シベリア鉄道北海道延伸についてメディアに登場する論客なる人士の論調はまことに素人の域を出ず、結局このプロジェクトの言い出しっぺである私安濃豊がフォローするしかないようである。世の中には最初に道を切り開いたものにしか分からないものがある。 このプロジェクトもそのたぐいである。

 ”ロシア食い逃げ論”の馬鹿さ加減
 東京アホメディアの言い分にロシアは日本からの経済協力を食い逃げして北方四島を返さないのではないかと指摘する向きがある。これは馬鹿げた論法である。
 日本に全く利益がないのなら食い逃げ論は成り立つが、日本にも利益があるなら、たとえ島が帰ってこなくても、食い逃げにはならない。
  シベリア鉄道北海道延伸により極東最大の経済文化圏である日本とユーラシア西端のEUが鉄路で繋がる。これにより、現在スエズ、喜望峰回りで1-2ヶ月を要する日本EU間の輸送時間が7-10日に短縮される。 シベリア鉄道は一列車当り1万トンの貨物を輸送するから、数本で大型貨物船一艘分の輸送が可能である。シベリア鉄道最大列車本数は一日何本に上るのであろうか。それにより我が国が受け取る利便性と輸送コストの削減額は如何ほどになるのであろうか。シベリア鉄道は我が国と繋がっていない現在でも既に黒字経営となっている。現状の輸送量にEU-日本間の貨物が加わった場合ロシアが受け取る鉄道収益は如何ほどになるのであろうか。このように日露EU相互に利益を生み出すシベリア鉄道北海道延伸が我が国の利益には繋がらず、ロシアの食い逃げで終わると決めつける東京アホメディアは次の文書を見るが良い。

 この文書は私と株式会社ジューロの宮本敬社長が1993年9月21日付けで宮本敬社長名で三井造船相談役山下勇氏に当てた「シベリア鉄道北海道延伸プロジェクト推進に関する要望書」である。表は宮本氏が書き、添付資料は私が書いた。経団連の重鎮でもあった山下勇先生はこの要望を快く承諾してくださった。日露双方に利益をもたらすと判断されたからである。残念ながらその一年後すでに高齢だった山下勇先生はご逝去されこのプロジェクトが日の目を見ることはなかったのであるが。
 株式会社ジューロは70-80年代に架けて「シベリアランドブリッジ構想」を実現した企業である。日本からナホトカまで船で貨物を運びシベリア鉄道に載せ替えて欧州まで輸送するルートを開拓した。当時我が国と欧州間の貨物の70%がこのシベリア鉄道経由で運ばれていた。

 もしも東京アホメディアが言うとおり北方領土を返さずにシベリア鉄道を利用することを「食い逃げ」というなら、すでに40年前に「食い逃げ」されていたことになる。90年代に入ってソ連邦崩壊による列車泥棒頻発によりこのルートは途絶えて船便に戻ってしまったが、シベリアランドブリッジは大きな利益を欧州ロシア日本にもたらしていたのである。
 「食い逃げ」を批判する輩が40年前の食い逃げを非難しないのは何故だ。過去のありようには目を瞑っていると言うことは、今回の反対は領土交渉を潰すための方便と思われても仕方ないであろう。
 北海道延伸にかかる費用は銀行融資によって賄われ、通行料収入から返済される。それ故誰の懐も痛まない。利便性が高まる分シベリア鉄道使用頻度は80年代の70%を大きく越えるであろう。私の計算ではガスパイプライン、送電ケーブルを宗谷海峡大橋に併設すれば工事費は早くて10年で回収される。

 「ロシアによる食い逃げ」を批判するなら、40年前の食い逃げも批判せよ。批判できないなら口をつぐんで黙って見ていろ。

 参考:三井造船相談役 山下勇氏への要望書


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