平成28年度地すべり技術研修会報告 no.461

 先の平成28年12月7日(水)千葉県安房合同庁舎大会議室(午前中)及び鴨川市の地すべり対策工現場(午後)において千葉県地すべり研究会と一般社団法人千葉県農業土木コンサルタンツ協議会共催の平成28年度地すべり技術研修会が開催されました。
 本年度も参加者が多く、千葉県県土整備部、農林水産部、市町村、協会、建設コンサルタントなど97名のエントリー、そして現地へ81名の参加でありました。
 座学研修に入る前に千葉県県土整備部安房土木事務所・吉田良治所長から代表挨拶があり、出先事務所の地すべり概要やこうした技術研修会の意義についてお話しがありました。

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  安房土木事務所吉田所長


 
 座学の技術研修は3人による講師陣で以下の研修内容でありました。

1)全国及び千葉県の地すべり概要と課題 10:00〜10:40
 千葉県県土整備部河川整備課 海岸砂防室副主幹 酒井 康行氏
 
 〜〜地名に隠されたメッセージ〜〜 として地すべりの概要や千葉県の特徴、さらには地名の由来や意味するところを詳細に調べて行くと、地すべりに関連する地名が全国にたくさんある事を紹介され、印象的な興味深いご講演でありました。

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  県土整備部河川整備課海岸砂防室 酒井副主幹


2)地すべり工事事例紹介  10:40〜11:00(休み5分)
 千葉県県土整備部安房土木事務所 建設課課長  矢代 信博氏
 安房土木事務所管内の地すべり工事の実施事例を抑制工(水路工、地下水排除工、排土工、押え盛土工)から抑止工(鋼管杭工、グラウンドアンカー工)まで多岐にわたる工種を具体的に紹介され、理解のしやすいご講義内容でありました。

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  安房土木事務所建設課 矢代課長


 
 
 最後は、長年地すべり業務を担当されてきた建設コンサルタントのベテラン技術者による専門的な地すべり解析について講義がありました。

3)地すべり機構と解析の事例紹介  11:05〜12:00
 国土防災技術株式会社千葉支店  支店長 近藤 昌志氏
 
 以下のような内容でした。地すべりに関する知識が比較的少ない聴講者には少し難しかったかもしれません。
 
 1.地すべり調査・解析の流れ
 2.精査計画の立案
 3.調査結果の整理と留意事項
 4.地すべり機構
 5.すべり断面の判定
 6.地すべりブロック区分と地すべり断面
 7.安定解析

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  国土防災技術株式会社千葉支店 近藤支店長

 以上の講義の最後に午後の現場見学会案内解説ご担当の安房農業事務所鴨川地域整備課本忠課長の紹介があり、また主催者を代表して千葉県地すべり研究会の中村代表幹事より御礼のあいさつがあり午前中の座学を終えました。

 

 その後、鴨川市の鴨川北部道路;地すべり区域西条中地区(鴨川市粟斗地先)の現地へ乗合で個々に集合し、現場見学会が始まりました。
 
4)現場見学  14:00〜15:30(現地集合・現地解散)
 案内解説 千葉県農林水産部安房農業事務所鴨川地域整備課
    課長 本忠 正一郎氏

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  安房農業事務所鴨川地域整備課 本忠課長


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 A、B、C の順序で徒歩にて移動しながら説明を受けました。
 
 
 本路線は工事施工中に何度も地すべりが発生し、歴代のご担当者は随分苦労されたようです。全線に多くの対策工が施されていますが今回の見学は時間の関係で上記三箇所としています。特にA地点は開削後すぐ(三週間後)に地すべりが発生し、対策が後手となって最終的にはアーチカルバートと盛土で支える対策となっています。法枠を押さえるグラウンドアンカーのヘッドがいかにもというゴツさを見せているのが印象的です。多くの工種が集中し、先達苦心の跡が見て取れます。
 
 なお、地元農家の話では昔から代々「この山は触るな」という言い伝えがあったそうです。「粟斗」という地名にその意味が込められているのかもしれません。

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  掘削直後と崩壊状況(蛇紋岩の地層)


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 なお、今回の技術研修会は千葉県県土整備部河川整備課海岸砂防室並びに安房土木事務所成田調整課長はじめ関係各位様にご協力をいただき、また、見学現場につきましては安房農業事務所鴨川地域整備課本忠課長にご配慮をいただきました。有意義盛大な技術研修会となりましたこと、この場を借り御礼申し上げます。
 
平成28年12月7日
千葉県地すべり研究会/一般社団法人千葉県農業土木コンサルタンツ協議会(中村)

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