土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2012年03月

銚子大橋撤去工事・最終盤 no.339

 天候はすっきりとしませんが、犬吠埼も春の気配が漂っています。
 観光客も増えてきました。

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 銚子大橋も本体工事をほぼ完了し、銚子側の取り付け部の最終局面です。
 旧橋梁の撤去作業が進行し、懐かしい構造物が消えかかっています。
 
 人間専用の階段です(2011年)。
 ツタが覆い、味のある姿をしておりましたが旧橋撤去とともに役割を終えました(→no.311 2011.7.27記事)。

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 今回は、撤去の現在をエントリーしました。
 まずは、googleの航空写真ですが、2011.7月と変化していません。
 現在の姿とは違いますが、新旧の銚子大橋が分かりますので載せてみました。

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 銚子側取り付け部は旧橋の橋脚撤去中です。撤去後に新橋の歩道部が建設されて完成です。

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 そして、市道を横断する部分は上部工床版の撤去が終わり、桁、下部工の撤去へと続きます。

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 最後は懐かしい階段を・・・。

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自然の妙 no.338


 近所の小さな神社に、なんということもない自然の造形?を見ました。

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 雨の日の屋根の下、誰もが見ているありふれた雨だれの跡です。
 むかしから「雨垂れ石を穿(うが)つ」と言って、年配の方は親や先輩に励まされてきたかも知れません(笑い)。
 
 実際、雨樋がない家には石を置いていたり、砂利を敷いていたものです。
 これは、地面が掘れないようにすることと飛沫を押さえるためのものでした。
 
 大きな寺院などの建物にはこの方式が多いようです。飛沫が建物まで届かないほど奥行きがあるため、無粋な雨樋は必要なかったのでしょう。
 
 
 さて、近所の神社は小さな建物ですが、民家よりは桁下が奥深い構造ですから、雨だれはそのまま・・・。しかし、地面は土です。

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 よくよく見ると雨だれの落ちる箇所が一定なのでしょう、クレーターのような窪みが連なっています。おもしろい形です。
 ただ、本来ならもっと掘られて良いはずです、雨だれは石をもうがつのですから・・・(笑い)。
 
 そこで考えました。
 勝手な読みであります・・・。
 
 ・風のない、雨の一日であった。
 ・地面の透水性が比較的悪い。
 ・雨水が貯まって行く・・・。
 ・雨だれの圧力と水深が微妙にバランスを取る。
 ・一定の形状で安定する。
 ・雨がやんでクレーターが残る。
 ・人が見て、おもしろいと感ずる・・・(笑い)。

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 しかし、これでは慣用句が生きてきません。
 そこで、雨だれが一滴ずつ、一定の間隔で落ちた場合はどうでしょうか。
 土の透水性と水滴の落ちる時間を計算すれば、深く深く穴を掘ることが出来るのでは・・・?
 
 これも実際の話としては限界があります。削ることが出来たとしても、削った土を取り除く必要があり、水滴ではパワー不足でしょう。
 ということで、あまりきれいな痕跡を残せないはずです。
 
 暇があると、つまらないことを考えるのが人間の性のようであります(笑い)。
 
 
 ○雨垂れ石を穿(うが)つ      <広辞苑>
[漢書枚乗伝] 同じ所に落ちる雨垂れが長い時間をかけて石に穴をあけるように、微力でも根気よく続ければ成功する。

 雨垂(あまだ)れ石(いし)を穿(うが)つ《故》  <慣用句辞典>
軒から落ちる雨垂れも、長い間には石に穴をあけることができる。力は足りなくても、根気よく何度も繰り返してやれば、最後には成功するということ。「点滴石を穿つ」ともいう。

モノレール no.337

 モノレールと言えば都市モノレールを思い出す方が普通です。
 房総は千葉市に都市交通としてのモノレールがあります・・・残念ながら厳しい経営状況ですが・・・。

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 今回の主役は田舎の方で使われるミニ・モノレールです。
 田舎というのは語弊がありますね〜・・・、
 仮設的な使い方(調査・工事用運搬)と果樹農家が使う定置式とがあります。いつでも線路を動かすことが出来るのがこのモノレールの特徴です。
 
 房総の果樹は夷隅・長生から松戸まで、広い範囲でナシの栽培が盛んです。また、南房総に来るとミカン、そしてビワが盛んです。丘陵地に果樹園があると、収穫した果実を里まで下ろす必要があります。これが、むかしは大変であったと聞きます・・・全国ミカン農家の重労働の一つでした。
 
 今では、このモノレールが作業を簡単にしてくれます。規模が大きくなるとワイヤーを張ってケーブルを使う農家もありますとか・・・。
 
 
 
 さて、今回は南房総ですからビワ畑のモノレールを紹介します。
 ビワは夜間の冷気に弱く、丘陵地の斜面、それも南斜面が大好きな果樹です。
 
 里に近い平地が良いビワ畑になるのでは・・・と思いますがさにあらず、山の斜面から夜間の冷気が下り落ち、ビワをダメにしてしまいます。そこで山の方にビワ畑が集中し、モノレールの活躍の場が出てくるというわけです。
 
 山の斜面は北風を抑え、日当たりを良くするような立地を考えています。また、周囲を広葉樹で囲み、ビワの木を守ります。
 次の写真は南房総市富山地区の丘陵風景です。

地形図



航空写真



 ビワ農家が常用しているモノレールは次の通りです。
 山の上の方までレールが敷設されています。

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 ビワの現在は花が終わり、実がつき始めている状況です。これからもう少しすると摘果(良い実を残す)、袋掛け・・・大変な作業が待ち構えています。収穫は6月が最盛期です。

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 また、最近は里のハウス栽培が多くなり、作業を楽にしています。夜間の冷気を遮断し、早生栽培が可能で値段の高いうちに出荷できる利点があります。
 
 ただ、世の中には良いことばかりというのは存在しません。
 油も値段が上がってきましたし、施設の投資も必要です。
 
 後継者の育成も含め、ビワ農家もご苦労が絶えない今日この頃であります。

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 モノレール【monorail】    <広辞苑>
一本のレールに沿って走る鉄道。レールをまたぐ跨座(こざ)式と、レールに吊り下がる懸垂式とがある。単軌鉄道。


 ビワ    <大百科全書>
〔枇杷〕 【学】Eriobotrya japonica Lindl.
バラ科の常緑中高木。中国の中・南部地方に原生する。また、日本では大分、山口、福井県などで野生がみられる。『日本三代実録』(901)、『本草和名(ほんぞうわみよう)』(918)など多くの文献にその名が記載され、古くから利用されていた。葉は濃緑色で浅い鋸歯(きよし)をもち、長さ20センチ、幅10センチで短い葉柄がある。表面は革質、裏面には灰白色の短毛が密生する。花は枝の先端にできる円錐(えんすい)花序に密につき、晩秋から初冬に開花し、淡い黄白色がかった白色で五弁からなり、径1センチ、芳香がある。果実は房状につき、球形または倒卵形で綿毛に覆われ、宿存萼(がく)をもち、初夏に黄色に熟す。
 熟果は在来種では10グラム、改良種では50グラム。二心室で各室に1、2個の大きな種子がある。種子は外面は黒褐色で光沢があり、内に肉質の白い子葉がある。明治初期までは在来の丸形の小果品を枇杷(びわ)とよび、大果品を唐(とう)枇杷とよんでいた。長崎地方では天保(てんぽう)・弘化(こうか)年間(1830〜48)から中国大陸中部のビワの種子を輸入、播種(はしゆ)して、実生(みしよう)から大果の品種を選んでいた。大果品種の「茂木(もぎ)」はこうしたなかから、長崎県茂木町で選ばれたもので、果形は倒卵形、果重は50グラム、甘く、品質優良で、九州や瀬戸内の暖地の主要品種となった。品種「田中」は1879年(明治12)、長崎の大果品の種子を田中芳男が東京に持ち帰り播種したなかから得られたといい、果形は前者より丸みを帯びやや酸味が強いが豊産性で、房総や伊豆地方に多い。ほかに10余品種が知られる。長崎では長形果をヒワ、丸形果をビワと区別することもある。1985年(昭和60)の全国栽培面積は2580ヘクタールで、長崎、鹿児島、愛媛、千葉、大分などに多い。生果のほか缶詰に利用される。種子にはアミグダリンがあり、杏仁(きようにん)の代用となる。材は粘り強く、折れにくいため、小道具類の材とされる。名は、果実の形が琵琶(びわ)に似ているから転用されたとも、葉がそれに似ていることによるともいわれる。〈飯塚宗夫〉


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追悼!! 3.11東日本大震災

追悼!! 3.11東日本大震災


 あっという間の一年間でした。
 なくなられた方、未だに行方不明の方、被災された方々に深く哀悼の意を表します。
 
 一日も早い復興をお祈りいたします。
 長い年月を必要としますが、じっくりと復興計画を練り、以前にも増した生活基盤を築かれることを願うばかりです。

 
 復興は気から!
 前向き元気のお気持ちを維持され、復興を成し遂げていただきたいと存じます。

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 なお、3.11東日本大震災関連の記事をカテゴリーにまとめました。

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 里の小さな社に合掌・・・。

地層 no.336

 ここは、犬吠埼です。
 春になると観光客も増えてきます。
 
 太平洋を一望し、荒々しい岩と波を見て日常を忘れる・・・、人はリフレッシュするのが望みでしょうか・・・。
 銚子電鉄もおすすめ・・・元気な経営をしています。


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 海岸に降りてみると風もないのにうねりあり・・・遠い太平洋から波が到達して岩に打ち付けています。悠久の時間を経て少しずつ岩を削って行くのです。
 いつの日か、灯台が海に没することもあるかも知れません(我々は生きておりませんが・・・)。


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 海岸の浸食は、波が直接岩をうがつこともありますが、多くは、岩同士の衝突などによる破壊です。河川の浸食なども同じです。
 水だけでは限界があり、下の写真のような岩や石が必要です。


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 さて、今日の主題は地層です。
 誰もが知っているようで意外に奥が深いのが地層です。
 
  ち‐そう【地層】  <広辞苑>
「泥・砂・礫・火山灰、生物の遺骸などが、海底や陸上で水平に広がって沈積した層状のもの。普通は固まって堆積岩・火山砕屑岩となっている。」


 犬吠埼に見られる地層は中生代・白亜紀、1億年前の堆積岩層(砂岩、頁岩、その互層)です。
 房総半島で最も古い地層がここ、犬吠埼だけに見られます。灯台が建っている地盤は砂岩層、海岸の磯には頁岩層が見られます。
 
 砂岩(砂主体の岩石)は、このような感じです。


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 頁岩(泥や粘土が主体の岩石)は次の通りです。

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 そして、互層状の堆積岩はこのように、層によって浸食の速度が違ってきます。
 抵抗力がある方は砂岩主体です。

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 なお、この地層はどのような環境で堆積したものでしょうか。
 
 いずれも海底に積もって岩になったものですが、砂岩と頁岩では堆積時間に大差があります。砂岩の堆積はあっという間のことが多く、1mの厚さの層が1日で形成されることもあります。
 
 昨年秋の紀伊半島を襲った台風を考えてみていただければよく分かります。
 濁流は河川を駆け下り、河口部の海面に泥水の巨大な模様を描いているのが分かりました。粗めの砂も濁流で大量に流されて海底に堆積するわけです。1m位は一回の台風で十分と推察されます。
 
 ところが、頁岩の方はヘドロ状の細かい粘土ですから、時間を掛けて堆積する環境が継続し、ようやく地層をなすわけです。
 
 たとえば東京湾の中央部を考えていただければ理解が早いかも知れません。
 荒川や多摩川の河口部には粗い砂も堆積しますが、中央部には細かいシルトや粘土しか堆積しません。また、洪水のない平穏な気候環境が続いた場合も粘土層が出来ます。
 と言うことは気の遠くなるような時間が必要です。数センチの地層に百万年、と言うものもあるそうです。

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 地層の一枚一枚に、堆積したその時代の気候環境を残しており、人間の時間スケールとは異次元の「時間」が隠されています。また、地殻の動きによる地層の褶曲や断層は数限りなくあり、犬吠埼の地層も傾斜しています。
 
 
 なお、地層に興味のある方は「続き」をどうぞ。


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