2012年08月16日

住まいの地盤を知るコツ (4) 台地の谷地盤


台地の地盤と谷では、どこがどう違う?

前回、「やや高い地盤」を知るの中で、谷(谷底低地)について若干触れましたが、今回はその谷を、台地の中の「やや低い地盤」として改め
てを取り上げてみます。
同じ台地にあっても、一般的な台地地盤と谷地盤では、様子がだいぶ異なります。地盤の高さとしては、谷地盤のほうが相対的に低く、一般
に5〜10mほど地盤が低くなりますが、場所によっては15n以上の段差がある場合もあります。しかし谷地盤は、台地地盤に比べてただ低いと
いうだけでなく、地下の地層、地質が両者では根本的に異なり、地震時に揺れが増幅されるといった、防災上とくに注意を要する地盤になり
ます。

下の図をご覧ください。これは、一般的な台地地盤(左図)と、谷地盤(右図)を実際のボーリングデータで見たものです。いずれも、東京メト
ロ「麹町駅」付近のものですが、両者は距離的に100mと離れていない場所にあります。それぞれの図の右側に、地盤の強さを示すN値データ
も併記しましたので、合わせてご覧ください。

      一般的な台地の地盤             台地の谷地盤  
麹町駅周辺/台地地盤麹町駅周辺/谷地盤

まず、一般的な台地地盤(左図)を見てください。上から表土(青緑色)、ローム層(エンジ色)、ローム性粘土(薄いピンク)が三点セットにな
って、地下10m付近までを占めています。以下は硬い岩盤(灰色の砂層など)になりますが、これが台地地盤のごく一般的な地下地層になりま
す。

では、問題の谷地盤(右図)はどうでしょう。表土の下にあるはずのローム層、 ローム性粘土がこちらにはありません。ご自分でボーリング
データから、谷地盤の有無を知るには、まずこのローム層、 ローム性粘土の有無を知ることからはじめます。次に、ローム層がない代わり
に、谷地盤に特徴的に見られる地層「腐植土」の有無を調べます。図中では、腐植土層は黄緑色で表現されているので、すぐにそれとわかる
はずです。厚さは図から5m近いと判断できるので、これは文句なしのウルトラ軟弱層(※軟弱層よりさらに軟弱)になります。

多少の補足説明をしますと、腐植土は、以前にここに川が流れていて、その川が上流から運んできた植物などの有機物が土質化したもの。ま
た、腐植土層の下にあるシルト層(水色)は、かつてこの場所が浅い海面下にあったことを示します。 左図の台地地盤には、川が流れた跡も、
浅い海面下にあった跡もありませんが、谷地盤にあたる場所では、かつて川が流れ、浅い海面下に浸かっていた時期があったということにな
ります。そんな過去の環境を考えれば、地下の様子が違ってくるのは、むしろ当然といえるかもしれませんね。

今回は、実際のボーリングデータを見ながら、意外に知られていない谷地盤の地下をご紹介しました。谷地盤を知るためのヒントになれば幸
いです。なお、ここで説明したボーリングデータの見方、谷地盤に関しては、当ブログ「住宅地盤の見方」でも詳しく紹介していますので、
そちらも参考にご覧ください。

・ボーリングデータの見方に関しては、(8)「ボーリングデー
タで見る」
・谷地盤に関しては、(5)「地層・地質で見る」




↓応援がなによりの励みになります
にほんブログ村 住まいブログへ にほんブログ村 その他生活ブログ 地震・災害へ にほんブログ村 住まいブログ 防犯・防災へ


geologistyouna202 at 10:19コメント(0)トラックバック(0)住まいの地盤を知るコツ  

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
広 告
記事検索
住まいの地盤が気になる方へ
プロフィール

東京低地地盤研究会

  • ライブドアブログ