土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2011年09月

耐候性鋼 no.316

 千葉県東部に広域農道の建設が進んでいます。
 銚子や利根川も近く、谷を横断する橋ですから、維持管理は大変になります。
 
 建設費だけではなくライフサイクルコストまで含めた総合的な比較検証がなされています。
 そこで出てきた耐候性鋼という新しい材料です。
 
 まずは、建設後半年くらいの鋼橋です。

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 鋼材独特の赤さびた色ではありませんが、一般の人から見ると未完成に見えるはずです。
 塗装をしないところがミソというわけです。
 
 これが数年を経ると次のように味の良い茶褐色になります。
 これでも不安に思う市民もおられるかもしれませんが・・・。

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 日本鉄鋼連盟の記事から・・・
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 耐候性鋼は、適量のCu、Cr、Niなどの合金元素を含有し、大気中での適度な乾湿の繰り返しにより表面に緻密なさびを形成する鋼材です。緻密なさびが鋼材表面を保護しさびの進展が時間の経過とともに次第に抑制されていきます。
耐候性鋼は、溶接構造用鋼材としての優れた特性を有するとともに、適切な計画設計、施工、維持管理により無塗装で優れた防食性能を発揮するため、橋梁のライフサイクルコスト(LCC)の観点から魅力的な素材です。
主にニッケルを多く添加し、従来のJIS耐候性鋼に対し耐塩分特性を高めた新しい鋼材も開発されています。
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 なお、ウィキペディアにも記事があります。
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・・・しかし、表面が錆の色になるため、それが正常なのを知らない一般の人には不安や誤解を招きやすい。そのため、人目に付く場所に限っては、あえて塗装されることがある。

耐候性鋼の耐食性は、表面の「錆」によって獲得される。

耐候性鋼の基本成分は、Fe-Cu-Cr-Ni-P、またはFe-Cu-Cr-Niである。 耐候性鋼の表面にある錆層の下部に、Cu, Cr, Niが関与する、極めて緻密な非晶質(アモルファス)層が形成される。そして、この非晶質層が錆の進行を抑制する。使用して2 - 4年ぐらいすると、前述の保護性錆が形成され、錆の進行が止まる。つまり、錆のバリヤーで外部の酸素や水による反応を防いでいる。・・・
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佐久間ダム no.315

 佐久間ダムといえば、天竜川に建設された大ダムです。
 今回こちらは、こぢんまりとした農業用のダムです。
 
 名前は堂々と「佐久間ダム」、しかし千葉県を入れないと検索ではヒットしてきません。

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佐久間ダム



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 そんな佐久間ダムは昭和51年採択、日本中が行け行けどんどんと景気の良い時代でした。今の若い方々はそんな時代があったことも知りませんし、明るい希望が見えてこない厳しい時代を迎えています。

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 上の看板も色あせて見えます。
 
 いま、世界中の社会構造がぎしぎしと音を立てて軋み始めています。
 欧米中心の価値観が崩壊する予兆かもしれません。たったこのごろ2〜300年が(長い歴史の中で)欧米の輝いた時代です。
 
 もう一度歴史をひもとき、価値観や時代の流れを見直したいものです。
 つい20年前、日本人はアジア諸国を見下ろし、傲慢な姿勢を見せていたはずです。
 おごるもの久しからず・・・それが歴史です。
 
 覇権国というものは必ず衰退し次の流れになって行くものでしょう。中国も、いまの体制が続くとは限りません。そんな転換期に我々は生きています。
 
 
 さて、佐久間ダムです。
 千葉県(耕地課)館山土地改良事務所が建設した農業用かんがいのフィルダムです。
 フィルダムとは、簡単に言うと「土」で出来たダムであり、よくよく締め固めて水を通さないようにしています。
 特に、ダム中心部に透水性がほとんどない層を構築して止水のコアとしています(中心コア型フィルダム)。コア以外は重しのようなもので、堤体の安定をになっています。
 
 コンクリートと違い、土は水に弱いものです。
 その土で水を止める、ここが土木屋としてのおもしろさであり、やりがいであります。
 この当時は、みなさん元気でした。
 寝食を忘れ、泥まみれになって土と格闘しておりました・・・。
 
 そのフィルダムが35年くらい経ったいまもこうして健在です。
 周辺は佐久間ダム親水公園として整備され、鋸南町市民の憩いの場所を提供しています。サクラの季節などは大にぎわいます。

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 なお、ダムの構造は土ですから土木的な風景が少ないのです。
 堤体と洪水吐き、そして、当時の男たちの意気を示すような法枠工の壁面を見てください。

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03 098拡大できます。


 そして最後はおまけです。
 アオサギが飛び去って行きました・・・。

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 また、佐久間ダムの詳細についてはダムマニアにありますのでどうぞ。

通信鉄塔 no.314

 匝嵯市の小高い丘にあります。
 大変に高いので見上げるのも骨・・・重要な中継基地のようです。

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 詳細は不明です(ゴメンナサイ)。
 
 なお、
 「匝嵯」という字の読み方、由緒についてはこちらをどうぞ・・・。

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