土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2007年10月

運河の活用 大都市の風景 no.123

 都市の交通機関は多種多様、鉄道、道路、高速道路、地下鉄、モノレール、市街電車、バス・・・等々であるが、意外に一般の人が忘れているものに水運がある。
 
 隅田川や運河には水上バスが運行し、遊覧船もたくさん出ている。そちらは有名かも知れない。
 
 秋葉原からお茶の水、九段の方に歩いていて発見した船の活用風景を紹介したい。
 首都高速道路・環状線の下(三崎町付近)に河川というか、運河があり、一般廃棄物運搬船が走っていたものである。もちろん、神田川にも運行している。
 
 <運河清掃船>と<運搬船への積載基地>

一般廃棄物積載基地と都市の風景運河を走る清掃船

 

 

 

 むかしは、だるま船が曳き船に曳かれて・・・というのを見たことがあるが、今は専用の船も使われているようだ。大都会の道路を廃棄物の車が走るよりも、ずいぶんスマートな運搬方法である。
 
 大阪も同じようだが、運河の発達した都市ならではのシステムだと思う。なお、水上運搬のシステムについてサイトを調べたが、良い資料に行き当たらず(検索未熟!)、「神田百景」に昔懐かしい風景を見つけたのでご紹介。

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監視カメラ 先を見すえる no.122

 何の変哲もない都会の一風景である。
 お茶の水から水道橋に至るJR中央線の線路沿いの道。
 
 歩きながら、ふと見上げると妙なものが一定間隔でぶら下がっている。
 この写真のように、昼間は比較的明るく安全そうだが、夜間は暗そうだ。

監視カメラ

 これは、JRが付けたものか、警察が付けたものか、よく分からないが実際の話である。アメリカやイギリスなどはテロ対策用に無数の監視カメラがあるという。
 
 安全のため、市民のため国民なため・・・これが大義名分である。
 社会が不安定となり、危ないことが多くなると、こうした監視カメラが増えるのであろう。
 
 だが、街作り国造りを、官と国家だけに任せておいて良いのか、という問題もあるのだ。土木屋の立場から言うと、市民のため国民のためという「本来の目的」を忘れないようにしなければならない。
 
 自分の利益だけを考えている土木屋(官も民も)はいないだろうか!?
 
 広く社会を見据えた、長期的な視点と高邁な思想を身につける努力をしたいものである。
 
 戦前の軍国主義、戦後の安保闘争などは、ついこの前のことだ。
 監視カメラが「悪」に向けられているはずだ、と信じるのはよいが、
 いつの間にか我々国民に向けられているのかも知れない・・・!!

田安門石垣

 

 最後に、江戸時代の権力中枢の地、江戸城の石垣である。
 土木屋は、何時の世も権力にすり寄った生き方をしてきたものだ。
 
 しかし、時代は変わりつつ・・・市民が土木事業にかかわることが出来るようになってきた。
 「本当に国民のためになる土木事業」を、広くオープンに議論し合う場がもっと出来て良いものだと思う。それも、目先ではなく、遠い子孫まで見据えた本物の議論が欲しい。
 何時の時代にも、目先で判断・行動して良かった試しがない・・・(個人の場合も同じだ)。

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千葉東金道路 土木は現場にあり no.121

東金道路橋梁

 

 

 千葉東金道路は千葉東JCTから東金を通過し、山武市松尾が終点である。その先は千葉県道路公社の銚子連絡道に接続し、国道126号線に合流して銚子へ至る。
 
 千葉東JCTでは京葉道路に接続し、首都圏の高速道路網に入っていく。上を走ると、ずいぶん便利になったもので、関東のかなり広い範囲で日帰りが可能となっている。

付近の地形図

 これは、土木屋にとって良いことなのか、悪いことなのか、どうも釈然としないものを感ずる。便利になって、本当に仕事の効率が上がったのか、モチベーションはどうなのか、考えることは多い・・・。現場の楽しみが無くなっていないのか・・・。
 
 最近の土木仕事は、細かくなって精度が上がったように見えるが、土木という視点で見ると技術レベルが下がっているのではないかと危惧することさえある。
 
 地形や地盤、構造物の外形を見て、一目一瞬で判断することが出来ない土木屋が多すぎるように感ずる。ざっくりとした「土木屋の目」が消えつつあるのではないのか。
 
 土木というのは大雑把なところが許され、また精度をものすごく出すべきところも多い。どちらをどうするかが土木屋の力量なのだが、ITが必須となり、鉛筆を持たなくなった世代は現場も遠のいて数字が一人歩きし、現場における瞬時の判断を苦手とする技術者が多くなったように思う。
 
 故に、これまで常識と思われていたことも、妙な理論付けがなされ、不要とも思われるような計算・証明が必要になっている。「現場がどうか」よりも、デスクワークとパソコンが幅を利かせ、本当の災害や事故に遭うとオロオロするようでは、先が思いやられる・・・。
 
 大学の講座に「土木」という文字が無くなり、優秀な学生を集めにくい社会環境になっている。土木の魅力は「現場にあり」を我々土木屋は再確認するとともに、大学や社会に対してどんどん情報発信すべきだと思う今日この頃である。
 
 「ものを造るという楽しみ」、そして「土木は、やればやるほど、本当におもしろい分野である」ことを若い人に知ってもらいたい・・・と強く思う。

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斜面崩壊(3)地すべり no.120

 山が動く・・・地すべりの現象は誰もが現場を知っているものではない。また、知りたいものでもなく、身近に動いてもらっても困ることである。
 
 しかし、日本全国多くのところで発生し、観察されているが、次に示す分布図のように第三紀層起因が日本海側(能登から青森まで)と九州の一部、千葉県の一部にあり、破砕帯起因は四国、本州の一部範囲に分布する。【藤原明敏;「地すべり調査と解析」1981による(下の図も)】

全国主要地すべり分布図地すべり対策模式断面図

 

 

 

 また、局部的なものに温泉地起因があり、別の分類では中生層地すべり、火砕物地すべり、火成岩地すべりなどがある。
 
 なお、一般的な特徴として第三紀層起因の地すべりは浅いすべりが多く、破砕帯起因の地すべりは深いすべりが多い。
 
 この下の事例(エントリーした写真)は千葉県の生きている地すべり地帯であり、平成18年の秋に滑った直後のものである。

生きた地すべり

 

 現地は横から見た崩壊先端部で、コンクリートの道路右端が当初斜面の法下部であった。右から左へ滑り落ちたものである。
 その幅20〜30m、長さ約100m、深さ最大3〜4mを示した。写真の範囲は、滑り落ちた先端部だけで、写っていない右側に本体の滑落帯がある。
 
 千葉県の場合は第三紀層起因の地すべりに含まれ、表層的な浅い地すべりがほとんどである。上の事例は千葉県の代表的な中規模地すべりと言える。
 
 なお、地すべりの発生は下の写真のように山が荒れ、浸透水が地下に潜ることによってすべり面を作ることから始まる。地下水の早期除去がかなり有効な対策となる。

荒れる山荒れる山2

 

 

 

 

 対策工法は、抑制工から抑止工へ、小規模から大規模まで、幅広い工法があり、その山に合わせ、人家や構造物など複雑な要素を総合的に検討して決定していく。


 最後に簡単な抑制工である暗渠工と水路工、斜面整形の施工中と完成写真を添えて参考としたい。

抑制工工事中完成形

 

 

 

 

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海上自衛隊市原送信所 no.119

 千葉県市原市と長柄町の境、ゴルフ場銀座の真ん中あたりに位置する。
 広大な敷地に大型の通信鉄塔やいろいろな通信施設、アンテナが張り巡らされている。
 この施設は、飯岡受信所と一対の関係で運用されているという。
 通信に関する専門知識を持ち合わせていないので、気になったアンテナをエントリー。

アンテナアンテナ2

 

 

 

 水平形のLPDA・・・と言っても、チンプンカンプン。


 専門的にはLog-Periodic Dipole Antenna Arrayとかで、対数周期のアンテナらしい。三角形型と台形型があるそうな・・・。
 
 サイトで調べても難しく、写真写りも雲天の黒いアンテナが精一杯だ。

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