2005年04月01日

SPUN

1e10b4fa.gif『SPUN』 (米・瑞 /2002年 /102分 )
監督: ジョナス・アカーランド
出演: ジェイソン・シュワルツマンブリタニー・マーフィーミーナ・スヴァリミッキー・ロークパトリック・フュジットデボラ・ハリージョン・レグイザモ 他...

ガラクタでも、輝いていた3日間

日本での上映開始時には RUDE GALLERY(服のブランド)等とのコラボレーションでも盛り上がった。
色々な意味での異色作。

ドラック漬け、ガラクタ達の輝かしい3日間を描いている。
< ドラッグでマワレ >
 物語の中心にあるのはドラッグ。この映画の登場人物は殆んどがその常習者。素面な奴でもどこかのネジが外れた奇人ばかり。
ドラッグ中毒者の映画というとあまり新鮮味を感じない人が多いと思う。ドラッグを扱った映画は近年非常に多く見られる。一種の流行と言えばそれまでなのだが、こういった題材の映画が増えているというのはそれだけ世の中、人々が病んでいると言う証拠ではないのか?とか思うなあ。
ましてや、ドラッグを扱った映画を観ても大した驚きも不安も感じなくなってきているのだから恐ろしいものだ(あくまで私個人の意見であるが)。
 話を『SPUN』に戻そう。ドラッグ映画の醍醐味と言えば、如何にしてドラッグによるトリップ状態を映像で表現するか?だろう。
その点ではこの映画は中々面白く仕上がっている。よく映画でこんな事をしたなあ。なんて思うような映像も多々あり創作意欲を掻き立てられました。


< 快速的お洒落 >
 前文にも書いたようにトリップ状態の表現法が中々面白いこの作品。
映像のテンポは全体的に速く、人や車が目まぐるしく動く動く。数十倍の速さで動いたりするのだから早い速い。慣れるのに少々お時間が必要でした。
このスピードで最後まで持つのか?なんて心配しましたが終わってみれば、なるほど大丈夫。しかし目に疲労が・・・。
倍速以外にはアニメーションでの表現がありました。正直いまいち。無くても良かった。それまで引き込まれていた感覚が一気に冷めてしまいましたよ。
場転の速さは好きだったんですけどね。登場人物も独特の汚さがある奴等ばかりで楽しいし。それに加えてファッションも素敵。なんだかマニアックを感じるのです。


< 物語 >
 主人公、ロスが売人からドラッグを買うことで物語は始まる。
このスパイダーという売人がいい加減な男で、ロスに売るはずの薬を路中に落としたと言う。
パニックにおちいるスパイダー。それを宥めるロス。ケタケタと笑う女。ゲームに熱中するニキビ男。
そこに掛かってきた一本の電話。ドラッグの錬金術師コックからだ。この電話によってロスはあらゆる厄介事に巻き込まれ、流されてゆくはめなる。
 この話、半分は監督の実話、そこに嘘というスパイスがちょっと入っているらしい。
どこまで実話かは分からないが、結構凄いぞこの監督の体験は。


< 監督、ジョナス・アカーラント >
 スウェーデン(瑞典)出身。今作品が長編映画の処女作。
これまではミュージックビデオを作製しており、いくつかのPVはMTV(アメリカ)で賞を取っている。
中でも短編映画「THE SMASHING PUMPKINS / TRY,TRY,TRY」の反響は凄かったらしい。
俺は彼の事もTHE SMASHING PUMPKINSの事も詳しくは知らないのでこの位かな。


< 結局... >
 映画館で観るほどのものでは無かった。うん。面白いのだけれどコレと言った新しさを感じられなかった。お洒落な映画ではあった。テンポも良かった。うん。PVを作っていた人らしい、センス溢れる映画です。

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