土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2008年12月

謹賀新年・・覚悟

 明けましておめでとうございます。

社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 謹賀新年とは『つつしんで新年のよろこびを申し上げますの意。書状に用いる新年の挨拶のことば。<広辞苑>』だそうです。まことに当たり前のことでした。
 
 平成20年、一年間お付き合い頂きありがとうございました。平成21年が良き一年になりますよう祈念致し、経営者の方へ元旦のごあいさつとさせて頂きます。

芝崎神社本殿

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アメリカの金融バブル崩壊から、崖地を転げ落ちるような世界経済、そして世界各国が厳しい状況に直面しています。つい数ヶ月前まで日本は余裕すら見せていたものですが、先の読める人は警鐘を鳴らしておりました。
 
 自動車メーカーをはじめ、多くの製造業が必死の引き締めを始め、メディアの攻勢はとどまるところを知りません。国中が不景気一色となり、暗い越年になってきた感があります。
 
 建設関連の業界も勝ち組だ、負け組だという言葉自体がなくなってくるような厳しい経営環境が続いています。激しい競争は数年も前から継続しているわけで、建設関連は逆に鍛えられてきたとも言えます。
 
 不動産市況の低落はマンションブームに乗ったデベロッパーを直撃しています。これまでミニバブルであったとも言えます。一時期は、マンションブームに乗った建設関連会社が勝ち組になった雰囲気もあったものです。
 
 経済の動向が揺れ動き、先の読めないトンネルに入っているようです。ゆったりとして安定した経済活動はどこへ行ってしまったのでしょうか。現代文明の進歩は、あらゆる物事を短縮し、余裕のないぎりぎりの活動を余儀なくさせています。
 
 また、われわれの精神にも余裕というものがなくなっています。どこかが、何かがおかしい世界経済です。
 
 「欲」を求めた資本主義の、当然の帰結なのでしょうか。
 
 多くのことが、日本国内で治まる話しではなくなっています。本当の意味でグローバルが語られなければならない時代です(アメリカの身勝手なグローバルとは違います)。一国の動向で物事が決まるほど世界経済は甘くない段階まで来ているのです。
 
 特に、アメリカの世紀もそろそろ終わり、新たな枠組みに変化していく時代に突入したのかも知れません。
 
 そうした大きな流れに対して、われわれは逆流するのではなく、流れに乗った泳ぎをしなければなりません。そのためには、世界の流れが読めていなければならないのです。
 
 簡単に読めるほど世界経済は単純ではなさそうです。
 だからといって、学者や評論家、官僚に身を任せることは自殺に等しいことです。
 
 こういう時こそ、経営者が自分の頭で考え、世界の流れを肌で実感する、そういうことが必要だと考えます。
 
 過去も、現在も、将来も経営力が問われる厳しい経営環境にあることをオナカ(胆)で認識し、新たな平成21年を乗り越えたいものです。

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地すべり集水井 no.197

 今月、林業のある事務所で地すべりの研修会が開催されました。
 技術発表会、検討会、厳しい質疑応答の後、イザ現場へ・・・。
 
 ところが、日の暮れるのが一番早い昨今ですから、現場の見学会は短い時間と相成りました。でも、こういう技術研修は現場がなければつまらないものです。

つるべ落とし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間が短くとも、おもしろい人間にはとてもおもしろい研修会なのです。


 集水井の設置状況と内部を覗いた程度ですが、横穴ボーリングの集水孔口が並んでいるのがよく見えます。大きな音をさせながら、かなり水が集まっているようで、効果がありそうに見えたものです。
 
 地すべりは地下水が一番の悪さをしますから、その水を早期に抜いてしまおう・・・というのがこの集水井の目的です。設置場所を決めるのは、技術者の解析と総合判断、そして経験・・簡単ではありませんが「楽しみ」の一つであろうと思います。

集水井集水井内部

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集水井2

男のロマン no.196

 土木には男のロマンがあります。
 そのロマンを「古くさい!」といわれると心外です。
 
 しかし今、ロマンを感ずる場がなくなりつつあります。世の中が、ギスギスとして細かいルールや基準が横行し、土木の本質がどんどん失われています。
 
 「そんなこと、どうでも良いではないか!!」
 「土木屋の魂はどこへ行ったのか!」、
 「ロマンはどこへ!」
 ・・・団塊の世代以上の男達が慨嘆しています。
 
 だが、「ロマンを語れた世代はシアワセであって、現実を見て欲しい!!」・・これが若い技術者達の言い分かも知れません。会計検査で、現場を見ない検査官も出てきているというこのご時世に「何がロマンだ!」といいたくなるのも理解できるわけです。
 
 ロマンを感ずる仕事が無くなっているのか、社会基盤整備がほぼ整えば、あとは維持管理・補修の世界なのです。
 
 しかし、造ることだけがロマンではありません。社会基盤を支えると言うことも十分にロマンのある仕事なのであり、かっこよい仕事だけがロマンではないのです。ものの感じ方、受け止め方、つまりは個人の内奥にこそロマンはあると考えます。
 
 世の中のアスリート達や成果を上げて目立つ人たちがたくさんおりますが、その結果だけを見て物事を語る傾向があります。その最右翼がメディアです。
 
 ですから、若い人たちが結果だけを重視し、早く成果を出そうとします。裏のどろどろとした努力や苦労をどれだけ見ていて知っているのだろうか・・・と思うことがあります。
 
 ロマンの陰に、どれほどの艱難辛苦、汗とくやし涙と地面をはいつくばるような思いがあるのか・・・、その事を腹の底で分かる必要があります。
 
 頭が良い人の増えている現代社会ですが、身体とおなかで理解する範囲が狭くなっていないでしょうか。能力優秀、高度な技術、高いIT技術・・・素晴らしいことです、
 が、これが怖い。
 社会(土木)は生きているのです。
 
 テクニックにおぼれると想像の世界は広がらず、限界は意外に早く来てしまいます。そして、奥行きも深くなりません。また、人間の幅も出来ず、もろくて挫折に弱い人間になってしまいます。
 
 むかしの職人さんの顔つきを見てください!!これこそ、ロマンそのものなのです。
 そういう顔つきの職人さんがほとんどいなくなりました。
 これが、現実の日本社会なのです。
 
 効率と収益だけを考えてきた昭和日本の「結果」です。
 
 今後、マニュアル世界から脱し、自分で考える習慣を推進したいものです。多少、間違っていても良いのです。細かいことより、本質的なことが合っていればよいのです。
 
 土木の言葉で言えば、「土木力」を回復したい冬の空・・・です。
 
 なお最後に、土木屋ではありませんが、
 「飛行機野郎のロマン」をご紹介します。是非、御一読ください。

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伸縮装置 銚子大橋見学会(3)no.195

 今回の主役は伸縮装置です。

銚子大橋

<拡大できます>

 運転する方はお気づきでしょうが、普通、橋の端部、中央部などに金属製のような、またはゴムのような細い板状のものがあります。橋梁の規模によって、その装置はいろいろです。 運転しているとわずかな振動と音で分かるはずです。
 
 高級なものから普通のものまで、その種類は無数と致しましょう・・・。
 銚子大橋は一級の長大橋ですから、その伸縮装置もたくさん使われていると考えますが、さにあらず。橋長1,450mの両端に一カ所ずつの設置なのです。
 
 その代わり、橋の延び縮みにかかわる対応能力は並のものではないようです。若い橋梁技術者さん達が、現場説明の中で(電卓片手に)即答しておりました。詳しい数値は忘れてしまいましたが、50〜60cm位(?)は対応できるようなことを説明されていました。
 
 どのような装置で水平を保ち、重量・衝撃に耐えるのか・・・、疑問が湧きます。
 写真と現場説明ではチンプンカンプン、そこで、発注機関事務所のご担当氏に支障ない形の伸縮装置構造図をご提供頂きました。
 
 その名を、マウラージョイントと言うそうで、橋梁技術者には珍しくないものかも知れません。しかし、専門家でなければ説明が難しい高級装置です。
 
 まずは現場写真を見て頂き、その仕組みを簡略説明してみましょう。


 床版の一部がコンクリート未打設で、伸縮装置接続部が残っていました。

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 伸縮装置の詳細は次の通りです。装置の裏側は最終的にコンクリート充填となります。

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 さて、ここからが装置の説明です。
 車の荷重はまず、ミドルビームに作用しその荷重をサポートビームで受けます。ミドルビームとサポートビームは溶接されており、一体で動きます。ミドルビームは橋の方向と直角、サポートビームは橋の方向と同じですが斜めになっています(写真)。
 
 サポートビームはボックスの中に格納されており、その中で荷重を鋼桁に分散させます。サポートビームはコントロールゴムやベアリングで固定され、激しい衝撃にも平気!というわけです。


 その辺を構造で示したのが次の写真┐鉢です。

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 さすがに良くできている装置ですが、縁の下の力持ち・・・お値段も張ります。
 ワンセットで家が建ちそうだとか・・・笑い話なのかどうか、現場説明者はからからと笑っておりました。来年3月には本橋部分のみを供用開始する予定と聞いています。
 資料ご提供いただきましたご担当氏に厚く御礼を申し上げます。
 
 
 なお、伸縮装置の役割や解説を添付しました。(→鋼構造技術研究会
 【役割】
 伸縮装置とは橋梁の路面端部に設置されるもので、気温の変化による橋梁の伸縮、地震時および車両の通行にともなう橋梁の変形を吸収し、自動車や人が支障なく通行できるようにするものです。
 自動車が直接載るため騒音や振動の原因になる場合も多く、橋梁の規模、通行する車両の特性、周辺住民への配慮などを考慮して形式選定を行う必要があります。
 
 【性能】
 (1) 常時、温度変化時および地震時の橋の変形を吸収し、車両が支障なく走行できるよう路面の平坦性が確保できます。
  (2) 設置する道路の性格、橋の形式、橋の重要度、交通量に応じて適切な形式の選定が可能です。
  (3) 設計においては、活荷重、地震の影響、強度、排水性および水密性、騒音・振動、耐久性などを考慮できます。
 
  【種類】
  伸縮装置を構成する部材は主に鋼製、ゴム製が用いられています。伸縮量や取り替えの考え方などにより使い分けられています。
  ・ 鋼製形式 
  ・ ゴムジョイント形式
  ・ 特殊形式ジョイント(モジュラー式、他)
  ・ 埋設ジョイント

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