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 奥地に造られた、ため池・・・ここは鴨川の山の中です。
 ここのさらに上流(源流)には、水道用水の取水施設もありパイプラインで延々と導水しています。
 
 2008.10.30の時点では、底樋(ソコヒ)を開けて水を落としています。まずは、その風景から・・。かなりの堆砂量であることが分かります。護岸をしているわけではなく、崩壊カ所も見られます。

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 次は、ため池の重要構造物紹介です。
 最重要構造物はアースフィルの堤体そのものです。上から、そして下から見てみました(古い写真もあります)。

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 さらに、ため池の水を底まですべて排水する底樋です。落水の時は、徐々に下げて水位がゲートに達してから水門を開放します。コイやフナを放流しているため池では収容作業が必要です(部落総出の楽しみというわけです・・・)。

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 徐々に水位を下げる為の斜樋(シャヒ)がこれです。取水栓(シュスイセン)という直径10cmの孔が一定間隔で設置されており、鎖を引いて上から順々にこじ開けます(かなり力が必要です)。原始的ですが、ため池で多く採用される安全安価な取水・排水設備と言えます。

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 最後が今日の主役、取水塔(シュスイトウ)です。

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 さて、この塔はなぜこのような形状になっているのでしょうか。農業関係の人にはすぐに分かりそうです。円盤のような取水工が水位に連動して上下し、円盤のところで水を取り込みます。
 
 と言うことは、常に表流水を取水するわけで、ため池の水温と関係します。深い底部は水温が低く、その農業用水では稲に良くないのです。稲の生育に適した高温の用水が必要です。
 
 わざわざ高いお金を掛けて・・・というなかれ、これがまた効果があるのです。先ほど見た斜樋の取水栓は力持ちでないと開けられません。時には水につかって開栓作業をすることもあります。流木が引っかかることもあります。大むかしは、亡くなった人もいたと聞きます。
 
 そうした危険要素をなくし、自動的に適正温度の農業用水を得られるわけで、農家にとってはありがたい可動式取水塔ということになります。このため池は流域面積が広く、用水量多く、灌漑面積も広いので先進的に採用されたようです。
 
 ダムなど規模が大きくなれば、手動という操作をしない形式になります。しかし、全国にある多くのため池(21万カ所以上)が小規模で、このような可動式取水塔を設置できません。
 
 経済性も、土地改良区(農家の地域団体)にとっては重要な問題ですから・・・。

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