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「お母ちゃん、今日の晩ごはん何?」
急いで玄関を出ながら振り返る小学生のわたし。
親になって息子が小学生だったころは、急ぐランドセルの背中に、逆にわたしが訊いてたっけ、
「晩ごはん、何がいい〜?」

日が暮れるまで時間を忘れて田んぼや川原で遊んで、農協のチャイムが暗くなる日暮れを知らせるころ、
急に怖くなって、家が近づく灯りのなんて温かだったこと。

お母ちゃんの作るご飯は何でも美味しかったなぁ〜。
家族の囲む食卓は温かでまさしく団らんだった。そんな姿が当たり前だと思って育ったことが、昭和のいい時代だったんだと気づくのは寂しい日本になったからかなぁ。

カレーライス、ハンバーグ、唐揚げ、ポテトオムレツ。
茶碗蒸し、五目寿司、わけぎのぬた、お浸し。毎日具材の変わる味噌汁もそれが当たり前だと思っていた。
なんであんなに美味しかったのか…思い出して考えるに、
台所に立つ割烹着を着たお母ちゃんの後ろ姿。湯気の向こうから聞こえる、
「お帰り〜」の声。

晩ごはん何にしようかな…から始まるお母ちゃんの手間、買い物、準備にかかるすべての労力がご馳走だった。
そぅ、お母ちゃんの愛情。その味だなとしみじみ思う。

だって、お米だって保温するジャーも無かった。お風呂も焚き物くべて、沸いたら順番に入った。何もかも家事は時間と労力がかかったに違いない。
今は、楽している時代だなぁ。勤勉さはどこへ行ったのか…はぁ〜。ははは。

今はコンビニに行けば100円でおにぎりが買える。けれど、どうなんだろ。
「食」って命を維持するだけの役目じゃあない。

だから手料理が大好きだ。多少、味つけが下手かろうがそんなの構わない。万人に受け入れられるのは確かに業務用なんだろうけど、各家庭に味があっていい。うちの玉子焼きは甘い、塩、出汁、醤油…違っていい。

ご馳走は、手料理。お母ちゃんの味。女房の味、大将の味。あなたを想うてスーパーで野菜を選び台所に立つ、それがご馳走やな。

ずっとそんな店でいよう。