GISの活用について

2012年05月07日


前回は、GISの基本的な考え方などについて述べましたが、今回はこれから実際にGISをはじめる、またGISをはじめたものの意外に悪戦苦闘
している方のために、ヒントになりそうな事柄を取り上げてみます。
これから実際にGISをはじめようという方は、たぶん何をどこからはじめれば良いのか、またどこからはじめれば、その後にうまく繋がって
ゆくのかが漠然としているのではないでしょうか。そこで、まず習うより慣れることからはじめます。

■GISの大きな利点とは?

GISの大きな利点は、みなさんの手書き(またはPC上)のデータや情報、メモ(絵地図)など地理的要素を持つものであれば、正確な日本地図に反
映することで、すでにパソコン上で欠かせないツールになった電子地図、またグーグルアースやマップなどにも自由に表示できるようになる
ことでしょう。
また、こうしてパソコン上に再現されたデータに他のデータを加えたり、重ね合わせたり編集加工することで、さまざまな分析も可能になり、
単なるデータや情報の収集、分析とは格段に異なる、精度の良い結果を得ることができるようになります。例えば、みなさんが精度には多少
難点があっても、自分なりのテーマに沿って数多くのデータや情報、メモを持っている場合には、大いに威力を発揮するはずです。

■まず「基盤地図情報25000」の入手からはじめる

GISの利点を生かすために、まず最初にGISのいわば元締め的な地図「基盤地図情報25000」を手に入れることからはじめるのが一番です。
「基盤地図情報25000」は、国が音頭をとり、率先して進めているGIS活用推進の核となる基本地図。ヤフーMapやグーグルMapほど親しみや
すくなく、情報内容も盛りだくさんで扱いやすい地図でもありませんが、GIS処理に欠かせない「位置合わせ」にも最適なので、ぜひとも手
に入れておきたい地図の一つです。

「基盤地図情報25000」は、地域ごと、項目ごとに分かれており、全体としては大変重いデータです。すべてを入手するよりも、用途や目的
に合わせて必要な部分だけを手に入れるようにした方が良いでしょう。
「基盤地図情報25000」は、無償提供されていますが、ダウンロードに際しては、入手データの形式に注意してください。データ形式の問題
は、良くも悪くもGISを複雑で扱いづらいものにしている一因ですが、避けて通れない問題なので、ここで「基盤地図情報25000」のデータ形
式に関して簡単に触れておきます。

■厄介な”データ形式”には、習うより慣れるが一番

「基盤地図情報25000」は、入手する際に、2つのデータ形式が選択できるようになっています。JPGIS2.0とJPGIS2.0(GML)の2つで、ここ
は前者のいわば拡張版である後者JPGIS2.0(GML)を選びます。また、この基本データを表示させるための閲覧用コンバートソフト(ビユワ)も
用意されているので、これも忘れずに手に入れておきます。なお、このコンバートソフトのみ、Macには非対応なので注意してください。

このコンバートソフトには、GIS処理を行う上で欠かせないデータの形式変換の機能も備わっているので、ここでその問題にも触れておきま
す。このコンバートソフトにより、入手したJPGIS2.0(GML)形式のファイルを、SHAPE形式かDM形式いずれかの形式に変換できますが、ポ
イントになるのが、SHAPE形式のファイルです。

■「SHAPE形式」は、GISの標準フォーマット

GISでは、地図データの表示にさまざまなファイル形式が採用されていますが、最も一般的なのが、この「SHAPE形式」のファイル。これは、
GISの標準フォーマットともいわれるファイル形式で、日本をはじめ多くの国で、パソコン上の地図データ形式として採用されています。実
際のGIS作業は、専用のGISソフトで行うことになりますが、そのGISソフトの多くで、 SHAPE形式は読み込み可能で、データ変換ツールな
どによって、グーグルアースで用いられているKML形式にも変換できるなど、多くの利点があるのでご存知の方も少なくないでしょう。

一方のDM形式は、簡単にいえば画像データのことです。SHAPE形式とDM形式では、表現形式が根本的に異なっており、前者はベクター形
式、後者はラスター形式と呼ばれます。このベクター、ラスターの両形式(ファイル)は、GISを行う際に必ずついてまわる描画形式なので、し
っかり頭に入れておくようにしましょう。

■ベクター形式、ラスター形式の違いにも注意

この二つの形式の違いは、簡単にいえば、ベクター形式は図形を”線や面”で表し、ラスター形式は図形や画像を”点”で表す表現方法のこと。詳
しい説明は省きますが、それぞれ表現方法の違いから、向き不向きがあり、GISソフトを使って実際にGIS作業をする際にもさまざまな違いが
でてきます。

GISは、現在その作業環境が整備されつつありますが、誰でも気軽にGISとはいえない状況にあり、まだまだ発展途上の技術です。上記で紹介
したデータ形式の問題はもちろん、異なるデータ間のやり取り、データ変換などには、まだ多くの困難、労力が伴いますし、フリーのGISソ
フトも日本語に対応、非対応のものが混在するなど、やや混沌とした状況にあります。であれば、ここは先を急がず、目標をしっかり定めた
後は、コツコツやるのがGISの王道かもしれません。

今回、ここで言い足りなかったことも含めて、GISの進め方や、フリーのGISソフト、データ変換の仕方など、GISを実際に行う際のヒントに
なりそうな事柄を、これからも取り上げていきたいと思います。

「基盤地図情報25000」「閲覧用コンバートソフト」のダウンロードはこちらから

「基盤地図情報25000」をGISソフトで簡単に読み込めるWMS版「基盤地図情報25000」
が農業研機から配信されているので、希望される方はこちらから



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geologistyouna202 at 14:00コメント(0)トラックバック(0) 


このブログをスタートした際に、GISという言葉を恐る恐る取り上げたことがあります。簡単な意味と可能性などについて触れたのですが、
その後のGISの急進展、変貌ぶりを見ると、あらためて驚かされます。

このブログでは、地震や住宅地盤のことを扱うことが多いので、GISは避けて通れない問題ですが、現在のGISの取り扱われ方、またGISの
実際の作業を見ていると、多少複雑な気持ちになります。簡単にいえば、GISの大義名分はさておき、さまざまな分野にGISが浸透し、実現
できれば、大変強力な情報の共有、統合ができるはずですが、問題はそのGISを支援、促すためのツールや形式の膨大さ、複雑さです。
また、GISを実際に行うためのGISソフトは大変に高価で、これを仕事とする企業を別にすれば、一般の人がGISをはじめる際の大きな障害
になるかもしれません。そこで今回は、一般の方がGISを始める際の注意点、留意しておくことなどを取り上げてみます。

■GISの基本的な考え方は、シンプルそのもの

GISの基本的な考え方は、わかりやすくてシンプルそのものです。要は、地理的(場所的)な背景を持つ情報やデータを束ね、重ね合わせ、そ
の重ね合わせた情報に、「位置」という付帯情報(属性情報)を与えることで、情報やデータの集積度、精度などのアップを図る。また、PC上
の電子地図などを共通基盤に、より多くの人と情報の共有、統合を図ろうというものです。

GISの考え方を知るには、「レイヤー」という概念がわかると、比較的簡単に理解できます。パソコンでイラストレータなどの描画ソフトを
使って作業をしている方にはおなじみの機能ですが、つまりは文字や画像などを透明なセルに描き、描き分けられた複数のセルを目的に沿っ
て重ね合わせることで、目的の表現物(描画作品)を手に入れることです。
このレイヤーに当たるものは、手持ちのデータや資料図版、また手書きの絵図、写真など、地理的背景を持つものであればなんでもかまいま
せん。これらを、一つの共通項(場所、地域、任意のキーワードなど)で整理、束ねれば、もう立派なGISへの第一歩です。

■単純だけど、意外に難しいデータの”重ね合わせ”

しかし、ここから先が、GISと単なる情報整理、集約の違いになります。きちんと整理分類された情報やデータ、絵図でも、その形式を統一
し、デジタル処理し、パソコンに乗ってはじめて重ね合わせができるようになります。手持ちのPC上のエクセルやイラストレータのデータ、
また手書きの貴重な絵図なども、一定のデジタル処理、変換がされなければ、他の情報、データと重ね合わせるという、きわめて単純なこと
もできません。

GISは、大変強力で便利な情報管理ツールの一つですが、まだまだ発展途上の技術です。また、本来はオリジナルなもので、GIS当事者に依
存する部分が多い技術でもあります。GIS処理は自分で行わなければならず、当然のことながら多大な労力と時間を必要とします。例えば、
絵図などをそのまま使用するならスキャンなどによるDM作業、精度を求めるなら事前のドローリング作業(イラストレータなどの描画ソフト
を使用)が必要ですし、パソコン内に蓄積されたアプリケーションの異なるデータを共通の土俵に乗せるのであれば、さまざまな補正、形式
変換作業なども必要になります。

■GISへの各種無償支援を積極的に活用したい

ところで現在、GIS向けのさまざまな無償の情報やデータ、フリーGISソフト、GIS支援サービスなどが、公的機関、GIS関連団体、NPO、
また多くの民間企業、個人などから提供されています。GIS作業の負担や時間の軽減を図り、GIS当事者の目的をすみやかに実現するために
も、こうした無償の有益情報やサービスを積極的に利用したいものです。

GISの基本的な考え方などについて簡単に書きましたが、多少なりともGISについて興味を持っていただけたでしょうか。それとも、大変そ
うでうんざりしたでしょうか。なおGISに関しては、今後も引き続きお話していきたいと思います。
 


 

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geologistyouna202 at 12:25コメント(0)トラックバック(0) 
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