随分前の話である。知り合いの女の子が、九州かどこかに旅行した時、旅行先がポットン便所だったらしい。彼女は生まれてからポットン便所など見たこともない。非常に抵抗があって使えない。しかし、運よく水洗トイレの喫茶店を見つけて、その喫茶店に通っていたらしい。
ここで、彼女と書いたが、別に私の彼女ではない。

022-01
さて、ポットン便所とは何かといえば、薄々気が付いている人も、案外いるかも知れないが、汲み取り式の便所である。トイレと言うより便所と言った方がいいような気がする。
上の図を見てみよう。便器の下は、便槽という大きな空間があり、ここに便が溜まる。前に出っ張った部分を金隠しというが、男性より女性の方がよく使用するため、○○隠しと言った方がいいかも知れない。

便所は大きな発明である。そこら辺で便をしていたのが一か所で清潔にできるようになったのだ。もちろん、便を踏むこともない。しかし、ポットン式トイレにも欠点がある。

・うんこ臭い。時には臭いが目にしみる。
・ハエが発生する。便所から発生したかと思うと、顔にとまられただけで、激しいショックである。
・便槽に何か落としても、大抵は回収できない。
・便槽内から覗く。「秋田公衆便所便槽内覗き目的侵入事件」未解決らしい。
・便槽内の死体。「東京公衆便所便槽内遺体事件」「新潟公園公衆便所便槽内怪死事件」「福島女性教員宅便槽内怪死事件」などがある。

ところで、江戸時代のお城の便所は、排泄の度に忍者が便を始末していた、という話を聞いたことがあるが、本当なんだろうか?