1 おいしい水とは

 

 おいしい水とは、結論から言うと「非常にのどが渇いたとき飲む水」の一言である。

そうは云っても、何らかしら水道に関係のある仕事をしていると、もう少し、数値化された表 現でおいしい水の正体に近づきたい。

少し理屈っぽくなるが、「おいしい水」について掘り下げてみましょう。

 

 信頼性が高いところでは、昭和60年(1985年)4月厚生省(当時)が「おいしい水研究会」の提言としてその要件を発表しています。

 

そもそも、なぜ、国がこのような研究会を行うかは、国の水道行政の要求であることは理解出来るがミクロ的、マクロ的な目的は図り知るところではありません。

公表されている委員には、水道の学識経験者の他にドラエモンの声優等でよく知られている大山のぶ代さんなどとなっており、一般国民へのアピールも意識されているように思われます。

 具体的な、おいしい水研究会の提言は、環境条件、水質要素、水質条件の他に「水道水のおいしい都市(32都市)」を選び公表しています。

かいつまんで、内容を紹介しますと、

 

環境条件

・水温が体温とくらべ20〜25℃低いときが最もおいしく感じる。

・気温が高いとき、湿度が低いとき、おいしく感じる。

・健康状態のよいとき、運動したとき、おいしく感じる。

・水を飲む容器、周囲の雰囲気等によってもおいしさが左右される。

・においの感覚は朝が一番鋭敏で、においがあるとことさらまずく感じる。

 

水質要素

・不純物を全く含まない水はおいしくない。

・含まれている成分とその量のバランスにより水の味は微妙に変化する。

  他に10項目詳細が発表されていますが、水質要件に概ね集約されていますので,ここでは省略します。

 

水質要件

・蒸発残留物:30〜200mg/l

  水中に浮遊、溶解しているものを蒸発乾固したときの残渣で、カルシウム、マグネシウム、シリカ、ナトリウム、
  カリウム等の塩類や有機物で、味に影響しほどよく含まれると水の味がまろやかになる。

・カルシウム、マグネシウム等(硬度):10〜100mg/l

  ミネラルの主要成分で、適度にあると水の味をまろやかにし、硬度が低すぎると淡泊でコクのない味がする、
  高いと胃腸を害する場合もある。

・遊離炭酸:3〜30mg/l

  水に溶けている二酸化炭素で、水にさわやかな味を与えおいしくするが、多すぎると刺激が強くなる。

・有機物等(過マンガン酸カリウム消費量):3mg/l以下

  水中の有機物濃度(汚染)の指標となる数値、多いと渋みを付け、消毒用の塩素消費量も大きくなりその分、
  水の味を損なう。

・臭気強度(TON):3以下

  水につく臭いの強さで、「カルキ臭」「カビ臭」が代表例である。

・残留塩素:0.4mg/l以下

  水道法では、給水末端で0.1mg/l以上の残留塩素が義務化されている、高すぎると「カルキ臭」を与え、
  水の味を悪くする。

・水温:最高20℃以下

  水温は水のおいしさを大きく左右します。



以上でおいしい水がイメージ出来る人は、それなりの専門家ではないでしょうか。

次の記事《後編》ではもう少し、実態に近づくため、「おいしい水研究会」が選んだ代表を考えてみましょう。

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