表面積とは、立体の表面全体の面積のことを言います。
ちなみに、立体の側面だけの面積のことは、側面積と言います。
今回は、表面積のお話です。いろいろな立体図形の表面積の求め方を解説していきます。
初級編 直方体
まずは、基本中の基本。直方体の表面積を求めてみましょう。
直方体と言えば、面は6つ。その6つの面積の合計を求めればOK。
下の直方体の表面積を求めなさい。
直方体は、向かい合った面が全く同じという性質があります。なので、3種類の面積を求めて、×2をすればいいですね。
(6×3+5×3+6×5)×2=126 よって、表面積は126 cm²
中級編 円錐
円錐は、ちょっと難易度が上がります。
特に側面、つまり、おうぎ形の部分の面積を求めるのに少し苦戦するかもしれません。
下の円錐の表面積を求めなさい。
この円錐の展開図はこうなります。
おうぎ形の半径は7 cm。
弧の長さは、底面の円周と同じなので、3×2×π=6πになります。
おうぎ形の面積は、「真円に対してどれくらいの割合なのか」で求めます。
おうぎ形の弧の長さは、半径3 cmの円周の長さになっています。そして、おうぎ形の半径は7 cmです。
つまり、おうぎ形がもしきれいな真円だったら、円周は半径7 cmの円のものになりますが、今回のおうぎ形の弧は半径3 cmの円周の長さしかないのです。
ということは、おうぎ形の面積は、半径7 cmの円の面積の3/7(6π/14π)となります。
というわけで、円錐の表面積ですが、側面のおうぎ形と底面の円の面積を合わせたものになりますので、式は↓のようになります。
7×7×π×(3/7)+3×3×π=30π よって、表面積は30π cm²
上級編 円錐台
円錐の表面積の求め方が分かっていれば、工夫することで解けます。
しかし、やや面倒くさい。
下の円錐台の表面積を求めなさい。
底面の半径6 cmの円、半径4 cmの円の面積は、それぞれ6×6×π=36π、4×4×π=16π。
問題なのは、側面ですよね。
円錐台は、大きな円錐から上部の小さな円錐を抜き取った形をしています。
側面も、おうぎ形から上部の小さなおうぎ形を引けば求められます。
ただ、大きな円錐台と小さな円錐台の母線(側面のななめになっている部分の長さ)がどうなっているのか求める必要があります。今回の円錐台を横から見ると、下のようになります。
円錐台の下底の半径が6 cm、上底の半径が4 cmなので、この流れでいくと、上の図のようになり、大きな円錐の母線は5 cm×3=15 cmということになります。
母線が15 cmの円錐の側面、つまり、おうぎ形の面積は、15×15×π×(6/15)=90π cm²
上部の母線が10 cmの円錐の側面、つまり、おうぎ形の面積は、10×10×π×(4/10)=40π cm²
よって、円錐台の側面の面積は、90π-40π=50π cm²
というわけで、円錐台の表面積の面積は、36π+16π+50π=102π cm²
今回は、3種類の立体の表面積の求め方を解説しました。
応用問題の難しいものでは、もっと複雑な図形が登場するかもしれませんが、
それらも基本的な図形の組み合わせることで解けるはずです。
例えば、今回紹介した円錐台も、円錐を基本とする解き方で求めることができました。
なので、複雑な図形でも、自分のよく知っている基本的な図形をうまく組み合わせたり、抜き取ったりして解けないかどうか考えてみてください。
それでは、お疲れさまでした。