水道協会誌第899号(平成21年8月号)が届いた、毎年この時期になると前年度の統計資料が整理され発表されます。(※2009.9受稿当時)

 平成19年度の統計資料を見ながら、水道普及率など水道の現況や今後の課題等を考えてみましょう。


 

・水道普及率

平成19年度の総人口1億2789万6千人に対し、給水人口は1億2457万7千人で普及率は97.4%となっています。都道府県別では、東京、大阪、沖縄が100%で最高となっており、以下、神奈川、愛知、兵庫、埼玉と続き、低いほうでは、熊本、秋田、大分、が90%前後となっています。ちなみに、千葉県は、人口612万3千人に対し給水人口577万2千人で普及率94.3%となっています。

明治23年(1890年)に水道条例が施行され67年後の昭和32年(1957年)現在の水道法が公布され、幾多の改正を経て現在に至っています。この間、水道は自治体が責任を持って運営する原則が貫かれ、国民皆水道を目標とし普及率向上が図られてきました。
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【厚生労働省HPより】

1980年頃までは、急速な普及率拡大が読み取れます、しかしながら、その後は高原状態となり、直近の10年では、毎年0.1ポイントの増加にとどまっています。
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水道協会誌第899号より

この97.4%の普及率をどう捉えるかですが、日本人1000人のうち974人は、すぐそこの蛇口をひねると水道水にありつけると言うことです。この日本の水道普及率は、降雨に恵まれた国であることや先人達のたゆまぬ努力と評価できます。

 

一方、世界に目を向けると、水道普及率が、エチオピア24%、カンボジア30%、アンゴラ38%など水道年鑑2008に記載されていますが、調査さえままならない南アフリカの多くの国々は悲惨な状況となっています。

UNICEFの報告では、2004年の時点で、安全な飲み水を利用できない人の割合は17%となっています。国連ミレニアム開発目標では、2015年までにこの割合を12%(約7億6千万人)に引き下げる目標を掲げています。水運びを日課とし、このため学校に行けない子供達もこの地球上に沢山いることも現実です。

 



・給水量の推移

次に、給水量の推移を見てみましょう。
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水道協会誌第899号より

給水量は、1995年(平成7年度)をピークとし、右肩下がりが読み取れます。給水量の減少は、節水意識の高まりや節水機能の蛇口、洗濯機、トイレ等の普及が反映したものと考えられ、今後は人口減少が続くと思われるため、給水量の減少は当分続くと想定されます。



 

・管路延長

管路延長は、普及率と同様に毎年、僅かではあるが増加していますが、管種の分布では石綿セメント管が減少し、ダクタイル鋳鉄管が増加しており、布設替えが進んでいることがうかがえます
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水道協会誌第899号より


・今後の課題

今後の課題としては、普及率の向上の優先順位は低いように思われます。現在、多くの水道事業者の課題は、経営問題となっているようです、ハード的には老朽化対策、ソフト的には水質の向上や水道料金の低減化です、多くの水道事業者は、計画的な施設更新や業務のアウトソーシングの導入等に取り組み経営の効率化を図っています、また、最近では効率化の延長として集中化、広域化が表面化してきています。

 


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By:m.nakao


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