土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2009年04月

スギナ、アスファルトを持ち上げる no.214

 何と言うことのない風景、現象です。
 誰もが見ている、植物の生命力とたくましさをご紹介。

   
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 ここは、千葉県長柄町の町道です。
 道路はアスファルト舗装ですが、縁の方は転圧も不足し、舗装厚も薄いようです。

スギナ

 一度出てきたスギナの新芽は次々とアスファルトを破り、いずれはアスファルトがあったのかどうかさえ分からなくなります。拡大写真は次です。

スギナ2

 一般の歩道舗装などでもよく見られる現象です。
 普通に考えれば、スギナの新芽が舗装を持ち上げるなどあり得ないように見えます。
 
 なぜでしょうか。
 
 それは植物成長のスピードにあります。
 氷が流れるというのは氷河で経験的に知っていることですが、岩盤が流動すると言って信じる方は少ないのです。しかし、地球の地殻は薄いですが岩盤で出来ています。
 
 褶曲や断層が複雑に作用した岩層はアメのように動いた痕跡を残しています。プレートテクトニクスの理論もマントルが流動するとしていますが、水のような流動体とは違います。流動の速度があまりにも遅く、岩盤を流体のように動かすわけです。
 
 つまり、人間感覚で固体と思われる物体も、その実態は流動するというわけです。長い長い時間を掛けて、ゆっくりゆっくり動けば、個体も流動体になります。鉄のように硬い物質もクリープ現象を起こし、変形します。
 
 山岳氷河などは一年間に数メートル動くと言います。
 仮に2m/年とすれば、<200cm÷365日=0.55cm/日>となりますが、これは大変な速度なのです。谷を削りながら川のように流れる・・・しかし硬い氷です、これが氷河の実態でしょう。
 
 
 さて、アスファルトですが、こちらも岩盤と同じで流動的な動きをする物質です。植物の生長は浸透圧の上昇によりますが、そのスピードが極端に遅い場合は氷河の動きと全く同じ現象で、アスファルトを流動体のようにして圧力を掛けると考えられます。
 舗装が厚いと浸透圧は勝てません・・・。
 
 
 そして、もう一つ重要な要素は、植物の種類によることです。
 アスファルトを持ち上げたり、突き破っている植物をよくよく見るとスギナやヨモギ、アシ、スカンポ(イタドリ)、タケなど、根茎が横に連続していたり、広範囲につながっている種類なのです。
 
 普通の植物ではアスファルトを持ち上げるだけの体力とスタミナが続かないものです。根茎のつながった植物たちは体力とスタミナが並はずれていると考えて良さそうです。

スギナ3

 この写真はスギナ自然の姿です。休耕田は一面のスギナ繁茂ですが、連続した仲間達と言えます。上のアスファルトに生えたスギナと比較してみれば明かですが、栄養満点、力を蓄えています。こういう仲間がいてこそのアスファルト持ち上げでした・・・。
 
 最後におまけの「ツクシ誰の子、スギナの子」です。


ツクシ

土の分類(その2)

《火山灰質粘性土》

 わが国には火山が多いために、丘陵部や火山山麓に火山灰起源の土が分布している地域がかなり広い面積に及んでいます。

しかもそれらの多くが風化して粘土化が進んでおり、多雨多湿な気象条件も関係してか、特異な高含水比粘性土となっています。

これら火山灰質粘性土地帯は多くが農耕地となっており、農業的に人間と密着した土壌であったために、多くの俗称を持って親しまれてきたし、地質的にも関東ロームというようにその地域の名を冠して身近な土として取り扱われてきました。

 

  20090424095301_00001

 

 4.1 火山灰質粘性土の分布
(出展:土質試験の方法と解説-746頁より)


 

 わが国における火山灰質土の分布は、九州と関東以北の東側の沖積地域を除くほぼ全域、北海道では東南側の約半分、また、中部地方山岳部と山陰地方の一部にもそれが見られ、わが国面積の約40%近くが火山灰質土に覆われています。

火山灰土の分布は、堆積時の地形や堆積後の浸食などによって一定しませんが、原則的には火山源の東側にひろがり、層厚も東方だ円形にのびています。

東側に分布している理由は、日本の上層気流が偏西風であることによります。



 火山灰質土は堆積年代、堆積場所、供給源、堆積環境などによって性質は著しく異なります。

火山灰質土の性質に変化を与えるおもな原因の一つとして粘土化の進行があげられます。

この粘土化は堆積年代の古いものほど進行しており、生成条件や堆積環境によって違いがあります。

火山灰の鉱物組織によって粘土化は違いますが、一般に新しい火山灰から古い火山灰への粘土化には一連の系列に沿った変化がみられます。

古い火山灰では堆積が河成であったか、海成であったかということで著しく性質を異にし、また堆積後の地下水の影響も粘土化の進行に関係があります。


 火山灰質粘性土は、日本統一土質分類法では液性限界によって80%未満の?型と、80%以上の?型とに分けられています。

?型の代表的な土は灰土で、自然含水比も50%前後と少なく、締固めによる乾燥密度も1t/m3を超えますが、?型の代表的な土である関東ロームは、自然含水比も100%を超えるものが多く、締固め性もよくありません。
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森林収穫 no.213

 収穫という言葉を大多喜の山中、林道で初めて目にしました。
 森林を畑の栽培と同じ感覚で見ることはありません。
 
 考えてみれば、林業の関係者から見れば当然のことかも知れません。それでもわれわれ一般人から見ると言葉に違和感があるのも否めません。
 
 さて、次の写真が林業の一部を見せてもらうきっかけです。
 美しいスギの林・・・といいながら密生しているのが分かります。案内掲示を見て納得、間伐の予定林というわけでした。

森林収穫

森林収穫2


 これに対して、「皆伐」という言葉があるようです。これは、森林そのものをすべて切り開くものです。別の場所で見たのが次の写真です。
 
 こちらは木材としての活用が出来る太さなのでしょうか。材木としての扱いをしています。収穫後は新しい苗を植えて終了です。30年後くらいに違う世代の林業関係者が伐採をするのでしょうか・・・。その時まで林業が元気であって欲しいと思うものです。

森林収穫3

森林収穫4


森林収穫5

森林収穫6

 なお、この森林は千葉県の管理事務所が入札として公布し、森林組合などが応札して落札します。どのような単価構成になっているか分かりませんが、木材の価格は低迷し、輸入材との競争には厳しいものがあります。
 
 間伐材もなかなか活用できません。
 
 農業もそうですが、日本の基盤産業を単なる市場経済に乗せて欲しくないものです。単価の安い輸入材はその輸出国の自然を破壊してしまうのです。貴重な動植物が絶滅危惧種になって行くのを輸入大国日本は「知らない」とは言えません。
 
 輸出国の政府が広大な地域の森林伐採権を入札に掛けて売り渡すなどは、いかにも目先の政策です。日本も安いから輸入する・・・当然の経済活動のようですが、必ず大きなしっぺ返しが来るはずです。
 
 輸入に係わる商社、メーカーなども植林活動などの現地協力をしているようです。しかしです、日本の林業が疲弊し、崩壊することでよいのかどうか、長期的な視点で考えなければ行けないはずです。

森林収穫7<拡大できます>

 一本のスギを収穫できるのに30年掛かります。今の政府の視点は一年、いや、数ヶ月のスパンで物事を考えているように見えます(選挙が近いので無理もありませんが・・)。長期的な視点で国民を巻き込んだ林業のあり方を模索してもらいたいものです。
 
 林業関係の従事者はきつい労働と極端に安い賃金で頑張っています。山が好き!というだけでは後継者も育ちません。木材を作物としてしっかり育て、経済的に自立できる環境を早急に作る必要があります。
 
 工業立国と都市の時代は効率ばかりを求め、ギスギスしたストレスのたまる社会を造ってしまいました。そろそろ転換をしたい日本社会です。
 
 今回の米国発金融バブル崩壊は日本国の経済基盤がもろいことを露呈してしまいました。産業の世界的な展開は仕方ないものですが、守銭奴のようなアメリカ的経済に組み込まれるのは国を滅ぼす元になります。
 
 厳しい経済環境になった今こそ、農業、林業、漁業などを根本から見直す良い時代ではないかと考えます。日本国の古来から伝わる伝統文化を復活し、日本人らしい国造りを致したいものです。

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つくばエキスプレス かしわのはキャンパス駅 no.212

 少々長いタイトルとなりました。
 何せ、新線の駅ですからまだ有名ではありません。

かしわのはキャンパス駅

かしわのはキャンパス駅2

 東京へのアクセスが格段に良くなりました。ということは、沿線の開発が急速に進んでいるわけです。駅周辺の区画整理事業は千葉県が施行しており、急ピッチの工事です。

高層マンション群

 柏市は千葉県でもっとも開発進行中の市で、ただいま人口387,517人です。
 かしわのはキャンパス駅の東から北方面へ国道16号線が走り、また、常磐自動車道の柏インターがあります。電車良し、車良しです。
 
 何と言っても環境がよいのが魅力です。東大や千葉大の研究フィールドがあり、緑豊か、そしてそして、柏の葉公園はいろいろな施設とともに憩いの場を提供してくれます。

アセビ

 また、約3kmも歩けば板東太郎・利根川の河川敷に出られます。このあたりは利根川中流域になり、利根川と鬼怒川の合流点にもなっています。広々として気持ちよし・・・ストレスなど吹き飛びます。
 
 駅の西口には「ららぽ〜と」がすでに進出し、少ないながらもにぎわっています。

ららぽ〜と

 さらに西側には千葉大学環境健康都市園芸研究フィールドの科学教育研究センター(元千葉大学園芸学部付属農場)敷地が広がります。名を付けた気持ちは分からないでもありませんが、少々長い名前です(笑い)。

キャンパス

 この施設の先(西側)に東大の柏キャンパスや柏の葉公園がありますし、ゆっくり散策も良さそうです。駅周辺が熟してきて、魅力的な街になることを祈りたいものです。

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斜面崩壊(5) no.211

 ここは、いすみ市荒木根地区です。
 房総半島東部に流れる夷隅川、その支流落合川の最上流部に当たります。
 まずはこの写真を見てください(クリックで拡大できます)。

斜面崩壊

 房総半島には山地が無く、丘陵地帯といわれています。しかし、局部的に見れば急峻な地形も多く、こうした斜面崩壊も多発しているのです。人家がないゆえに、あまり問題にされていませんが、こういう地形はたくさんあります。
 
 崩壊の斜面は次の写真の通りです。地山の泥岩層は第三紀鮮新統の黄和田層に当たります。泥岩主体で砂との互層状をなします。比較的安定した地層ですが、風化が進むとこのように崩落するわけです。
 
 このように、泥岩がむき出しになりますと、しばらくは崩壊しません・・・しばらくとは人間の数世代以上でしょうか??(笑い)


斜面崩壊2

 さて、この崩壊した植生は杉林です。見事なまでになぎ倒されて自然の脅威を感じます。河川本流をせき止め、もともと水田だった場所を越流しているのが次の写真です。
 
 越流部の手前が市道で高くなっていますので被害が出ていません。しかし、そのままでは道路部斜面の浸食もないわけではなく、危険であれば堆積土砂の排除が必要になりそうです。河川管理者の(予算を含めた)総合判断にゆだねられるというわけでしょうか。

斜面崩壊4

斜面崩壊5

斜面崩壊6


 なお、こういう山間部では河川境界も確定しない場所が多く、まだまだ手が回りません。予算不足の中、河川関係者の苦労は続きます。

斜面崩壊7

 最後に過去の斜面崩壊記事は次の通りです。

 
斜面崩壊(1) 斜面崩壊(2)円弧滑り 。
 
斜面崩壊(3)地すべり 斜面崩壊 no.132 。

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