土木の風景

from civil engineers 築土構木、土木技術は社会生活の基盤をささえています。

2018年01月

ブータンの風景(1) no.474

2017年11月に水道特派員(M.N)さんがブータン王国を視察してきた報告です。
二回に分けてアップします。文章、写真は全て水道特派員さんによります。

今回は次の5項目です。
1.ブータンの概要
2.パロ国際空港
3.仏教文化
4.GNH;国民総幸福量
5.尊敬される日本人

それでは前半をどうぞ。

1.ブータンの概要

図-1
[ 図―1 ブータンの位置 google map より ]

図-2
[ 図―2 ブータンの地図 google map より ]

butan

 


ブータン王国は、図―1のようにインド、中国に挟まれた、九州よりやや小さな面積の小国です。人口は、80万人弱で全土を山、谷、川が支配し平野がありません。

2011年11月ブータン国王夫妻が来日され、「東北大災害に見舞われた最悪の状況下にあり、無秩序、大混乱、悲嘆をもたらす事態を、日本国民の素晴らしい資質を示され、静かな尊厳、自信、規律、心の強さで対処されました・・・」と国王の心のこもったスピーチが、多くの日本人の心を掴み、ブータン国王夫妻やブータン王国の好感度を一層高くさせました。

パロから首都ティンプーと古都プナカを廻り、日本と全く違った価値観のブータン王国の風景を少し見てきました。


2.パロ国際空港

平地がほとんどないブータンでは、パロ空港が唯一の空の玄関口です。パロ川に沿ってやっと作
られた一本の滑走路に山間を抜けながらの着陸にはパイロットの高い技術が求められます。機内の
窓から見ると主翼と山の稜線が20mぐらいに見え、左右に機体を振り稜線への接触を避けながらの
着陸でスリル満点どころではありません。

写真-1
[ 写真―1 着陸時、主翼のすぐ向こうに山の稜線が見えます ]

 

写真-2

[ 写真―2 パロ国際空港に到着しました ]

 

写真-3
[ 写真―3 パロ国際空港 ]

空港

 

 

3.仏教文化

ブータンは、チベット仏教を国教としています、色々なところに、「マニ車」といわれる円筒状の仏具があり、一回廻すとお経を一回読んだことになるため、市民は、色々なところにあるマニ車を廻しています。

写真-4
[ 写真―4 マニ車を廻す市民(パロ) ]

 

写真-5
[ 写真―5 大きなマニ車もあります(パロ) ]

 

4.GNH:国民総幸福量

グローバル世界では、GDP(国民総生産量)を指標とした市場経済でその国の豊かさを競っていますが、ブータンでは採用されていません、国の豊かさと国民の幸福は同一ではないため、GNH(国民総幸福量 Gross National Happiness)を国の指標と考えています。
学校、病院、電気、水道など一般国民用は無料となっており、生活をしていく上で、現状への不満や将来への不安を感じている国民は少ないようです。日本のように差別化し、他を押しのけて儲けようと云うような競争や国民の貧富の格差もあまり感じられませんでした。

写真-6
[ 写真―6 首都ティンプー ]

首都

 

写真-7

[ 写真―7 クエンセルポダンの大仏(ティンプー) ]

 

写真-8

[ 写真―8 仏教徒(クエンセルポダン) ]


5.尊敬される日本人

ブータンはインドへの依存度が高く、通貨ニュルタムとインドルピーが等価となっており、街中ではルピーがそのまま使えます。JICA事務所長の話を聞くとブータンが二番目に頼っている国は日本だそうです。農業、都市計画、教育、医療、上下水等多くの支援要望が寄せられているとのことでした。

現地ガイドの話では、学校で教えられるため、植物学者の西岡京治先生を知らないブータン国民はいないそうです。植物学者西岡京治氏は、1964年から農業指導者として28年間に渡ってブータンの農業振興に尽力され、1980年には国王から爵位である「ダショー」を授かっています。残念ながら、1992年59歳の若さでブータンで死去され、非常に珍しいことですが国葬として弔われたそうです(ブータンでは、火葬はしますが一般的に葬儀やお墓はありません)。
ブータン国王夫妻は、2011年来日時に西岡里子夫人に面会され謝意を表されたとのことです。
パロからプナカを車で移動しましたが、車窓からは西岡先生が指導したと思われる小さな棚田を沢山見ることができました。
建設省次官との面談では、都市計画、上下水処理等に西岡氏のようなブータンに見合った技術支援を日本に求めており、第二の西岡先生の出現を期待しているようでした。

写真-9
[ 写真―9 JICAブータン事務所(ティンプー) ]

 

写真-10
[ 写真―10 建設省(ティンプー) ]

 

写真-11
[ 写真―11 棚田 ]

***** 後半は次回の記事となります。

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施設劣化 no.473

本年もよろしくお願い申し上げます。

オリンピック関連の建設ラッシュも華やかでよろしいのですが、社会のインフラは厳しい局面を迎えています。国、都道府県、市町村など少ない予算の中で施設の長寿命化、維持管理補修、改修・・・大変なご苦労をされています。
事故や災害があれば市民の関心は高まりますが、施設の劣化は目に見えないところで進行しています。

新しいパリパリの施設は目にも付き、頼もしいものです。
下の写真は両総用水栗山川統合機場です。平成26年に供用開始、ピカピカの新鋭機場であります。

丘の上まで揚水し、そこから灌漑用水を配水する方式です。

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なお、関連記事は下記の通りです。

http://blog.livedoor.jp/gijutunohiroba/archives/51890277.html no.432 栗山川統合機場(篠本新井地区)

http://blog.livedoor.jp/gijutunohiroba/archives/51584023.html no.291 栗山川1
http://blog.livedoor.jp/gijutunohiroba/archives/51612046.html no.293 栗山川2

新しい施設は良いものですが、30年、40年を経過してきますと劣化が進行し、不具合も多くなります。近年は建設することだけではなく、維持管理を前提とした設計思想が多くなっているように感じています。


さて、今の時代は新設の施設が年々減少し、維持管理の方に予算はシフトしています。このことは随分前から言われてきたことですが、小規模の予算と人材不足の市町村では対応できかねているというのが実情です。

下の写真です。
ある地方自治体が管理している河川に建設された、小さな水門を見てください。この小河川には多くの水門が存在し、劣化の状況は似たようなものです。

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外見は問題ないように見える施設もかくのごとし。

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塗装などの維持管理をしっかりやっていれば、ここまで劣化しないはずですが・・・管理者は土地改良区;地元の農家です。予算もなく、動いていれば良しとしてきています。
40年以上経過して不具合や劣化状況が目に付くようになってきたものです。



維持補修や改修を市町村がすべて行うには力(予算)不足です・・・国や県の補助が必要です。ただ、全てを・・・というわけにも行かないので、優先順位を付けなければなりません。
そこで、劣化状況の実態調査が盛んに行われています。施設のランク付けが重要になるわけです。

人口減少、高齢化の進行・・・、これから先も予算の確保は非常に困難です。知恵を絞り、事故が発生しないような長寿命化計画案とその実施をお願いいたしたいものです。

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謹賀新年 30 松江城

謹賀新年

昨年中はありがとうございました。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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IMGP1500

 

 

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(photo by shitara)         

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