《火山灰質粘性土》

 わが国には火山が多いために、丘陵部や火山山麓に火山灰起源の土が分布している地域がかなり広い面積に及んでいます。

しかもそれらの多くが風化して粘土化が進んでおり、多雨多湿な気象条件も関係してか、特異な高含水比粘性土となっています。

これら火山灰質粘性土地帯は多くが農耕地となっており、農業的に人間と密着した土壌であったために、多くの俗称を持って親しまれてきたし、地質的にも関東ロームというようにその地域の名を冠して身近な土として取り扱われてきました。

 

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 4.1 火山灰質粘性土の分布
(出展:土質試験の方法と解説-746頁より)


 

 わが国における火山灰質土の分布は、九州と関東以北の東側の沖積地域を除くほぼ全域、北海道では東南側の約半分、また、中部地方山岳部と山陰地方の一部にもそれが見られ、わが国面積の約40%近くが火山灰質土に覆われています。

火山灰土の分布は、堆積時の地形や堆積後の浸食などによって一定しませんが、原則的には火山源の東側にひろがり、層厚も東方だ円形にのびています。

東側に分布している理由は、日本の上層気流が偏西風であることによります。



 火山灰質土は堆積年代、堆積場所、供給源、堆積環境などによって性質は著しく異なります。

火山灰質土の性質に変化を与えるおもな原因の一つとして粘土化の進行があげられます。

この粘土化は堆積年代の古いものほど進行しており、生成条件や堆積環境によって違いがあります。

火山灰の鉱物組織によって粘土化は違いますが、一般に新しい火山灰から古い火山灰への粘土化には一連の系列に沿った変化がみられます。

古い火山灰では堆積が河成であったか、海成であったかということで著しく性質を異にし、また堆積後の地下水の影響も粘土化の進行に関係があります。


 火山灰質粘性土は、日本統一土質分類法では液性限界によって80%未満の?型と、80%以上の?型とに分けられています。

?型の代表的な土は灰土で、自然含水比も50%前後と少なく、締固めによる乾燥密度も1t/m3を超えますが、?型の代表的な土である関東ロームは、自然含水比も100%を超えるものが多く、締固め性もよくありません。
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