2012.11.26(月)に八ッ場ダムを見学してきました。
 雨の中、八ッ場館の担当者に案内していただいたものです。
 
 運が良いのか悪いのか、普段の行いも含めて雨に考えさせられる研修でありました。

地形5


地形4



2012-11-27012



2012-11-27013



2012-11-27008



 八ッ場ダム関連工事は、国道、県道、JR線、移転地造成、学校建設などの付帯工事がそろそろ完了する段階です。湖面1号橋の上部工を残し、湖面2号橋(不動大橋)と湖面3号橋(丸岩大橋)は完成しています。
 
 まず、八ッ場館にて全体の説明を受け、専用のバスで案内してもらいました。あいにく雨のためダム本体予定地や現地に降りての説明は不能です。

2012-11-27032



 今回の紹介は、完成し供用している湖面2号橋・不動大橋です。

 メディアに大きく取り上げられ、有名になった橋であります。その仕様は次の写真でお分かりでしょうか。途中でストップすると大変!!ということでしたが無事完成しています。

地形2




2012-11-27025



 雨に煙る不動大橋を土木の風景としてアップしました。

2012-11-27014








2012-11-27071



2012-11-27106



sitara2012-12-04125




2012-11-27098




2012-11-27111



 次回は丸岩大橋やJR線の工事を紹介します。
 
 
 さて、ここから先は独り言です・・・。
 案内していただいた地元のガイドさんの独り言でもありました。
 
 *****
 八ッ場ダム計画は
 地元が翻弄されるような歴史を持っています。
 整理をすると次の通りです。
 
 1947(昭和22)年  カスリーン台風
 1952(昭和27)年  八ッ場ダム調査開始
 1976(昭和51)年  八ッ場ダム閣議決定
 1985(昭和60)年    八ッ場ダム・県知事と長野原町長が覚書締結
 1992(平成4)年   八ッ場ダム建設事業の「基本協定書」
          ・「用地補償調査に関する協定書」締結
 1994(平成6)年   建設省付帯工事に着手
 2009(平成21)年  前原元国土交通大臣八ッ場ダム中止表明
 2011(平成23)年  前田元国土交通大臣八ッ場ダム建設継続表明
 おまけ
 2012(平成24)年  11月末現在 (今回の「土木の風景」報告)

2012-11-27108



 土地を追われ、離れる人、高台に移転する人・・・お一人お一人が大変な苦悩の中に決断をされてきたものです。影響を受ける人は1000人だそうです。
 
 当時の社会と現在とでは情勢がまったく違います。しかし、人間の生活は変わらないはずです。生活基盤を奪われ、転居したり去らなければならない人たちの思いはいかばかりかと推察します。
 
 村が2分する厳しく苦しい事態を経て何とか決着して進むこの事業を、政治でねじ曲げるという哀しき現実がありました。賛成も反対も、ここまで来て何をいまさら言うのか・・・これが地元の叫びであります。結果的には単に時間を遅らせたというだけの政治的パフォーマンスでしたが、住民に対するその責任は如何に・・・!!
 
 調査開始から60年が経過しています。
 ダム建設の宿命でありますが、その影響の大きさから建設の是非を巡って議論が沸騰するのは常のことです。建設ありきで走り出し、予算をつぎ込んで行くと後戻りは非常に困難となります。国土交通省や関連財団、関連自治体、建設業界にも大きな問題があります。
 
 住民が苦しみの中に移転をされたり離れたりと、ほとんどの動きが決まった段階での中止表明はいかがなものか・・・住民の気持ちなどは考えていないのです。
 
 反対運動の構成員に地元住民がいないことなど、どのように見れば良いのでしょうか。地元住民をないがしろにした活動が、メディアにもてはやされる現実はどこかおかしい日本国であります。
 
 昭和27年に戻って建設の是非を議論するのは良いことでありますが、できません。今回の騒動は「何を今更!!」の平成21年です。ダム本体工事のゴーサインはいまだに出ていません。本体工事に着手してもさらに6,7年はかかるそうです。
 
 
 なお、大局でダム計画を見れば、
 山間部の地元が下流側都市部のために犠牲を払う・・・これがダム建設の本質です。
 洪水調節、水の利用、すべてが都市部のためのものです。地元に残るのは美しいダム湖と観光・・・でしょうか。日本国全体を総合的に考えると致し方のない形なのかも知れませんが、やるせない思いです。
 
 
 それ故にこそ、地元の方々の犠牲とご協力に感謝をすべきであります。
 
 時代は変わり、人の気持ちも社会も変わります。
 厳しい現実ですが、ダム建設という長期的な事業にはこうしたリスクはつきものであります。建設着手する前にすべき議論であり、八ッ場ダムの中止表明などは遅すぎる政治判断、暴挙でありました。
 
 
 八ッ場ダムの用水は関東各県が受益地であり、応分の負担金を支出しています。
 下流側の各県が事業費の一部を負担するのは恩恵に対する当然の義務なのでありました・・・。
 *****

2012-11-27019


    <土木の風景TOPへ>