収穫という言葉を大多喜の山中、林道で初めて目にしました。
 森林を畑の栽培と同じ感覚で見ることはありません。
 
 考えてみれば、林業の関係者から見れば当然のことかも知れません。それでもわれわれ一般人から見ると言葉に違和感があるのも否めません。
 
 さて、次の写真が林業の一部を見せてもらうきっかけです。
 美しいスギの林・・・といいながら密生しているのが分かります。案内掲示を見て納得、間伐の予定林というわけでした。

森林収穫

森林収穫2


 これに対して、「皆伐」という言葉があるようです。これは、森林そのものをすべて切り開くものです。別の場所で見たのが次の写真です。
 
 こちらは木材としての活用が出来る太さなのでしょうか。材木としての扱いをしています。収穫後は新しい苗を植えて終了です。30年後くらいに違う世代の林業関係者が伐採をするのでしょうか・・・。その時まで林業が元気であって欲しいと思うものです。

森林収穫3

森林収穫4


森林収穫5

森林収穫6

 なお、この森林は千葉県の管理事務所が入札として公布し、森林組合などが応札して落札します。どのような単価構成になっているか分かりませんが、木材の価格は低迷し、輸入材との競争には厳しいものがあります。
 
 間伐材もなかなか活用できません。
 
 農業もそうですが、日本の基盤産業を単なる市場経済に乗せて欲しくないものです。単価の安い輸入材はその輸出国の自然を破壊してしまうのです。貴重な動植物が絶滅危惧種になって行くのを輸入大国日本は「知らない」とは言えません。
 
 輸出国の政府が広大な地域の森林伐採権を入札に掛けて売り渡すなどは、いかにも目先の政策です。日本も安いから輸入する・・・当然の経済活動のようですが、必ず大きなしっぺ返しが来るはずです。
 
 輸入に係わる商社、メーカーなども植林活動などの現地協力をしているようです。しかしです、日本の林業が疲弊し、崩壊することでよいのかどうか、長期的な視点で考えなければ行けないはずです。

森林収穫7<拡大できます>

 一本のスギを収穫できるのに30年掛かります。今の政府の視点は一年、いや、数ヶ月のスパンで物事を考えているように見えます(選挙が近いので無理もありませんが・・)。長期的な視点で国民を巻き込んだ林業のあり方を模索してもらいたいものです。
 
 林業関係の従事者はきつい労働と極端に安い賃金で頑張っています。山が好き!というだけでは後継者も育ちません。木材を作物としてしっかり育て、経済的に自立できる環境を早急に作る必要があります。
 
 工業立国と都市の時代は効率ばかりを求め、ギスギスしたストレスのたまる社会を造ってしまいました。そろそろ転換をしたい日本社会です。
 
 今回の米国発金融バブル崩壊は日本国の経済基盤がもろいことを露呈してしまいました。産業の世界的な展開は仕方ないものですが、守銭奴のようなアメリカ的経済に組み込まれるのは国を滅ぼす元になります。
 
 厳しい経済環境になった今こそ、農業、林業、漁業などを根本から見直す良い時代ではないかと考えます。日本国の古来から伝わる伝統文化を復活し、日本人らしい国造りを致したいものです。

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