***** ブータンの風景・後半の記事です。


内容・項目は次の通りです。
6.ブータンの建築物
7.ブータン王国の政治と経済
8.山道ばかりの道路
9.ホテル事情
10.おわりに


6.ブータンの建築物
どこへ行っても「ゾン」ばかりです。「ゾン」とはチベット文化圏の城塞建築様式で地方行政庁舎として利用されたりブータン仏教の布教の場として使われています。
ゾンの中は、行政の出務室や僧侶の住居が四方を取り囲み回廊となっています。

写真-19
[ 写真―19 パロ・ゾン(パロ) ]


写真-20
[ 写真―20 プナカ・ゾン(プナカ) ]



7.ブータン王国の政治と経済

ブータン王国の政治は、議院内閣制を執っていますが、国の重要案件は国王と高僧の二人で“ゾン“で話し合って決めており、国民の不満は少ないと現地ガイドが話していました。
経済的には、豊富な水量の河川と高低差で発電された電力をインドに輸出しています。その他これといった産業や地下資源等は少なく、経済的には豊かな国ではありません。
ブータンは、日本と気候風土が似ており松茸が有名です、以前は、「ポー・シャモ(男根・キノコ)」といって山道で見かけても蹴っ飛ばしていたようですが、日本に需要があることが判り「サンゲ・シャモ(釈迦・キノコ)」と呼ばれ宝物となり100%が日本に輸出されているとのことです。7月から9月の収穫時期には、パロとティンプーの道路に露店が出て、「まつたけ街道」とよばれています。トレッキングに来た観光客などに評判のようです。
残念ながら、私たちは季節が違っていたので、土産物屋さんの乾燥松茸しか入手できませんでした。

写真-12
写真―12 まつたけ街道の露店 ]


写真-13
[ 写真―13 乾燥ブータンまつたけ ]



8.山道ばかりの道路

ブータンは、殺生を忌嫌う国で道路には野良犬や野良牛が至る所に寝転がっています。川魚を取ることも山にトンネルを掘ることも嫌われます。
鉄道がありませんので車利用しかありません、くねくねと山間を走り、峠を越えて移動します。
峠からは、晴れていればヒマラヤ山脈が眺望できるそうですが、残念ながら今回は見ることが出来ませんでした。
山岳道路を移動する車を見ると、大型バスなどは見かけません、屋根に旅行者のバックを載せた中型のバンを多く見かけました。

写真-14
[ 写真―14 ド・チュラ峠のヒマラヤ眺望の看板 ]


写真-15
[ 写真―15 屋根にバッグを載せたバン ]



9.ホテル事情

観光に重点を置いているため、ホテルや従業員の雰囲気も良く、治安面の不安は全く感じませんでした。
ホテルは、公共料金制度となっており、料金も食事等のサービスも統一されホテル間の競争はありません、ブータンの料理はエマ料理(トウガラシ)が中心です、主食のご飯の上に刺激的辛さのエマをのせて食べます。
パロ、ティンプー、プナカの四つ星ホテルを利用しましたが、インドから「製品として輸入されたチキン」を使ったカレーの他は唐辛子の効いたベジタブルばかりで、中長期滞在の日本人には辛いものがあるでしょう。
自国では殺生しないが、食材製品として肉や魚をインドから輸入しており、若干の矛盾も感じました。

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[ 写真―16 バンガロータイプのホテル(パロ) ]


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[ 写真―17 ホテルの従業員(パロ) ]


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[ 写真―18 土産物屋さんのとうがらし(パロ) ]



10.おわりに

物欲に汚染された一部の現代人から見ると、不便なことや魚肉等の食材に乏しく美味しいものが少なく、レジャーやエンターテイメントからも程遠いブータンですが、生活環境を取り巻く時間が“まったり“と流れているように感じました。
2%成長を希求する国の100年後の姿は想像できませんが、地球環境が破壊されていなければブータン王国の100年後はイメージできそうです。

一生を過すタームで考えると、ブータンの人々の精神面も含めた幸福度は、先進国の人々に勝るとも劣らないように思いました。

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[ 写真―21 学校帰りの学童(パロ) ]


国民生活、公衆衛生、交通インフラ等の向上のための技術支援の要望がJICA等に出されているようですが日本方式を押し付けるのではなくブータンの文化を尊重し、支援を継続していくことを望みたいと思います。

ホテル内ではWi-Fiが使え、世界中の情勢が(どこかの国と違って)制限なく入手できます。グローバル化の波に汚染されず、ブータン特有の文化が継承されることを期待したいと思いました。
(Oct.2017  水道特派員  M.N)

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