2005年02月15日

イヌ

917bae99.jpg『イヌ』 (日/2003)
監督/企画/脚本/撮影: 北田直俊
出演: クロ/ジョン/小泉重信/井手泉/村井美和子 etc...

1995年8月15日クランク・イン、2001年12月にクランク・アップというとてつもなく長い制作期間で創られたものである。
また、制作費1600万を全て監督一人が肉体労働で稼いだという其れだけでとんでもない作品。

内容…凄い、その一言。この映画には狂気優しさが満ち溢れている。
優しさを秘めた狂気に僕は何年ぶりかの涙を浮かべた。
作品自体はB級なのだが映画自身の持つ「言葉」何より「画」が強烈で作品としての十分な存在感がある。
それはもうB級では無いのかもしれない。
(映画内で案山子が登場するのだが、その案山子の部分の映像が特殊な編集を行っており制作費の殆どがそこに消えたそうだ)
そして監督は余程人間が嫌いなのであろう。
(作品を観ていると人間への憎しみが生まれるほどだ)
最後まで観ると分かるのだが、あくまで映画であるということを監督は知っている。
映画とは滑稽な物なのだ。現実ではないのだから。俺はそう思う。

こんなにも私の欲求を満たしてくれた映画は初めてだ(其れ故に嫉妬も生まれたが)。

北田監督の蝸牛プロダクションのHPで 「イヌ」 の製作記録が掲載されているので是非観覧して頂きたい。

この記事へのトラックバックURL