土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2008年02月

通潤橋 no.146

 あまりにも有名な土木遺産である。
 この水管橋については「通潤橋」(ツウジュンキョウ)で検索するとたくさんの記事が出てくるので、
 ここでは、風景としての通潤橋を・・・「茂原特派員さん」の写真で紹介したい。

 
 放水中の通潤橋  土木技術者が主役!? <拡大できます>

通潤橋放水栓抜き

 

 

 

 

 なお、
 ウィキペディアによると
『 肥後の石工(匠)の技術レベルの高さを証明する歴史的建築構造物である。なお通潤橋を含む通潤用水は日本を代表する用水のひとつとして、農林水産省の疏水百選に選定されている・・』のだそうであり、昭和35年2月に国の重要文化財に指定されている。

 また、
『 あくまで水路のための橋であるため常時、人が渡れるものの手摺等は一切無い。驚くことにこれまで転落した人は一人もいないという。』というのがおもしろい(だいたい、手すりがある方が落ちそうだ)。

放水風景上から

 

 

 

 

 

 

 起工 1852(嘉永5)年12月
 竣工 1854(嘉永7)年 7月
 というから、短い期間でよくぞ・・・と思う。

断面図開発図

 

 

 

 

 当時、サイホン形式を考案して、実地に施工するとは・・・、
 布田保之助という人は並の人ではないと見える・・・。
 
 泥吐工など、最近の土木技術者も忘れそうな機能である。
 この排水風景が通潤橋を有名にし、観光名所にするのだから・・・実におもしろい。

 何はともあれ、熊本県上益城郡矢部町を訪問し、
 一度は実物を現地で見てみたい・・・、
 有数の土木構造物である。
 
 (茂原特派員さんに感謝!!です)

解説板

<すべて拡大できます>

 

 なお、辞書の解説を参考に追加。
 

 通潤橋 つうじゅんきょう <大百科全書>
熊本県中東部、上益城(かみましき)郡矢部(やべ)町長原にある一拱(いつきよう)式の眼鏡(めがね)橋(ばし)。国指定の重要文化財。1854年(安政1)矢部手永(てなが)の惣庄屋(そうじようや)布田保之助(ふたやすのすけ)が、水に恵まれない白糸台地開田のために轟(とどろき)川の渓谷に架けたわが国最大の通水橋で、長さ75.6メートル、幅6.3メートル、高さ20.2メートル、アーチの直径(拱間)28.2メートル。橋の中央部に逆サイホンの原理を応用した3本の通水管が埋設されており、巨大な水圧のかかる通水管は上質の石材をくりぬいた石樋(いしどい)を数多く漆食(しつくい)で連ねてつくりあげてある。また、通水管の四か所には松丸太をくりぬいた木樋(もくひ)がはめ込まれており、内に詰まるごみの取出し口となっているだけでなく、地震の際の緩衝材の役割をも果たしている。空中に巨大な弧を描き、かつ小石の集合のなす造形美は、日本土木技術の秀作の一つといわれている。旧暦8月1日の八朔(はつさく)祭に行われる豪快な放水は、毎年多くの観光客を呼び寄せている。周囲は矢部周辺県立自然公園。→熊本(県)〈山口守人〉

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合掌式井桁工 no.145

 ずいぶんと年代物である。
 千葉県鴨川、嶺岡山系は有名な地すべり地帯。

合掌式井桁工その2

 

 

 

 最近は方形の井桁工が主流であり、この形式はなくなっている。
 こうした古い形式が健在であり、自然景観の中にとけ込む姿はうれしいものだ。
 
 特に、この時代の施工は非常に丁寧である。裏込め栗石の詰め方を見ると一目瞭然、いまの施工ではこうはいかない。単価と時間と・・・という以前に、人間の質にも問題がありそうな現代土木である。

裏込め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それとなく植えられている水仙、
 それが良い香りを漂わせてくれる、早春の房総・・・。

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州崎神社(2) 極相林 no.144

極相林3

<拡大できます>

 千葉県指定天然記念物(昭和47年9月29日指定)だそうである。
 州崎神社の境内は御手洗山の西斜面にあたり、信仰厚い氏子、地元の人たちは絶対に斧を入れたことがない。その結果が貴重な自然林を形成したものらしい。
 
 いわゆる鎮守の森だが、ここ州崎神社の特徴はかなり広い範囲にあること。
 極相林とは、人間が数百年以上関与しない自然林が究極的に落ち着く森林の安定した形だという。
 
 案内板によると
 御手洗山の上半部と、下半部では多生樹種に違いがあるようだ。
 
 神社に近い下半部は高い方から
 〜悄.好瀬献
 ∩悄.筌屮縫奪吋ぁ▲筌屮張丱
 A悄.肇戰蕁▲ぅ魅咼
 ち悄.謄ぅカズラ、ヤブコウジ等
 としている。

極相林2州崎神社極相林

 

 

 

 上半部は高い方から
 〜悄〕ダ蠎錙.劵瓮罐坤螢
 ∩悄‘瑛佑縫劵瓮罐坤螢
 としている。
 
 階層構造の分け方は専門家の意見で別れるのかも知れない。有名な銚子市・渡海神社の極相林は三層(高木層、低木層、草本層)に分けているようだ。
 
 人間が関与しない自然林は、棲み分けを行い、安定した形に収束する。動物もそうだと思うから、人間だけが違う生き物であり、自然破壊者の烙印を押されそうだ。
 
 なお、銚子・渡海神社の極相林はタブノキ、スダジイが高木層であり、安房と銚子が太平洋の黒潮自然文化圏に含まれることがよく分かる・・・もっとたどれば南紀白浜に至る。
 
 なお、銚子・渡海神社の極相林はこちらへ。

 追記;辞書の記事を次へ。

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州崎神社(1) no.143

州崎神社大鳥居

 

 

 

  <すべて拡大できます>

 南房一宮 館山市州崎地区、洲崎スノサキ灯台のすぐ南にある。
 海を見下ろす丘陵地の一角にあり、州崎スザキ神社本殿の裏には比較的高い山を背負う。
 
 そのため、山門を抜けてすぐに急な石段がそびえている。
 その段数、なんと約226段、小段は小さいのが2カ所のみであった(約・・というのがボケ症状の兆候なり・・・)。それにしても、きつい急階段で、下りる時は足がこわばってしまう。

下から石段上から石段

 

 

 

山門と海縁起

 

 

 

 

 ぜいぜい言いながら登ると境内は意外に広い。
 拝殿、本殿、立派なもの、
 樹林に包まれるように落ち着いた雰囲気だ・・・夏がよさそうである。

拝殿正面拝殿と森

 

 

 

拝殿と本殿本殿

 

 

 

 日本の神社建築というのは、実に味があるものである。江戸中期の建築らしいが、古代から変わらぬ日本の様式だ。若いうちは、「つまらん!」と言ってきたが、年齢を重ねると古き良きものに惹かれる・・・不思議なものだ。
 
 <次回は極相林について>

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館山城 no.142

 房総半島の戦国時代、覇を称えたのは里見家である。
 その居城が館山城。
 
 海も、平野も眼下に見る絶好の立地だ。

館山城館山城2

 

 

 

 <いずれも拡大できます>

 しかし、
 戦国が終わり、時代が安定してくると領土は削除され、江戸時代初期には山陰地方へ転封となり絶えた。
 
 関連記事;土のうた「館山城」

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廃屋 no.141

 地方に行くと、うち捨てられた家屋をよく見る。
 過疎化が一番の原因であろうと思うが、そのまま放置の建物は年代物が多く感慨深いものがある。
 
 この写真は南房総市千倉地区だ。この町は、漁業と農業が主要産業である。
 また、観光にも力を入れている・・・「お花畑」や「くじら」が有名。

廃屋

<拡大できます>

 さて、この建物はずいぶん古い。
 出入り口のサッシが異質で、近い時代まで人が住んでいたであろうと思わせるが、
 瓦屋根、棟瓦の漆喰、土の壁、木製の雨戸、戸袋、そして、土壁のなかに塗り込められている竹の木舞、なつかしいものばかりである。
 
 雨戸を開けると、穴の空いた障子がきっと出てくるはずだ。
 
 こうしてみると、日本の住宅建築は変わってしまったものだと思う。
 時代に合わせ、人の生活に合わせて変化するのは当然のことである。しかし、本来の日本風土を考えているのだろうか、という建築も多いように思う。
 
 現代社会の余裕の無さが、ジックリとしてゆったりとした住宅の風景を無くしているのではないか。お金を掛けるという感覚ではなく、日本の風土に適した自然型の建物を見なくなってしまった。
 
 お金との相談だから、「致し方なし現代人!」であろうか。
 手間暇を掛ける仕事が出来なくなっている現代社会である・・・。
 
 土木の世界でもそうだが、「人間が一番高い」時代なのである・・・悲しいことだが。

廃屋2<拡大できます>

 参考記事(土のうた)。


 廃屋とサザンカ 

 廃屋・・カラスと雀 

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千葉県の雪情報 no.140

 今年の気象は、異常というわけではないけれど雪が多い。
 暖かいはずの千葉県に、4回も積雪があった。
 
 地区によって違いはあるけれど、北総台地、上総丘陵地などが多い。
 山中にはいると雪も深い。
 
 積雪記録は実体験で
 08.01.17(木)、08.01.21(月)、
 08.02.03(日)、08.02.07(木)の4回。
 2/3の雪が一番すごかった。
 
 千葉市郊外と房総丘陵地の雪風景をエントリー。
  …源卉篭(1.17日)
 ◆銑Α)盟軋翆(千葉市郊外 2.3日)
 А銑 房総丘陵地区(1.21日、2.3日)

銚子 雪夕景

 

 

 

 

クリ畑かぜ

 

 

 

 

ひかり畑

 

 

 

 

 

樹雪沢の滝

 

 

 

 

丸木橋切り株

 

 

 

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雪の東金ダム no.139

 少し前、積雪の時に寄ってみた。
 アースフィルダムは雪で化粧をする・・・。
 
 東金ダムに関する記事は2006.09.29の記事<no.75>を見て頂くとして、うっすら雪化粧をエントリー。

全景022

 

 

 

 

放水路ボリュウム感

 

 

 

 

030037

 

 

 

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