土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2015年06月

消波ブロックの悲哀 no.438

 立派な役割をしている消波ブロック・・・しかし、世間の風は冷たいのです。
 懸命に生きても邪険にされる、何ともつらい存在であります。

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 環境破壊だ!
 
 景観を壊す!
 
 建設族の陰謀だ!
 
 無駄だ!
 
 撤去しろ!!

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 そうはいいながらも、消波ブロックをなくすと海岸は浸食され、後退して行くのは目に見えています。自然のままに任せてみても、人家が近くなってくると大騒動・・・これが狭い日本国の現実です。実際に行政と民家の裁判沙汰というのもあります。
 
 イギリスはよほど重要な施設でなければ海岸防護をしないそうです。これは徹底されているとか・・・。
 人口密度の高い日本では英国流が出来ませんから、全国の海岸に消波ブロックが利用されることになります。費用対効果を検討した結果の実質的な採用、選定となっているはずです。予算は限られています。
 
 なんといっても全国各地の砂浜が消えるのですから必死の防護を考えなければなりません。海岸浸食対策は施設を造れば良いという単純な構図ではなく、複層的に総合的な解析検討を必要とするそうです。
 
 それでも、必死で解析検討した結果を現場に築造し、自然環境に長期間ゆだねてみないと実際のところはわからないとか・・・あちらを立てればこちらが立たず・・・それだけ海岸浸食対策(行政)は奥深く難しいことのようです。
 
 
 なお、自然環境を守ろうとする人達から目の敵にされている消波ブロックですが、現在でも新製品が作られ、全国で活用されています。
 
 彼らは、新たな戦場へ配置されて行きます・・・出来るだけ目立たないようにしながら・・・。

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 最後に、
 見た目は悪くとも、海岸浸食を防護する役割を立派に果たしている消波ブロックに元気とエールを送りましょう。
 

 【関連記事】
 no.148 消波ブロック no.194 海岸浸食 ウィキペディア記事「消波ブロック」
 no.424 陸地が消える no.427 砂浜が消える

 


 なお、海岸防護を必要としない自然の海岸・・・、これは理にかなったうらやましい形状をしています。こういう海岸はそんなに多くありません・・・、消波ブロックの出番はないのであります。

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海食台とテングサ no.437

  千葉県外房方面、勝浦海岸おせん転がし地区です。
 ちょうど干潮で広い棚が全面的に露出していました。
 
 茶系統の色調は何でしょうか・・・、この時期特有かもしれません。
 
 
 干潮になると波に削られた海食台地形が出現します。長い長い年月を掛けて作り出された地形です。そこで、大きい画像を並べてみました(拡大できます)。

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 オッと、よくよく見ると人間がいるようです。
 何をしているのか・・・茶色がヒントです。
 
 一生懸命、何かを採取しているような・・・、そうです、テングサです。
 今が最盛期、乾燥させて寒天の材料になります。真夏になるとトコロテンがおいしいですね〜。
 
 辞書によると『 701年(大宝1)制定の大宝律令(りつりよう)の賦役にかかわる部分にその名が出ている』とか・・・、随分昔から利用されていたもののようです。

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 やはり、採取するのは地元の人達が主役です。
 
 
 海食地形については参考記事をどうぞ・・・。
 →海食崖  →海食台の風景  →陸地が消える
 


  なお、最後に、こちらの一枚はテングサ採りではなく魚釣りでしょうか・・・余裕がありますね〜。悠々自適の釣り三昧であります。

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 てん‐ぐさ【天草】 <広辞苑より>
テングサ属の海産の紅藻。干潮線付近の岩上などに着生する。革質で弾性に富み、扁平な細線状をなし、羽状に分岐し、紅紫色総状を呈する。心太(ところてん)・寒天の原料として重要。マクサ。トコロテングサ。心太(こころぶと)草。石花菜。

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 テングサ   <大百科全書より>
〔天草〕 【学】Gelidium
→寒天
紅藻植物、テングサ科の海藻。広義には、寒天製造の主原料となるテングサ属数種の総称であるが、狭義にはそれらの代表種であるマクサG. amansii Lamourouxをさす。
 マクサは暗紅色で、針金を柔らかくしたような細い体枝が密に分岐し、ふさふさとした形状となる。体高10〜30センチ、茎枝の太さ1ミリ内外、小枝の太さ0.2〜0.3ミリ。干潮線下から深さ20メートルまでの海底に叢生(そうせい)する。周年生育の多年生海藻であるが、とくに5〜10メートルの深さに多産し、5月から7月にかけて繁茂する。温海性海藻のため、太平洋岸では房総半島、伊豆七島、伊豆半島、紀伊半島東半部、室戸岬などの周辺が主産地となる。日本海では能登(のと)半島、隠岐(おき)諸島や佐渡島周辺に多産する。
 テングサ属中の主要種には、マクサのほかにオオブサG. pacificum Okam.、キヌクサG. linoides K□tz.、オニクサG. japonicum Okam.、ヒラクサG. subcostatum Okam. (Beckerella subcostata Kylin)などがある。オニクサは干潮線下あたりの浅所に生ずるが、他の3種は10〜30メートルの深所に生じ、なかでもヒラクサは伊豆七島南部の島々、紀伊半島から宮崎県下あたりまでの温暖海に多産する。なお、形態がテングサ属によく似て寒天原料とされるものにオバクサPterocladia capillacea Bornet et Thuretがある(品質はやや劣るといわれる)。オバクサの生育域がほぼオニクサと同じで、体形はマクサに似る。
〔テングサ利用の歴史〕テングサ類の体細胞間隙(かんげき)には10〜20%の寒天質が含有されているため、その煮だし汁は熱いうちは糊(のり)状のゾルであるが(流動性を保持しているコロイド粒子)、37〜35℃くらいに冷えると凝固してゲル(流動性を失ったコロイド粒子)になる特性をもっている。テングサの古名である凝海藻(コルモハ)は、すでに701年(大宝1)制定の大宝律令(りつりよう)の賦役にかかわる部分にその名が出ている。ちなみに、属の学名であるGelidiumもラテン語のgelidus=凝固に由来する。また、凝固したものを心太(ココロブト。現在のところてんにあたる)とよぶが、この名も927年(延長5)に撰進(せんしん)された『延喜式(えんぎしき)』のなかで、「京都の市場で売る」という表現で記載されている。このように、日本でのテングサ利用は長い歴史をもっているが、心太のままでは原藻体中のタンパク質や臭気成分が含まれるため、腐りやすく、運搬にも不便であった。やがて、偶然の機会から、今日につながる寒天の精製法が発見された。1658年(万治1)の冬、参勤交代の途上にあった島津藩主が京都市外伏見(ふしみ)の旅宿に泊まったおり、心太の食べ残りを旅宿の者が戸外に捨てたところ、後日それが干物のような凝質になったという。その干物は、煮ると元のように糊状液となり、やがて凝固するが、味は元のとは違って無色・無臭の美味なものであった。のちに、これに工夫・改良を加えた品を帰化僧の隠元禅師(いんげんぜんじ)が寒天と名づけたとされる(1660前後)。心太から寒天ができた過程を今日的に解釈すると、「冬季夜間の低温で心太が凍結し、その際に寒天質と他の雑物とが分離する。翌日の昼間、解凍して水溶性の雑物が除去される。このような凍結と解凍とを繰り返して寒天質だけになる」ということになる。こうしたことから、長いこと、寒天製造に適した土地は、雪が少なく、夜間の気温が零下10℃内外の気象条件の山間地とされてきた。つまり、原料は海岸で夏季に採取され、これを遠く離れた山間地に送って冬季に製造するという状態が続いたわけである。しかし、冷凍・冷蔵の技術が進んだ今日では、場所・時期を問わず、いつでも、どこでも寒天製造が行える方式が開発されている。なお、長野県茅野(ちの)市周辺では、現在でも昔どおりの天然寒天の製造が続けられている。→寒天〈新崎盛敏〉

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大規模海底地すべり地層(3) no.436

 5月初旬、たまたま時間があったので南房総市白浜町安房グリーンラインの保存露頭断面を見てきました。見学用の立派な駐車場もあって、時に見学者が立ち寄るようです。
 カメラがなかったのでスマホの撮影でした。

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 海底大規模地すべり地層については過去記事の(1) (2)を参照していただき、今回の現場で感じたことはコーティングがはげ落ち、地層が風化し始めていることです。
 
 このままではさらに風化浸食が進みそうです。
 すばらしいジオパークの一つですから早めの対応をお願いいたしたいものであります。予算のつきにくい時代ではありますが、関係機関のご配慮を・・・。

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