土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

犬吠埼 no.464

久しぶりに犬吠埼に寄ってみました。
快晴、しかし風冷たく強し、そしてうねりあり。

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弓ヶ浜から長崎鼻方面へ移動しました。
まずは、弓ヶ浜からの逆光写真です。

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そして、犬吠埼灯台はいつものように白くまぶしい存在でした。

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長崎鼻方面から見た犬吠埼灯台と白い波の風景です。

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打ち寄せる波はかなり沖の方から砕けており、強風にあおられて霧状のしぶきが上がります。太陽の方向がうまく合えば虹が見られるのですが・・・今回は残念でした。

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そこで、2014年10月の証拠写真を付けてみました。

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八ッ場ダム工事現況 no.463

ダムサイトの基礎工事が急ピッチで進んでいます。

国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所のサイトではリアルタイムで分かるように定期的な現況写真を掲載しています。一枚拝借しました。

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上の写真は2017/1/12のコンクリート打設の現況だそうです。



さて、秋の八ッ場ダムです(撮影は2016.11.04)。
昨年・11/4(金)の現況写真は次の通りです。

拡大して見ていただければ幸いです。

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http://www.ktr.mlit.go.jp/yanba/index.htm 八ッ場ダム工事事務所のサイト
11/4写真提供by maeda

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白川郷・合掌造り no.462

 現在の写真ではありません。
 雪に埋もれた白川郷の魅力は有名ですが、普段の姿から見ると生活に密着した住居であることがよく分かります。
 大昔、それはそれは厳しい生活であったろうと推察します。

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 現在でも居住して生活されておられるようですから「観光地」とはいいながら大変です。維持管理はいかばかりかと・・・。

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 なお、位置関係を見てみると白山連峰のまっただ中、岐阜、富山、石川、福井に囲まれるような辺境の地です。昔は中部から富山への白川街道が主要な道でした。地形を見るとこの場所を通過するしか道がないようです。

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 現在でも国道や東海北陸道などが通過する重要な地理的要素を有しています。
 白川郷ICもできて、観光にはありがたいことであります。

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 ここは白山に源を持つ庄川の上流部ですが、次の航空写真を見ると河川が形成した河岸段丘が発達し、その平坦地に集落が発達しているように見えます。

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 いつまでもこの美しい景観が続くことを祈ります。

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 *写真提供by shitara

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謹賀新年 2017

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

新年はやはり富士山です、房総からの眺望です。

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平成28年度地すべり技術研修会報告 no.461

平成28年度地すべり技術研修会報告 no.461

 先の平成28年12月7日(水)千葉県安房合同庁舎大会議室(午前中)及び鴨川市の地すべり対策工現場(午後)において千葉県地すべり研究会と一般社団法人千葉県農業土木コンサルタンツ協議会共催の平成28年度地すべり技術研修会が開催されました。
 本年度も参加者が多く、千葉県県土整備部、農林水産部、市町村、協会、建設コンサルタントなど97名のエントリー、そして現地へ81名の参加でありました。
 座学研修に入る前に千葉県県土整備部安房土木事務所・吉田良治所長から代表挨拶があり、出先事務所の地すべり概要やこうした技術研修会の意義についてお話しがありました。

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  安房土木事務所吉田所長


 
 座学の技術研修は3人による講師陣で以下の研修内容でありました。

1)全国及び千葉県の地すべり概要と課題 10:00〜10:40
 千葉県県土整備部河川整備課 海岸砂防室副主幹 酒井 康行氏
 
 〜〜地名に隠されたメッセージ〜〜 として地すべりの概要や千葉県の特徴、さらには地名の由来や意味するところを詳細に調べて行くと、地すべりに関連する地名が全国にたくさんある事を紹介され、印象的な興味深いご講演でありました。

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  県土整備部河川整備課海岸砂防室 酒井副主幹


2)地すべり工事事例紹介  10:40〜11:00(休み5分)
 千葉県県土整備部安房土木事務所 建設課課長  矢代 信博氏
 安房土木事務所管内の地すべり工事の実施事例を抑制工(水路工、地下水排除工、排土工、押え盛土工)から抑止工(鋼管杭工、グラウンドアンカー工)まで多岐にわたる工種を具体的に紹介され、理解のしやすいご講義内容でありました。

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  安房土木事務所建設課 矢代課長


 
 
 最後は、長年地すべり業務を担当されてきた建設コンサルタントのベテラン技術者による専門的な地すべり解析について講義がありました。

3)地すべり機構と解析の事例紹介  11:05〜12:00
 国土防災技術株式会社千葉支店  支店長 近藤 昌志氏
 
 以下のような内容でした。地すべりに関する知識が比較的少ない聴講者には少し難しかったかもしれません。
 
 1.地すべり調査・解析の流れ
 2.精査計画の立案
 3.調査結果の整理と留意事項
 4.地すべり機構
 5.すべり断面の判定
 6.地すべりブロック区分と地すべり断面
 7.安定解析

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  国土防災技術株式会社千葉支店 近藤支店長

 以上の講義の最後に午後の現場見学会案内解説ご担当の安房農業事務所鴨川地域整備課本忠課長の紹介があり、また主催者を代表して千葉県地すべり研究会の中村代表幹事より御礼のあいさつがあり午前中の座学を終えました。

 

 その後、鴨川市の鴨川北部道路;地すべり区域西条中地区(鴨川市粟斗地先)の現地へ乗合で個々に集合し、現場見学会が始まりました。
 
4)現場見学  14:00〜15:30(現地集合・現地解散)
 案内解説 千葉県農林水産部安房農業事務所鴨川地域整備課
    課長 本忠 正一郎氏

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  安房農業事務所鴨川地域整備課 本忠課長


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 A、B、C の順序で徒歩にて移動しながら説明を受けました。
 
 
 本路線は工事施工中に何度も地すべりが発生し、歴代のご担当者は随分苦労されたようです。全線に多くの対策工が施されていますが今回の見学は時間の関係で上記三箇所としています。特にA地点は開削後すぐ(三週間後)に地すべりが発生し、対策が後手となって最終的にはアーチカルバートと盛土で支える対策となっています。法枠を押さえるグラウンドアンカーのヘッドがいかにもというゴツさを見せているのが印象的です。多くの工種が集中し、先達苦心の跡が見て取れます。
 
 なお、地元農家の話では昔から代々「この山は触るな」という言い伝えがあったそうです。「粟斗」という地名にその意味が込められているのかもしれません。

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  掘削直後と崩壊状況(蛇紋岩の地層)


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 なお、今回の技術研修会は千葉県県土整備部河川整備課海岸砂防室並びに安房土木事務所成田調整課長はじめ関係各位様にご協力をいただき、また、見学現場につきましては安房農業事務所鴨川地域整備課本忠課長にご配慮をいただきました。有意義盛大な技術研修会となりましたこと、この場を借り御礼申し上げます。
 
平成28年12月7日
千葉県地すべり研究会/一般社団法人千葉県農業土木コンサルタンツ協議会(中村)

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風による自立型煙突の振動(その2)-(2)no.460

風による自立型煙突の振動(その2)-(2)no.460

【4】3次元模型による風洞実験
4.1 実験諸元
対象とする実物模型の形状および板厚を図―4に示し、設計諸元を表―1に示します。2次元バネ支持実験結果の検証を目的に、以下の3次元模型による実験を行いました。

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図―3 螺旋板の高さの影響


風洞は最大風速:20m/s、気流の乱れは1%以下であります。筒身頂部における流の3次元性が風洞壁(天井)によって影響を受けないためには、模型の高さが有効な測定部高さの80%以下であればよいと言われています。このことから、模型の幾何学的縮尺は1/45としました。模型の動的な相似条件については、模型と実物の間で、次元解析から求まるつぎの三つの無次元数を一致させることが必要です。
なお、減衰については実物煙突の実測を行っていません。しかし、実験の目的は螺旋板も制振効果を検証することであり、螺旋板を取り付けない状態で模型が十分不安定な状態になる程度に減衰を小さくしておけば、特に問題はないと考え、δm=0.02としました。

(fp×Dp)/V_p =(fm×Dm)/Vm    (1)
Mp/(Dp^3 )=Mm/(Dm^3 )      (2)
δp=δm                 (3)

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図―4 実物煙突    図―5 三次元模型図

ここで、 f:固有振動数   V:共振風速
M:質量      δ:対数減衰率
D:筒身径

添字p、mは実物および模型の値であることを示します。模型の剛性は断面中央のアルミ棒で相似させ、幾何学的形状は補剛棒の周囲に木製(バルサ材)の外皮を取り付けて満足させました。外皮は剛性を受け持たせないために全体を8分割し、互いに接触しないように作製しました。図―5は3次元模型の説明図を示します。
表―1に実物と模型の諸元比較を示します。対象とする振動モードは1次振動で、2次振動は共振風速が設計風速以上になるので問題にはなりません。計測は頂部の振幅を光学的非接触変位計を用いて行いました。変位計は風洞天井(アクリル製)の外側に設置しましたので、気流への影響は与えません。

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4.2 実験結果
図-6は螺旋板の高さと取り付け長さの振動応答に及ぼす影響を求めた実験結果を示します。螺旋本数は4本、ピッチ角は40°であります。d/D>0.075の螺旋板を頂部30%の部分に取り付ければ、制振効果の大きいことが分かります。

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図―6 螺旋板の取付長さの影響


実験は一様流中で実験しており、気流の鉛直分布の相似は考えていません。
図―6の結果からも明らかなように、煙突頂部の30〜40%の部分の空気力が振幅に大きく寄与し、境界層近辺の風速はそれほど振幅に関係していいません。このことから、気流の鉛直分布は螺旋板の制振効果にそれほど大きく影響しないと考えられます。
図―7は3次元模型の共振風速を示します。螺旋板を取り付けたときのストローハル数は
S=(fm×Dm)/Vm =(0.39×0.089)/2.8=0.20

となります。ただし、高さ方向にテーパーがあるので、高さの2/3の位置における直径を代表径とした。

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図―7  三次元模型の共振風速


4.3 螺旋板を取り付けたときの抗力係数
以上の実験によって渦励振に対する螺旋板の制振効果を確認することができました。しかし、螺旋板を巻くと抗力が大きくなるので、風洞実験によってその場合の抗力係数を求めておくことが必要となります。
螺旋板を取り付けたときの抗力係数:CDはつぎのように定義されます。
CD=F/(1/2×ρ×V^2×A)          (4)

ここで、 F:抗力  ρ:空気密度  
V:風速  A:螺旋板を取り付けない筒身の見付け面積

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図―8 抗力係数の実験結果

図―8はピッチ角:40°、巻き付け本数:4本として螺旋板の高さを変えたときの抗力係数を示します。風洞の特性上、レイノルズ数はRe>1.5×106の
範囲にあります。ただし、螺旋板を巻くとはく離点の移動が阻止されますので、レイノルズ数の影響はそれほど大きくはありません。d/Dの値が大きくなると抗力係数が大きくなり、d/D=0.1では約1.2となります。


【5】設計諸元の比較
最後に本煙突と既往の煙突について設計諸元の比較をしてみます。図-9は既往の設計例について、煙突高さとライニングを含めた総重量の関係を整理したものであります。図中X印は本煙突の場合を示しています。この結果から明らかなように本煙突は著しく重量が小さくなっており、このため共振時の振幅が大きくなったものと考えられます。
ただし、既往の設計例はすべて鋼製煙突であり、用途的には火力発電所の煙突が75%を占めています。これに対して、ここで問題としている煙突は化学会社内の排ガス用煙突であり、用途的に見た場合の影響が存在するように思われます。
図-10は煙突高さと共振風速の関係について同様の整理を行った結果であります。図中、データにかなりばらつきがありますが、これは発現風速の観点からではなく、排ガス量から断面が決定されているとも考えられます。本煙突の場合、共振風速はかなり低い値となっております。

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図―9 既往の設計における高さと重量


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図―10 既往の設計における高さと共振風速


図-11は煙突高さの代表径に対する比(H/D)と煙突高さ(H)との関係について整理したものです。本煙突のH/Dは既往の設計に比較してかなり大きいことが分かります。H/Dは煙突の高さとともに増加する傾向にありますが、一定の値以上には大きくなっていません。これは高さに応じて直径を大きくすると、煙突が一定高さ以上になったとき、不経済な設計になることを示しています。
しかし、螺旋板を取り付けることによってH/Dの大きな設計が可能となり、高さの高い自立型煙突が比較的経済的に設計できるものと考えられます。

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図-11 既往の設計における高さとH/Dの関係


【6】まとめ
1)自立型煙突に取り付けた螺旋板のカルマン渦による振動防止効果を調べる目的で、バネ支持2次元模型による風洞実験を行いました。その結果、螺旋本数を3本以上、螺旋板の高さが筒身径の7.5%以上であれば制振効果が大きく、ピッチ角は10°〜30°の範囲では制振効果にそれほど大きく影響しないことを実験的に確かめました。
2)風によって大きな渦励振を起こしている自立型煙突の振動抑制を目的に、3次元模型を製作して2次元実験で得た制振効果を3次元実験によって確認しました。
3)風洞実験結果を実物煙突に適用するに際し、制振工事前後の実物計測を行いました。これによって、螺旋板の制振効果を自然風中で確認することができました。
4)既往の鋼製煙突の設計例について、総重量、共振風速、断面径を調査し、本論で取り上げた設計値と比較しました。その結果、螺旋板を取り付ければ経済設計が可能になることを示しました。


(参考文献)
1) 島田忠幸、原 公、石崎溌雄:自立型煙突に用いる渦励振抑制用螺旋板の効果に関する実験的研究、日本建築学会構造系論文報告集、第341号・昭和60年8月
2)C.Scruton: Note on a device for the suppression of the vortex-excited oscillations of flexible structure of circular or near-circular sections, with special reference to its application to tall stacks, NPL Aero Note 1012
3)Robert D. Blevins : Flow Induced Vibration, Van Nostrand Reinhold Co.,1977
4)C.Scruton: On the wind-excited oscillation of stacks, towers and mass, NPL, Paper 6
                                                     (文責 島田忠幸)


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風による自立型煙突の振動(その2)-(1)no.459

風による自立型煙突の振動(その2)-(1)no.459

【1】まえがき
(その1)では、高さ80mの自立型煙突が、春一番の吹くころに激しい振動が発生することから、その制振対策について述べました。具体的には、最初に春一番の吹く頃を見計らって、頂部の風速と振幅の実機測定を行い、その結果、風速20m/sの風に対して、頂部で両振幅80cmの振動の生じていることを確認致しました。
つぎに、その制振対策として頂部に螺旋板を巻き付け、改めて実機計測を実施してその効果を確認したところ、両振幅で5cmに低減していることを報告致しました。
本煙突の制振対策については、事前に風洞実験を実施して、耐風工学的に効果を確認致しております(1)。今回の(その2)では、そのときの風洞実験について述べることに致します。
実験は、二次元模型を用いてばね支持実験を行い、螺旋板の高さ、本数などをパラメータにして、最も効果的な螺旋板の取り付け方法を求めました。次に、縮尺1/45の実物模型を製作してその制振効果を確認いたしました。
今回の(その2)では、煙突を事例とした構造物の風洞実験について、“土木の風景”として紹介させて頂きます。


【2】実験の目的
煙突の筒身に付加物を取りつけて空気力学的特性を改善する方法として、たとえば次のような方法が提案されています。
1)筒身の表面に板またはケーブルを螺旋状に取り付けるか、あるいは板を筒身に平行に取り付ける方法
2)金網、あるいは多くの孔をあけた円筒を筒身の周囲に取り付ける方法
3)後流領域に流れを安定させる板を取り付けて、渦の形成を防ぐ方法

2)の方法は、螺旋板を取り付けた場合と比較して効力係数は小さくなりますが、金網の内側を塗装することが困難であるので、維持管理の面から適当ではありません。
1)の方法のうち、直径の大きいケーブルを筒身に螺旋状に巻き付けることは、実際の工事では難しく、直径の小さいケーブルでは制振効果は期待できません。また、板を筒身に平行に28枚取り付けると制振効果の大きい報告もあります。しかし、28枚の板より螺旋板を取り付ける法が、製作上圧倒的に簡単になります。

以上の考察から、筒身に螺旋板を取り付ける方法が、もっとも合理的と考えられ、ここではこの螺旋板による方法に限定して、もっとも制振効果の大きい形状を求めることを目的に、実験的検討を行いました。

これに関しては、すでにC.Scrutonの研究(2)があります。筒身径をDとするとき、高さ0.1Dの3本の板を螺旋状にピッチ角32°で巻いた場合、制振効果が大きいと報告されていました。しかし、本数、ピッチ角、螺旋板の高さを変化させたときの制振効果に与えるそれぞれの影響について具体的に示されていませんので、予め二次元バネ支持実験を行って、その効果を確認致しました。

【3】バネ支持2次元模型による風洞実験
3.1 実験計画
螺旋板の制振効果の大きい取り付け方法を求めるために、バネ支持2次元模型による風洞実験によって、螺旋本数、ピッチ角度、螺旋板の高さを変化させたときの、振幅の変化を調べました。実験を行った風洞は、高さ2.5m、幅1.5mの吹き出し型風洞で、気流の乱れは1%以下であります。
上記の3つのパラメータの実験範囲について考えてみますと、まず螺旋本数は製作上本数の少ない方が望ましい。逆に、本数が多くなると螺旋板による新たな円形効果が形成され、制振効果の減少することが予想されます。このようなことから、本数は制振効果が著しく変化する2〜6本としました。

螺旋板は高さを高くすると静的抗力係数が大きくなりますので、高さは小さい方が望ましいが、高さが低いと制振効果は大きくなりません。実験は制振効果の変化が著しい、円柱径の5〜10%の範囲で行いました。ピッチ角は製作上角度の小さい方が望ましい。しかし、角度を極端に小さくすると板を筒身に平行に取り付けた状態に近くなり、制振効果の大きくならないことも予想されます。このようなことから、ピッチ角は10°〜30°の範囲で実験を行いました。

3つの実験パラメータをそれぞれ組み合わせると、実験ケースは膨大な数となります。しかし、ここではそれぞれのパラメータの制振効果に与える影響は独立と考え、一つのパラメータの影響を検討するときは、他の二つのパラメータはもっとも最適と思われる値で固定しました。それぞれのパラメータが互いに影響し合うとすれば、ここで得られた結果よりもさらに合理的な取り付け状態の存在することも考えられます。しかし、本実験の目的は、制振効果が強度的に問題のない程度に期待できる、実用的な螺旋板の取り付け方法を見出すことにありますので、パラメータ相互間の影響については、今後の課題と致します。

円柱模型の大きさについては、直径を極端に小さくすれば後流側に発生する渦の3次元効果が生じますので、ここではBlevinsの研究3)を基に、L/D=10近辺にしておけばその影響は少ないと考えました。境界層の影響を避けるために壁面から5cm隔てて端板を取り付けました。
なお、2次元実験は三つのパラメータの制振効果に与える影響について、相対比較を行うことを目的としており、実物煙突と模型の間の相似則は一致させていません。2次元模型の諸言を下記に示します。
直径     Dm=124mm
      重量     Wm=5.52kg
      固有振動数  fm=2.0Hz
対数減衰率    δm=0.05
実験時のスクルートン数を求めてみますと
      2Mδ/(ρD^2 )=(2×(5.32/9.8)×0.005)/(0.125×0.124^2 )=2.8
     
  スクルートンの求めたバネ支持円柱模型の安定曲線図4)によれば、スクルートン数が小さいので、実験は極めて不安定な領域で行っています。
  共振風速は上記のパラメータによって変化しますので、最大風速を求める場合の風速は同一ではありません。螺旋板は厚さ1mmの厚紙を円弧状に切り取って模型に取り付けました。また、振幅の計測は非接触変位計で行いました。

3.2 実験結果
3.2.1 螺旋本数の影響
図―1は螺旋本数の高さ、ピッチ角をそれぞれ0.1Dおよび40°として、螺旋本数を変化させたときの実験結果を示します。図中、実線は螺旋板を取り付けたときの結果でありますが、一点鎖線は螺旋板の高さおよびピッチ角と同じにしたビニールチューブを巻き付けたときの結果であります。
ビニールチューブを取り付けたときは、螺旋板の場合と比較して制振効果が小さくなっています。これは、螺旋板の場合は剥離点が板の端部近辺にありますが、ビニールチューブは丸みがあるので、剥離点がチューブの頂部にはなりません。このため、螺旋板と比較して高さの効果が減少するので、制振効果が大きくならないものと思われます。巻き付け材の断面形状によって、制振効果が大きく変化することが分かります。
図―1の結果より、螺旋本数が3本以上になると制振効果は大きいが、巻き付けの本数としては4本の方が多少効果が大きくなっています。制振効果がこの程度の差であるなら、実験上特に優位性は認められず、実用的に本数の少ない方が望ましい。しかし、ビニールチューブを巻いた場合は、3本よりも4本の方が制振効果は明らかに大きくなっています。
このようなことから、螺旋本数は4本としました。

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図‐1 螺旋本数の影響


3.2.2.螺旋のピッチ角
図―2に螺旋本数(4本)、無次元高さ(d/D)をそれぞれ一定にして、ピッチ角を変化させたときの制振効果を示します。ピッチ角の影響を顕著にするため、d/Dを小さくし、共振振幅を大きくしました。図―2からピッチ角は制振効果に大きな影響の生じないことが分かります。40°の場合若干振幅が小さくなっていますので、ピッチ角を40°として以後の実験を行うことにしました。

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図―2 ピッチ角の影響


3.2.3  螺旋板の高さの影響
図―3は螺旋本数を4本、ピッチ角を40°として、螺旋板の高さを変化させたときの制振効果を示します。螺旋板の高さd/D=0.075以上であれば無次元振幅が非常に小さくなりますので、十分な制振効果が期待できます。
なお、本来ならd/D=0.075, 0.10の場合で、ピッチ角を変化させたときの実験をしなければなりません。しかし、d/D=0.75が0.075以上になれば、振幅が著しく小さくなりますので、実験的にピッチ角の優位性を求めることは難しくなります。Scrutonは螺旋板高さ:0.1D, 本数:3本、ピッチ角:32°とする取り付け方法を提案しています(2)。図-1の螺旋本数:3本の場合で考えてみますと、ピッチ角に若干の相違がありますが、ピッチ角の影響は小さいと考えることができますので、今回の実験とよく一致していると言えます。 (続く)  (文責
島田忠幸)

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ヤンゴン(ミャンマー)上下水道の風景(その2)no.458

ヤンゴン(ミャンマー)上下水道の風景(その2)

***ヤンゴン市の下水道の状況

ヤンゴンの下水道は、イギリス植民地時代のシステムが現在も使用されています。メインコンプレッサーステーション2か所、縦横に張り巡らした下水道管の要所34箇所にエジェクターステーションがあり、唯一の下水処理場に送られています。空気による圧送方式です。

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[ 写真―17 メインコンプレッサーステーション ]


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[ 写真―18 メインコンプレッサー ]

コンプレッサーステーションには、1888年建設の名板あります、日本であれば産業遺産指定間違いありません。苦労してメンテナンスしているようです。

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[ 写真―19 メインコンプレッサーステーション建屋の名板(1888年) ]


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[ 写真―20 エジェクターステーション ]


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[ 図―2 下水圧送システム図 出典YCDC ]



***ヤンゴン市内の観光名所

現在一番の観光名所は、アウンサンスーチーさんが軟禁されていた自宅前だそうです。軍事政権時、自宅前まで一切の外国人の立ち入りは禁止されていたそうですが、現在は、道路から写真撮影も可能です。

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[ 写真―21 アウンサンスーチーさんの自宅前 ]


仏教の総本山シュエダゴォン・パゴダは、約100mの金箔の寺院です。チャット・ジー・パゴダは、約70mの寝仏です。ボージョー・アウンサン・マーッケットは、衣類や土産物の市場です。男性用の腰巻(ロンジー)も沢山売っていました。

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[ 写真―22 シュエダゴォン・パゴダ ]


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[ 写真―23 チャット・ジー・パゴダ ]


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[ 写真―24 ボージョー・アウンサン・マーケット ]


***おわりに

街中では、民主化を歓迎し期待する市民の喜びを感じることが出来ました。数年前には写真を掲示しただけで逮捕されたと云ううことですが、カレンダーが自由に売られています。

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[ 写真―25 カレンダー売り ]



日本は途上国支援としてODAや技術支援を継続的行っており、国民の親日に貢献しています。国連やASEN等の国際的な場でミャンマーが日本側に賛同の立場をとれば、国益につながりますが、東南アジアにはJICA等の支援を受けながら、中国寄りの国がいくつかあります。
今後どうなるか不明ですが、ミャンマーの国民生活、公衆衛生、交通インフラ等の民主的な向上のため、JICA等が日本方式を押し付けるのではなくミャンマーの文化を尊重し、支援を継続していくことを望みたいと思います。(完)
   (Nov.2016  水道特派員  M.N)

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ヤンゴン(ミャンマー)上下水道の風景(その1)no.457

ヤンゴン(ミャンマー)上下水道の風景(その1)

***ミャンマーの概要

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[ 図―1 ミャンマーの地図 google map より ]


ミャンマーは、図―1のようにバングラデッシュ、中国、ラオス、タイと国境を接しています。
歴史的には、11世紀に仏教国としてバガン王朝が栄え現在のミャンマーの基礎が築かれたとされています。19世紀にはイギリスが侵攻しイギリス領インドに併合されました。1941年頃から日本軍が侵攻しましたが、1944年には抗日運動が起き再びイギリス領となりました。
第二次世界大戦終結後独立しますが、1947年アウンサン将軍が暗殺されるなど、社会主義政策、民主化運動、軍事政権のせめぎあいが続きました。また、1986年当時の軍事政権は、国名をビルマからミャンマーに変更しました。

1990年アウンサンスーチーさん率いるNLD(国民民主連盟)が総選挙で圧勝しますが、アウンサンスーチーさんの自宅軟禁が2010年に解かれ、やっと民主国家への歩みを始めました。
尚、2006年に首都がヤンゴンからネーピードーに遷都していますが、現在もミャンマーの主要都市はヤンゴンとなっています。
ミャンマーの人口は、5000万人強でその約1割の500万人がヤンゴンに住んでいます。


***ヤンゴンの市街地の風景

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[ 写真―1 早朝の托鉢風景(ヤンゴン中央駅前) ]


ミャンマーは、敬虔な仏教徒の国で、男子も女子も出家することが義務付けられています。
上の写真1は、早朝のヤンゴン中央駅前を托鉢で廻る「はだしの少女」たちです。

次の写真2、3、4は、朝市の風景です、朝市が路地路地で開かれています、肉、魚、野菜、花、果物等あらゆるものが売られており、市民の生活をうかがうことが出来ます。

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[ 写真―2 朝市の風景 ]


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 [ 写真―3 朝市の風景



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[ 写真―4 朝市の風景 ]

 

ミャンマーの女性たちは、ほほに「タナカーという木」を石の台で擦ったトノコのような物を自然派コスメとして塗っています。下の写真5も朝市の写真です。

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[ 写真―5 朝市の風景 ]


***ヤンゴン市内はバイク、自転車禁止です

次の写真6は、JICAヤンゴンが入居しているサクラタワーから撮った写真です。ヤンゴン市内は、バイク、自転車が禁止されているそうです、理由は(噂ですが)、軍事政権時、政府高官が路上でバイクの集団に取り囲まれ怖い思いをしたため禁止にしたそうです。

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[ 写真―6 サクラタワーからの風景(ヤンゴン中心部) ]


リヤカーは大丈夫です、写真7は、水売りの風景です。尚、市内を走っている車のほとんどは日本車です、20年以上前の日本の古い「・・交通」とか書かれたバスが後ろのエンジン部分を開けっ放しで走っています。

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[ 写真―7 リアカーを押す水売り(ヤンゴン中心部) ]


***ミャンマーの人たちは親日です

戦時中はともかく、現在は親日に感じました、JICAミャンマー事務所の話では、軍事政権時から日本はインフラ等の技術支援を行ってきており、非常に信頼されているとのことでした。

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[ 写真―8 JICA事務所 ]



現在は、国民の生活向上、人材育成、制度整備、経済成長支援を目的として、鉄道、上下水、灌漑等のODA(政府開発援助)や技術支援を行ってます、中国も活動しているようですが内容が公表されていないため実態は不明とのことでした。


***ヤンゴン市の水道の状況

今回視察の目的である上水道状況は、ヤンゴンで稼働している浄水場が1か所、建設中のものが1か所あります、その各々にJICAの技術支援やODAの援助が入っています。

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[ 写真―9 ニャウナピン浄水場(唯一の稼働中の浄水場) ]


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[ 写真―10 ニャウナピン浄水場の水質監視 ]


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[ 写真―11 ラグンピン浄水場 (建設中 ODA案件) ]


現在は、上流の貯水池の水がそのまま送水されている状況であり、浄水場で水処理された水が送水されているのは一部の地域のみとなっています。日本のように飲める水が各家庭に給水されていません。

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[ 写真―12 ローガ貯水池 ]


レストランなどはボトル水を利用しています、街中や寺院等人が多く集まる場所には水飲場が設置されており、無料で市民が利用することが出来ます。

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[ 写真―13 店先のボトル水 ]


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[ 写真―14 街中の浄水器が付いた水飲場 ]


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[ 写真―15 寺院(シュエダゴォン・パゴダ)の浄水器が付いた水飲場 ]


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[ 写真―16 寺院(チャット・ジー・パゴダ)の浄水器が付いた水飲場 ] 

 

次回は下水道の状況他をアップします。

   (Nov.2016  水道特派員  M.N)

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平成28年度地盤工学会千葉県グループ現場見学会報告no.456

平成28年度地盤工学会千葉県グループ現場見学会報告

表記の現場見学会が先月末9/28(水)に行われました。お昼過ぎにJR蘇我駅をバスで出発、まずは、富津市山中地区の地すべり防止区域上畑地区の地すべり防止の抑制工を見学しました。

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現場の説明と解説は千葉県君津土木事務所天羽出張所の徳留出張所長と綾部技師でした。

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地下水を低下させる水抜き孔は水平ボーリングによります。
抑制工により地すべりが安定しない場合はアースアンカーなどの抑止工が必要になると言うことです。


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 水位観測装置


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ある程度の湧水があり、効果があるようです。


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最後の質疑応答。

 

約1時間の現場見学を終え、次の見学地へと移動しこちらも富津市内の拡幅工事館山道・天羽トンネルの工事現場へ。こちらは東日本高速道路(株)関東支社木更津工事事務所のご担当が案内、解説をしていただきました。
  足場が悪いと言うことで切り羽までは見学できませんでしたが、内部を見学することができました。

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   左側の隧道が現在供用中の館山道、右側が工事中の隧道。


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現場見学会は毎年一回開催されている地盤工学会関東支部千葉県グループが主催するものです。一般社団法人千葉県地質調査業協会も主要なメンバーとして積極的に参加しています。この場を借りまして、事務局の方々に感謝いたします。

      2016/09/28(水) 一般社団法人千葉県地質調査業協会(中村)


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