・川は市民のもの

写真1,2は、夏に撮ったみなかみ町の利根川の風景です。通常時は、矢木沢ダムや奈良俣ダムからの放流がコントロールされ利根川の水量は安定し、市民が安心して楽しんでいます。

この水も、下流で農業用水や水道用水の一部として取水されています。
水遊び
 写真1:川遊び(群馬県みなかみ町)

ラフテイング
 写真2:ラフティング(群馬県みなかみ町)


・ダムからの放流

コンクリートのダムについては、賛否両論、様々な意見がなされていますが、ここでは議論を避けることにします。

ダムの主な目的は、洪水調節、渇水対策、河川の機能維持等となっています。利根川水系のダムの場合、ダムからの放流は、出水時はダム毎のルールに従い、灌漑期や渇水時は、利根川上流ダム群全体の貯水状況等が考慮され、必要水量を河川に補給し、貴重な水資源が無駄に放流されるようなことがないように管理されています。

現在(平成22年10月5日 0時)の首都圏の水瓶である利根川上流8ダムの貯水状況を見てみましょう。


表1を見ると、河川への補給や貯水がダム毎に異なっていることが読み取れます、貯水率は62%と少なく見えますが、夏期制限容量で見れば、84%に相当します。夏期制限容量とは、7月1日から9月30日までの3ヶ月は台風等の出水に備え、各ダムの貯水水位に余裕を持たせた容量です。


・渇水

渇水と云えば、ある程度年配の人は、「東京砂漠」を思い出すでしょう、昭和39年東京渇水(東京オリンピック渇水)とも云われ、これ以降、利根川上流の水源開発(ダム建設や農業用水の合理化等)が盛んに行われ、現在も八ツ場ダム(?)など進行中です。

 図1:利根川上流8ダム貯水容量(平成22年10月5日0時)(利根川上流河川事務所HPより)


利根川上流ダム群の貯水状況は、利根川上流河川事務所のホームページで毎日更新され、公表されています。

図1は、利根川上流8ダム貯水容量です、毎年6月の下降線は、7月1日の夏期制限容量へ向けた計画的放流の所以です。渇水になるかどうかは、7〜8月の水源地の降水量に係っています。

近年の大渇水は、平成6年、平成8年に発生しました。図1のみどり色、ピンク色の線に見られるように、利根川上流8ダムの貯水量が8月に1億を下回り、段階的に利根川からの取水制限が実施されました。

近年、渇水は発生していませんが、台風の発生状況の変化や、集中豪雨の発生など、過去には見られなかった異常気象が懸念されます。

また、河川の水量が減少すると、水質も悪化し、浄水場の水処理も難しくなります、河川環境の更なる改善を期待するばかりです。





by:m.nakao

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