千葉県で津波被災のもっとも激しかった地区です。
 津波は北方から来たわけですから影になっているような飯岡地区が甚大な被害を受けるというのは考えにくいことです。
 
 しかし、実際には茨城県の津波高さを優に超える7.6mという局所的な大津波が来たのです。東大:郡司準教授によれば、「浅海域に岬などが突き出ていて、その後背地にある都市は、屈折現象によって津波のエネルギーが集中して津波高が大きくなる」(日経コンストラクション2011.4.11)ということです。
 
 旭市飯岡地区の地理的な位置関係をYahooの地図で見ると津波の方向からは真裏に当たります。
 銚子で3.0m、飯岡漁港で3.4m・・・これは普通です。
 ところが矢指川でなんと、7.6mを示しています。

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 その理由は次の推論が成り立ちます。
 『 水流は深い海ほど抵抗が少なく速度が大きくなり、浅くなると速度は低下する。
 北から来た津波は銚子沖から九十九里に掛けての浅い海を右に、左には深い海に接することになる。
 すると、津波は進行方向の左右に速度差が出来、右にカーブを描くように方向を変える帯が出来る。遅くなった波に、さらに後から波が被さりエネルギーが集積して行く。
 
 その結果、飯岡の市街地から矢指川に掛けて局所的な大津波となった。また、津波は南から海岸線に直角に近い形で浸入している。』
 
 
 被災状況写真は西から矢指川、目那川、飯岡市街と紹介します。

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 ,泙彩雹慇邁聾部です。
 郡司準教授の7.6mがどのあたりか特定出来ませんが、広い範囲で海岸砂丘や護岸を乗り越えています。水産加工場の一階部分も大破、県道30号線より上流部もかなり被害を受けています。

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 なお、県道そばの海水浴場ですが、公衆トイレがあります。県道と同じ高さに建っている建物の内部、その洗面台には厚く砂が堆積していました。

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 ⊆,呂發辰箸盞磴靴被害を受けている目那川河口です。
 こちらは、矢指川と同じくらいの津波高さと推定されるほど、コンクリート護岸や矢板が破壊されています。人家の被災もかなり出ていました。

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 そして、県道より上流側の広い範囲の水田に海水が浸入しています。

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 最後は死者行方不明者を多数出した飯岡市街地です。

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 海岸の道路(県道30号線)がようやく選択規制で街にはいることが出来る状態になったばかりです。黙々とがれき撤去をされている地元の方々に言葉も掛けられません。
 
 
 なお、飯岡漁港よりも西側の方が甚大な被害を受けています。まずは、市街地から飯岡漁港方面を見ると5m以上の津波が来ればひとたまりもない風景に見えます。

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 そして、その痕跡は護岸上に設置されている金属製の手すりに残っています。
 あっという間に大波が乗り越えたことを示しているようです。

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 津波の襲来は家屋を全壊させ、旧県道方面にまで達したようです。車が逆立ちをしているものも何台も見かけました。
 本地区を歩いて言えることは、津波の猛威と東北各県の惨状がいかにすさまじいかということです。自然の猛威に対し、人間の無力さをつくづくと知らされます。

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 最後に、津波被害が一番大きいと予想していた銚子は、魚市場などへの浸水はありましたが大きな津波被害は発生していません。
 
 その代わり、犬吠埼の真裏に当たる名洗のマリーナが一掃されてしまいました。大きなヨットなどは倒された程度ですが、小さいボート類は流されてしまったとか・・・。
 
 こちらも参考に写真を載せます。

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