《まさ土》

 まさ(真砂)土という名称は古くから文学的表現に用いられており、それは海岸の砂や川砂のようなきれいな砂を意味しています。

 しかし、土質工学的にみると語源は明らかではありませんが、おそらくまさ土地帯の現場で用いられていたものが一般化したものと推定さます。


 まさ土とは、花崗岩質岩石が風化してその場所に残留している残積土、あるいはこれと同質の崩積土を意味します。

 しかし、どの程度の風化状態の花崗岩から残積土とするのか、明確な定義はなく、土工に利用できる風化度範囲をまさ土と呼んでいるのが現状です。

 一般には、リッパーで掘削し、機械的に細粒化できる程度の風化花崗岩をまさ土と呼んでいるため、かなり岩的色彩の濃い風化岩までを範囲に含めています。

 その結果、一口に「まさ土」と言っても、風化の程度に応じて風化岩から砂質土、粘性土と様々な性質を示すものがあり、それぞれの風化段階で著しく異なる物理・化学・工学的性質を示します。

 さらに、様々な風化層を形成し、不均質な風化状態のものが多いため、多種多様な性質を示します。
このことが、まさ土を特殊土とする最大の理由となっています。

 
 まさ土になりうる母岩は各種の花崗岩、花崗閃緑岩、閃緑岩・花崗斑岩、片麻岩などの結晶性深成岩あるいはこれと同質の変成岩などです。

 これらの鉱物組成は一次鉱物である石英、正長石、斜長石、黒雲母、角閃石と、これらからもたらされたカオリナイト、ハロイサイト、イライト、バーミキュライトなど、粘土鉱物の種々の組合せからなっており、地域によってあるいは同一地域でも採取場所によって鉱物組織が異なっています。


 まさ土が花崗岩の風化物である以上、その分布地域は花崗岩質岩石の分布する地域となります。

 

 

 20090518151203_00001

 

 

4.3 花崗岩とまさ土の分布図

(出展:土質試験の方法と解説-762頁より)
 



 図4.3のように花崗岩は北海道から九州まで分布していますが、とくにまさ土が目立つのは中国、近畿地方です。

 特定の地域に多く分布することは、まさ土の分布が種々の条件によって支配されることを意味します。
以下にその条件を示すと、

 

・岩質:粗粒で酸性よりも中性の岩質のところは風化されやすい。

・地形:平坦な場所で準平原などに多い。

・地質構造:断層破砕帯付近はとくに深部まで風化している。

・地史:地質時代のうちで長時間風化を受ける機会があり、しかも新しい堆積物で覆われて保護されているところに多い。

・侵食度:地形が平坦で、雨量が少なく侵食の機会が少ない所


 以上のような条件のそろったところは、中国地方と近畿地方です。

この地方は一般に地形が平坦で、一度準平原化した所であり、雨量が少なく、風化層が侵食されずに残存している所です。

 したがって、まさ土が存在するかどうかはまさ土の生成条件と侵食の相互関係で決まるもので、生成の条件としては岩質や地質構造、侵食は地盤変動の歴史や気候条件によることになります。

<千鉱エンジニアリング(株)HOMEへ> <土木の風景TOPへ>