夏の本場所こと新日本プロレスのG1は、飯伏の3連勝という劇的な開幕でプロレスファンを驚かせた。
PPVもある大阪大会での中邑との対戦は、大きな注目を浴びた。
そして、G1期間中に飯伏は週プロの表紙を飾った。
この飯伏の3連勝、そして中邑との対戦が注目されたことに何か違和感を覚えた。
飯伏と同じジュニア階級で、IWGPジュニア王者でありベストオブスーパージュニア全勝優勝者のプリンス・デヴィッドがセコンドの介入で勝利を拾う一方で、飯伏は実力で3連勝という結果だった。
これはプロレス的にありえない。
飯伏は他団体の選手だ。
ある程度のアップセットを起こすことはあっても、3連勝とは勲章としてあまりに大きすぎる。
特に優勝した内藤から勝利しているという点は見逃せない。
そもそも、飯伏と中邑の試合が一番注目されているみたいという話が、全くピンと来なかった。
アンケートの結果というが、それは本当だったのだろうか。
DDT両国大会1日目、メインイベントは飯伏幸太と男色ディーノが大役を務めた。
飯伏の鮮烈で力強い技の数々に、ディーノは男色殺法を駆使して対抗した。
試合は飯伏の勝利で終わった。
まだ荒い息のままで、試合後、ディーノがマイクを握った。
彼は飯伏に語りかける。
「なんでプロレスやっているの?」
「楽しいから」
奇遇ですね、わたしも一緒ですと返すが、彼が本当に聞きたかったことではない。
リングを指差して、もう一つの問いを投げかける。
「なんで、DDTにいるの?」
「好きだから、大好きだからです」
ほんの少しだけ間を空けて、それで全て聞きたいことを聞けたから話は終わりとばかりにディーノは観客との対話に移った。
DDT高木大社長は飯伏に他団体への移籍を勧めたことを公言している。
飯伏はそれに対し、連戦が肉体的にも精神的にも厳しいことやキャンプ場プロレスなどを優先したいので、移籍しないと答えたという。
全く、彼らしい回答である。
今年のG1での飯伏の3連勝と週プロの表紙は、新日本からの大きなラブコールだった。
新日本プロレスから見れば、他団体の、しかも飯伏とケニー・オメガ以外の選手を借りることがないDDTに対して、こんな譲歩は全く必要ない。
結果だけでなく、試合の中でも飯伏はDDTで見せない充実感を露わにしていた。
中邑戦での飯伏をDDTで見ることはできないだろう。
ストロングスタイルの象徴である中邑は、飯伏をその方面で一滴も残らずに絞りつくして見せた。
DDT両国大会でディーノは男色殺法で飯伏を追い込んでみせた。
その試合後に語りかけた。
「なんでDDTにいるの?」「好きだから、大好きだから」
ディーノの目が潤む。
しかし、この男色家はここで涙を見せる人ではない。
さっと両国国技館の天井に視線を移してから、観客に語りかけ始めた。
ディーノが「なんでDDTにいるの?」と聞いた時にはドキリとした。
G1のラブコールが頭にあったからだ。
飯伏が答えに詰まるのではないか、移籍を口にするのではないか。
そんなことが頭をよぎった。
実際はどちらもハズレだったが、ディーノがわざわざ大舞台のマイクでこんなことを言うということは、そこをはっきりさせないとダメだと(ディーノが、または団体全体として)思っていたからだろう。
実際と言えば、飯伏も実際のところ31歳の男性だ。
結婚したり、子供ができたりすれば、金銭面を考えてDDTから出ることを決断するかもしれない。
先のことはわからない。
今はドラマティックなドリームを味わっていよう。
それがうたかたの日々になろうとしても、この2日間、奇遇にもDDTを大好きな人達が両国国技館に集まった事実は永遠に残るから。
PPVもある大阪大会での中邑との対戦は、大きな注目を浴びた。
そして、G1期間中に飯伏は週プロの表紙を飾った。
この飯伏の3連勝、そして中邑との対戦が注目されたことに何か違和感を覚えた。
飯伏と同じジュニア階級で、IWGPジュニア王者でありベストオブスーパージュニア全勝優勝者のプリンス・デヴィッドがセコンドの介入で勝利を拾う一方で、飯伏は実力で3連勝という結果だった。
これはプロレス的にありえない。
飯伏は他団体の選手だ。
ある程度のアップセットを起こすことはあっても、3連勝とは勲章としてあまりに大きすぎる。
特に優勝した内藤から勝利しているという点は見逃せない。
そもそも、飯伏と中邑の試合が一番注目されているみたいという話が、全くピンと来なかった。
アンケートの結果というが、それは本当だったのだろうか。
DDT両国大会1日目、メインイベントは飯伏幸太と男色ディーノが大役を務めた。
飯伏の鮮烈で力強い技の数々に、ディーノは男色殺法を駆使して対抗した。
試合は飯伏の勝利で終わった。
まだ荒い息のままで、試合後、ディーノがマイクを握った。
彼は飯伏に語りかける。
「なんでプロレスやっているの?」
「楽しいから」
奇遇ですね、わたしも一緒ですと返すが、彼が本当に聞きたかったことではない。
リングを指差して、もう一つの問いを投げかける。
「なんで、DDTにいるの?」
「好きだから、大好きだからです」
ほんの少しだけ間を空けて、それで全て聞きたいことを聞けたから話は終わりとばかりにディーノは観客との対話に移った。
DDT高木大社長は飯伏に他団体への移籍を勧めたことを公言している。
飯伏はそれに対し、連戦が肉体的にも精神的にも厳しいことやキャンプ場プロレスなどを優先したいので、移籍しないと答えたという。
全く、彼らしい回答である。
今年のG1での飯伏の3連勝と週プロの表紙は、新日本からの大きなラブコールだった。
新日本プロレスから見れば、他団体の、しかも飯伏とケニー・オメガ以外の選手を借りることがないDDTに対して、こんな譲歩は全く必要ない。
結果だけでなく、試合の中でも飯伏はDDTで見せない充実感を露わにしていた。
中邑戦での飯伏をDDTで見ることはできないだろう。
ストロングスタイルの象徴である中邑は、飯伏をその方面で一滴も残らずに絞りつくして見せた。
DDT両国大会でディーノは男色殺法で飯伏を追い込んでみせた。
その試合後に語りかけた。
「なんでDDTにいるの?」「好きだから、大好きだから」
ディーノの目が潤む。
しかし、この男色家はここで涙を見せる人ではない。
さっと両国国技館の天井に視線を移してから、観客に語りかけ始めた。
ディーノが「なんでDDTにいるの?」と聞いた時にはドキリとした。
G1のラブコールが頭にあったからだ。
飯伏が答えに詰まるのではないか、移籍を口にするのではないか。
そんなことが頭をよぎった。
実際はどちらもハズレだったが、ディーノがわざわざ大舞台のマイクでこんなことを言うということは、そこをはっきりさせないとダメだと(ディーノが、または団体全体として)思っていたからだろう。
実際と言えば、飯伏も実際のところ31歳の男性だ。
結婚したり、子供ができたりすれば、金銭面を考えてDDTから出ることを決断するかもしれない。
先のことはわからない。
今はドラマティックなドリームを味わっていよう。
それがうたかたの日々になろうとしても、この2日間、奇遇にもDDTを大好きな人達が両国国技館に集まった事実は永遠に残るから。