土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

腐食 no.481

犬吠埼の南方に長崎鼻があります。細長い小さな半島状になっています。
海岸ぞいに走る市道で見ました。

いち

 

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強風があると潮風が舞う位置関係にあります。
塗装がしてあるガードレールでも急速に腐食しますから設備更新も遅れがちです

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普通は海を見ながら走る道ですから、ちょっと気がつきません。
久しぶりに来て気がつきました。

ガードレールのこれほどまでの腐食は、なかなか見ることはありません、お見事であります。

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潮風が鉄製品(コンクリートにも)に及ぼす影響とは・・・上の写真を見ればよくよくわかりますね〜。
最後は気分直しに、腐食ガードレールの位置から犬吠埼を遠望しました。

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猿橋 no.480

日本三大奇橋「猿橋」です。
古代、中世、戦国時代も主要な街道であったようです。
桂川が非常にせまくなっている絶好の位置取りです。

まずは観光案内・・・です。

はし

 

 

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さて、その構造は如何に・・・。
構造材の名称を紹介します。

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つまり、橋梁の平行方向に橋を支えている主桁を行桁(ゆきげた)、そして橋の両サイド・複数本で土台となって支える桔木(はねぎ)、さらに橋の横断方向で行桁や桔木を一体化して支える梁を枕梁(まくらばり)というそうです。

構造材が協力しながら上部の重量を受けるわけですが、桔木は石垣の中に深く差し込まれており、土の反力も受けています。また、桔木の最下段には枠柱(わくばしら)が設置されており、こちらでも上部荷重を支えています。

言葉で言ってもピンと来ませんから模式図をJCCA(建設コンサルタンツ協会)のホームページの一部から拝借してみました。

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なんとも良くできているものです。解体組み立て中の写真もJCCAから拝借しました。

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そして、全体を見ると素晴らしい!!
特に、構造材一本一本に屋根が付いています。日本らしい細やかな配慮がなされています。建設時代は古代・推古天皇か、奈良時代か・・・はっきりしないそうですが、野猿が寄りかたまって橋を造っているのを見て真似をしたのが始まりとか・・・言い伝えだそうです。

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なお、戦国時代には何度か焼失して掛け替えられたそうです。
ウィキペディアの記事は下記の通りです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%BF%E6%A9%8B

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宮ヶ瀬ダム観光放流 no.479

研修旅行で宮ヶ瀬ダムへ・・・。
決められた日に二回放流するそうである。毎秒30トン、6分間とか。

実施日は次の通りです。
毎週水曜日
毎月第二日曜日
毎月第二第四金曜日(4月〜11月)
放流時間は11:00 14:00 の二回。

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最後はおまけ・・・インクライン(ケーブルカーのようなもの)

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チバニアン案内(1) no.478

千葉県市原市田淵地区の養老川沿岸露頭により、「チバニアン(千葉時代)」が地質時代の名称として国際地質科学連合から命名される可能性が高くなっています。イタリアチームと争っているようですが、ただ今のところ日本チームがかなり優勢です。


無人の小湊鐵道月崎駅から約2km、田淵会館入り口(車は置けます)から歩きです。
平日は大丈夫ですが、日曜祭日には混雑しているようですから要注意。

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小湊鐵道・月崎駅 http://blog.livedoor.jp/ynakamura1/archives/53141545.html

 

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地形

 


また、足下不如意・・・すべりますからこちらも注意が必要です。長靴が必需品、地学に興味のある方はおもしろいかもしれませんが、物見高いだけの人には退屈かもしれません。雨の日は増水し危険です。

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さて、ここの露頭の何がすごいのか・・・、地質時代を区切るGSSP(地質時代の境界について地球上で最も観察研究をする上で優れた地層一箇所)として国際地質科学連合が認定するというものです。

決定すれば地層に「ゴールデンスパイク(国際標準模式地を証徴する丸い金色の鋲)」が打たれ、更新統の未定の時代にチバニアン(千葉時代)という名称が世界の標準として入ることになります。
Golden-Spikeの写真はウィキペディアより拝借しました。

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次の図は国際地質学会が第四紀の再定義を示したもので2009年の未定部分を示しています。今回、チバニアンの認定で年代が確定するというものです。

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また、これをわかりやすくした読売新聞の記事から拝借すると次の通りです。

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では、何が鍵となるのか・・・「地磁気」という言葉がありますが、ここ田淵の露頭には地磁気の逆転した痕跡が地層に見られることです。
また、地磁気の逆転とは何か・・・地学を勉強していないと色々分からない言葉が出てきます。

これも、読売新聞の記事がわかりやすく模式化しています。地層が形成される(火山岩や堆積層)ときにその時代の地磁気を記録しているのです。残存磁気は非常に微細なものですから測定機器や測定法の進歩によって観測可能となってきています。

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それでは、現地を見てみましょう。
現在の姿です。

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正磁極というのは現在の地磁気です。時間軸で説明すると下層の逆磁極から不安定期を経て、現在の正磁極へ移行したと言うことになります。地質時代の大きなエポックというわけですが、時代はどうして分かるのか・・・これが鍵層の存在です。うまい具合に鍵層付近で地磁気が逆転してくれた!!ということですか・・・。

というよりも、地磁気逆転層を見つければ、必ずどこかに鍵層を見つけてしまうのがプロの研究者であります(笑い)。


なお、磁気の逆転、古磁気や鍵層、磁気の記憶など長くなりそうですから次回に案内します。

現地に行かれたい方は次の案内図をどうぞ。

案内図

 

市原市案内
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連休の田園風景

大型連休合間のメーデー、5月1日の次の日(水)です。
農家の人達にとって大切な田植えがこの時期に当たります。

代掻きが終わり田植えを待つ水田です。

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そして、田植えは昔のような重労働ではなくなり、あっという間にイネの苗が並びます。機械化が進み少ない人数でOK・・・早い時間にビールが飲めます。

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イネの苗も残れば水田の隅の方に置かれ、苗の育ち方で穴埋めにも使われますしそのまま放置されることも出てきます。

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なお、平地の水田は機械化と耕地整理や灌漑施設が整い、耕作は継続されています。
しかし、中山間地の水田は放置されるところが多くなっています。
荒れてしまえば耕作放棄地・・・、水田が自然に還って行きます。

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さて、爽やかな風の皐月は気持ちの良いものです、皆さん外に出ています。
この季節の風景を・・・。

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竹の花

庭に自生している竹が一斉に開花している事に気がつきました。
竹の開花は一般的には珍しいもので、長い周期が言われています。

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<大百科全書>を見ると、
「開花の周期については30年説、60年説、120年説があり、日本のタケは60年説または120年説が有力である。」とあります。

調べるとマダケは120年の周期なのだそうです。
それでは、このタケは如何でしょうか。大木にはならない笹のような小振りのタケです。それでも、人間の背丈よりはずっと高くなる種類です。

この地に来てから33年、これまでは竹の開花を見ていません。
ということは、このタケは60年周期以上と考えて良さそうです。

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昔は竹の開花があるとその年は凶年になるという話があったそうですが、関係ないとか・・・こういう竹の開花に遭遇するというのは「幸運」なことと考えることにしましょう。
なお、タケは花の形からイネ科であることが分かります。比較用にイネの花も並べてみました。

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<大百科全書より>
〔花〕イネ科は小穂が基本単位であり、その柄、つまり小柄の先が小軸となり、この小軸の上に鱗片が左右二列に並ぶ。その鱗片は花穎(かえい)(護穎)と内花穎(内穎)の2個からなり、そのなかに1個の花が包まれるように入っている。花穎、内花穎および1個の花は一体となり、その三つをあわせて小花という。鱗被(りんぴ)は花弁の退化したもので、タケ亜科では大部分が3個で、ほかの亜科では2個のものが多い。タケ亜科では花序の枝、小花の基部、または花穎と内花穎の間などに関節がなく、そのため果実(穎果)は裸で脱落する。それに対してほかの亜科では花序や花部のどこかに関節があり、そのため果実の大部分のものは花穎と内花穎、または内花穎だけに包まれて脱落する。

〔開花〕タケはめったに開花しないが、開花するときは竹やぶや笹原(ささはら)の一部におこる場合と、全部におこる場合とがある。全面開花では期間が数年にわたり、そのあとはほとんど全部が枯れる。開花の周期については30年説、60年説、120年説があり、日本のタケは60年説または120年説が有力である。開花の原因には、植物自身のもつ周期性によるとするもの、植物成分中の炭素と窒素の割合によるとするもの、栄養の状態によるとするものなどの諸説がある。凶年に開花するというのは迷信である。ササの実は凶作のときなどには食用にされるが、その反面ノネズミが大発生して農作物に被害がおこることが多い。

<一部を抜粋>

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屏風ヶ浦と洋上風力発電 no.477

春霞の立つ3月中旬、本当に久しぶりに屏風ヶ浦に寄ってみました。
もちろん人の気配はありません。
断崖に降りる入口で、まず目に飛び込んでくるのは両側から迫る崖と海です。

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そして、遙か彼方に洋上風力発電の施設が見えます。
大型の羽がゆっくりと回っていますから稼働しているようです。

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風力発電の詳細記事は次ぎにあります。
http://blog.livedoor.jp/gijutunohiroba/archives/51807207.html 洋上風力発電
http://blog.livedoor.jp/gijutunohiroba/archives/51331614.html 風車建設

なお、風車の風景はおまけでどうぞ。

http://blog.livedoor.jp/ynakamura1/archives/52507675.html 土のうた 風車風景



さて、やはり屏風ヶ浦の風景こそが主役です。からりとした空気ではありませんが迫力は伝わってきます。
ぜひ拡大して見てください。

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最後は春の気配・・・野生のアシタバです。
枯れ葉色の中でとても目立っていました。また、おいしそうです(笑い)。

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鎮守の森と保存樹木 no.476

千葉市緑区は都市郊外の自然豊かな地区です。
緑区平川町に小さな小さな神社があります・・・その名を皇太神社といいます。

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地元の方々が定期的に掃除をしていただいて、神社の境内敷地はいつもきれいです。
正月の三が日には上の写真のように国旗が掲揚され、元旦には多くの人が参拝し、御神酒が振る舞われます。
ただし、元旦二日目にはなかなか人に遭いませんから、本当に地元だけの神社と言えます。

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さて、鎮守の森は全国どこでも、貴重な森林を自然のままに保存した遺産です。これからも地元の方々に守られてゆくであろうと思います。この神社の境内にはキンランなどの貴重な野草も自生し、自然がよく守られています。

次の写真は鎮守の森の全景と境内の雰囲気です。

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そして、ご神木です。

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上の写真に「保存樹木」という立て札があります。
周囲を見ますと他にも5,6本の保存樹木がありました。

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さて、保存樹木とは・・・いかなる基準で指定しているのか、千葉市役所のホームページから調べてみました。

次の通りです。
『 本市では市内の樹木を市民共有の財産として保全することを目的として、地域のシンボルとなるような風致・景観が優れた樹木に対して、所有者の方々の協力を得て保存樹木に指定しています。』

その条件は
『 次のいずれかに該当し、健全であるもの。
*1.5メートルの高さにおける幹の周囲が1.2メートル以上であること。
*高さが12メートル以上であること。 』
です。

ということでランキングを見ましたら皇太神社のご神木が高さ部門で22位、高さ24mの杉であります。
ちなみに、千葉市内の保存樹木指定は558本、緑区は73本です。

さて、これで終われば何のことはない、単なる保存樹木の紹介です。しかし、一つの疑問が湧き上がっています。
ここの境内にある保存樹木はまっすぐに伸びた立派な杉だけなのです。


下の写真のように自然木の樫の木か何かの巨木が数本はあります。これも保存してしかるべきかと見えますが指定されていません。立派な杉もよろしいけれど、こうした自然木の方を指定していただきたいものですが如何でしょうか。

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なお最後に,おまけの一枚です。こういう看板が必要のようです。

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ブータンの風景(2) no.475

***** ブータンの風景・後半の記事です。


内容・項目は次の通りです。
6.ブータンの建築物
7.ブータン王国の政治と経済
8.山道ばかりの道路
9.ホテル事情
10.おわりに


6.ブータンの建築物
どこへ行っても「ゾン」ばかりです。「ゾン」とはチベット文化圏の城塞建築様式で地方行政庁舎として利用されたりブータン仏教の布教の場として使われています。
ゾンの中は、行政の出務室や僧侶の住居が四方を取り囲み回廊となっています。

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[ 写真―19 パロ・ゾン(パロ) ]


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[ 写真―20 プナカ・ゾン(プナカ) ]



7.ブータン王国の政治と経済

ブータン王国の政治は、議院内閣制を執っていますが、国の重要案件は国王と高僧の二人で“ゾン“で話し合って決めており、国民の不満は少ないと現地ガイドが話していました。
経済的には、豊富な水量の河川と高低差で発電された電力をインドに輸出しています。その他これといった産業や地下資源等は少なく、経済的には豊かな国ではありません。
ブータンは、日本と気候風土が似ており松茸が有名です、以前は、「ポー・シャモ(男根・キノコ)」といって山道で見かけても蹴っ飛ばしていたようですが、日本に需要があることが判り「サンゲ・シャモ(釈迦・キノコ)」と呼ばれ宝物となり100%が日本に輸出されているとのことです。7月から9月の収穫時期には、パロとティンプーの道路に露店が出て、「まつたけ街道」とよばれています。トレッキングに来た観光客などに評判のようです。
残念ながら、私たちは季節が違っていたので、土産物屋さんの乾燥松茸しか入手できませんでした。

写真-12
写真―12 まつたけ街道の露店 ]


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[ 写真―13 乾燥ブータンまつたけ ]



8.山道ばかりの道路

ブータンは、殺生を忌嫌う国で道路には野良犬や野良牛が至る所に寝転がっています。川魚を取ることも山にトンネルを掘ることも嫌われます。
鉄道がありませんので車利用しかありません、くねくねと山間を走り、峠を越えて移動します。
峠からは、晴れていればヒマラヤ山脈が眺望できるそうですが、残念ながら今回は見ることが出来ませんでした。
山岳道路を移動する車を見ると、大型バスなどは見かけません、屋根に旅行者のバックを載せた中型のバンを多く見かけました。

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[ 写真―14 ド・チュラ峠のヒマラヤ眺望の看板 ]


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[ 写真―15 屋根にバッグを載せたバン ]



9.ホテル事情

観光に重点を置いているため、ホテルや従業員の雰囲気も良く、治安面の不安は全く感じませんでした。
ホテルは、公共料金制度となっており、料金も食事等のサービスも統一されホテル間の競争はありません、ブータンの料理はエマ料理(トウガラシ)が中心です、主食のご飯の上に刺激的辛さのエマをのせて食べます。
パロ、ティンプー、プナカの四つ星ホテルを利用しましたが、インドから「製品として輸入されたチキン」を使ったカレーの他は唐辛子の効いたベジタブルばかりで、中長期滞在の日本人には辛いものがあるでしょう。
自国では殺生しないが、食材製品として肉や魚をインドから輸入しており、若干の矛盾も感じました。

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[ 写真―16 バンガロータイプのホテル(パロ) ]


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[ 写真―17 ホテルの従業員(パロ) ]


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[ 写真―18 土産物屋さんのとうがらし(パロ) ]



10.おわりに

物欲に汚染された一部の現代人から見ると、不便なことや魚肉等の食材に乏しく美味しいものが少なく、レジャーやエンターテイメントからも程遠いブータンですが、生活環境を取り巻く時間が“まったり“と流れているように感じました。
2%成長を希求する国の100年後の姿は想像できませんが、地球環境が破壊されていなければブータン王国の100年後はイメージできそうです。

一生を過すタームで考えると、ブータンの人々の精神面も含めた幸福度は、先進国の人々に勝るとも劣らないように思いました。

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[ 写真―21 学校帰りの学童(パロ) ]


国民生活、公衆衛生、交通インフラ等の向上のための技術支援の要望がJICA等に出されているようですが日本方式を押し付けるのではなくブータンの文化を尊重し、支援を継続していくことを望みたいと思います。

ホテル内ではWi-Fiが使え、世界中の情勢が(どこかの国と違って)制限なく入手できます。グローバル化の波に汚染されず、ブータン特有の文化が継承されることを期待したいと思いました。
(Oct.2017  水道特派員  M.N)

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ブータンの風景(1) no.474

2017年11月に水道特派員(M.N)さんがブータン王国を視察してきた報告です。
二回に分けてアップします。文章、写真は全て水道特派員さんによります。

今回は次の5項目です。
1.ブータンの概要
2.パロ国際空港
3.仏教文化
4.GNH;国民総幸福量
5.尊敬される日本人

それでは前半をどうぞ。

1.ブータンの概要

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[ 図―1 ブータンの位置 google map より ]

図-2
[ 図―2 ブータンの地図 google map より ]

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ブータン王国は、図―1のようにインド、中国に挟まれた、九州よりやや小さな面積の小国です。人口は、80万人弱で全土を山、谷、川が支配し平野がありません。

2011年11月ブータン国王夫妻が来日され、「東北大災害に見舞われた最悪の状況下にあり、無秩序、大混乱、悲嘆をもたらす事態を、日本国民の素晴らしい資質を示され、静かな尊厳、自信、規律、心の強さで対処されました・・・」と国王の心のこもったスピーチが、多くの日本人の心を掴み、ブータン国王夫妻やブータン王国の好感度を一層高くさせました。

パロから首都ティンプーと古都プナカを廻り、日本と全く違った価値観のブータン王国の風景を少し見てきました。


2.パロ国際空港

平地がほとんどないブータンでは、パロ空港が唯一の空の玄関口です。パロ川に沿ってやっと作
られた一本の滑走路に山間を抜けながらの着陸にはパイロットの高い技術が求められます。機内の
窓から見ると主翼と山の稜線が20mぐらいに見え、左右に機体を振り稜線への接触を避けながらの
着陸でスリル満点どころではありません。

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[ 写真―1 着陸時、主翼のすぐ向こうに山の稜線が見えます ]

 

写真-2

[ 写真―2 パロ国際空港に到着しました ]

 

写真-3
[ 写真―3 パロ国際空港 ]

空港

 

 

3.仏教文化

ブータンは、チベット仏教を国教としています、色々なところに、「マニ車」といわれる円筒状の仏具があり、一回廻すとお経を一回読んだことになるため、市民は、色々なところにあるマニ車を廻しています。

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[ 写真―4 マニ車を廻す市民(パロ) ]

 

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[ 写真―5 大きなマニ車もあります(パロ) ]

 

4.GNH:国民総幸福量

グローバル世界では、GDP(国民総生産量)を指標とした市場経済でその国の豊かさを競っていますが、ブータンでは採用されていません、国の豊かさと国民の幸福は同一ではないため、GNH(国民総幸福量 Gross National Happiness)を国の指標と考えています。
学校、病院、電気、水道など一般国民用は無料となっており、生活をしていく上で、現状への不満や将来への不安を感じている国民は少ないようです。日本のように差別化し、他を押しのけて儲けようと云うような競争や国民の貧富の格差もあまり感じられませんでした。

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[ 写真―6 首都ティンプー ]

首都

 

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[ 写真―7 クエンセルポダンの大仏(ティンプー) ]

 

写真-8

[ 写真―8 仏教徒(クエンセルポダン) ]


5.尊敬される日本人

ブータンはインドへの依存度が高く、通貨ニュルタムとインドルピーが等価となっており、街中ではルピーがそのまま使えます。JICA事務所長の話を聞くとブータンが二番目に頼っている国は日本だそうです。農業、都市計画、教育、医療、上下水等多くの支援要望が寄せられているとのことでした。

現地ガイドの話では、学校で教えられるため、植物学者の西岡京治先生を知らないブータン国民はいないそうです。植物学者西岡京治氏は、1964年から農業指導者として28年間に渡ってブータンの農業振興に尽力され、1980年には国王から爵位である「ダショー」を授かっています。残念ながら、1992年59歳の若さでブータンで死去され、非常に珍しいことですが国葬として弔われたそうです(ブータンでは、火葬はしますが一般的に葬儀やお墓はありません)。
ブータン国王夫妻は、2011年来日時に西岡里子夫人に面会され謝意を表されたとのことです。
パロからプナカを車で移動しましたが、車窓からは西岡先生が指導したと思われる小さな棚田を沢山見ることができました。
建設省次官との面談では、都市計画、上下水処理等に西岡氏のようなブータンに見合った技術支援を日本に求めており、第二の西岡先生の出現を期待しているようでした。

写真-9
[ 写真―9 JICAブータン事務所(ティンプー) ]

 

写真-10
[ 写真―10 建設省(ティンプー) ]

 

写真-11
[ 写真―11 棚田 ]

***** 後半は次回の記事となります。

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