福島レポート:禁止「野生キノコ」も|食品と暮らしの安全2013.10 No294より

食品と暮らしの安全2013.10 No294より(定期購読をオススメいたします。)

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◆福島レポート ジャーナリスト吾妻博勝氏
◆禁止「野生キノコ」も

イノシシはキノコが大好き。
旺盛に食べるキノコで、イノシシ肉は高濃度に汚染されています。
ところが、人間用にも、福島の野生キノコが出回っているのです。

9月中旬、福島県のある農村部で秋祭りがあり、最終日の夜、祭典執行委員会が開いた宴席に招かれました。その席で「キノコ狩りの名人」と評される50代の男性を紹介され、採取した野生キノコがどこへ行くのか、その裏話を聞くことができました。

これからがシーズン真っ盛りですが、県やこの男性によると、原発事故前、一般に流通してきた県内産の野生キノコは、マツタケ、ホンシメジ、マイタケ、ナメコ、ヒラタケ、ブナハリタケ、ハタケシメジ、シシタケ(コウタケ)、チチタケの9種類で、県外にも相当な量が流れていました。他に45種類が県内の直売所、青果店などで売られてきました。

■多くが出荷停止だが

ところが原発事故後は、モニタリング検査でセシウム濃度が異常に高いキノコが次々と見つかり、多くの種類が出荷停止に追い込まれたのです。

会津地方の直売所で、20数年前から野生のマイタケ、ヒラタケを売ってきた男性は、「9~10月の2カ月間で200~250万円稼いできたのに、これじゃ家族も養えない」とボヤいていました。

しかし一方で、販売禁止のチチタケを栃木県へ流していたケースも多かったのです。

実は、宴席で会った男性も、禁を破った一人です。

チチタケは9月初旬にシーズンがほぼ終わりますが、原発事故が起きた年、中通りの棚倉町、浜通りのいわき市で採取したものから、それぞれ1万3900ベクレル、6200ベクレルのセシウムが検出されています。

セシウム汚染濃度が高いため、国は、県内全域のイノシシ肉に対して、出荷停止を指示していますが、イノシシが内部被曝を起こすのは、野生キノコを旺盛に食べるのが大きな原因とされています。

チチタケはシーズン到来が最も早いことから、イノシシにとって絶好のエサとなります。

そして、栃木県民にとっても待ち遠しいキノコなのです。

なぜ、汚染チチタケが栃木県へ流れるのでしょうか。原発事故後も流し続けてきた先の男性はこう言います。

「栃木県では、ウドンの本格的なダシ作りにはチチタケが欠かせないという。普段は野菜を扱っている卸業者が栃木県からわざわざ引き取りに来てくれる。福島県内で売れば、1kg当たり2000~3000円だが、その業者は1万円も出してくれる。どうやら、それが相場で、それでも『しっかり儲かる』と言っている。後ろめたさがあるのか、積んだキノコが外から見えないようにスモークガラスのワゴン車で引き取りに来る」

男性が売るチチタケは、「一度もセシウム検査をしたことがない」が、業者もそれを承知で買い取っていると言います。

「ダシを取るだけだから大きさ、形は関係ない。形が崩れたものでも同じ値段で引き取るから、どんどん採ってくれ」と業者から言われ、原発事故が起きた一昨年は、チチタケだけで売り上げが約170万円。昨年はぎりぎり200万円に達し、「今年は8月末までに250万円に届いた」と、悪びれずに話します。

■競争相手が減って「助かる」

売値は1kg1万円ですから、採取量は250kgになりますが、それだけの量をどこで採るのか、聞いてみました。

「キノコ狩りは父親に連れられて中学生の時からやっているから、40年以上のキャリアがある。どのキノコがどの山にあるか、頭にちゃんと入っているので、中通り、浜通りの全域を回る。高濃度のセシウムが出た棚倉町のチチタケも売り渡した。キノコのシーズンが来ると、本業の野菜作りはほとんど女房任せにして、朝早くから山ばかり歩いている。そのほうが収入は上がるから女房も喜ぶし、暇ができたときは女房も一緒に山に入る。春の山菜と同じで、競争相手が減っているので助かっている」

セシウムが凝縮されたダシ汁でウドンを食べる栃木県民が気の毒でなりませんが、男性が売っているのはチチタケだけに限りません。チチタケのシーズンが終わりかけたころ、白っぽい笹シメジが採れるので、これを「1kg1500~2000円で売る」と言います。

これも数千ベクレルという高濃度汚染のものが各地で見つかっています。

「笹シメジは、ヤブシメジ、シロケシメジモドキとかいわれ、藪の中や杉林に生えている。杉林は放射線量が高いことはわかっているが、『あくまで換金商品』と割り切って売っている。売り先はチチタケと同じ業者で、これは栃木県だけでなく『関東全域に流している』と聞いている。香りはほとんどないが、シャリシャリした食感が好まれ、茹でて大根おろしで食べるか、ナスと炒めて醤油味で食べるのが一般的だね」

■全国へ、炊き込みご飯の具に

男性は、県内ではマツタケ以上の”キノコの王様”といわれる黒っぽいシシタケも売っています。まもなくシーズンがやってきます。

シシタケは特にイノシシの大好物なので、イノシシの内部被曝をさらに加速させています。シシタケは、香りが良いため、他のキノコと混ぜて炊き込みご飯の具に加工され、「全国に流通する」そうです。

人間に無害のはずはありませんが、キノコ複数種を混ぜ合わせた加工品ゆえ、産地表示で福島の県名が出ることはありません。

野生キノコだけでなく、県内産の栽培栗が、栗の産地で有名な茨城県産として流通しているのですから、消費者を愚弄するのも「いい加減にしろ!」と大声で叫びたくなります。

----------ここまで----------食品と暮らしの安全2013.10 No294より(定期購読をオススメいたします。)



誰が悪いのでしょう。

原因は、放射性物質を垂れ流している東電にありますが、そんな危険な原発に対して無関心過ぎた国民が悪いのだろうなぁと、私は思っています。

事故がなければ、原発の危険性を全く気にしなかった国民が大多数でしょう。

トリチウムも、常に原発から放出されています。原発をやっている側には常識でも、普通の国民は知らなかったことでした。そんなことがたくさん・・・。

無知は罪、最近はそう思います。

nicoginzanico  at 20:30  | コメント(2)  |  この記事をクリップ! 原発・放射能・東日本大震災関連 | 低線量被曝 

日経の記事|被曝後の白血病、原因遺伝子を発見 広島大

これは、どのくらいの線量を浴びた場合、見つかるのだろうか。低線量被曝をも網羅するなら、この先、被害が予測できるようになるはず。出来ても、やるのかどうか不明だけれど。それ以外の病が認定されないという恐れもあるだろうなぁ。

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被曝後の白血病、原因遺伝子を発見 広島大

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http://www.nikkei.com/article/DGXNZO59478150Z00C13A9TJM000/

2013/9/10 1:00

 広島大学原爆放射線医科学研究所の稲葉俊哉教授と本田浩章教授らの研究チームは、原爆などで放射線の被曝(ひばく)を受けた後に発症した白血病の患者から病気の原因となる遺伝子を発見した。放射線被曝を受けた人が将来、白血病や血液疾患になるかどうか診断できるようになる。10日付の米科学誌キャンサー・セル(電子版)に論文を発表した。

 研究チームは広島と長崎の原爆被爆者や放射線治療を受けた患者が、白血病や造血障害を起こす骨髄異形成症候群(MDS)になった場合を調べた。その結果、7番染色体にある「Samd9L」という遺伝子の一部が欠けていると、白血病などに関係が深いことが分かった。病気になる仕組みは詳しく分からないが、血液をうまく作る働きが失われた可能性があるとみられる。

 この遺伝子を人為的に欠損したマウスを作製して25カ月にわたって観察したところ12カ月目以降、急速に生存率が低下した。マウスの死因のほとんどがMDSなどの骨髄球性白血病で、25カ月後には約6割が死亡した。正常なマウスが白血病で死亡する確率は7%程度だった。

 マウスの年齢の数十倍が人間の年齢とされている。放射線被曝でSamd9Lなどに異常が起きた場合、人間では十数年後に白血病などを発症する可能性があるという。

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nicoginzanico  at 01:53  | コメント(1)  |  この記事をクリップ! 原発・放射能・東日本大震災関連 | 低線量被曝 

震災当時18歳未満から新たに甲状腺がん2人確定、計3人に。で、小児甲状腺がんってどのくらいの頻度か調べたら、発生頻度年間人口10万人あたり約0.2名?!

▼共同通信 2013/2/13 13:45
福島、新たに2人が甲状腺がん 放射線による影響否定
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021301001323.html
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 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の県民健康管理調査の検討委員会が13日、福島市内で開かれ、18歳以下(震災当時)の2人が新たに甲状腺がんと確定したと報告された。昨年9月に判明の1人と合わせ、3人となった。

 福島県立医大の鈴木真一教授は「甲状腺がんは最短で4~5年で発見というのがチェルノブイリの知見。今の調査はもともとあった甲状腺がんを把握している」と述べ、福島第1原発事故による放射線の影響を否定。一方で「断定はできない。これからきっちり検討していく」とした。鈴木教授によると、3人とも手術を受け、経過は良好という。


▼FNNニュース 2013/2/13 13:19 福島テレビ
福島県甲状腺検査 3人が甲状腺がん、7人に疑い
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00240449.html
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福島第1原発事故を受けて、福島県が進める甲状腺の検査で、3人が甲状腺がんと診断され、また7人に疑いがあると報告された。
福島市では、医師などが出席して、原発事故の健康への影響について検討する会議が開かれている。
この会議で、福島県内の3人の子どもが、甲状腺がんと診断され、7人が、その疑いが強いと報告された。
福島県は、18歳以下の子どもを対象に、甲状腺の検査を進めている。
13日の会議でも、3人の甲状腺がんについて、原発事故の影響とは考えにくく、もともとあった、がんを発見したという見解が示された。


▼福島県立医科大学
http://www.fmu.ac.jp/univ/shinsai_ver/pdf/koujyousen_screening.pdf
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原発事故後の福島県内における甲状腺スクリーニングについて

福島県立医科大学器官制御外科学講座 乳腺内分泌甲状腺外科 鈴木眞一


■はじめに

東日本大震災に続発して起こった東京電力福島第一原発の事故は、福島県のみならず日本および北半球の大気に広範な放射線汚染をもたらしました。
原発の事故のレベルとしてはチェルノブイリと同等のレベル7とされています。

その際に最も話題となっているのは、チェルノブイリでの事故で唯一健康被害として明らかになった放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児甲状腺がんです。原発事故時に0歳から15歳であった子供たちに5年後から急に甲状腺がんの発症を見たものです。

このような状況から、今回の福島第一原発事故による大気中の放射線汚染が生じた福島県内でも、「甲状腺」が話題となっています。
しかし、チェルノブイリと福島では被ばくの線量も様相も全く異なっています。

そこで、無用な心配と混乱を避ける為に、甲状腺を専門とする講座を主宰するものとして県民の皆様の最も身近にいるものとして、甲状腺に関する見解をお知らせ致します。


■一般の甲状腺がんについて

甲状腺がんは頻度が高く、その予後(がんの成績です。生存、再発、死亡など)は良好です。
甲状腺がんの約90%を占める乳頭がんの10年生存率は95-6%と極めて予後良好で、固形癌のなかで最も予後が良いとされています。
また甲状腺がんの進行は極めて緩徐です。また最近では、超音波検査機器の向上から10mm以下の微小癌が多数発見されるようになってきましたが、極めて予後が良いものが多いために、甲状腺被膜外浸潤、リンパ節転移、遠隔転移、遺伝性甲状腺がんなどが否定される場合には直ちに手術をせず経過観察をおこなうこともあります。
成人の乳頭がんの約半数にBRAFの遺伝子変異が認められます。


■小児甲状腺がんについて

頻度は14歳以下0.3%、19歳以下1%と全甲状腺がんに占める割合は極めて少ない割合です。
本邦、欧米とも年間発生率は人口10万人あたり約0.2名とされています。

予後は成人例とはやや異なります。
すなわち、遠隔転移とくに肺転移例が多く認められます。甲状腺全摘が多く施行され、術後に131I内照射治療も必要になることがあります。

しかし、成人例に比べ再発は多いものの生命予後に関しては成人に比較して良好とされています。従って、命にはかかわらないものの術後長期のフォローが必要となります。

成人とは異なり小児例ではRET/PTC遺伝子の再配列が多く認められ、チェルノブイリでの小児甲状腺がんでもこの遺伝子異常が多く認められ、放射線誘発の甲状腺がんにも認められる異常とされています。
チェルノブイリでも過去25 年間で6000 人以上の放射線関連甲状腺癌(事故当時乳幼児から学童)が手術されましたが、死亡例は約15 名(0.25%)と非常に少ないものでした。
しかも、死亡例の多くは当初稀である小児甲状腺がんが大量に発見され、手術や術後治療に慣れていない施設での両側反回神経麻痺などの術後合併症に起因し、現在では進行がんも問題となっています。

広島長崎の原爆による被ばくでは甲状腺がんは、1Sv の外部被ばく線量で甲状腺がんのリスクが1.5倍に増加しております。
被ばく量が高いほどまた被爆時の年齢が低いほど癌の発生が増えております。100mSv 以上でリスクの増加が認められています。


■チェルノブイリと福島の違い

チェルノブイリでは、放射性ヨウ素により汚染されたミルクを飲んだ子どもたちに甲状腺内部被ばくをもたらしました。
一方、福島の子どもたちは食の安全が確保されていますので状況は全く異なります。
さらにチェルノブイリは内陸に位置し、いわゆるヨード欠乏地域であり、地方病性甲状腺腫の後発地域でした。

本邦では周囲を海に囲まれ、日本国内ではどこでも海産物の摂取は可能となり、世界的にも高ヨード摂取地域とされています。
甲状腺の検査で131I を投与して画像診断や治療を行うことがあります。日本人では投与前1-2週間の厳格にヨード制限を施行しないと、131I を投与しても甲状腺に取り込まないという事実があります。
従って、通常、わかめのみそ汁や昆布ダシ、ひじきさらに魚等ヨード含有量の多い日本食を食している場合、放射性ヨードの甲状腺への取り込みはチェルノブイリに比して少なくなることが容易に予想されます。


■現在の注意事項

現在の空間線量では急性放射線障害は考えられません。
また、殆どの県民には現在の微量慢性的な被ばくによって甲状腺がんが発症することは考えられません。

しかし、県民の皆様の不安を解消するために、県と医大では県民健康管理の一貫として、震災後3年目から震災時県内全域に居住していた小児(震災時0歳から15 歳)に対し、甲状腺超音波検査を施行する予定です。

甲状腺がんは被ばく後すぐには発症しません。
また、お家の方が頚部にしこりを気づいた時点でも治療は可能です。
むしろ小児甲状腺がんを過度に心配し、無用な医療用放射線被ばく(CT・PET)を繰り返すことにより甲状腺がんの発症を誘発する可能性も少なくありません。

甲状腺がんのスクリーニングには超音波検査が有用で第一選択となります。
小児に検診目的としてのCTやPET検査を先行することは勧められません。かえって医療用被ばくを助長してしまうこともあります。

超音波検査で甲状腺内のしこりが発見された人の大半は良性腫瘍が予想されます。
確定診断には穿刺吸引細胞診を行います。採血の注射をするのと同じ程度の侵襲で出来ます。


■まとめ

今回の原発事故による放射線の健康影響の問題として、甲状腺がんが話題にされていますが、上記のような実態を良く理解して冷静に対応してください。
今後3年後の本格的甲状腺超音波検査実施にむけて、私ども甲状腺専門医と小児専門医が連携し、全国の学会にも発信し連携する予定で、オールジャパンで県民の皆様に対応する予定です。
ご不明な点は、甲状腺専門家へのご相談を宜しくお願い申し上げます。


▼福島県庁サイト(前回の報告)
甲状腺検査の実施状況及び検査結果について
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/241118koujyousen.pdf
上記PDFの中から、人数が分かるものを抜粋
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平成24年11月1日までの実施期間(118日間)において、予定対象者89,662名に対し、76,357名(85.2%)の方が検査を受診した。


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単純にまとめてみる。

現在、76,357名以上89,662名以下の18歳未満が甲状腺の検査を受け、結果、3名の甲状腺がん(どの甲状腺がんなのか不明)と、甲状腺がん疑いが7名。

共同通信の報道によると、福島県立医大の鈴木真一教授は「今の調査はもともとあった甲状腺がんを把握している

で、県立医科大のサイト、同じく鈴木眞一教授のお言葉『小児甲状腺がんについて 頻度は14歳以下0.3%、19歳以下1%と全甲状腺がんに占める割合は極めて少ない割合。本邦、欧米とも年間発生率は人口10万人あたり約0.2名とされています。』


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放射線の影響には出来ないわけですね、震災前に甲状腺がんにかかった人を、震災後に調べているわけですから。

そのうち、甲状腺がんと小児甲状腺がんは別です、とか言い出しそうな気がする・・・。


10万人未満で3名の甲状腺がん確定(手術済み)と7名の甲状腺がん疑い。

どうやっても『放射線の影響ではない』ですか。


また、がんの発症リスクが『被ばく量が高いほどまた被爆時の年齢が低いほど癌の発生が増えております。100mSv 以上でリスクの増加が認められています。』とわかっていて、年間20ミリSvのエリアへの帰還を進める政府。

放射線被曝量は『積算』だからガラスバッチつけて、記録を残しているのでしょう?

年間20ミリSvエリア、5年いたら、外部被曝だけで100ミリSv積算しちゃいますよ?




nicoginzanico  at 16:24  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 原発・放射能・東日本大震災関連 | 低線量被曝 

環境省が放射性ストロンチウムの河川、湖沼・水源地、沿岸における堆積物の濃度を調査したというので、過去のデータと見比べた。

環境省サイトより
平成25年2月7日
▼公共用水域における放射性物質モニタリングの追加測定結果について(4月-9月採取分)(お知らせ)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16286
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   環境省では、モニタリング調整会議において決定された総合モニタリング計画に基づき、継続的に水環境(公共用水域(河川、湖沼・水源地、沿岸)等)の放射性物質モニタリングを実施しているところです。
 これまで、放射性ヨウ素、放射性セシウムについて測定し、結果を随時公表してきたところですが、今般、一部地点の底質(平成24年4月~9月、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県等で採取)について、放射性ストロンチウムの追加測定を行いましたので、結果を公表します。
 これまでの、放射性物質モニタリングの結果については、以下のHPで掲載しております。
 http://www.env.go.jp/jishin/rmp.html#monitoring

1. 測定内容
(1) 測定地点
 各県の調査地点のうち底質から放射性セシウムが比較的高濃度に検出された地点等

宮城県 5地点(河川4、湖沼・水源地1)
福島県 43地点(河川14、湖沼・水源地20、沿岸9)
茨城県 5地点(河川2、湖沼・水源地3)
栃木県、群馬県 各2地点(河川1、湖沼・水源地1)
千葉県 4地点(河川2、湖沼・水源地2)
東京都 1地点(沿岸)

合計62地点

(2) 測定項目
底質に含まれる放射性ストロンチウム(Sr-90)

2. 結果概要
 東京電力株式会社福島第一原子力発電所近傍を除き、事故以前に全国で観測されていた放射性ストロンチウム(Sr-90)の測定値(土壌試料)の範囲内であった。

 今回の追加測定で底質から検出されたSr-90の濃度:1.2 ~ 37 Bq/kg(乾泥)
※ 事故以前に全国で観測されていたSr-90の測定値(土壌試料):0.20 ~ 14 Bq/kg(乾)
(出典:平成21年度環境放射能水準調査結果総括資料(平成23年8月財団法人日本分析センター))


▼公共用水域(河川、湖沼・水源地、沿岸)における底質の放射性ストロンチウム測定結果一覧
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=21474&hou_id=16286
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20130208_02

▼採取場所(地図)
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=21464&hou_id=16286
20130208_04
20130208_05


事故以前との比較で示されたデータはこちら
▼平成21年度環境放射能水準調査結果総括資料(平成23年8月財団法人日本分析センター)
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/08/soukatsu_lib/h21_suijun.pdf

底質というのだから、恐らく【堆積物 (河底土、海底土)】と判断。

地図によると、Sr90の採取場所は【河川・湖沼・沿岸】なので、そこに該当する部分だけ抜き出そうと思ったら、測定記録があったのはたった一つ。
■堆積物(海底土)
 15ヶ所 2009年度-検出数ゼロ
 のべ45ヶ所 2006~08年度-検出数1--0.35Bq/kg


■今回の追加測定で底質から検出されたSr-90の濃度
 1.2~37Bq/kg(乾泥)
■事故以前に全国で観測されていたSr-90の測定値(土壌試料)
 0.20~14Bq/kg(乾)
  →内訳 最大値14Bq/kg(乾) 栃木県・未耕地・黒褐色(2009/9/15)

■結論:東電福島第一原発近傍を除き、事故以前に全国で観測されていた放射性ストロンチウム(Sr-90)の測定値(土壌試料)の範囲内


そもそも、示した出典データによると、該当する数値は
海底土0.35Bq/kg(おそらく乾泥)しかない。
それなのに、全部ひっくるめての土壌試料の範囲内・・・。ってあまりにも乱暴すぎる気がする。



▼ちなみに過去から綿々と調べている項目はこちら。
1 大気浮遊じん
2 降下物
3 降水
4 陸水 (上水、淡水)
5 土壌 (表層、下層)
6 堆積物 (河底土、海底土)
7 農林産物 (穀類、野菜類、茶)
8 牛乳 (粉乳を含む)
9 海水
10 水産物 (海産物、淡水産物)


で、H22(2009年度)の調査結果はコレ↓↓
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で、環境試料採取場所等はこちら
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nicoginzanico  at 16:34  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 原発・放射能・東日本大震災関連  

甲状腺被曝、原発事故時周辺。弘前大は乳幼児推定約40~60ミリSv、放医研は1歳児推計最大30ミリSv。WHOは浪江町の1歳児推計100~200ミリSv。

甲状腺被曝、過去に2回書いたけど。

2012/7/13の記事
福島第一原発周辺住民の甲状腺被曝に関する報道を時系列で眺めてみたら・・・。あれれ・・・。

2013/1/15の記事
甲状腺被曝、当初の最高87ミリSvからずいぶん減って今や4.6ミリSvになっちゃったのか・・・。


今回は、1歳児の甲状腺被曝について、なので、福島第一原発周辺住民の甲状腺被曝に関する報道を時系列で眺めてみたら・・・。あれれ・・・。から大事なトコだけ抜き出す。


▼朝日新聞 2012年3月9日

弘前大学床次眞司(とこなみ・しんじ)教授らが、昨年4月11~16日、原発のある福島県浜通り地区から福島市に避難してきた48人と、原発から30キロ圏周辺の浪江町津島地区に残っていた住民17人を対象に、甲状腺内の放射性ヨウ素の濃度を調べた。
この結果、8割近い50人からヨウ素が検出された。この実測値から、事故直後の3月12日にヨウ素を吸い込み、被曝したという条件で甲状腺の内部被曝線量を計算した。
子どもの最高は47ミリシーベルト。詳しい行動は不明だ。
国が昨年3月下旬、いわき市、川俣町、飯舘村の子ども1080人に行った測定では、35ミリシーベルトが最高値と公表されていた。


▼毎日新聞 2012年6月14日

62人の検査データは既に公表され、事故翌日の昨年3月12日にヨウ素を吸引したと仮定して内部被ばくの積算線量を推計したところ、5人が国際原子力機関の定めた甲状腺がんを防ぐヨウ素剤服用基準の50ミリシーベルトを超えていた。ただし現在は3月15日にヨウ素を吸引したとの見方が有力になっており、再解析が進められている。
国の原子力災害対策本部も3月下旬、飯舘村などの0〜15歳の計1080人に実施したが、これはヨウ素を直接測ることができない簡易式の検出器だった。


▼共同通信 2012年7月11日

原発周辺の子どもの甲状腺被ばく線量は、最大で42ミリシーベルト、平均で12ミリシーベルトとする推計結果を、放射線医学総合研究所(放医研)の研究チームがまとめたことが11日分かった。
チームは、政府が事故直後の昨年3月下旬に福島県いわき市と川俣町、飯舘村で、0~15歳の子どもを対象に実施した甲状腺被ばくの検査結果のうち、信頼性の高い1080人分を分析。


▼朝日新聞 2012年7月11日

政府は昨年3月下旬、1080人の1時間あたりの線量を実測した。しかし、「検査は、安定ヨウ素剤を飲むレベル以上に被曝した子どもがいたかを調べるのが目的で精度が低い」などとして、一部の高い子どもを除き、健康影響がわかる生涯の線量の計算をしなかった。


▼東奥日報 2012年7月13日

3月15日午後1時から雨が降り始めた5時に放射性ヨウ素を摂取したと被ばく時の条件を修正。
調査で検出した放射能の最大値(被ばく量の最大値は成人で33ミリシーベルト、17歳以下の未成年は23ミリシーベルト)を用いて乳幼児の被ばく量を推定すれば約40~60ミリシーベルトとなるという。
当時、浪江町に多くの乳幼児が滞在していたことを考えると、50ミリシーベルトを超える子供がいる可能性は否定できないとした。


そして、今回の報道。


▼福島民報  2013/01/28 08:59
http://www.minpo.jp/news/detail/201301286284
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甲状腺被ばく30ミリシーベルト以下 原発事故時周辺の1歳児、放医研推計

 東京電力福島第一原発事故直後に飛散した放射性ヨウ素による1歳児の甲状腺被ばく量(等価線量)は30ミリシーベルト以下がほとんどだったとする推計結果を放射線医学総合研究所(千葉市)の研究チームがまとめ、東京で27日に開かれた国際シンポジウムで発表した。国際原子力機関(IAEA)が甲状腺被ばくを防ぐため安定ヨウ素剤を飲む目安としている50ミリシーベルトを下回った。

 最も高かったのはいわき、双葉、飯舘の3市町村で30ミリシーベルトで、次いで南相馬、広野、大熊、浪江、葛尾の5市町村が20ミリシーベルト。楢葉、富岡、川俣の3町は10ミリシーベルト、県内の他の地域は10ミリシーベルト未満だった。

 放医研の栗原治・内部被ばく評価室長らのチームは、事故直後に県内で実施した子ども約1000人の甲状腺検査の実測値や9市町村分のホールボディーカウンターによる全身の内部被ばく線量、放射性物質の拡散予測を組み合わせ、各地の1歳児の甲状腺被ばく線量を算出。全体の傾向を把握するための研究で、1歳児の人口の90%の被ばく線量を推計した。

 栗原室長は「住民には安心できる材料だが、各個人の当時の行動までは反映していない。今後さらに精度を上げる必要がある」としている。


▼朝日新聞アピタル 2013年1月27日
http://apital.asahi.com/article/news/2013012700002.html
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「甲状腺被曝は30ミリ以下」 原発事故巡り放医研推計

【大岩ゆり】 東京電力福島第一原発の事故による甲状腺被曝(ひばく)は、大半の福島県民が30ミリシーベルト以下という推計結果が27日、都内で開かれたシンポジウムで発表された。まだ中間報告の段階で、推計の前提には不確実な要素も多く、さらに検証が必要だという。

 原発事故で飛散する放射性ヨウ素は、甲状腺に集まる性質があり甲状腺がんが心配される。ただ、ヨウ素の半減期は8日と短く、甲状腺被曝の実測データはほとんどない。環境省は昨年、放射線医学総合研究所(放医研)に委託して、被曝の実態を検証するプロジェクトを始めた。

 放医研の栗原治・内部被ばく評価室長らは、甲状腺検査を受けた子ども1080人とセシウムの内部被曝検査を受けた成人約300人のデータから、体内の放射性ヨウ素の濃度はセシウム137の3倍と仮定。飯舘村、川俣町、双葉町、浪江町などの住民約3千人のセシウムの内部被曝線量から、甲状腺被曝線量を推計した。最も高い飯舘村の1歳児でも9割は30ミリシーベルト以下、双葉町では27以下、それ以外の地区は18~2以下だった。国際基準では、甲状腺がんを防ぐため、50ミリシーベルトを超える被曝が想定される場合に安定ヨウ素剤をのむよう定めている。

 討論会では「ヨウ素の比率はもっと高い可能性もある」などの意見が出た。環境省はより正確な実態に迫るため、来年度も事業を継続する予定。


▼日本経済新聞〔共同通信配信〕 2013/1/27 21:41
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2701D_X20C13A1CR8000/
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甲状腺被曝30ミリシーベルト以下 福島第1周辺の1歳児

 東京電力福島第1原発事故で、周辺の1歳児の甲状腺被曝(ひばく)線量(等価線量)は30ミリシーベルト以下がほとんどだったとの推計結果を放射線医学総合研究所(千葉市)の研究チームがまとめ、都内で27日に開かれた国際会議で発表した。国際原子力機関(IAEA)が、甲状腺被曝を防ぐため安定ヨウ素剤を飲む目安とする50ミリシーベルトを下回った。

 甲状腺には放射性ヨウ素がたまりやすく、子どもは影響を受けやすい。1986年のチェルノブイリ原発事故後、周辺では子どもの甲状腺がんが急増した。

 放医研の栗原治・内部被ばく評価室長らのチームは、事故直後に福島県内で実施した子ども約千人の甲状腺検査の実測値や、9市町村分のホールボディーカウンターによる全身の内部被曝線量、放射性物質の拡散予測を組み合わせ、各地の1歳児の甲状腺被曝線量を算出。全体の傾向を把握するための研究で、1歳児の90%の被曝線量を推計した。

 最も高かったのは双葉町、飯舘村、いわき市で最大30ミリシーベルト。南相馬市、浪江、大熊、広野町、葛尾村は同20ミリシーベルト、川俣、富岡、楢葉町は同10ミリシーベルト、川内村やその他の地域は、同10ミリシーベルト未満となった。

 1歳児と同時に、大人の甲状腺被曝線量も推計したが、飯舘村の20ミリシーベルトが最大だった。

 栗原氏は「住民には安心できる材料だが、各個人の当時の行動までは反映していない。今後さらに精度を上げる必要がある」としている。

 世界保健機関(WHO)は昨年、浪江町の1歳児の甲状腺被曝線量は100~200ミリシーベルトとの推計結果をまとめたが、福島県産の食品を食べ続けたと仮定するなど実態とかけ離れた設定で推計しており、WHOも「実態より高い値になっている」と説明していた。〔共同〕


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さて・・・。

■弘前大学床次眞司教授ら

昨年4月11~16日の【実測値】から3月12日にヨウ素を吸い込み、被曝したという条件で甲状腺の内部被曝線量を計算。
結果、子どもの最高は47ミリSv。詳しい行動は不明。
その後、3月15日午後1時から雨が降り始めた5時に放射性ヨウ素を摂取したと被曝時の条件を修正。
調査で検出した放射能の最大値(被曝量の最大値は成人で33ミリSv、17歳以下の未成年は23ミリSv)を用いて乳幼児の被曝量を推定すれば約40~60ミリSvとなるという。
当時、浪江町に多くの乳幼児が滞在していたことを考えると、50ミリSvを超える子供がいる可能性は否定できないとした。
弘前大は来月以降、被曝による染色体の異常の検査を希望者に実施するという。

弘前大学の今のところの結論・・・乳幼児の甲状腺被曝量を推定すれば約40~60ミリSv、50ミリSvを超える子供がいる可能性は否定できない。


■放射線医学総合研究所(放医研)の研究チーム

国の原子力災害対策本部が昨年(2011年)3月下旬、いわき市、川俣町、飯舘村の子ども1080人に行った測定では、35ミリシーベルトが最高値と公表されていた。
ただし、これはヨウ素を直接測ることができない簡易式の検出器だった。
政府が事故直後の昨年3月下旬に福島県いわき市と川俣町、飯舘村で、0~15歳の子どもを対象に実施した甲状腺被曝の検査結果のうち、信頼性の高い1080人分を分析。
政府は昨年3月下旬、1080人の1時間あたりの線量を実測した。しかし、「検査は、安定ヨウ素剤を飲むレベル以上に被曝した子どもがいたかを調べるのが目的で精度が低い」【と精度が低いことを認めて】いる。

放医研の今のところの結論・・・1歳児の甲状腺被曝量は推計最大30ミリSv。


■世界保健機関(WHO)の見解
浪江町の1歳児の甲状腺被曝線量は福島県産の食品を食べ続けたと仮定して、推計100~200ミリSv。WHOも「実態より高い値になっている」としている。


■国が【精度が低い】とした数値を元に算出した、今回の放医研による1歳児の甲状腺被曝量。


■ちなみに、ヨウ素を服用する目安の1時間当たりの被曝量
・・・国際原子力機関(IAEA)は50ミリシーベルト
・・・世界保健機関(WHO)では小児に関しては10ミリシーベルト

http://www.who.int/ionizing_radiation/pub_meet/Iodine_Prophylaxis_guide.pdf
20130128_05

Neonates, infants, children, adolescents to 18 years and pregnant and lactating women
新生児、乳児、子供、18歳までの青年、妊娠と授乳中の女性
Inhalation (and ingestion)
吸入(経口摂取)
10 mGy avertable dose to the thyroid
甲状腺の回避線量が10mGy


ヨウ素の甲状腺への実効線量はグレイ=シーベルトと考えて差し支えなし。



被曝量が本当に低かったのならいいのですけど、健康被害を訴える声を圧殺するようなことだけはやめてほしいと思う、きょうこのごろ。




nicoginzanico  at 15:40  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 原発・放射能・東日本大震災関連 | 低線量被曝 

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