千葉県夷隅郡大多喜町小田代地区の道路工事中に奇妙な地層が出現したという情報です。
 
 現場写真を見て、大規模海底地すべり地層の可能性もあり、ということで現場研修会(千葉県夷隅土木事務所)が実施されることになりました。若い技術者10数名ほど・・・。

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 奇妙な地層はある一定の広がりを見せていますが、大規模地すべり地層と言うほどの規模ではないようです。その写真は次の通りです。

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 このような堆積層を乱堆積層といい、水中での泥流、斜面崩壊、地すべり等の堆積層です。原因は地震や津波、水流などとなかなか特定できません。
 
 これに対し、大規模地すべり地層は先年の東日本大地震のような最高規模の大地震などが原因の海底斜面地すべりです。今回の3.11でも東北沖で海底地すべりが確認されたそうです。
 次の写真が南房総市白浜の大規模海底地すべり地層の露頭です(現在でも展示されています)。→ no.382

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 さて、現地は新第三系の黄和田層に当たり、本層は地層が傾斜することは多いのですが、ほぼ連続した堆積地層になっています。砂層と泥層が互層状になり、普通は整合状態といえます。
 
 今回、部分的にとはいえ、小田代のこういう地層層序は珍しいと言わざるを得ません。
 模式的な黄和田層の露頭は下の写真です(勝浦市・国道128号線)。

勝浦



 
 ここ大多喜町小田代の地層は乱堆積層を中心として不整合面の見本のようであります。不整合とは地層が堆積する時間軸が異なることで、層境に大きな時間差があります。
 ゆっくりゆっくり堆積する地層(整合面)から見ますと嵐のような乱堆積層といえましょうか。
 
 ひょっとして、当時は荒れ狂った地球環境の中にあったかも知れません・・・が、数百万年前のことですから、わかりません。

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 海底地すべり かいていじすべり     <大百科全書より>
海底斜面上の堆積(たいせき)物が急激にすべり落ちる現象。原因はいろいろあるが、地震を引き金とすることが多い。1923年(大正12)の関東大地震の際には、相模(さがみ)湾および東京湾口に多くの海底地すべりが発生し、海底電線を切断した。海底地すべりは陸上の地すべりと比べて、緩い斜面でも発生し、すべり落ちた物質は非常に広範囲に及ぶ。海底に沿って泥を含んだ密度の高い水が流れて、乱泥流(混濁流)に転化することも多い。〈勝又 護〉


 整合 せいごう       <大百科全書より>
ある地層の上に別の地層が、大きな時間間隙(かんげき)に引き続いて堆積(たいせき)した状態をいう。この場合、下位の地層と上位の地層とは層理面が平行であることが多く、上位の地層が堆積する前に下位の地層が傾斜・褶曲(しゆうきよく)したり、侵食を受けたりすることはない。しかし、斜交成層のように、上下の地層が斜交していても整合と扱われる場合もある。また、普通に整合とよばれる場合でも、どの層準も一定の速度で堆積するわけではなく、急激に堆積したあと長い期間無堆積であることがある。たとえば乱泥流堆積物の場合は、乱泥流によってもたらされた砕屑(さいせつ)物が短期間に堆積し、次の乱泥流が生じるまで長期間無堆積の状態が続く。
 整合一連の地層でも、一部に短い無堆積の期間や、軽微な侵食がみられることがある。このような堆積間隙はダイアステムとよばれ、不整合には含まれない。→不整合〈村田明広〉

 
 不整合 ふせいごう     <大百科全書より>
二つの地層が侵食面を挟んで上下に重なる関係を不整合といい、その侵食面を不整合面という。侵食面がない関係が整合である。ただし、河床堆積(たいせき)物内部や乱泥流砂岩層基底の小侵食面のように、上下層の堆積の仕方と比べて侵食期が非常に短いときには不整合とはいわない。不整合面の上と下との地層の走向傾斜が等しいものが平行不整合、異なるものが傾斜不整合である。塊状火成岩体を覆って地層が堆積しているときも、その基底は不整合あるいは傾斜不整合とよばれる。上位層の基底部は、しばしば下位層と岩質を異にし、不整合面において下位層の層理を切って堆積している。それによって不整合面をみいだすことができる。基底層は礫(れき)岩や砂岩からなることが多く、基底礫岩、基底砂岩とよばれる。しかし、泥岩堆積区で海底侵食がおこった場合には、上下層とも無層理の泥岩であって、浮遊性有孔虫などの化石帯欠如によってその存在が初めて明らかになる不整合もある。不整合の侵食面は海底でできることもあるが、普通は陸上侵食でできる。
 上下に重なる海成層の中ほどに、陸上での侵食によってできた不整合は、海域が陸域に変わったとき、すなわち海退期にできたものである。海退現象は汎(はん)世界的海面低下、大陸的また地域的地殻変動によっておこる。平行不整合は、地殻変動による海退に起因する場合でも、その区域に地盤の傾きはできなかったことを示す。一方、傾斜不整合は、地塊の傾動または褶曲(しゆうきよく)による地盤の傾きができたことを示す。かつて傾斜不整合は、上下層の傾斜の差がいかに小さくても、短期間の造山運動によって生じたと考えられ、地史のうえでの重要事件とされた。造山運動は地殻が圧縮されておこり、その圧縮によって地層が褶曲すると同時に海域が上昇して陸域となる、すなわち海退がおこると考えられたからである。また、不整合形成期は短期間であるはずであると想像されたからである。しかし、上下層の堆積期全体を通じての継続的な地殻変動期中におこった、大陸的広域の海退に伴ってできた傾斜不整合もあり、侵食期が予想されたよりもはるかに長期であった例もある。また、局所的傾斜不整合が多い。傾斜不整合が地殻変動に対してもつ意味は、それの分布や上下層の層序と時代についての詳細な研究をまって初めて明らかになる。二つの地層の地質構造の形成のされ方に差があるかないかによって、構造的不整合、構造的整合という。平行不整合は普通、構造的整合である。→整合 →地層〈木村敏雄〉

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