funkymeters昨日は休みをもらって大阪までファンキー・ミーターズを見に行ってきました。今年はじめてのライブです。
彼らのステージは約2年前もニューオーリンズのジャズ・フェスでも見ているのですが、全編は見れなかったし、そのときの演奏もとってもかっこよかったので遠路はるばる見に行くことにしました。それに、御年76歳のアート・ネヴィルのステージを目にすることができる機会もそうそうないだろうというのも大きな理由のひとつです。

ファンキー・ミーターズはオリジナル・ミーターズのアート(キーボード)とジョージ・ポーター・ジュニア(ベース)に、ドラムのラッセル・バティステ・ジュニアとギターのブライアン・ストルツを加えた4人組です。ギターとドラムがオリジナル・メンバーではないので物足りないという方もいらっしゃるでしょうけど、二人ともニューオーリンズの熱い魂を宿したテクニシャン。オリジナルとは微妙には違うかもしれないけれど、個人的にはかなり高い完成度をもつ音楽集団だと感じています。

この日の整理券番号は19番。ブライアン・ストルツの真ん前のテーブルに相席させてもらいます。客の入りは上々。ほとんど満席になっていてアラン・トゥーサンのときよりずっと多いです。定刻の18時30分になると、上手の方からメンバーが登場。介助者を従えたアーティは足が悪く、階段の通行がとっても大儀そうです。ラッセルが先にステージにのぼって、アーティがステージへの階段を上がるところでドラム・ロールを入れたりします。ラッセルが「Here we go」かなんか声をかけてドラムを叩き始め、演奏スタート。ステージ上手からブライアン、ラッセル、ジョージ、アーティの順。不動の配置です。衣装はバラバラで、アーティがトレーナーにニットの帽子、ジョージはしぼり染めのシャツ、ラッセルは黒の半袖シャツ、ブライアンはチェックの黒っぽいシャツを着ています。アーティのハモンドB3の後ろにはもちろんレズリーのアンプがあり、ジョージはいつものべっこう柄のピックガード、ナチュラル・カラーのフェンダー・プレジョン・ベースを抱え。ブライアンはクリーム色のフェンダー・ストラト・キャスター。ラッセルはdwのドラム・セットに座っています。

1曲目は「Funky Miracle」。ミーターズ独特のファンクが炸裂しますが、アーティがフィル・インのタイミングをはかりそこなったりとか、やはり衰えも目立ってしまいます。けれど、ジョージにサポートされながらも日本のファンの前で最高の演奏ををしようと精一杯がんばってる姿に胸を打たれます。曲間をあけず大半の曲をメドレーのようにつないでいくのがファンキー・ミーターズの流儀のよう。ドラム・ギター・ベースの3人が顔を見合わせながら、次の曲にうつっていきます。2曲目は「Doodle Loop」のかけ声が印象的な「The World Is A Little Bit Under The Weather」。この曲でジョージの力強いヴォーカルを聴くことができました。めちゃめちゃ上手いわけではないけれど、本当にいい声ですよね。ほれぼれしてしまいます。この曲が終わりかけると、ラッセルとジョージがニワトリの鳴き声を真似た奇声をあげます。予想どおり次は「Chicken Strut」に続いていきます。この曲はジャズ・フェスの時も聴きましたが、間近で聴くとまた格別ですよね。ミーターズならではのひょうきんさを合わせ持ちながら、ファンクとしてめちゃめちゃかっこいいです。ワウ・ペダルを多用したブライアンのソロもなかなかです。

4曲目はマイナー・キーの知らないナンバー。ブライアンのギターがベンチャーズみたいにトゥワンギーに響きます。続いてはじまったのは「Africa」。この曲ではアーティがリード・ボーカル。出にくい声を振り絞るように歌う姿は感動的です。アーティは無理しているかというと、あくまで自然体。笑顔でジョージをはじめとするメンバーとコンタクトし、演奏を楽しんでいるように見えます。彼の歌と同様に個性的なオルガンのサウンドも素晴らしく、「POPPA FUNK」の底力を見せつけられている思いです。ラッセルの短いドラム・ソロのあとはじまった6曲目は、思いっきり明るい「Soul Island」です。この曲がライブで聴けるとはちょっと予想外でした。この曲でもジョージのボーカルがいい味を出していました。

しばしブライアンがギター・ソロでつないだ後、ジョージがマイクにむかって「アー」と叫び、左手の合図とともに「ヤー」と振り下ろしてはじまったのはもちろん「Cissy Strut」。やはり、この曲をファンキー・ミーターズで聴けるというのは得も言われぬ感慨があります。最高です。曲はスローな「Cardova」に続いていきます。ひとしきり演奏が進むとジョージが歌い出します。アラン・トゥーサンが書き、リー・ドーシーが歌った「Get Out My Life, Woman」です。2コーラス目はアーティが歌い、曲の最後には再び「Cissy Strut」のフレーズに戻って演奏が終了。ジョージがメンバーを紹介し、ブライアンがジョージを紹介します。ジョージが「アンコールは…」は口を開くと、すかさず客席から「Ride Your Pony」と声がかかります。おそらく、あまり最近やってなかったナンバーでしょうけど難なくこなし、そのまま最後の曲「Look KA-PY PY」へと続いていきます。これも聴きたかった曲でした。

演奏が終わると、アーティは客席に大きく手をひろげ挨拶し、ジョージやラッセル達に支えられながら、ゆっくりと会場をあとにしていきました。
不自由な足をひきずって、はるばるニューオーリンズから日本のファンのために来てくれた「POPPA FUNK」ことアーティと、すばらしい演奏を繰り広げてくれたメンバーに感謝したいと思います。1時間少々の短いステージでしたが、わざわざ福岡から足を運んだ甲斐がありました。

新幹線に間に合うように会場を出ようとすると、一人の男性から声をかけられました。彼は、このブログを見てくださっていて、自分たちのニューオーリンズ旅行記に触発されて、2013年のニューオーリンズ・ジャズ・フェスを見に行かれたんだそうです。最近、あまり反響はありませんが、細々とこういう作業を続けていくことで、確実に誰かとつながることができるんだと思うと少し勇気づけられた気がしました。そして、またいつかニューオーリンズを再訪したい。そんな思いに駆られました。