土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2012年02月

小向ダムその後 no.335

 久しぶり、近くに来ました。
 前回エントリーしたのが2009.6.13ですから3年くらい前になります。
 
 その日は天候良し、緑が鮮やかでした。

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 あいにく、今回は雨の小向ダムです。
 暗めの写真ですが、ダムの老朽化に焦点を当ててみました。

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 建設が昭和50年(1975)ですから、37年が経過しています。
 昭和40年代は世の中が高度成長時代、いけいけどんどん・・・元気な時代でした。
 
 それだけに急ぎの仕事が多かったわけで、コンクリート製品の質も問われることがあります。明治、大正の構造物が持つ質実剛健さはなくなった時代です。

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 土木技術は、時代が要求する水準で決まるものであり、常に向上する技術というわけには行きません(退化することもあり得るわけです)。
 現代のように経済性が優先する時代にはそれなりの工夫が生かされた土木技術になるはずです。「一番」でなくとも良いのです(笑い)。
 
 
 明治時代は、最高のものを造るという気概とイキザマが明確に出ています。厳しい時代でしたが、よき時代でもあったのでしょう。つまらない細部のルールなどくそ食らえ!・・・彼らには関係なかったのです。
 
 自分で考え、自分で工夫をし、そして責任を全部持つのです。
 
 現代社会の無責任さから見ると、同じ日本人にはとても見えません。国が滅びる(植民地化される)かも知れない・・・そんな状況の日本国と現在とでは随分違いますが、それを差し引いてもどこかおかしい平成の日本国です。
 
 細かいルールと検証、証明、何でも規定されると、それだけ責任感は薄れてしまいます(仕事もおもしろくありません)。
 責任を取りたくないのは誰しもそうでしょうが、あまりにもひどすぎる現在の社会です。土木の世界もまた同様です。
 
 「俺がルールブックだ!」と言った二出川さんのような人がいなくなりました。
 これが、「時代」なのかも知れません。
 
 今後、厳しい時代が続けば、若き傑物・俊英たちが生み出されてくることを期待したいものです。
 
 
 さて、本題はコンクリートでした。
 ダム本体を詳細に見て行くと老朽化が進んでいるように見えます。

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 型枠のあとが残るのは良いとして、表面のはく離や石灰質の溶出も見られます。
 補修跡もあって、風雪に耐えてきた姿を見せてくれます。
 
 コンクリートの寿命は何年か・・・単純には行きません。建設年代、立地、設計者、施工者、管理者・・・掛けた工事費も重要です。仮に50年とすれば、これから本格的な補修、改修が必要な構造物が激増してくるのです。
 
 土木関係者は少ない予算をどのように割り振り、長寿命化を図るか・・・必死の模索が始まっています。
 
 明治の造る時代から、維持管理・補修の平成時代へ・・・時代は変われど土木屋のプライドは持ち続けていたいものです。
 
 http://blog.livedoor.jp/gijutunohiroba/archives/51209242.html 
 09.6.13記事

http://dammania.net/http://dammania.net/tiba/komukai.html 
 ダムマニア記事

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硬質地盤圧入工法 no.334


 さて、何の現場でしょう・・・遠くからでは分かりません。

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 鋼矢板打設のようです。
 昔のように騒音や振動を出す工法は限定されて、圧入工法(サイレントパイラー)が多くなっています。機種一覧表を技研製作所から拝借。圧入工法もずいぶん種類があるのが分かります。

機種一覧



 なお、、地盤強度(N値)が高い場合、鋼矢板をそのまま打設できません(「打設」という言葉は昔の工法によります)。油圧による圧入では馬力が足りなくなります。

 
 そこで、土木屋は考えます、いろいろと・・・。

工法4



 上の写真で、まずは 単独圧入・・・そのままです。
 そして、現在広く使われています・・・ ウォーターゼット併用圧入
 さらに パイルオーガー併用圧入、 回転切削圧入(鋼管杭)と、進化をしております。◆↓は鋼矢板先端部を緩めながら圧入し、い魯棔璽螢鵐阿汎韻幻桐で回転掘削しながら圧入するものです。

 
 
 さて、この現場はどのタイプでしょうか。
 お昼休みに見せてもらいました。

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 の パイルオーガー併用圧入工法のようです。メーカーによって違いますが、技研・クラッシュパイラーという文字が見えます。

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  パイルオーガー併用圧入工法の原理はこちらをどうぞ。また、動画もあります

工法



 オーガーの部品と鋼矢板(ワイド厳)、そして、マシーンの詳細を紹介します。

 鉄道や市街地近接施工でも安全な施工が出来るもので、多少単価が張っても用途が多くなっているそうです。

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構造図


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鋼製大型篭枠工・平久里川護岸 no.333


 県道89号線(鴨川富山線)は南房総の丘陵地を横断する山道です。
 千葉県の中では険しい?地形です。
 
 新しい構築物を発見しましたので、ご紹介・・・以前は無かった護岸が新設されていました。
 
 南房総市平久里地区石原、むかし(今も?)は本当にへんぴなところでした。
 河川は平久里川の上流に当たり、館山湾に注ぎます。
 
 まずは護岸の全景から・・・。

全景


地形図



写真


 
 このあたりの平久里川は自然のままで、岩壁を洗う状態であったと記憶しています。地質は古第三紀砂岩・泥岩(頁岩)互層ですが、この付近には採石場が多く存在します。
 
 採石は玄武岩質の岩石を目的としているようで、嶺岡層群に含まれる火山性の地層です。房総半島ではこの嶺岡帯にのみ火山性の地層が見られるものです(関東ロームは別にして・・)。
 
 採石場の場所と嶺岡帯の解説(平野直人氏、奥澤康一氏)はこちらにあります。地図も拝借しました。

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 さて、今日の主役は鋼製大型篭枠工です。
 現地の岩盤はどう見ても玄武岩質ですから護岸は必要ありません。低地部分の防護が目的のようです。

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 篭枠とか、布団篭とか、篭マットとか・・・いろいろな呼び方があり、新製品にはカタカナ文字が躍っています。
 
 簡単に言えば割栗石(古い表現であります!)を網や鉄の袋(枠)でまとめて一体性を持たせたものと言えばよろしいでしょうか。石ころ一個一個ですと転がって流されてしまいますが、まとまると重さもあって安定性を増す・・・こんなところでしょう。
 
 ちなみに、篭とは・・・?
 かご【籠】 <広辞苑>
竹や籐(とう)・藺(い)・柳・針金などの線状のもので編んだり組んだりした器物。

 であり、昔ながらの親しまれた道具です。
 
 篭工は積みすぎると不安定で、会計検査などでは問題にされたこともあったようです。しかし、今は様相が変わってきました。本当の安定構造物として重要な場所に採用するためには時間と認知が必要なのでしょうが、こういう場所ではOK、OKです。

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 ただ、永久に保つかどうかは鋼材の耐用年数で決まりそうです。
 あとは、単価の問題でしょうか・・・さびないものを使えば外の工法に負けてしまいます・・・何事もほどほどがよろしいようです(笑い)。

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メッセ歩道橋完成・・no.332

 以前に工事中を紹介した(no.309)幕張メッセの(海岸大通りを横断する)歩道橋です。
 3月末が工事工期と言うことで、ほぼ完成しています。
 
 「いいものが出来ましたね〜」
 「そうでしょう! 3月末で完成です・・・」
 
 そんなやりとりのあと、ちょと撮影させてもらいました。
 前回の記事の時、Yasuさんから施工者は株式会社駒井ハルテックとご指導いただいたものです。スカイツリーの建設にも参画している会社だそうです。
 
 二本のパイブビームがゆったりとアーチを描いている姿が魅力的です。
 これだけの大スパンを渡すのですから、さすがであります。

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 階段は、ごく一般的ですがバリアフリーを意識してエレベーターが設置されています。これで、車いすの方も海岸へ出られます。

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