるのです。

金さん銀さん&すけったーず Live in 北九州ミュージック・フェスタ2011

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連休も終わってしまいましたが、みなさんどのように過ごされましたか。わたしは連休後半、例によって音楽三昧な日々でした。24日は行きつけのLive Bar Andyでのミドル・エイジ・ナイトに出させてもらいました。直前になって出演を決めさせていただいたので、このブログにもANDYのホームページにも事前予告ができませんでしたが、例によって出演者が観客というライブ。最初の出演者、店のマスター、ホウリさんと続くMASAさんのバックをつけていた空犬さんの渋いストラトのプレイにしびれました。続いてのヤー坊さんはブルーズ。ジミー・ロジャースを2曲、ナショナル・スティールをボトルネック奏法で1曲「Dust My Bloom」、そして自作の曲を1曲披露してくれました。なかなかいい声です。続いて二人組のAM9さん。洋楽カバーを5曲くらい。ニール・ヤング、ブラインド・フェイス、ビートルズを演奏。二人ともギターも達者だし、ハモリも決まっていました。

この日最後が自分で、30分ほどのステージをやらせてもらいました。1曲目にリンドレーの「Rag Bag」をもってきて、2曲目に「Vigilante Man」。この二曲はオープンDチューニングのワイゼンボーンで演奏。前者はラッブスタイルで、後者は普通にかまえてボトルネックで弾きました。3曲目でマルコに登場してもらって「Any Old Time」をやりました。この曲ではホウリさんのコールクラークを貸してもらいましたが、いい音鳴ってました。4曲目はVOXマンドギターに持ち替え「It's All Over Now」、5曲目に「Jesus On The Mainline」は前回と同じ。ラストにマルコの歌で「Amazing Grace」を演奏してこの日のライブは終了となりました。

翌日25日も快晴。昨年に引き続き北九州ミュージック・フェスタに参加してきました。この日はお友達のバンド、GOOSE、ブルー・ブルース・ブラザーズと、われわれ金さん銀さん&すけったーずが連続で出演です。予定通り3時少し前から演奏を開始。いつもの「Soul Daddy」「うわさのマリー」「I Saw Her Standing There」「Twist & Shout」「Lala Means I Love You」「恋の爆弾」「あなたに負けたの」「Proud Mary」と演奏。新曲の「Get Ready」をやって、ラストは「Mercury Blues」でしめました。金さん銀さんは女子高校生のコスプレ。急遽飛び入り参加となった江利くんもコンガとか素敵なサウンドを加えてくれて、演奏に厚みが出ました。

この日、新兵器のリッケンバッカー・ラップスティールB6を初めて使いましたが、変化がわかっていただけたかな。1弦をAまで上げるAチューニングにして冒頭2曲で弾きましたが、なかなかいい音で気持ちよかったです。3・4曲目ははじめてステージで使うグヤトーンLG130Tをレギュラー・チューニングにして弾きましたが、途中で接触不良のトラブル発生。家で弾いたらなんともないのに、やはり古いギターにはこういう問題がつきものですね。「Lala Means I Love You」ではJerry Jonesのベイビー・シタール、「恋の爆弾」ではテスコのSD4L、「あなたに負けたの」「Proud Mary」ではメローバーのスタンド・アップ・スティール、ラスト2曲ではVALCO製OAHUのラップスティールを使いました。ギターのキーはF#で「Mercury Blues」はそのままのキーでよかったんだけど、「Get Ready」の方はEmで少々弾きにくかったです。われわれの演奏のとき、多くのお客さんが足をとめて聴いてくれていました。天気もよく心地よく演奏できましたが、みなさんどのように感じられたんでしょう。演奏が終わると、一人の男性の方が、わたしのメローバーのスタンド・アップ・スティールに大変興味を示してくださり、携帯でギターの写真を撮ったりしておられました。珍しいギター好きとしては、こういう反応をしてくださってとっても嬉しいです。

ラストに出演された宮本一粋さんも、YAMAHA SA-15というビザール・ギターを演奏しておられました。いい音で鳴っていましたが、やはり途中で一度接触不良のトラブル。こういう古いギターでは仕方ない問題なのかもしれませんね。ラストはそのギターを置いて、ギターにヨネさん、パーカシッョンに江利くん、ベースに臼杵さんという音楽仲間3人のバックで「What A Wonderful World」でしめとなりました。なかなか空間的な美しいサウンドでした。今年も天候に恵まれ楽しく過ごせた音楽イベントでした。銀さんこと、うぢゃはじめスタッフのみなさん本当にお疲れさまでした。

John Hiatt / Dirty Jeans and Mudslide Hymns

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ジョン・ハイアットさんの新作です。8月上旬にリリースされたのですが、DVD付を待っていたら、ようやく先週到着しました。納屋ジャケです。この納屋いいですねぇ。60年以上たってる感じ。モノクロ写真がばっちりです。でも、もともとは納屋じゃなくて教会だったのかもしれない。入り口に塔はあるし。この上に十字架とかあったのかもしれません。板で窓をつぶして納屋に転用したんじゃないかなぁ。見開き左側に写っているのは別の納屋。こちらもいい感じで荒れております。今作もこのジャケットが想起させるとおりの強烈に南部の香り漂う骨太のロック・アルバムです。バンドメンバーはドラムスがケネス・ブレヴィンズ、ベースがパトリック・オゥヘーン、ギター・マンドリンがダグ・ランシオと前作と同じ布陣。プロデューサーは、ブラック・クロウズやエアロスミス、ジャーニー、アイアン・メイデンなどハード・ロック系の仕事で知られるエンジニアのケヴィン・シャーリーが手がけています。約1年半ぶりのアルバムですが、なかなかの力作に仕上がっております。

で、冒頭のナンバーが「Damn This Town」。兄貴は賭けポーカーで殺され、親父は酒びたりで狂い死に。こんな街はもういやだ、俺は街を出ていく、という意味のナンバー。曲調もマイナーでどことなく「Perfectly Good Guitar」を連想させる重いロック。こういう曲を頭にもってきたのはひさしぶりのような気がします。3曲目の「I Love That Girl」が、なんともハイアットらしいシャッフルのロックなのが嬉しいです。なんでもシンバルを叩く猿のおもちゃのリズムを流用したとか。こういう曲を聴いているとこちらまで心がうきうきしてきます。ゲストで入っているオルガンやピアノもちょっとした味付け程度です。

4曲目はボトルネック奏法のリゾネーター・ギターとマンドリンが入っているアンプラグドなナンバー。でも曲調はロックです。間奏からはアコーディオンも絡んできて、ますます雰囲気が良くなってきます。ナショナル・リゾネーターのクレジットが入ってなかったのですが、メイキングのDVD映像を見ていたら、ダグが弾いているみたい。ちなみにマンドリンはアクースティックではなく、VOXマンドギターのレプリカが映像に写っていました。それからこの曲ではウッド・ベースが使われ、ドラムはスティックを使わず直接素手で叩いてアクースティックな感覚を出しています。

5曲目の「Don't Wanna Leave You Now」は、前曲で軽さとノリの良さを表現していたのに対して、ぐっと落ち着いて深みのある曲。これも「Stood Up」などを想起させるハイアット節。うっすらとかぶってくるストリングスもとってもいい感じです。間奏では前曲に続いてスライド奏法のリゾネーター・ギターが使われていますが、曲のテーマどおり泣かせるフレーズを紡いでくれます。

真ん中に配されている「Detroit Made」は、アルバム随一のスピード・ナンバー。これライブの定番になりそうですね。いわゆるカー・ソングで、テーマはデトロイト産のビュイック・エレクトラ225だと思います。でかいアメ車に乗って南部の田舎を疾走している感じ気持ちいいロックです。続く「Hold On For Your Love」も「Damn This Town」と同様、疲弊した街の描写が出てくる重厚なナンバー。3番でのハイアットの感情のほとばしるボーカルは素晴らしいの一言です。出だしはアコギとマンドリンのみで静かに始まりますが、徐々に他の楽器が入って来てスケールの大きな演奏になっていきます。エレクトリック・ギター・ソロが2回でてきますが、1回目がアーミングのプレイを含んだ渋いフレーズ、2回目はボトルネックのロングトーンで曲のテーマをじっくりと聴かせます。10曲目の「Adios To California」もハイアットらしいメロディを持つミディアム・ナンバーですが、ペダル・スティールをフューチャーし、少しばかりカントリー色の強い作品に仕上がっています。この曲の主題もカリフォルニアに「別れを告げる」こと。この曲の歌詞にアルバムタイトルの中の「Mudslide Hymns」という言葉が出てきます。

ほかにも印象的な曲はあるのですが、特に心に響いた曲をとりあげてみました。今回は「疲弊した街を出ていく」という重いテーマに貫かれたトータル・アルバムとなってはいますが、ところどころ、その重さをわすれさせてくれるナンバーがはさみこまれていて、最後まで一気に聴きとおすことができます。あくまでも、アメリカン・ルーツ・ロックという枠組みの中ではありますが、重いロックからアクースティックなナンバーまで、演奏もバラエティに富んでいます。彼らやルシンダ・ウィリアムスの演奏を聴いていると、なんとなくクレイジー・ホースを思い出しますね。シンプルながら重厚な演奏、ロングトーンのひずませたギター。前作のレビューで「水戸黄門の印籠」みたいなことを書きましたが、これってアメリカン・ロックの正しいひとつのかたちだと思います。

Nick Lowe / the old magic

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リトル・ヴィレッジ結成から、来年でもう20年なんですね。時が過ぎるのは早いもんだ。リトル・ヴィレッジってバンドの中にフロント・マンが3人もいる、言わばスーパー・グループだったわけですけど、ニック・ロウがその時すでに「われわれは、業界では劣等なんだよ。レコードの売り上げも少ないし。だから、このバンドは相互扶助なんだよね。」みたいなことを言っていたと思います。そもそも、この面子は1987年にジョン・ハイアットの『Bring The Family』をつくるときに集まったメンバーで、ライとニック、別々にハイアットと深いかかわりのあった二人のフロント・マン、そしてケルトナーという希代のドラマーがハイアットのバックをやったことで、想像以上のモノが短期間にできちゃったということがキッカケ。それから数年が過ぎて、4人でちゃんとバンドとしてやっていこうということになったみたいだけど、「一人を盛りたてる」のと「バンドでやる」ということは、そもそも全く違うものだし、それぞれ強い個性で活動して来た面子だから、当然ギクシャクしたでしょうね。1枚のアルバムと1回のワールド・ツアーで終わってしまいました。日本にも来てほしかったなぁ。

その後の彼らの歩みをみてみると、ジョン・ハイアットがライブ盤も入れて11枚のアルバムを出しています。オリジナル・アルバムだけでも2年に1枚は出している勘定です。ライ・クーダーは、サントラが5枚、共作が2枚、自己名義のソロが4枚、企画もの(『Chavez Ravine』)1枚。それにブエナ・ビスタのプロジェクトもやってます。近年急に活動がアグレッシブになった印象が強いけど、こうして見るとすごい仕事量ですね。それに比べるとニック・ロウさん、なんとオリジナル・アルバムが5枚だけ。もともと寡作な人ではあったけど、そんなに少なかったっけ。平均したら4年に一枚。ニュー・アルバムが出るたびに来日してるし、2009年にはライ・クーダーとのツアーもあったので、頻繁に活動している印象が強いんだけどなぁ。前作は確かに4年前ですね。このブログでも取り上げています。もうそんなになるのか。ちなみにジョン・ハイアットさんの来日は1988年の一度きりですよね。向こうでの人気に比べ、日本で人気が高くないからギャラが折り合わないんだろうな。

たまたま、このひと月ほどの間にリトル・ヴィレッジのメンバーのうち3人が相次いで新譜を出したので、つい比較してみたんですけどね。ジョン・ハイアットのアルバムはDVD付を早くから注文しているんですけど、ついこに間届いたばかりで期待を裏切らない内容でした。近いうちにレビューしたいと思います。この中ではハイアットが59歳で一番若いんだけど、3人とも60歳を前後して、めちゃめちゃいい味を出してくれてますね。嬉しいことです。

で、本題です。ニック・ロウのこの作品なんだけど、ますます角がとれて、ものすごくいいです。1曲目「Stoplight Rose」から「引き」の曲づくり。音数がすごく少ないんだけど、訴えるものがとっても多いんですよ。こういうのって、若い人には簡単にはできないですね。曲からあふれる滋味を含め年輪のなせる技でしょう。2曲目「Checkout Time」は、ロカビリー調。でもなんだか静かに訴えかけてくる「大人」の音楽なんですよね。最近のはニックには自らのルーツをたどるようなこの手のアレンジは多いんですけど、コステロは『King of America』で、こういう曲をたくさんやってたよなぁ、なんて考えてたら、そのアルバムから「The Poisoned Rose」をカバーしていました。そういえば、『King of America』のプロモーション・ツアーで二人は一緒に来日したんだよなぁ、見たかったなぁ。

4曲目の「Sensitive Man」も60年代ポップスみいなナンバーですが、ホーン・セクションが昔のR&Bみたいないい味を出しています。ちょっとびっくりしたのは「Restless Feeling」。なんだかこの曲だけ山下達郎みたい。メジャー・セブンス・コードのオシャレなギター・カッティングにビーチ・ボーイズ風のコーラス。曲調はいかにものニック節なんだけど、近作ではこういうアレンジはちょっとご無沙汰だったように思います。1、3、5、6、8、11曲目のバラードはとっても甘く、2、4、9曲目あたりではオールド・タイミーな味わいを実に上品にかもし出し、10曲目では少々カントリー的なテイストも強調しています。昔に比べるとまるくなっちゃたなぁ、なんて残念に思う人もいるのかもしれないけど、自分にとっては、とてつもなく「いい歳のとりかた」をしているとしか思えません。先月の来日公演も行きたかったんですけど、東京・大阪のみだったので今回は断念しました。

上記三人が相次いで出した新作に共通して言えることは、どれもが何度聴いても味わいつくせない「深み」のある作品に仕上がっていることです。しばらくは、この3枚を順番に聴いていれば満足だと思います。どの作品も最高級の職人技で磨き上げられた家具のように飽きのこないつくりです。セールスでは「劣等」かも知れないけれど、彼らの職人技を超えるミュージシャンはなかなかいないんじゃないかな。

Lonesome Strings & Mari Nakamura Live at Gate's 7 in 福岡

lonesme&mari
ライ・クーダーの記事のときも書いたのですが、ホント長い間ブログの更新をサボッていました。すいません。仕事が忙しかったわけではないのですが、もんのすごく忙しかった期間が過ぎて、その反動でしばらくホケーッとしすぎてしまいました。このライブは7月に行って、とってもいいステージだったのでブログに書こうと思ったのですが、「書かなきゃ、書かなきゃ」と思うばかりで文章が進まず、あまり無理して書いてもたぶんいいことはないだろう、と寝かせておりました。というわけで2月近くもたってからの掲載です。すいせまん。

もはや先々月となってしまいました。7月24日、待望の「ロンサム・ストリングス&中村まり」のライブに行ってきました。会場は福岡市中州のGate's 7。このお店のことはずいぶん前から知っていて、時折HPをチェックしておりました。行きたいライブはいくつもあったのですが、たまたま他のライブと重なっていたり(去年の酒井俊さんは、Geoff&Amosと同じ日だった)、自分のライブ出演と重なっていたり、なんやかやで今回はじめて店内に足を踏み入れることとなりました。入ってみると雰囲気は一昨年閉店したビルボード・ライブ福岡とよく似ています。広さも同じくらいじゃないかなぁ。ステージ上には本格的な照明もあるし、道理で著名なジャズ系ミュージシャンがよく演奏するわけですね。

さて、この日ライブ会場に到着したのは、開演20分ほど前。かなりのお客さんで埋まっていましたが、下手後方のテーブルを確保することができました。開演時間が近くなると立ち見が出るほどの盛況ぶりです。さて、定刻になって登場した5人組は、メイン・アクトより若干人生の先輩と思しき方々。ターコイズというブルーグラス・バンドで、マンドリンは女性です。ギター2本(一人はギター&リード・ヴォーカル)、ウッド・ベース、マンドリン、フィドルの5人組。ヴォーカルの方の声はいいし目立つ楽器のマンドリンは達者だし、なかなか楽しめました。ブルーグラスというので、スピード・ナンバーが多いかなぁと思ったのですが、ゆったりした曲やジャズっぽい曲もたくさんありました。フィドルの方の軽妙なトークも楽しく、あっという間に5曲の演奏が終わりましたが、最後の方の曲では、ロンサムの原さんがバンジョーで飛び入りというサプライズもありました。終演後はきっと一緒においしいお酒を飲まれたことでしょう。

さて、少しの休憩のあと、いよいよ本編のLonesome Strings & 中村まりのライブが始まります。中村まりさんは、数年前に友人からその存在を教えてもらったシンガー&ソングライター。すでに3枚のオリジナル・アルバムがあります。何の予備知識もなしに聴いたら、1970年代の米国人女性歌手と思い込んでしまいます。それもそのはず、アメリカ生活が長かった帰国子女ということです。もっともジリアン・ウェルチあたりに似た少しばかり日本人離れした独特のいい声。これが戦前のジャズ・ブルースを彷彿とさせるオリジナル曲によくあっているんです。ミシシッピ・ジョン・ハートを想起させるフィンガー・ピッキングのアクースティック・ギターもとっても上手くて気になる存在でした。もちろん、ジェフ&エイモスの関東公演にゲスト出演し「Midnight At The Oasis」を歌ったことも知っておりました。その彼女が大好きなロンサムとともにはじめて福岡にやってくるとあっては見にいかないわけにはまいりません。

今日のライブは、まず、いきなりロンサム&中村まりのセットからスタート。ロンサムとの新しいアルバムから、「The Cuckoo Bird」で幕開けです。原さんの確実なバンジョーのピッキングにのせて、曲がスタート。まりさんの歌がはじまって、心はいきなりアメリカ南部へと飛んでいってしまいます。この曲古いトラディショナルで、南北戦争を題材にした映画「Cold Mountain」でも使われていました。もっとも桜井さんのアルバム解説によると、アイルランドでもイングランドでも伝承され、アメリカに渡って大きく姿を変えた曲みたい。とってもアメリカ的な雰囲気を強く感じるのです。こういう曲に桜井さんのエレキ・ギターや弦さんのリゾネーター・ギターが絡んで、独特な音世界になります。今回は彼らのコラボ・アルバム『Folklore Session』のプロモーション・ツアーですが、このアルバムには、ハリー・スミスのコンピレーション、『Anthorogy of American Folk Music』に収録されているナンバーがいくつか含まれています。このコンピ、CDでは6枚組。もともとはLP12枚組の大作です。自分もCDを持っているのですが、なかなか聴き込む時間がなくてもったいない思いをしています。

続く2曲目は「Dueling Banjos」インストです。前半はフリー・テンポ、ベースのボウイングからはじまってバンジョー以外の各人が似たフレーズを順繰りにタメたっぷりに弾いたあと、突然インテンポ。原さんのバンジョーが大活躍のブルーグラスっぽい展開になります。3曲目に「The Lonesome For You」。中村まりさんにぴったりな雰囲気を持つカーター・ファミリーのナンバー。シャッフルのリズムをもつナンバーなので、いくぶんジャジーな味付けとなっております。この曲が終わると、玄さんはエレクリック・ラップスティールを膝に乗せ、桜井さんはタンバリンを持ち、「Giong Down The Road Feeding Bad」が始まります。ディストーションのかかったラップスティール、とっても気持ちよいです。アルバムでは5曲目ですから、1曲飛んだことになります。続いて再びインストの「Shilo」が登場。桜井さんはアコギ、中村まりさんは口琴で、やっぱり戦前のアメリカ音楽のような雰囲気がいっぱいですが、どことなく英国のトラッド的な雰囲気も感じられます。ここで桜井さんはマンドリンに持ち替え。「Fishing Blues」の登場です。思わず身体が動き出しそうになる楽しいナンバー。ジョン・セバスチャン、タジ・マハール、ムーニーさんなどでおなじみ。ここでのアレンジも妙に渋くならず、とっても楽しくて嬉しくなってしまいました。この曲が終わると桜井さんを残してバンドが退場。中村まりさんと桜井さんの二人だけで「John Henry」を演奏です。二人ともマーティンのアコギをオープン・チューニングにして分厚い響きで聴かせてくれました。

続いて、中村まりさんのソロのコーナーです。この日は彼女のサードに収録されている「Black Eyed Susan」で幕開け。2曲目はロン・セクスミスのカバー「Speaking with the angel」が演奏されました。この曲は彼のファースト・アルバムに収録されている作品。長らく聴きかえしていなかった盤ですが、久々に聴いたらとってもいいですね。あ、話がそれました。でも、なんだか中村まりさんとセクスミスってなんだか相通じるものがあるように思えます。彼女は時折この曲をステージで歌っているみたいで、しっかり彼女のヴォイスで歌っていました。とってもお気に入りの一曲なんでしょうね。3曲目、まりさんのセカンド収録の「Our Blue」で彼女のコーナーが終了。休憩に入ります。ロンサムとのコラボももちろん素晴らしいけど、彼女の弾き語りも素晴らしいの一言。こんなオールド・タイミーないい曲をなんで若い彼女が書けるのか、不思議な気がします。

後半はロンサムの演奏からスタートします。まずは「バーレーコーン挽歌」。単独のスタジオ作では最新作の『Blossom』に収録。落ち着いた曲なのですが、徐々に盛り上がり最後はメンバーのコーラスになります。続いてこのツアーでは多くの会場でやっているらしい「Inbetweens」と「Ghosts」の2曲。前者はイアン・デューリー、後者はアルバート・アイラーですが、当然のごとく原曲とはかけはなれたアレンジ。後者はシカラムータでの演奏も大好きですが、独特の文体を持った桜井さんのボトルネックのプレイもとっても素敵です。

ここで中村まりさんが演奏に復帰。最初はマナサスのレパートリーから「Bound To Fall」を演奏。これがまためちゃめちゃかっこいいです。はまっています。もともと好きな曲ですが、このユニットで取り上げてくれて嬉しいですね。ロンサムが「Deja Vu」を取り上げたとき、あれっ、桜井さんってCSNも好きだったのか、とちょっと意外に思ったのですが、今回は納得の選曲。しかしCDの解説を見ると、桜井さんマナサスのアルバムから別の曲を推薦したのだけれど、中村まりさんから「Bound To Fall」を演りたいとのレスポンスがあった模様。その選択は大正解だとわたしは思います。続いての曲は一転して、まるで昭和歌謡のような「Last Kind Words」。この曲でスタンド付のスチール・ギター(ノン・ペダル)を弾いた玄さんは、「トリビュート・トゥ・和田弘」なんておっしゃっていましたが、まさにマヒナスターズまで思い浮かべてしまいそうで、今までの中村まりさんのイメージを大きく異なった演奏。もちろん英語なので、まんまマヒナということはないのですけどね。「Bound To Fall」との落差が大きいです。マヒナをバックに、ホリディが歌っているかのようなイメージですな。原曲はカントリー・ブルースというから驚きです。その次に演奏されたのは、耳なじみのあるナンバー。「Viola Lee Blues」です。ビオラのかわりにマリさんのブルース・ハープ。バンジョーは原さんと桜井さんの2本。桜井さんはリゾネーターのないタイプのバンジョーを弾いていましたが、原さんから手渡されていたので、借り物なんでしょうか。そして、ロンサムのライブ盤『Some Happy Day』にもはいっている「I Am A Man Of Constant Sorrow」。映画『Oh Brother』でもおなじみのナンバーですが、このユニットでの演奏。最高です。そしてアルバムの中で数少ないオリジナル「Ghost Town Dance」が披露されます。マイナーキーの美しい曲です。古いアメリカのフォークソングだよと言われたら即信じてしまいそうで、アルバム・コンセプトに全く違和感なく入り込んでいるように感じます。それにしても美しいアンサンブルですね。いよいよ本編ラストのナンバー。ウッディ・ガスリーの「Hard Travelin'」です。東京から二日がかりで車で来てくれた彼らですが、そのハードな旅路を楽しんでいるかのようなドライブ感のある演奏に酔いしれました。

アンコールでは、まずバンジョーの原さんがグレッグ・オールマンの「Midnight Rider」を歌います。このバンドに入らなければ、彼がオールマンズをじっくり聴くなんてことはなかったのかも知れませんね。1曲だけというのはもったいないいい声。もちろんバンドの演奏も、まりさんのコーラスもばっちりはまっていました。そして、もう一曲は「Some Happy Day」。ライブ盤ではインストでやっていたこの曲。まりさんの歌が入ると、また違った味わいがありますね。スケールの大きな演奏に大満足です。それでもさらにアンコールの手拍子を叩き続けると、なんと二度目のアンコールをやってくれました。曲は「Heart Like Wheel」。最後はしみじみじっくりと名曲バラードでしめくくってくれました。いやいや、素晴らしい余韻の残ったライブでした。

はじめての「生」を体験した中村まりさん。ロンサム・ストリングスとの相性は抜群というか、これ以上ない組み合わせというか、アメリカン・ルーツ・ミュージックに現代の風を吹込む二組のコラボで、極上の音世界が生み出されました。このツアーを体験できてホントによかったと思います。ニュー・アルバム収録曲は全19曲。そのうちの17曲を演奏してくれて、それぞれのコーナーが3曲ずつ。計22曲、あれっ、1曲少ないと思ったら、ロンサムのコーナーでやった「Ghosts」はニュー・アルバム収録でダブってカウントとなっていました。というわけで、この新作ももちろん素晴らしい。ライ・クーダーのアルバムと続けて聴いたりして、楽しませてもらっておりますです。

The Cates Gang / WANTED

catesgang
故エディ・ヒントンが白いオーティスだとするなら、この二人、ケイツ・ギャングは白いサム&デイブですな。参りました。日本ではVIVIDから発売されている、韓国の再発レーベル、BIG PINKは気になる作品が多くて、全部は買えないけれども、ちょくちょく購入しています。最近買った中で出色は、先月発売になったケイツ・ギャングの2枚です。泥臭スワンプ系は、けっこうレコードも集めているつもりなのですが、彼らは見逃しており、今回のCD化で初めて聴いたのですが、すんばらしいです。

ケイツ・ギャングは、1970年代初期にこの2枚を出したあと、1975年にはケイト・ブラザーズとして再デビュー。アサイラムから4枚のレコードをリリースしております。こちらもファーストとセカンドを持っているのですが、割合洗練されたつくりで、レゲエっぽい演奏なんかもあり、オーリンズあたりを連想させる演奏。それに対して、ケイツ・ギャングの方はブルー・アイド・ソウルというか、熱気ムンムンで汗をまき散らして、まんまR&Bやってますという感じです。もちろん自分はケイツ・ギャングの方が気に入りました。知らずに聴いたら、きっと黒人グループと信じこんでしまうでしょう。ケイツ・ギャングはキーボード・ボーカルのアーニー・ケイト、ギター・ボーカルのアール・ケイトのデュオなんですが、なんとこの二人双子の兄弟なんです。どおりでハーモニーの息があってるわけだ。そういえば、結成当初からザ・バンドの弟分みたいなところがあり、1983年の来日公演ではロビー・ロバートソンに変わるサポート・メンバーとして来日していました。なんでもアーカンソー出身の彼ら、同州出身のロニー・ホーキンスは彼らのアイドルでありお手本だったようで、その縁から1965年にディランのワールド・ツアーから離脱したリヴォン・ヘルムが帰郷し、ごく短い間ケイト兄弟のバンドでドラムを叩いていたこともあったようです。

今日取り上げるのはファーストの『WANTED』。1972年のリリース。全曲ケイト兄弟によるオリジナル。ほとんどの曲に女声コーラスやメンフィス・ホーンズのような管が入って、スタックス・サウンドへの偏愛が如実に表現されています。どの曲もいいのですが、まずとりあげねばならないのは3曲目「Song Man」でしょう。このタイトルでサム&デイヴとくれば思い出されるのは「Soul Man」。曲調も結構似ていて言わばアンサーソングといったところでしょうか。1曲目の「We All Got To Help Each Other」のリード・ギターを聴いて連想されるのは、やはりロビー・ロバートソンのプレイ。古き良きR&Bにザ・バンド色をまぶした贅沢なサウンド。出だしから4曲目までは、ノリのいいR&Bナンバーが続きます。二人の声も黒っぽくて迫力満点です。LP盤ではA面ラスト。6曲目の「When Will We Learn」はミディアム・テンポでじっくり聴かせるナンバー。どことなくダン・ペンの書いた作品を思いおこさせます。

B面に行っても7曲目の「I'll Take You Back Again」や「I Made Yp My Mind」のように高揚感が素晴らしいジャンプ・ナンバーが収められております。このあたりはディレニー&ボニーの演奏にも通じるところあるように感じます。めちゃめちゃカッコいいですぜ。8曲目「What's The Use In Lovin' You」は、「Something Wrong With My Baby」あたりを連想させるバラード。本家に肉薄しています。一方10曲目「Help Me Work It Out, Woman」なんかはちよっとファンキーに迫っていますが、ラスト・ナンバーではまたまた典型的サム&デイヴ・スタイルに戻って白熱した演奏を聴かせてくれます。

こういうのを聴くんだったら、本家を聴いてる方がずっといい、とおっしゃる方もおられるでしょう。そういう価値観も理解できなくはないけれども、逆にR&Bは黒人でなきゃダメみたいな、逆差別のようにも思われるんですね。そういう理由でこの盤を耳にしないR&Bファンの方がおられたら、それはそれはもったいないことをしていると感じます。ジャケはありがちな南北戦争頃のお尋ね者の風情。だって「ギャング」ですから。変形ジャケットのポスターには「WANTED DEAD OR ALIVE」をもじって、「Recorded or Live」になっているのも面白いですね。翌年リリースされた彼らのセカンド『Come Back Home』も同じ路線。女声コーラスこそないものの、R&Bカラーの強い名盤。いずれレビューしたいと思っています。

レシーブ二郎&マルコ Live at Andy 2011/9/10

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昨日は、Live Bar Andyで「Folk Folk Folk」というイベントにソロで出てきました。けっこうゆるいイベントで、19時開演なのに誰もお客さんが来ていない!! 19時30分頃到着したら、自分が出演者で2番目。つづいてデュオの二人、小西さんと東さんが到着。早速二人の演奏が始まります。一人はマーティン、一人はヤイリのアコギにピックアップをつけて、二人ともフェンダーのツィン・リヴァーヴからアウトしています。ほほぅ、面白いセッティング。ジャズっぽいナンバーも演るので、そういう空気感を出したいのかな。インストで幕開け、それから歌ものの曲を数曲演ってくれました。彼らのステージの準備中から、出演者やその関係者と思しきお客さんがちらほら。演る人、観る人がほぼ同じ、こういうイベント、いいと思います。演る人はどんどん見にいかなきゃね。でも、自分も若い頃に比べて体力が低下してきたので、ライブハウスに足を運ぶ機会が減ってきました。自分が出るときは、できるだけ他の出演者の方々を応援したいと思っています。次にステージに上がったANAMIZUさんは、正統派フォーク。拓郎、陽水の時代から音楽に親しんでいる方で、岡林の「山谷ブルース」で幕開け、永井龍雲や長渕、小椋佳のカバーをまじえ、最後は自作曲でしめくくり。暖かい人柄がにじみ出た素敵なステージでした。続いて出演の方は自作の日本語ナンバーを2曲。ラストはゾンビーズのカバーで決めてくれました。彼の自信に満ちた歌声いいですね。

自分のステージは4番目。21時少し前から演奏を始めました。今回はワイゼンボーンのスタイル2、タカミネのPT-407、VOXマンドギターの3本を持ってきました。1曲目は、ワイゼンボーンで「Her Mind Is Gone」を演奏。けっこう難しい曲ですがどうだったかな。もちろんデヴィッド・リンドレーのプレイを参考にさせてもらいました。2曲目にはタカミネで今回久々に「F.D.R. in Trinidad」を持ってきました。6月のライブの時に途中で演奏できなくなった曲ですが、今回は無事に完奏。ホッとしました。3曲目に「Meat Man」をやりました。この曲はほんとに久々にステージにかけましたが、大好きなナンバーです。今回ワイゼンボーンは1本しか持ってこなかったので、1・3曲目はともにB♭FB♭FB♭DのB♭チューニングです。6弦はB♭まで落としているので066の弦を張っておりませすが、いかんせん90年くらいたってる古いギターなのでコンディションが心配なところ。もちろんステージが終わったらすぐ弦を緩めます。4曲目で相方の金さん(マルコ)に登場いただいて、こちらも2年ぶりとなる「Any Old Time」を演奏。ドロップDだったタカミネをレギュラーに戻して演奏。さすが金さん歌うまいですね。会場のみなさん、しんとなって歌に聞き入っています。拍手も一番大きかったんじゃないかな。ここでマンドギターに持ち替えてライ・クーダーがレパートリーにしているボビー・ウーマックの「It's All Over Now」と「Jesus On The Mainline」を演奏。この2曲サビでは金さんにコーラスを手伝ってもらいました。マンドギターのチューニングについては2008年1月23日のブログにのせておりますのでよかったらご覧下さい。この楽器一本で弾き語りを演るのははじめてですが、ちゃんと音楽になっていたかどうか心配です。

わたくし達の次にはSATOUさんが登場。何度かイベントでご一緒させていただいたことのあるで、黒崎のミュージック・バー、A Hard Days Nightの常連さん。最近はAndyでも定期的にライブイベントを開催しておられます。昨日もそのイベントだったようですが、続いて今日もご出演。この日はニール・セダカの「恋の片道切符」で幕開け。ビートルズ、ストーンズなどなど60年代のナンバーを披露してくれました。ストーンズの曲での力の入ったボーカルが印象的でした。次に登場したのは、パンク豊坂。今年の冬場、ナッシュ皐月さんのサポートをした時に、ご一緒させていただいた方だと思います。その時はドラマーを従えエレキギターで歌っていましたが、今回はアコギ一本。しかし、その時と同じくメッセージ性のある自作曲を大きな声でがっしり歌っていました。曲調ははっきり言って好みではありませんが、そのエネルギーには正直圧倒されます。

豊坂さんが終わった時点で夜10時30分くらいだったでしょうか。ここから二巡目。再び小西さんと東さんのユニットが登場。1曲目はクラプトンの「Change The World」で渋く始まり、2曲目にスガシカオのカバー。3曲目に自作曲。4曲目で別にやってるバンドのヴォーカリストさんが登場。伊藤さんと紹介されたその方、なにやら見覚えがあると思ったら、その昔、金さん銀さんが、まだカテーテルと名乗っていたころに応援に来てくれたロカビリアンでした。知らないうちになかなか上手いボーカリストになっているではないですか。MCもとっても達者です。彼が1曲歌ったあと、なんと一緒にセッションしませんか? と誘われてしまいました。たまたまワイゼンボーンのチューニングがB♭だったので、ステージにあげてもらうことになりました。曲は「ルート66」の日本語バージョンかな? セッション用にBメロ部分がはずしてあるのかもしれません。次の「おそうじオバチャン」では、豊坂さんさマルコがボーカルで参加、自分はアコギで参加させてもらって楽しく演奏させていただきました。

この日はとってもアットホームな雰囲気で、楽しい夜となりました。このユニットの演奏が終わった後には、ふたたびSATOUさんがステージにあがり、自分の前に出演された相方といっしょに「Blue Suede Shoes」や「Runaway」といったみんなが知ってるロックンロール・ナンバーで場を盛り上げていましたが、われわれはこのあたりで帰らねばなりませんでした。まだまだ聴いていたかったのですが残念です。おそらく明け方の3時頃まで楽しくセッション大会が続いていたのではないかと思います。
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レシーブ二郎ライブ情報
当面ライブの予定はありません
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レシーブ二郎
福岡県内で音楽活動してます。本厄となりましたが、楽器の腕はまだまだ。がんばっていきたいものです。リスナー歴は長いけど、アマチュア・プレイヤー歴は駆け出し。持ってる楽器は多数。おいおい紹介していきます。
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