2005年03月24日

水の女

水の女『水の女』 (日 /2002年 /115分 )
監督・脚本・編集: 杉森秀則
出演: UA浅野忠信YUKI小川眞由美 他...


彼女の行く先々は雨。俗に言う雨女、清川涼(UA)。
幼い頃から火に心を奪われ続けている男、宮睾優作(浅野忠信)。
水の女と火の男、この二人は互いが出会うべき存在。
そして二人は出会った。

僕の大好きなUAが主演。
周りの人達はこの作品をタルい、長く感じる、なんて言ってました。
僕はと言うと 
< 水 と 火 と 風 と 土 >
 というのは、出演者それぞれにこの四つが当てはめられていると言う事なんです。
まあ、観ていて何となくそうかなとは感じました。UAがで浅野が、それなら他のものがあってもおかしくはない(収録されていた予告編を観て確信)。
誰がどの属性なのかは観て確認してください。
ただ、これ等が何を示しているのかは俺には解りませんでした。
その人の性格、雰囲気、人柄。そういった程度の理解が限界です。恐らくもっと深い意味が有る気がする。

< 美 画 >
 さて内容なのですが、ワンカットが長い長い。かといってタルい、不快なものなのではなく意味が込められたものだったので私はつるっといけました。
そして何より、画が恐ろしく綺麗。撮り方も面白く、私は「ほう」と、溜め息が出てしまったのです。
台詞は最低限、それ以外は全てで表現、といった具合。
・・・水と女人。こんなに官能的な組み合わせは他に無いでしょう。

監督は本作でデビュー。デビュー前のディレクター時代にはドラマ、ドキュメンタリー等の様々なジャンルを100本以上もこなしたそうだ。
そのような経験が無ければこの素晴しいは撮れないだろうなあ。納得です。
監督の影像美にこだわる姿勢は作品の随所で観る事が出来る(かなり金掛けてるよ、絶対)。
それと同時に実験的な影像もいくつか見られ、僕の目を楽しませてくれた。

 まあ、影像美へのこだわりは存分に味わえる作品だったのですが、それ故に物語を重視する方には息苦しい作品かもしれません。
撮りたいものがたくさんあって、削って削って115分。なんでしょうが、やはりこの作品は監督の欲がかなり出ていると思います。
つまりは、やりたい事をやれている作品。需要は少なそうだなあ(笑)。

< 内容・・・? >
 あらすじは前文に書いたようなもの。二人の距離間、関係等が奇妙で面白い。
出てくる人物達にもそれぞれどこか奇妙な個性が備わっていて興味を惹かれた。
特に、小川眞由美が演じる浮浪者(?)は奇怪で不気味ながらもどこか愛嬌の有る人物で、異様なまでの存在感を放っている。
UAの存在感もそれに負けず劣らず素晴しかった。初演とは思えない動きと台詞でした。

< UA と 僕 >
 はい、大好きなんです。UA。高校2年の頃「女の歌なんて、う○こ様々だ。俺はマサヨ姉さんしか認めねぇ」とか思っていた僕。
UAを友達から聴かせてもらった時、全ての女性ボーカルに謝罪しました。僕はとんでもない過ちを起こすところでした。
そんなこんなでどっぷりとはまって早○年。やっとの事で主演映画を観るに至る(何故今まで観なかったんだ?)。
 綺麗だ。うん。それに声が良い。美しい。まさか映画の中であんな思い切った演技をするとは思いませんでしたよ。少しのショックと興奮を頂きました。

< 結局? >
 好きです。このくらいの長さで丁度良いです。他人が何と言おうとコレが一番適した時間です。
 この長さはあなたに丁度良いですか?気になる。

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