《土の湿潤密度》
土の密度とは、土の単位体積当たりの質量をいいます。
土の密度には、土粒子の質量と間隙に含まれている水の質量との両者を考える場合と、土粒子の質量だけを考える場合があります。
前者を土の湿潤密度ρt、後者を土の乾燥密度ρdといいます。
土の湿潤密度は、土の基本的な物理量のひとつであり、土の締まり具合を判定する指標として利用されます。
また、土の湿潤密度は、地盤の支持力、圧密沈下、土圧や安定解析などの構造物設計に必要な土の単位体積重量の算定に利用されるばかりでなく、間隙比、飽和度といった土の状態量を示す指標を求める際にも利用されます。
我が国における代表的な土の湿潤密度と乾燥密度はおおよそ表6.5のとおりです。
一般に、湿潤密度が大きい(ρt=1.7〜1.9g/cm3)場合は、地盤は硬くよく締まっていることを示し、湿潤密度が小さい(ρt=1.2〜1.6g/cm3)場合は、地盤は軟弱であまり締まっていないことを示しています。また、高有機質土ではρt=1.2g/cm3よりも小さくなる場合があります。
一方、土の乾燥密度は、土の体積変化を伴わずに間隙水が完全に排除された状態を想定したもので、土の締まり具合を絶対値で示す指標として、土の締固め度の判定などの品質管理に利用されます。
【表6.5 わが国における土の密度のおおよその範囲】
(出展:土質試験の方法と解説-151頁より)
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