土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2008年06月

谷止め工 no.173

 房総鴨川地区は地すべり多発地帯です。
 山が滑るのは河川・渓流が荒れるからで、河床・溪岸の防護は非常に重要です。
 
 荒れる山腹からは多量の土砂も流下し、多自然型の・・・などと甘いことを言ってはおられません。この小規模な谷止め工にしても、砂防のダムは規模に関係なく基本構造は同じです。

谷止め工

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダム設置箇所が河床の浸食を止める起点になるわけで、ここから上流の河床勾配を緩くして安定させる手法です。
 
 本地区は、特に合流地点であり、コンクリートで固めるしかないようです。河川用地をふんだんに使える余裕もなく、暴れる河川を閉じこめることが目的です。
 
 河川・渓流の怖さは、大雨の時現場で見るに限ります。自然の恐ろしさは、牙をむいた時のすさまじさ、そして圧倒的な猛威です。
 
 都市にいて理解することは難しいかも知れませんが、昔に比べて日本の災害は激減しています。
 土木技術者達の営々とした小さな努力の結晶が、災害の少ない日本国土を造ってきたものです。
 
 しかし、今の社会は災害のないのが普通で、何かあったら徹底して責める・・・、これが現実です。国土を守ることは並大抵のことでは無いのですが、それが忘れ去られています。
 
 感謝の気持ちを忘れ、自己の権利だけを求める現代の風潮に対して、この谷止め工は何と言いますか・・・。   <土木の風景TOPへ>

その2

館山道・丹生地区 no.172

 館山道は、正式にはNEXCO東日本が管理運営する高速道路(東関東自動車道館山線と富津館山道路)です。千葉から君津インターまでは片側2車線、君津から館山終点(南房総市)までは片側1車線です。
 
 君津から先は遅い車がいると、追い越し車線区間が少なく、後続が並んでしまいます。しかし、遅いと言っても、時速70〜80Km は出ているわけで、急がなければ快適なドライブが出来ます(普通の日はとても空いています)。
 
 さて、この写真は南房総市富浦・丹生地区の丘陵地帯です。山が海に没する内房地区の急峻?な地形をぬって走る館山道です。トンネルと、橋梁が交互・連続して続きますから目に滲みる緑も切れ切れになりそうです。

館山道

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 海岸沿いは、千葉県でも有数の急崖が続くので、ほとんど内陸部を通過します。このため海の眺望は無理で、楽しめるのはこの新緑、山々、そして、おいしい空気です。
 
 春も、夏も、秋も、冬も、見所たくさん、
 黒潮の暖かさが迎えてくれると思います。6月は房州ビワが楽しみです。

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岩手・宮城内陸地震お見舞い

 陸奥、被災をされた方々にお見舞いを申し上げます。また、亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。

  関連サイトへお見舞いです。

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落差工魚道 no.171

 ここは、千葉県いすみ市大原町長志地区、夷隅川の支流・落合川です。
 以前に全景だけ紹介(no.17)したことはあったけれど、下までおりたことはなかったものです。

魚道

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3段の落差工が設置されており、すこし水の多い時期でした。
 まず、落差工に設置された魚道が“生きている”ことを実感できるもので、豊富な水量が頼もしく感じられます。
 
 切り込みは交互・ジグザグに設けられ、落差を小さくする工夫がなされています。
 素人目にもこれなら魚があがれそうだ、という安心感を与えてくれます。

その3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 近年、多くの河川が浄化され、きれいになっており、水生生物も増えてきたと言います。
 
 こうした魚道を見るにつけ、自然との共生が地道な小さいことの積み重ねであることを感じます。これで、護岸が多自然型であれば申し分ないのですが、この施設の建設時期を考えれば良しとしたいものです。
 
 なお、大きなコイが溜まりに泳いでいました。やはり、魚は魚道を使って行き来しているのが分かります。     <土木の風景TOPへ>

こい

海岸保全 no.170

 海岸保全、と言うと大仰なタイトルになってしまいます。
 海岸は動くものですから、人間としては、出来るだけ固定しておきたい・・・。
 
 むかしから
 いろいろな対策を施して浸食を防止し、また堆積を抑制するなど、河川海岸の専門技術者は大変です。海や川を相手にした工事は莫大なお金がかかります。それ故に、国家や地方自治体などの役所が担当することが普通ですし、普通の工事に比べると工事費の桁が違うのは当然です。
 
 海岸や河川の災害はその被害範囲と規模が甚大です。その事を人は大昔から知り、知恵を出し、必死に防災工事を継続してきているのです。
 
 最近、河川海岸の自然災害で死者が出たり大災害になることがほとんど無くなりました。国民と土木技術者達の成果と言っても過言ではありません。
 
 しかし、最近の世論は災害のないことは当たり前のことであり、当然の権利として安全を求めます。自然災害の恐ろしさを知らない都市住民が大半を占める昨今、「感謝」という言葉が死語になりつつあります。自分たちの税金でやらせているのだから当然だ!、そんな感覚かも知れません。
 
 土木技術者もそのことで生活しているわけだから、国民のために奉仕する義務があります。だが、あまりにも当然の権利として土木に責任を押しつけるのはおかしいことです。
 道路を主とした土木バッシングの中、良い人材は集まらず、技術レベルがどんどん落ちた時、災害防除の役割を果たせるのかどうか心配です。もっと長期的な視点で議論する必要があります。
 
 目先の「お金」で議論している国民的議論が一般化してはいないでしょうか。建設会社が利益を出すのは悪だ!という暴論がメディアを中心として蔓延している現状です。
 
 このままでは日本の土木力は衰退します。
 歴史的に見て、多くの大国がそうであったように、土木が崩壊した社会は滅亡しています。いま、地球温暖化の影響として地球環境が激変している時、日本の土木力が落ちて良いものでしょうか。
 
 社会の基盤が如何に大切なものであるかを認識しなければ、日本の将来はないはずです。土木業界も、襟を正し、無駄な自己満足を無くし、政治的な癒着を無くし、本来の役割を再認識しなければなりません。
 
 誰のための土木か・・・。

天津・城崎海岸天津・城崎海岸2

<拡大できます>

 

 

 美しい海岸にゴミの固まりが転々と並んでいます。地元のどなたがされたことか・・・、これが海岸保全の原点です。この国土は全国民のものです。
 
 海岸保全の努力は、関係機関だけの責任ではなく、国民全員が責任を負うものだと考えます。そのためには、出来ることはやりたい・・・そして任せることは任せたい。
 
 社会全体が縮小する世界では、フラストレーションが溜まりやすいかも知れません。だが、こういう時期だからこそ、大局に立った長期的視点を持ちたいものです。私達のためにではなく、子孫のために、です。

天津・城崎海岸3

 【参考】
 千葉県海岸保全基本計画
 太平洋岸を千葉東沿岸海岸保全基本計画
 東京湾岸を東京湾沿岸海岸保全基本計画 
 として千葉県はまとめています。

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