千葉県犬吠埼周辺の地質は千葉県内で最も古い中生代の堆積層が観察されます。
そして、すぐ隣には屏風ヶ浦があり、新生代第四期の堆積層が見られるのです。
犬吠埼、屏風ヶ浦ともに太平洋に面し、激しい荒波を受けています。
実際に海岸に降りてみると地質の時代によって海岸の様相が全く違っていることがわかります。
まずは、犬吠埼周辺の海岸は次の通りです。



海岸の岩は固結して非常に堅いものです。中生代という時代に納得です。



海岸の岩は固結して非常に堅いものです。中生代という時代に納得です。
地質図を地質調査総合センター 地質図Naviから拝借しました。





中生代の地層が島状に露頭しています。犬吠埼より西側に行きますとこの中生代の地層は深く深く地中に沈み込んでしまいます。銚子がジオパークに指定されるゆえんです。
そして、次は屏風ヶ浦です。

新生代第四期更新世(チバニアン時代)及び後期更新世(洪積層)ですから固結度は非常に低いものです。
ですから、海食崖はテトラポッドに守られています。この保護がなかった時代は毎年海岸が後退していた(数m〜1m以下)そうです。海岸は砂と泥ですが、細粒分はテトラポッドの間を抜けて流失します。犬吠埼の海岸とは景観が全く異なることがわかります。
屏風ヶ浦の地質図は次の通りです。




なお、屏風ヶ浦の浸食が抑えられることは良いことなのですが、勝浦、夷隅地方の海岸保護を含めて、中間にある九十九里海岸に問題が発生しています。土砂の供給が少なくなり、砂浜が痩せ細ってきたのです。これは全国的に見られる現象(問題)になっているようです。
人間が何かをなせば、自然はその反作用を返してきます。ヨーロッパやアメリカ及び中国の乾燥は極端です、驚いてしまいます。中国では琵琶湖の何十倍もある湖が干上がってしまうのですから異常です。そしてアフリカ・サハラ砂漠の拡大を見ると、自然の力には逆らえない人間の無力を感じます。日本では線状降水帯や台風など、雨の降り方が激しくなってきています。100年確率が多発しているのですから河川管理にも異なる発想や視点が必要になるのかもしれません。
しかし、暗いことばかりではなく、人類の叡智を結集し、前向きの地球温暖化対策を地道に、世界中で推進されることを期待いたしたいものです。
犬吠埼は黒潮の影響を受ける温暖な気候です。