土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2013年02月

木戸川護岸復旧 no.384

 東日本大震災は2011.3.11(金)でした。
 復興は未だ手つかずの地方が多い状況ですが、そろそろ二年となります。
 
 千葉県の災害は地盤の液状化と津波被害でありました。
 過去に記事をアップしておりますが、木戸川についても紹介しています(2011.5.11 no.300)。

 その木戸川河口部の修復が進んでいます。
 完全とは行かなくとも、重要な部分の修復が年度内に完了の予定です。
 
 まずは、位置関係と被災当時の2011.03.15(火)の写真を・・・。

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 このとき、緊急の復旧を山武土木事務所が行っています。
 素早い対応でした。

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 そして、約二年が経過して、復旧あとも時間の経過を感じさせています。
 土のうも良く耐えていますね〜・・・。

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 さて現在です。
 ほぼ工事が完了間近ですが、2013.3.25までの工期なのでしょうか、敷き鉄板の片付け移動を行っていました。

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 一言あいさつをして、完成直後の護岸堤防を見せてもらいました。

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 なお、標準断面は次の図で・・・堤防高さYP+4.0m、HWL+1.5m、余裕高さは2.5mあるようです。図面は山武土木事務所からご提供をいただきました。

木戸川断面2



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 最後は海岸砂防の前線は未だ復活しておりません。
 砂地への植物進出で津波の傷が癒えるのかも知れません。松は、枯木となっておりました。印象的な風景です。

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 東北地方の復興は困難な道のりですが、できるだけ早く元の生活に戻られることを祈るのみです。

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雨水調整池 no.383

 何の変哲もない雨水の調整池です。
 千葉県の北総台地は平坦な地形のため、上流域の雨水が谷津に集中してきます。

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 それも、都市化が進むようだと流出量も従来の計算以上のものとなります。
 次の写真はGoogleから拝借、千葉市郊外の北総台地です。

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調整池2



調整池



 上流域が都市化してしまう悪いパターンですから、河川の流量が増大してきますと、何らかの対応策が必要です。
 
 流出率という言葉があります。
 降った雨の何割が地下に浸透し、何割が流出するのか・・・それが重要です。山林や畑だと地下浸透が多く流出量も少ないのです。しかし、市街化が進みなおかつ雨の降り方も年々激しくなっています(河川行政も大変だと聞きます)。
 
 細かいことは抜きにして、流出量が分かると下流域の河川流下能力と比較し、無理な場合には調整池が必要となります(宅地開発などでは必要になります)。
 
 
 さて、Googleの写真に見るように、急激な雨水の流出を調整池の体積で吸収し貯留しますが、満杯になると下流へ放流します。
 簡単に言うと雨水流下の「時間稼ぎ」です。

 その機能を担うのが次の写真です。赤い鉄の枠がオープンになっている開口部、いつでも水が流れています。

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 そして、降雨がさら続き、開口部の流下能力が不足となれば水位は上昇し、グレーチングの上から越流します。
 調整池全体が満水するまでは赤い鉄枠の狭い開口部で流下させ、手に負えない水流はグレーチングの洪水吐きが働くというわけです。

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 都市化が進行することで河川への流下水量が急激に増加するということが多くなっています。降った雨をそのまま河川に流すという発想では河川の能力が追いつかない時代になっているのです。
 
 地下浸透を真剣に考える自治体が増えているのはその辺の危機感があると感じます。
 降った雨をできるだけ早く、そのまま海へ・・・その意識は完全な時代遅れになってきています。蛇行する河川や遊びの多い河川が遊水池を含めて多自然の洪水抑止を兼ねる・・・そんな思想です。
 
 都市部は用地に制約があり、堤防の強化や嵩上げなど構造物による抑止が主となりますが、いたちごっこの面があります。上流域の開発を抑えることができないからです。バブルの頃から見ると落ち着いてはいますが、基本の構造は同じです。
 
 
 なお、一例として千葉県長生郡に一宮川という2級河川があります。小さい河川なのですが、茂原市街地を通過する事から川幅が狭く、何度も洪水に見舞われていたものです。
 
 そこで、どうしたか・・・中流域に規模の大きな調整池を2箇所築造しました。その後は洪水が発生していません。河川本流の水位が一定以上になると調整池へ越流するようになっています(写真拡大可能)。

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一宮川調整池



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 なおまた、追記です。
 東京駅など東京都心部の地下水位は地下数十メートルにあると言います(昔からの地下水揚水の結果です)。
 
 環境意識が改善し、最近は地下水位が上昇しているそうです。
 そして、何をするのか・・・
 東京駅などの浮力による上昇を抑えるためのアンカー設置など、思わぬ対応策を迫られているとか・・・皮肉な結果であります。
 


 <ウィキペディア>
 調整池(ちょうせいち、ちょうせいいけ、英語:retention basin)は、集中豪雨などの局地的な出水により、河川の流下能力を超過する可能性のある洪水を河川に入る前に一時的に溜める池である。一般的には調節池・調節地(ちょうせつち)とも呼ばれているが、厳密には、調整池は主に土地の開発者が設置する暫定施設、調節池は主に河川管理者が設置する恒久施設と区分している[2]。また「貯水池」も同様の機能を備えている。
 
調節池と名付けられなくともダムによって出来た人造湖もそのダム湖の治水の機能から「○○調整池」とも呼ばれるものが多い。また「湖」や「池」と呼ばれるが人造湖として治水の立場から調節池と呼ばれるものもある。


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大規模海底地すべり地層(2) no.382

 昨年夏(2012.08.08)の取材記事です。

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 館山から南房総へ向かう国道127号線バイパスの左側に真新しい切り土面を発見しました。遠くから見ても妙な地層模様をしているのが分かります。
 
 瞬間的にno.357「大規模海底地すべり地層 by maeda」の記事を思い出したものです。これは現地まで行かずばなるまい・・・ということで時間のあるときに寄ってみました。

位置



 近づくに従って、わくわくしてくるから不思議なものであります。

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 やはり海底の大規模地すべり地層でした。
 見事な地層模様です。
 海底でダイナミックに滑っている地層群を目の前で見ているような錯覚を覚えます。

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 no.357「大規模海底地すべり地層 by maeda」の記事によれば
 『 約400万年前から100万年前、この地層は水深1500辰ら2000辰粒つ譴砲△辰拭
約200万年前の巨大地震によって砂層が液状化し、広範囲に海底斜面で地すべりを引きこした。
 その際に、地層が分断、かき回された状態になった。そこが長い時間をかけて隆起したと考えられている。』と言うことです。
詳細はそちらをどうぞ。

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 さて、南房総市白浜町の露頭()と館山の露頭()では地層模様も違うし、位置がずいぶん離れています。どういうことでしょうか。

位置2



 そこで登場するのが地質図です。
 千葉県地質図を見てみますと両地点ともに第三系の千倉層群に該当することが分かります。その内容は、泥岩、砂岩互層および凝灰質砂岩となっています。
 
 どうも、この地層に大規模海底地すべり地層(巨大乱堆積地層)が含まれることが想定されます。

地質図



 千倉層群の分布する場所で切り土工事があると、同じ地層が出てくる可能性があります。大規模海底地すべり地層は珍しい物ですから、この2箇所はうれしい発見でありました。
 
 なお、
 農林水産省のHPにも詳しい解説があります。また、白浜グリーンラインの露頭には解説の看板や駐車場もありますから、一見の価値はあります。
 
 最後におまけ・・・Googleの航空写真には駐車場や露頭が見られますから、さすがであります。

位置3

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東部排水機場 no.381

 千葉県山武郡横芝光町屋形地先に大規模な排水機場があります。
 これは、千葉県農林水産部山武農業事務所が「県営湛水防除事業(大規模)蓮沼挟地区」として建設したものです。
 
 湛水被害を未然に防ぐことで農業の安定を図るとともに住民生活を守ることを目的としています。
 
 九十九里平野の中央部付近の蓮沼地区は海岸に低湿地が広がり、耕地も低い地形状況です。
 まずは位置関係をどうぞ・・・。

九十九里



東部



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 明るくモダンなたたずまいが好もしい建物となっています。

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 さて、本排水機場は平成14年に建物が完成し、平成21年度に最後のポンプが設置されて、平成22年度から本格的に稼働し始めています。
 
 YahooとGoogle両者の航空写真を調べて見ておもしろいことに気がつきました。
 Googleは更新をしているがYahooはしていないと言うことです。
 
 ですから、Yahooの一枚は東部排水機場が工事中の写真を使用しています。この段階ですと古い昔の排水機場やプールが残っているのが分かります。

東部排水機場



 そして、Googleの写真ではプールも閉鎖し、東部排水機場が完成しています。
 現場の状況とほぼ同じです。

東部排水機場2



東部排水機場3



 航空写真は実際に航空機を飛ばし、撮影するのが昔のやり方です。いまは、衛星などからも詳細な写真が撮影可能だそうです。軍事衛星などはなおさらでしょうか・・・。
 
 資金力の問題か、意志の問題か・・・YahooとGoogleの違いが分かる東部排水機場でありました。
 
 なお、風景としての東部排水機場は上流側からと下流側からとを見てみます。
 この時間帯は自然流下状態でした。

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 機場内部は見られませんでしたので、大口径のポンプを想像できる姿を・・・。

 口径1650mmの排水ポンプが3台
 口径900mmの排水ポンプが1台
 合計で毎秒18㎥の排水能力だそうです。

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 なお最後に、建物には展望塔が設置されています。地元の要望だそうですが、高さ18mは6階建てに相当するそうです。津波が来ても大丈夫でしょう。

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 2011.3.11の大津波の時、この地区も大きな被害を受けました。
 陸上部で1m以上の波が奥深くまで来襲したそうです。
 
 当時の写真を参考に添付しました。この地区の現在は復興しているように見えますが、いまでもご苦労がおありかと思います。
 
 東北地方の復興ができるだけ早期にできるように祈るばかりです。

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 ***
県営湛水防除事業(大規模)蓮沼挟地区
 既存の排水施設の耐用年数が経過する以前において、流域の開発、宅地化、河川改修、地盤沈下等により排水条件の悪化した地域を対象に、排水機、排水樋門及び排水路等を整備し、湛水被害を未然に防止する事業です。(千葉県農業農村整備より)

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