保守系歴史学者を自称する人物が、”間違いだらけの戦後史”だか”間違いだらけの昭和史”とか言う本を出したそうである。


私はこの本のタイトルを見て非常な違和感を感じた。何故なら、この人物が言わんとしていることは「昭和史または戦後史は存在した」と認めているからである。


「存在はしたが間違っていた」と述べているのである。


私は昭和史、戦後史など、もとより存在しなかったと考えている。


存在したのは学問としての歴史ではなく、歴史研究家がそれぞれ何の根拠もなく好き勝手にでっち上げた歴史観の羅列である。


学問としての体を成していないのである。個々の自称”歴史研究家”が情緒的主観を羅列したものが昭和史として君臨してきたのである。


学問とは厳密なる資料、文献、自然法則、観測結果、実験結果にもとずいて類推、分析され、結論づけられる物である。ところが、我が国の昭和史は自称歴史学者が、日本共産党史観を正当化するために、勝手にでっち上げた、歴史観であり、何ら科学事象的根拠を持たない。


こんな物は学問ではないと我々科学者は考える。


科学の世界では実験結果による証明を得るまでは、物理理論は仮説として扱われる。

例を挙げれば、今年度ノーベル物理学賞を取ったヒックス粒子などはその典型である。ヒックス博士がヒックス粒子の存在を予言してから、その存在が実験的に確認されるまで数十年を必要とした。実験的に確認されなくてはノーベル賞は貰えないのである。ましてや、戦後我が国の歴史学者が行ってきた共産党史観を正当化するための歴史捏造を学問と呼ぶことは無理である。


いわゆる既存の”昭和史”とは左翼系学者と保守系歴史学者同士の言い争いであって、学問ではない。いずれも客観的史実の解析を度外視した、主観の羅列に過ぎないからである。子供同士の罵り合いと同類である。


何故歴史学ではこのような主観と偏見、好き嫌いが学問の世界でまかり通るのであろうか。我々科学者の世界では考えられないことである。そこで今日は、”情緒主観歴史学”の発生を抑える手法を提案しようと思う。


私は計量歴史学という新たな学問領域を提唱する。

この学問において、歴史事象は定量化され数式によって統計的に表示される。それ故、科学と同じように研究者の主観や情緒、イデオロギーに左右されることはない。

一例を挙げる。


我々科学者がよく使用する変数に相関係数という物がある。これはAと言う事象とBと言う事象がどの程度の関連性を持って発生するかという、その相関性を表す係数である。Aの数値が増大すれば、Bの数値も増大する、または減少する時、両者のあいだに相関性が見られるという。

相関の有無は,2つのデータ群を散布図とすることにより見当をつけることができる,客観的に判定するには2つのデータ群の相関係数をもとめて判断する.相関係数は-1から+1の間の数値をとり,-1,+1の時は完全相関(順に逆相関,正相関)といい,2つのデータ群に強い関連性が存在することと示し,一方,0 の時は無相関といい,2つのデータ群に関連性がないと判断する。 相関係数の詳細については以下のページを参照されたい。

http://www.sist.ac.jp/~kanakubo/research/statistic/soukankeisuu.html


さてこの相関係数を大東亜戦争という歴史事象に当てはめてみよう。上記で言うAというデータ群を散布図の縦軸として、日本軍の支援の下、新たに独立を勝ち得た国家の数とし、Bについては、開戦から各国を独立させるまでに要した日本軍の各国駐留時間、月数を横軸とする。


日本軍の進出後、最初の独立国家は昭和18年8月1日に独立したビルマ国である。以後昭和18年10月14日にフイリピンが独立、18年10月21日に自由インド仮政府が独立、昭和20年3月9日にベトナムが独立、3月12日にカンボジア王国が独立、4月8日ラオス王国が独立、インドネシアが8月17日に独立宣言している。ここでは独立宣言も独立したものと見なす。


本ブログではグラフを書き込むことは出来ないので、写真でグラフを表示する。横軸に独立までの日本軍による占領期間、縦軸に独立数をとり、散布図を作成すると、明確なる日本軍駐留期間と独立国家数の間の相関関係が浮き上がってくる。

DSCF3388


昭和18年から昭和20年にかけて独立国家数は直線、すなわち比例関係で伸びており、日本軍はアジア占領後、気負うことなく堅実に独立実現に邁進していたことが見て取れる。


相関係数を計算してみるとその値は0.931162となり、科学の世界では極めて高い相関を示している。散布図から回帰式を求めると


Y=0.1897X-2.2862


となる。


このグラフで見る限り、日本軍の駐留期間と独立国家数には強い直線相関が見られることは明らかである。


このデータ解析により、アジア独立とは日本軍進攻なしでは実現しなかったと言う事実が科学的に明らかとなる。


今回は一例として、日本軍駐留期間と新たな独立国家数の相関を検討したが、このように歴史事象をデータ化することにより、かってな言い合いに終始してきた、歴史学、特に昭和史を定量化し、科学論理を持ち込むことが出来るのではないだろうか。


それは不毛なる主観情緒歴史観の言い合いから、客観的科学論的歴史学への移行を可能とする。


私はこの手法を計量歴史学と名付け、今回発表した図表を ”日本軍のアジア解放に関わる安濃ダイアグラム”と命名する。


平成25年10月28日


安濃 豊 元米国陸軍寒地理工学研究所研究員 農学博士