2016年01月

 つづいて相沢事務局長より、当会の活動内容や意義・謙信公の認識・今後の展望などについてパワーポイントでプレゼンを致しました。21 ginokokoro 184
 謙信公と他の戦国武将との相違点、仏教の毘沙門天を篤く信仰したこと、アンパンマンとバイキンマンを用いて対比させるなど、わかりやすく説明しました。

 会の設立意義を2つの「感」で表現しました。
 一つは「危機感」。
 このまま何もしなければ、この地で生まれた「義」という精神的財産は消滅していくでしょう。かつて関東管領本拠地であったゆえんは、「義」という旗を掲げたからに他なりません。
 また大都市部と地方の格差問題の危機感。ますます格差が広がってきており、数年後には全国の2割の地方市町村が破たんすると言われております。各地方独自色を鮮明に打ち出していかなければ、埋没・破たんの危惧が懸念されます。
 もう一つは「使命感」。
 いまヨーロッパから民主主義が消えかかっている、と多くの識者が危惧しています。
 昨年1月フランスで発生した、無差別テロ事件を発端に全世界は対イスラムへの憎悪と報復を募らせています。もちろんテロ行為は絶対許されるものではありませんが、結果、その反動から過剰ともいえる異文化・移民への排斥、排外主義が台頭し、極端かつ偏ったナルシシズムが跋扈しています。仏学者エマニュエル・トッド氏はシャルリエブドの表現の自由は真実ではないと展開し、相手文化を敬う日本の文化を称賛しました。 
 今、「義の心」を見直し次世代へ継承する努力をしなければ人々(特に上越人)の記憶から消えていってしまいます。そして前述したように現在社会は格差・貧困・いじめ問題が深刻化してきています。この混迷の世に、日本のみならず世界へ向けて謙信公の義の心をもって、普く光を照らし困っている人を救うことが使命であると考えます。

 論語の孔子の言葉を引用し、謙信公の実践した「義」の行いを読み解きました。
 どんな状況におかれても「敵に塩を贈る」行為が常人にはできるか? 徳や義は理屈だけで行動に移さないと「義」にはならない。論語ならではの比喩で読み解きました。

 なかでも「第一義」の解釈は難解であり、とても座学だけで理解できる範疇をこえており、当会では林泉寺で謙信公と同じく坐禅を体験することで、身をもって体感しようと説明しました。

 この「第一義」を、「Human integrity」と英訳しました。
 …「高潔なる、人間の道」と訳しました。
 当会のバイブル的存在「上杉謙信公十六カ条の家訓」も、すべて英訳いたしました。おそらくこの家訓を英訳したのは当会が初めてであろうかと思います。
 この試みの目的は、「義の心」をやがては世界無形文化遺産に昇華させたいという願いからであります。日本のみならず、世界の人々へ向けて発信したいという望みを託しています。

 展望といたしまして、東京オリンピックの2020年には「謙信公サミット」の開催実現を目標にかかげています。
 また、2030年は「上杉謙信公生誕500年祭」として当会としても盛り上げて参りたいと思います。



21 ginokokoro 240  続きまして当会の顧問・相談役の皆様に委嘱状を交付させていただきました。
 最高顧問には、上越コンベンション協会会長の田中弘邦様にご就任いただきました。顧問には、居多神社宮司の花ケ前盛明様、林泉寺ご住職の笹川元祥様、上越タイム社社長の栗田修行様、相談役に上越剣道連盟会長の青山勲様。
 当会の運営・方針にご助言、ご指導を今後とも賜りたいと存じます。





 
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 そして当会の活動内容・活動の普及に寄与していただくお役目の「義の心大使」に、鈴木俊夫様、笠原竜義様、渡辺奈央子様にご就任いただきました。
 この「義の心大使」任命要件は、社会の中で誰かのために貢献されている、またはこれからしようとされている方々がその資格要件です。
 どうぞ今後とも当会の趣旨に賛同され、実社会で貢献し、より広く当会の普及にご協力できる方は大使のお役を担うことをお願い致します。





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 最後に、ご就任いただきました各顧問・相談役・義の心大使の皆様方よりご挨拶・ご意見を賜りました。
 最高顧問の田中様からは「まさにこのような会を待っていた。わが意を得たりという気持ち。やはり上越市は、上杉謙信の義の心を中心とした町づくり・観光戦略でなければならない。」と述べられ、会のこれからの発展ならびに興隆祈念のお言葉をいただきました。
 他の顧問・大使の皆様方からも、当会活動への期待、上越市の歴史・謙信公の新たな偉業探究への期待、観光面や他分野との連携模索などの貴重なご意見・ご要望をいただきました。



 謙信公「義の心」の会、船出の「発会式」に際しまして多くの皆様方にご臨席いただいたうえ、温かいお言葉を賜りまして衷心より感謝と御礼を申し上げます。

 上杉謙信公という、不世出の偉人発祥の町・上越市だからこそ、謙信公の本質に迫り、「義の心」を多角的かつ縦断的に検証していくことは、上越市のみならず後世への大きな遺産になりうるものと確信致します。
 謙信公が求道した「義」というものの本質は、あまりにも深淵で奥が深いものです。 
 当会の様々な試みが、やがて謙信公が追い求めた「義」の最終境地「不識」という地平に降り立つことが出来るか、ある意味挑戦でもありますが、多くの皆様方と共に大乗の精神で一緒にたどり着きたいと切に思います。
 どうぞ、今後とも当会の活動・運営にご理解ご協力賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。


                                         
                             謙信公「義の心」の会会長 石田明義拝



 1月21日(木)午後7時より、謙信公「義の心」の会「発会式」を開催しました!
 なにぶんにも、初めてのことであり、はたして何人ぐらいの参加者が来られるのか?正直、不安でした。
 当日、私と事務局長は会の船出に際し、謙信公の義の心を体現しようと和装姿で臨みました。

       21 ginokokoro 008                       私たちの不安をよそに開場時間前より、ご来場参加者の皆様方が受付に来られました。
 当日は寒い大寒の日にもかかわらず、駆けつけていただきましたことに本当に感謝申し上げます。

 







 会場は上越市市民プラザ・第1会議室でした。
 会議室では一番広い部屋で、100人は収容できる会議室ですが、あっという間に満席となってしまいました。
21 ginokokoro 079 本当に驚いたと同時に、当会への市民皆様の期待度を実感した次第です。


 開会に際し、冒頭「上越おもてなし武将隊」の華麗なる演舞を披露していただきました。
 勇壮かつ優美な舞いに、来場の皆様から大きな拍手がわきました。謙信公・景勝公・兼続公、豪華フル登場です!

 実はこの1月21日は、上杉謙信公の生誕日でもあります。
 あえてこの日を当会の発会式にあてた由縁でもあります。
 武将隊の謙信公より、お屋形様の生誕日の御礼と発会の景気づけとして、会場の皆様全員で「えい、えい、おー!」と勝どきの声をあげました。

 21 ginokokoro 131                              
  100人を超すご来場の皆様方の勝どきの声は、大きな迫力に包まれました。皆様と心が一つとなった気がいたしました。
 老若男女、世代間を超えての謙信公「義の心」の会の記念すべき発足です。









 つづいて、当会の発足趣旨説明をさせていただきました。21 ginokokoro 149
 現在社会はあらゆる秩序や倫理観が崩れ、400年前と変わらぬ「不義」がまかり通る混迷の時代の様相を呈してきました。
格差が拡大し、貧困や倫理観欠如の問題が多発しています。
 かつて下剋上の戦国時代に、全国で唯一「義」をかかげて貫いた人間が、ここ上越市にいたということ…。
 弱肉強食の苛烈な時代にも拘らず、弱きものの声に耳を傾け、己の利益にかかわらず、助け・援助することを実践した…。
 それが「上杉謙信」という生き方でした。

 全国、いや世界的にみても非常に稀有な哲学・生き方を実践した、郷土の義将・上杉謙信公。いまこそ、謙信公がブレずに貫いた強さの源泉「義の心」に学び、現代の多くの問題解決のために寄与したいと思います。
 当会では謙信公が貫いた「義の心」を、歴史研究家の方々のご講演や坐禅体験・ゆかりの地めぐりなどをすることで、多角的・縦断的に学んでまいりたいと思います。
 
 謙信公が命がけで体現した、真の宝は「宝在心」(宝は心にあり)ということ。
 この過酷な気候・自然の上越市でこそ紡がれた、独自の精神性「義の心」こそ本当の宝であります。
 わたしたちは、この真の宝を、次世代の子どもたちにバトンを渡さなければなりません。
 特定の思想や宗教によらない、困っている人がいれば助ける・嘘をつかない・卑怯なことはしない…。
 相手が誰であろうと、国籍・文化・利害関係など問わず、グローバルに人として正しきことを実践し、伝えていくこと。その行為自体が「義」であるということを、国内のみならず全世界へ発信していかなければなりません。
 この閉塞した時代に一筋の光明をさすことが出来るのは、もはや「義の心」しかありません。
 当会の最終目標は、この「義の心」を世界無形文化遺産に昇華させたいと願っております。
 船出したばかりの当会ですが、どうぞ今後とも趣旨をお汲み取りいただきご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。


 ※「発会式」(2)へつづきます~






皆様方あけましておめでとうございます。
当会も、いよいよ本年1月より正式に発足する運びとなります。
どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。 
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現在の春日山へ足を運んできました。
昨年末から暖冬少雪傾向でしたが、1月に入りまとまった雪がようやく降り、冬の上越らしい風景となりました。
謙信公銅像周辺も、白い雪に覆われて静謐な空間になっています。
「お屋形様」像の頭や肩にも雪が積もり、雪の中でじっと耐える「雪国人」の姿がありました。

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NHK大河ドラマ「真田丸」放映がスタートしました。
主人公・真田幸村(信繁)は、大阪夏の陣で家康を二度までも追いつめた義のサムライ「日本一の兵」といわれています。
 その幸村も一時、人質として上杉家、この春日山に送られていた15 kasugayama 068
ことがありました。
 群雄割拠、下克上の時代に、人を最後まで信じ切る「上杉の義の心」に触れたのは幸村にとって、大きな財産になったことは間違いありません。
 「人は利によって裏切るもの」という真田家のセオリーで育った幸村が、「裏切られても、人を信じる」という真逆の哲学「上杉の義」の熱い教えに、真の生きる方向性を学んだのではないでしょうか。

 春日山より直江津市街を見下ろします。
 晴れ間のせいか、遠く米山までも眼下に見下ろせました。

 
 多くの武士(もののふ)たちが感化された「上杉の義」発祥の地・新潟県上越市。
あらためて、この地より「義の心」を発信してまいりたいと思います。

                                           石田明義拝


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