《堆積構造の変形》


 堆積構造の変形は、堆積の進行中および堆積層形成後かなりの時間が経過しても生じます。

堆積の進行中に生ずる場合、変形はある程度堆積が進行してから発生し堆積運動の停止とともにやむのであるから、変形した構造は正常な堆積によって形成された単一層の上面と下面に挟まれることになります。


 図5-1は、細粒土の上に砂が堆積するときに生ずる自重変形構造の例です。

リップルの形成による局部的な砂の堆積の不均一が細粒土層の破壊を引き起こし、徐々に砂が細粒土層の中へ埋没していくことになります。

このような自重変形構造は、砂と細粒土の堆積が繰り返し生ずる比較的水深の浅い所で形成されやすいです。

自重変形構造は、砂の堆積層がそれほど厚くならないときに生ずるので、砂の埋没深さは数mm〜数十cmのことが多いです。

砂がかなり厚く堆積してから下の細粒土層の破壊が生ずる場合には、砂の細粒土への埋没は数cm〜数mと深く大きくなり、図5-2のようなまくら状変形構造が形成されます。

図5-2は、まくら状変形構造を水槽の中で再現したKuenen(1965)による有名な室内実験の結果です。

振動と局部的な堆積による不均一な載荷のために砂は細粒土中へまくら状に没することになります。

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   図5-1砂堆積による自重変形構造の形成模式図   図5-2水槽中での砂堆積まくら状変形構造の形成                     
            (Kuenen(1965)による)



堆積直後の砂や粘土は非常にやわらかで、わずかな外力の作用によって変形してしまいます。

しかし、堆積の進行とともに上載荷重が増えるので、これらのやわらかい堆積層は徐々に密になってくるのです。

ここに、堆積の進行中の場合とは異なる堆積層の構造変形が生ずることになります。

堆積層が形成されてかなり時間が経過してから、自重による圧縮のために生ずる変形は、土粒子間接点の移動を含む土粒子の再配列を中心とした微小変形が主です。

しかし、現在、土質工学的に問題になる自然堆積地盤の多くは、形成後すくなくとも数千年以上経過しており、地下水汲み上げによる地盤沈下などの例を別として、微小変形の著しい進行を見いだすことはありません。