5.土はどのようにして出来るのか。(堆積地盤の形成)
土粒子の堆積には、必ず運搬作用を必要とします。
土粒子の運搬は水中だけで生じるとは限らず、空中または地表面の場合もあります。
堆積の場所も水中と陸上に分けることができます。
運搬の道程や堆積場所の位置によって、堆積物は水成、風成、陸成などと称せられることになります。
このように堆積層は、任意の運搬手段によって特定の性質を有する堆積環境のもとに運び込まれた土粒子が、沈積することによって形成されるものなのです。
堆積層は形成過程を反映して、堆積土粒子の粒子特性と、個々の土粒子が沈積集合して形作る幾何学的形状特性の二つによって代表される固有の構造を持つことになります。
粒子特性とは、粒子の大きさ、形状、組成、粒子表面組織などを含み、幾何学的形状特性は堆積層の表面形状と内部構造の二つの特性に分けることができます。
堆積層が固有の内部構造を持つであろうことは、でこぼこに変形した堆積層表面の形状を観察すれば、容易に理解できます。
一般に、堆積層の表面はリップルと称する波状の凹凸であることが多いです。
リップルは、土粒子の堆積過程で形成されるので、当然、内部構造にも影響を与えることになります。
堆積の進行が一時的に停止すると、外力の作用によって堆積層表面のリップルは乱されます。
その後、土粒子の供給が始まれば、変形破壊したリップルの上に再び新しいリップルを形成しながら堆積が進行します。
つぎからつぎへと変形破壊して形成されるリップルの積み重ねによって堆積層はその厚さを増加することになるのです。