土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2008年10月

2.土は有機物と無機物が混合した物

2.土は有機物と無機物が混合した物

 微視的に見ると、土はケイ素、アルミニウム、鉄などの無機元素及び炭素や窒素などの有機元素からなります。

 これらは相互に結合し、より大きな無機化合物や有機化合物を形成します。さらにこれらは鉱物や岩石などの無機物と腐食物や生物などの有機物といった巨大な化合物となり、土(土壌)を構成している訳です。

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1.土とはどういうものか?

1.土とはどういうものか?

 

 土は、岩石が地表に現れ、太陽や風雨にさらされ風化が進み次第に細かい粒子になります。この細かい粒子の集合体が、土および土の元となる物質となります。岩石のように土の骨格材料となる物質のことを土の母材といいます。

 

 土を水の入ったコップに入れると、底に土粒子がたまります。土粒子は火山の噴出物か岩石の風化生成物であり、その大きさ(径)により、礫(径75〜2mm)、砂(径2〜0.075mm)、シルト(径0.075〜0.005mm)、粘土(径0.005mm以下)に区分されます。土はこれら土粒子の接触集合体から構成されるのです。

 

 ちなみに、新鮮な花崗岩が「マサ土」と呼ばれる細粒の状態に変化するまで、おおよそ百万年の月日が必要であるといわれています。 (by Ohno)

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銚子大橋見学(2) ケーブル no.191

斜張橋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日の主役は斜張橋のいのち、(新銚子大橋の顔といっても良い)「ケーブル」です。
 橋梁全体の景観を引き締めてくれる、直線放射状のラインこそが斜張橋の特徴です。
 まずは、景観として主塔とケーブルをアップです。

主塔主塔2

<拡大可能>

 

 

 そして、工事中のケーブル設置状況です。緊張はすでに完了し、床版、地幅、舗装など仕上げ前の工事が急ピッチで進行中。

ワイヤー全景

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイヤー全景2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見学風景

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワイヤーは主塔に先端を固定し、桁へ向かって放射状に張られます。技術者の話では、主塔の方から引っ張るのが一般的だそうですが、今回は桁側からの緊張で苦労したとか。全体の緊張調整に実働3日というからプロのワザです。

ワイヤー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイヤーカバー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ワイヤーそのものは超高強度の鋼線ですが、今回のケーブルは現場組み立て型ケーブル(セミプレファブケーブル)と言って、一本一本が独立したケーブルを使用。これが本橋の特徴ということです。個々に張力を調整できるのが利点になるとか。
 
 また、張力調整においては、ゆるめるということはなく、引っ張る方向で行われます。この留め金を見れば分かりそうです・・・ゆるめると、締め付けて傷ついた部分が露出することになります。

ケーブル部品

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイヤー端部

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、これがケーブルのカバーです。また、小さいケーブルは一般に多用されているワイヤー(スパイラルロープ)の断面見本だそうです。

ワイヤーカバー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スパイラルロープ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後はケーブルの桁側取り付け部に妙なものが着いております。何かと聞けば、ケーブルの振動を抑える機器だそうです。その名を「ケーブル制振用高減衰ゴムダンパー」と言います。風、雨その他の影響でケーブルは振動し、支障が出るのだそうです。なお、その解析は難しいので省略・・・。

ケーブル制振用高減衰ゴムダンパー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケーブル端部

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 参考サイトをご紹介。
 橋梁ケーブル制振ダンパー 超高減衰ゴム 住友ゴム
 ケーブル制振用高減衰ゴムダンパー (株)横河ブリッジ
 斜張橋ケーブルプレストレスの実用計算法 〜相対剛度変化法〜 (株)横河ブリッジ
 東京製綱(株) ケーブルと実例
 橋梁付属物製品検索サービス 。     <土木の風景TOPへ>


 
 最後に、こぼれ話を一つ。
 新大橋の(株)横河ブリッジの橋梁技術者は、この銚子大橋に深い思い入れを持って臨んでいるそうです(現場で説明してくれた管理技術者さんです)。「幸せです」と言っておられるそうで、なんと、古い方の銚子大橋建設(清水建設)の時には父親が関係していたそうです。そして今、息子が新しい銚子大橋の建設に従事しているわけです。
 
 親子二代の銚子大橋建設従事は、浅からぬ因縁です。橋梁技術者冥利に尽きるような、うれしい話でした。

銚子大橋見学(1) no.190

                            <写真はすべて拡大できます>

銚子大橋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 建設コンサルタント業協会の技術者が集合して、銚子大橋掛け替え工事の見学会を実施しました、その(1)です。
 
 土木の風景では何度か取り上げているので、工事途中の取材写真を中心としたエントリーとします。やはり、現場内からの見学取材は迫力があります。

銚子大橋2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 斜張橋の基本形が完成し、床版その他の工事が急ピッチで進んでいます。旧橋はトラス橋区間が老朽化激しく、その部分の代替として斜張橋本体の早期暫定供用を目指しているそうです。

銚子大橋3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銚子大橋4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのための暫定接続部は仮設の橋梁部ですが、その部分を下から見た写真がこれです。
 仮設とはいいながら、ごつい構造物です。

銚子大橋5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銚子大橋6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なお、過去の記事は no.99  no.130  no.149  です。

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【土の基礎講座】 目次

普段の生活レベルの活動に関係する「土の話」 

「土」とは、我々に最も身近で、生物が立脚する『大地』を形成する大切な存在である。それなのに、一般には見てもらえず、知ってももらえない。さらに、土は幅広くあらゆる分野に関係しているのにこの現状である。この講座は専門的な立場を捨て、素人の発想で、わかりやすく、「土」に親しみを持ってもらう事を目的としている。


1.講座項目リスト
 ・ 土とはどういうものか
 ・ 土は有機物と無機物が混合したもの
 ・ 土と岩の違い
 ・ 土はどのような役割をするのか
 ・ 土の種類はどんなものがあるか
 ・ 土の硬さ、軟らかさとは何か
 ・ 土の強さとは
 ・ 土を締め固める
 ・ 土の構造物はどんなものがあるか
 ・ 土を盛る
 ・ 土を切る
 ・ 土を掘る
 ・ 土の大きさ
 ・ 土の粒々はどうなっているのか
 ・ 土のかたまり方
 ・ 土の重さ
 ・ 土の中にある水
 ・ 水の中にある土
 ・ 土の中の隙間
 ・ 土の色
 ・ 土を改良する
 ・ 土を調べる
 ・ なぜ、建設活動で土が大事か
 ・ 土の圧密
 ・ 土の圧縮
 ・  土の収縮
 ・土の液状化
 ・ 土の圧力
 ・ 土の動き
 ・ 動く土
 ・ 土を捨てる
 ・ 土を入れ替える
 ・ 土の埋め立て
 ・ 土と地震
 ・ 土と地形
 ・ 土の堆積
 ・ 土の浸食
 ・ 土と風
 ・ 土の乾燥
 ・ 土の飛散
 ・ 土と植物
 ・ 土と植木鉢
 ・ 土と園芸
 ・ 土の透水性
 ・ 土の止水性
 ・ 土の崩壊
 ・ 土の支持力
 ・ 土と水の関係
 ・ 土と降雨
 ・ 土と流水
 ・ 特殊な土
 ・ 土に関係する団体
 ・ 土の専門家
 ・ 土の値段
 ・ 土を売る
 ・ 土を買う
 ・ 土を運ぶ
 ・ 土とスポーツ
 ・ 土と農業
 ・ 土と作物
 ・ 土の流出
 ・ 甲子園の土
 ・ 土の物理特性
 ・ 土の力学特性
 ・ 月の土
 ・ 土と管渠
 ・ 土が腐る
 ・ 土の汚染
 ・ 土の浄化
 ・ こぼれ話
 ・

土木の風景 目次 その

 【 土木の風景 目次 その◆ 
 都会・町・村に見られる土木の構造物や関係するものを、写真中心に紹介するものです。 興味ある写真の投稿をお待ちしています。

 no.81 三角点   no.82 神崎大橋(1)   no.83 神崎大橋(2)   no.84 浚渫船   no.85  土砂堆積・・ダム  no.86  電気柵  no.87 法枠とアンカー   no.88 成田市役所   no.89 新年のごあいさつ   no.90 平板載荷試験 

no.91 抑止杭   no.92 中の島大橋   no.93 アンカーヘッド   no.94 松戸排水機場     no.95 時季はずれの花   no.96 木更津市役所   no.97 君津市役所  no.98 水抜き孔の役割   no.99 銚子大橋架替え工事   no.100 相模湖 

no.101 津久井湖   no.102 宮ヶ瀬ダム   no.103 東京湾アクアライン   no.104 柏ふるさと大橋   no.105 久留里城  no.106 養老川旧河川敷の美田・・地形を読む   no.107 銚子市役所   no.108 首都国道事務所通信塔   no.109 高滝ダム(1)  no.110 高滝ダム(2) 

no.111 パイプビーム ガス管  no.112 小杉神社・・御神木  no.113 大山千枚田 鴨川  no.114 斜面崩壊(1)  no.115 斜面崩壊(2)円弧滑り  no.116 秋葉原今昔  no.117 山が消える  no.118 聖橋  no.119 海上自衛隊市原送信所  no.120 斜面崩壊(3)地すべり 

no.121 千葉東金道路 土木は現場にあり  no.122 監視カメラ 見すえる  no.123 運河の活用 大都市の風景  no.124 地質屋の楽しみ 踏査  no.125 保台ダム(1)  no.126 保台ダム(2)現場回帰を  no.127 保台ダム(3)風景  no.128 急傾斜地対策工事 人力  no.129 鉄塔補修  no.130 銚子大橋 橋脚工事 

no.131 橋名??  no.132 斜面崩壊  no.133 砂防ダム  no.134 水道水管橋 吊り橋  no.135 風力発電  no.136 地すべり対策工事(1)  no.137 地すべり対策工事(2)  no.138 農業用暗渠排水工  no.139 雪の東金ダム  no.140 千葉県の雪情報 

no.141 廃屋  no.142 館山城  no.143 州崎神社(1)  no.144 州崎神社(2) 極相林  no.145 合掌式井桁工  no.146 通潤橋  no.147 荒木根ダム 元気を出そう土木屋!  no.148 消波ブロック(テトラポイッド)  no.149 銚子大橋  no.150 佐原・小野川風景  

no.151 かつしかハープ橋  no.152 香取神宮・本殿  no.153 のり枠工補修  no.154 井桁工復旧工事  no.155 黄和田畑(黄和田層)  no.156 大多喜県民の森  no.157 鏑木古墳群 鏑木神社  no.158 枯木二題に土木を思う  no.159 嶺岡 蛇紋岩  no.160 水路の堆積風景  

no.161 犬吠埼・岩盤亀裂  no.162 農業政策に理念を・・  no.163 校倉造り  no.164 橋脚工事完成・・一提言  no.165 畑の風景  no.166 海蝕風景  no.167 農業用水  no.168 放棄水田  no.169 ラバーダム  

no.170 海岸保全  no.171 落差工魚道  no.172 館山道・富浦丹生地区  no.173 谷止め工  no.174 河岸段丘  no.175 松戸水門  no.176 松戸排水機場(2)  no.177 幕張メッセ  no.178 花見川終末処理場  no.179 三島ダム 

 no.180 いすみ鉄道  no.181 風力発電(2)  no.182 木更津警察署とバース  no.183 水たまり  no.184 館山市稲村の堰  no.185 木下貝層  no.186 落石防護柵  no.187 上総国分寺遺跡  no.188 亀山ダム  no.189 新旧ポンプ 排水機場

  no.190 銚子大橋見学(1)  no.191 銚子大橋見学(2)ケーブル  no.192 上総国分寺・薬師堂  no.193 水管橋  no.194 海岸浸食  no.195 伸縮装置 銚子大橋見学会(3)  no.196 男のロマン  no.197 地すべり集水井  no.198 可動式取水塔  no.199 橋脚 銚子大橋見学会(4)  no.200 地覆 銚子大橋見学会(5)

新旧ポンプ 排水機場 no.189

 昭和49年(1959年)建設の旧機場は平成20年(2008年)8月をもって廃止が決まり、新機場が平成20年9月から運転を開始しました。旧機場は取り壊しです。

旧機場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 約49年間働き続けた旧機場のポンプ達です。
 写真の左側から、
 no.1 φ300mm 縦軸斜流ポンプ 11.0kw Q=10.68t/min
 no.2 φ500mm 横軸軸流ポンプ 22.0kw Q=28.68t/min
 no.3 φ100mm 縦軸渦巻きポンプ 2.2kw Q=1.5t/min

旧機場2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この3台で洪水時の排水を河川本流(南白亀川)に落としてきたわけです。
 
 最大のポンプが稼働するのは滅多にありません。しかし、いつでも動くようにするためには、普段のメンテナンスが重要な点検業務です。イザ鎌倉!(チョト古いですか?)の時、動いてもらわなければいけませんから・・・。
 
 
 さて、新機場は、こちらも3台体制です。ポンプ容量も1ランク、2ランク上げているようです。

 ちなみに、ポンプ仕様は次の通りです。 
 no.1 φ700mm 横軸軸流ポンプ Q=52.0t/min
 no.2 φ700mm 横軸軸流ポンプ Q=52.0t/min
 no.3 φ300mm 縦軸斜流ポンプ Q=11.0t/min

新機場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

113

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

112

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

111

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ポンプはモーターを推力として回転運動で水をくみ上げるのですが、簡単に始動できません。われわれ素人考えだと、電源を入れれば排水が出来ると考えてしまいます。
 しかし、さにあらず。
 手押しの井戸ポンプをご存じの方がおられるとお分かりいただけるけれど、ポンプの心臓部に水が満たされていないと水をくみ上げられません。
 
 これと同じで、大型のポンプも空気だけでは吸い上げ切れないのです。また、そのまま回転しますと焼き付いてダウン、使い物になりません。
 
 そこで出てくるのが真空ポンプ、そして満水検知器です。また、水位計などの計器も重要です。ポンプが動き出す前に、こうした各種計器が作動して満水状態を感知し「モーター始動」の指令を発します。

旧機場3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのためには、複雑な制御システムが必要で、この写真を見てください。これは、旧機場のno.1、no.2を操作するポンプ制御盤の内部です。配線図などを見ると、われわれは目が回ってしまいます。

旧機場4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうしたシステムを地道に一つ一つ、また一本一本、設計していくわけですから、ポンプ関係の技術者は素晴らしい。むかしの電気技師、そんな職人を思い出しますが、現在はエンジニアと言うそうです。
 
 なお、ポンプの下にはコンクリートの大きな水槽があり、その中に管が差し込まれて水を吸い上げます。その水は、吐き出し水槽に持ち上げられ、そこから排水樋管を通り、河川堤防を越えて河川へ。ポンプが稼働する時は洪水時ですから、河川の水位が水槽の水位より高い状態です。
 
 模式的な簡略図を参考に添付します。
 絵の左側が機場で、河川の外側です。吐き出し水槽の右側は河川堤防から河川本流へとつながります。利根川や荒川、多摩川、どのような大河川においても規模が違うだけで、排水機場の基本構造は同じです。全国にある無数の排水機場が私達の生活を守ってくれているのです。

模式

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 土木屋は縁の下の力持ちです。
 個人の名前も出さないし、目立つことを避けてじっくりしっかりと働いています。世の建設バッシングの中でも、黙々と社会基盤を支えています。派手なパフォーマンス流行りのこの世の中で、地に足を付けて踏ん張り、国民・市民のために安全、安心、便利な社会を造る役目をこなしています。
 
 荒川の排水機場が機能しなくなれば、東京の下町は水没します。都市住民はそんなことを知ってか知らずか、無関心です。
 と言うことは、われわれ土木屋の宣伝不足、努力不足、怠慢でもあります。本当に大事なこと、無くてはならないものに関して、しっかりとした主張をしていきたいものです。
 
 最後に、旧機場のポンプと新機場のポンプを比較してみて頂ければ分かりますが、むかしの方に味があります。人間味があるというのでしょうか、50年前の土木技術者と現在の土木技術者との比較にも似ているように思います。
 
 これは、社会そのもののありようにも通じ、細かいルールや取り決めが整備された分、人間が軽くなり、つまらない世の中になっているようです。これは、土木会だけではなく、また日本だけではない世界的な問題であると考えます。
 
 49年間働き続けてくれたポンプ達に感謝をしつつ、土木屋の独り言を終わります。

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