スキーブーツ

2012年04月28日

ブーツの特性 完結編

・・・続き

前傾が必要なわけは僕にはすべてがわかっているわけではないのですが、少しだけ理解できたことがあります。

高いポジションと言われて一般的に頭に思い描くのはターン中の軸が長く保たれて内側の手が雪面にするくらい傾いているシーンではないでしょうか?
このとき高いポジションとは外足のスキーから頭のてっぺんまでのことをいうはずです。内倒ではなく、内傾軸。非常に高いポジションで外力と内力との均衡が保たれ非常に美しいシルエットです。

では考えてみてください。

その時のもう片方の足はどうなっていますか?
そう、内足です。

膝が折りたたまれて屈伸の一番深いところのような格好になっていると思います。
これは傾きに応じて変化しますが、多かれ少なかれ膝は曲がった状態には変わりありません。

言いたいことがわかりますか?

この状態は前傾がきついブーツで取りやすい姿勢になります。
言い換えればそこに入りやすいということです。

外足での姿勢に焦点を合わせるか、内足での姿勢に焦点を合わせるかでブーツの見方も変わってきます。
どちらが正しいということではありません。

このブログを読んでいる方ならお分かりだと思いますが・・・。

2012年04月27日

ブーツの特性

ブーツにもそれぞれ特徴があるのは皆さんご承知のとおりだと思います。当然それがスキーをする際に影響してくるのですが、最もわかりやすいのがポジショニングの違いです。

どのブーツを履いても足の裏の接地感を適正に保った場合、ポジションは低くなったり高くなったりします。ブーツの前傾角が各々違うからです。

単純にポジションだけを考えると前傾角のきついモデルは低いポジションいなり、逆に起きているブーツだと高いポジションになります。

低いポジションだとトップへの圧が強まり、最小の動きでターン前半のエッジグリップが上がります。高いポジションだとトップへの圧は弱まり、軸を長くとってスキーをたわませてグリップさせていくことになります。

これだけで話が終わっていたのは少し前のお話。今もその特性は間違いではありませんが、スキー運動を考えたときに違う特性が見えてきます。

軸を長く保つという滑りが効率がいいとするならば、どのメーカーのブーツも前傾角が起きてくるものだと思いませんか?でも、WCでは前傾のおきたブーツにわざわざごついリアスポイラーを入れている選手を何人も見たことがあります。いくら効率的とはいえスピードの次元が上がると前傾が必要ということでしょうが、その意味についてまだ僕はすべてを理解できていません。そもそも開発の段階での前傾角を無視することになりますし、軸を長く保つのにリアスポイラーはやはり必要ないのではないかという立場に立ってしまいます。

つづく・・・

2012年03月10日

2012/2013 ブーツ概要

2012/2013モデルのブーツが少しずつメディアに出てくるようになってきました。
来年のために情報収集に余念のないかたはもう動き出しています。

そこで来季のブーツの概要を少しだけお話します。

まず、フルモデルチェンジしたのはサロモン、アトミック。親会社が同じなので色違いで同じものを出すのではないかと思っていましたが、全く違うコンセプトで攻めてきました。

アトミックは背面の剛性をサロモンはソールの剛性を高めてきました。前傾角度も違い、ポジショニングに影響が出てくるものと思います。

実際アトミックブーツは使っているので個人的な感想はありますが、ここでは誤解を招く恐れがあるため伏せさせていただきます。

ヘッド、ラングは継続、テクニカはカラーリングの変更と設定には特に変わっていません。

ノルディカはマイナーチェンジでアルミの削り出しのフットベットがカーボンが使用されることになりました。カーボンは硬いですがしなりやすいのでアルミよりはソールの合成はマイルドになったと思われます。剛性を上げてエッジがずれるのを防ぐと言っていたことを思えばトーンダウンさせてきたのは2年間の結果なのでしょうね。あと、WCモデルだけですがこれまで固定式だったサイドのヒンジがカントが調節できるようになりました。

ブーツの形状もスキー形状やそれに伴う技術の変革が落ち着いたので一段落ついたと思っていましたが、メーカーは日々研究しているのですね。(当たり前ですが・・・)

2012年02月17日

データ処理中・・・

ラングZB1
先日の展示会で一人だけだったんだと思うのですが、定規とペンとノートを持って写真を撮りまくってきました。

ツイッターなどで少しだけ写真も載せましたが、データをきちんと処理して来期の皆さんへのカウンセリングに役立てたいと思います。

デスクワークもそこそこに明日は奥神鍋でベーシックレッスンです。

まだ空きはありますので当日参加もお待ちしています。

2011年11月23日

ブーツ・チューンが全てではない

ブーツ・チューンの成否を判断する基準として、みなさんはどんな基準を思い浮かべますか?

例えば、競技スキーヤーならタイムが最優先されるかもしれません。
しかし、どんな素晴らしいプレイヤーでも全てのレースで勝つことが出来ないように、全てのシチュエーションに対応するブーツのセッティングはありません。
つまり、全てのコース、あるいは全てのシチュエーションに通用するブーツはないということです。

ご来店されるお客様に、ときどきお話するのですが、フォーミュラーカーって例え話をするのにとても便利です。

レギュレーションと呼ばれる規制に従って、1台のマシンを作り上げるのですが、細かなセッティングに関しては、ある程度の許容が認められています。

例えば、リアウィング。コースやドライバーの好みに応じて、リアウィングの角度を調整することによって、そのマシンのトップスピードを変えることが出来ます。

少しの調整で、コーナリング重視のセッティング、トップスピードを高めるセッティングなどに対応でできるそうです。
同じマシンに乗る同じチームのドライバーであっても、セッティングが違っていて当然らしいのですが、これはドライバーごとにコース攻略法が異なっていて、そのドライビングスタイルでセッティングが違ってくるわけですね。
それぞれのドライバーの個性が現れている部分ともいえます。

話は逸れましたが、一般スキーヤーのスキーブーツの場合、フォーミュラーカーのようにレースごと、コースごとにセッティングを変更するということは、まずありません。
それとは対照的に、ワールドカップで戦うオールラウンダーは、種目に合わせていくつかのブーツを用意しているようですし、レース会場で調整している選手を見かけたという話もよく聞きます。

しかし、これはサービスマンと呼ばれる選手を個別にサポートするスタッフがいて初めて成り立つ一部の選手にのみ与えられた特権といえます。

一般の方々はこうした環境下にないため、許容範囲の狭いブーツのセッティングにすべきでないと考える方が多いのではないでしょうか。僕達も同意見です。

2011年10月18日

ブーツに絶対はない

僕達がこの仕事にたずさわっていて、日頃から少し番気になっていることがあります。

スキーブーツに優劣を付けたがる方が多いということです。

以前から繰り返しお話していると思いますが、スキーブーツというのは、それを使用するスキーヤーの骨格や足型、運動のクセ、使用環境、トレーニング環境など様々な要素に左右されて、評価が変わります。

ブーツの性能が高ければ、それを使用するスキーヤーの高いパフォーマンスが期待できるというわけではありません。
A社とB社のブーツを比較して、どちらが優れているかを決めることに大した意味はないのです。

メーカーの立場で考えると、自社製品の良さをアピールするのは当然ですし、取扱ブランドを絞り込んでいるアンテナショップのようなお店も同様のアピールをするでしょう。

しかし、スキーヤーがそれに同調する必要はありません。自分が使用する道具に愛着を感じ、そのブランドを使い続けることは理解できますが、絶えず最高の結果を追い求めるのであれば、違う可能性のあることも無視すべきではありません。

そんなとき僕は、スキーブーツの最新モデル試乗会で、あるブーツを試乗して、「自分には合っていない」と評価した、あるプロスキーヤーの言葉を思い出します。

当然これは、単にその方の足型がブーツの形状とマッチしていないというのではありません。

ブーツの構造やセッティングの変化を十分に理解したうえで、自分の滑りには合っていない、もしくは向いていないということを表現しているのです。

そう、スキーブーツに絶対的な性能や特性などないのです。あるのは相対的な意味だけです。

A社のブーツとB社のブーツを比較すれば、「〜のようにいえる」ということだけなのです。一見、当然のようで、意外と見落としがちなポイントではないですか?


みなさんも、ご自身にとって最良の一足を手に入れるために、少し柔軟に考えてみてはいかがでしょうか?

2011年10月17日

技術に絶対はないー2 続き

その後、たくさんのスキーヤーの調整を重ねていくうちに、ブーツの調整と同時に基本的なブーツの使用法をご指導することで、高い効果が得られることがわかりました。

例えば、最近よく、「過度な足首での操作は控えるべき」というニュアンスの話を聞かれると思います。ブーツ・チューンで対応する場合、どのように調整するのが良いのでしょうか?

スキーブーツで足首が使いづらいようにセッティングすると、スキーヤーは足首の過度な操作をしなくなるかというと、実はそうでもないのです。

結論からいうと、このような調整法は、たしかにある程度の効果は期待できますが、根本的な解決とならない場合が多いのです。

そんな時、スキーヤーに単にブーツを手渡すだけでなく、ブーツのセッティングや身体の使い方について簡単なアドバイスすると、驚くほどブーツ・チューンの効果が高まることがわかったのです。

実は、全く基礎知識がないまま、調整されたブーツを使用するのと、どのようなセッティングのブーツをどのように使用するのかという知識を事前に持っているのとでは、スキーヤーのパフォーマンスが全く異なるのです。

こうした経験を経て、現在わ僕たちは、ブーツ・チューンの際は必ず、スキーヤーの身体の状態のご説明はもちろんのこと、ブーツのご説明や運動に関する簡単なご指導をして、ブーツをお渡しするようにしています。

結果的にブーツもよりシンプルな調整で済みますし、お渡し後の調整や対応に余裕がでました。

2011年10月14日

技術に絶対はない−2

「身体のアライメントを整えれば、スキーが上達する」、こうした考えを改めなければ、ブーツ・チューンに先はないと感じたので、その後、注意深く調整したブーツと滑りとの関係を見ることに努めました。

すると、何人も同様の症状を示すか方が見られたのです。
すなわち、ブーツの調整でいくらバランスが良くなっても、滑りに反映されない場合があるということです。

その時ブーツ・チューンといっても、ブーツ調整のみ対応すべきでない部分があることを確信しました。

そういえば、「膝が内側に入らないようにして欲しい」というある基礎スキー選手のご要望をいただいたとき、ブーツ調整のみで対応しようとしたことがありました。

調整の結果、膝は内側に入らなくなったものの、板のたわみが得られなくなり、板の走りが表現できず、全体的な滑りの印象が悪くなってしまいました。

過度なインソールの調整やカント調整のために、ブーツもごてごてとした仕上がりになり、これが果たして「解答」として適当であったのか疑問に感じました。

続く・・・

2011年10月06日

技術に絶対はない−1

この場合の「技術」とは、スキー技術もしくはスキー運動のことを指しているのですが、僕はこれにも絶対はないと考えています。

これには、評価の対象となるスキー技術は随時変化するという意味合いと、道具と技術の因果関係にも曖昧な部分が存在するという意味を含んでいます。ここでは後者についてお話したいと思います。


よく「承咾世ら〜できない」とか「偏平足だから〜してしまう」というお話を耳にします。

確かに骨格的な問題によって、そのような傾向が現れることは否定できませんが、それのみが原因で何かの結果が生まれるわけではありません。

仮に、標準骨格図のように理想的な骨格を持つスキーヤーがいたとします。

そのスキーヤーの技術は高いといえるでしょうか?
そんなことはありませんよね。

身体のつくりだけでそのパフォーマンスを語ることはできないのです。
それは皆さんが経験的に知っていることだと思います。

先に示した例は、見方を換えれば、X脚や偏平足を直せば、スキー技術が修正できることを暗に意味していると解釈でき、僕は誤解を生みやすい、不適当な表現だと考えます。

スキーブーツの調整によって、身体のアライメントを整えようという考え方がありますが、それのみでパフォーマンスが上がるわけではないということを改めて強調しておかねばなりません。

2011年10月03日

身体に絶対はない

ブーツ・チューンの際に、スキーヤーの身体や足の骨格的配列(アライメント)を整えるという発想が一般化していることをみなさんはご存知でしょうか。

偏平足などの足部の歪み、O脚X脚などの脚部の歪み、骨盤の捻じれ、背骨の歪みなどをブーツの調整で、ある程度改善しようという発想ですね。(本当は少しニュアンスが違いますが、話が長くなりますので、いずれお話したいと思います。)

程度の差こそあれ、どのショップでもブーツ・チューンの際に考えているポイントです。

僕が三木さんから教わったドイツの整形外科靴技術は、医学的知識に基づいた靴の加工技術ですが、その知識を応用すれば、ブーツ・チューンでスキーヤーの身体や足のアライメントを整えるという課題に対して、ある程度の方向性を示すことができます。

例えば、偏平足を改善するためのインソールや、O脚X脚が原因で現れる諸症状を和らげる調整方法、骨盤の歪みを調整する技術など様々な知識があり、たいへん有用です。


ただ、一見同様の症状や歪みに見える方でも、一人として同じ調整はないというのが人間の身体の面白いところで、整形外科靴作成に当たって、調整手段や調整量というのは患者毎に異なり、経過を見ながら随時調整を加えていくというのです。

きちんと技術や知識の確立されているドイツの整形外科靴技術でさえ、人間の身体を完全に把握することはできないということであって、まだまだ歴史の浅いブーツ・チューンであれば、尚更そうですね。

少しでもブーツ・チューンの精度があがるように、絶えず注意を払う必要がありますね。

2011年09月29日

ワールドカップ選手のブーツ・チューン

ワールドカップ選手はスキーブーツに何を求めているのでしょうか?

あるスキー用品の輸入代理店の担当者の方が、ヨーロッパでの経験を話してくれました。


有名なブーツ・チューナーが、ブーツを加工・調整する際は、必ず選手の滑りをチェックするというのです。

具体的には、左右のターン弧の違いやシュプールの深さの違いを見て調整を行うということでした。
バランスや加重量、過度付け量の違いをブーツである程度、調整するということのようです。


日本ではブーツ・チューンというと、シェルのアタリ出しや削り、インソール・フォーミングインナーの作製などを思い浮かべることが多いようですが、先ほどご紹介した例から考えて、ワールドカップ選手が受けているサービスは、日本で一般的に普及しているブーツ・チューンとは少し次元が違うようです。

もちろん、このことは使用する選手の技術レベルや体力レベルに応じて、提供されるブーツ・チューンの方法やアプローチが変わるということを意味しているのであって、日本のブーツ・チューナーの技術レベルや知識が乏しいということではありません。

とはいえ、僕は個人的に、ワールドカップ選手が受けているのと同様のサービスを、一般の方々にも提供すべきだと考えています。

スキーブーツの調整でできることがあれば、何でも行いたいと思います。


もちろん、スキーヤーの同意があった場合のみですが・・・。

2011年09月24日

ブーツ・チューンが必要?

ブーツ・チューンをしても上達しないなら、なぜ、わざわざ別料金を支払って、ブーツを加工・調整するのでしょうか?

答えは簡単。

全てのスキーヤーが、求めるスキーブーツがこの世に存在しないからです。

現在のところ、イメージに近いスキーブーツを手にするためには、ブーツ・チューンが最も合理的な方法だといえます。

話は変わりますが、オーダーメイドで革靴を作製してくれる工房は、日本全国にいくつもあります。

ご自身の足型をもとにオリジナルの木型を作り、靴のデザインや革を選んで作成してもらいます。
10万円程度から数10万円するものもあるようですが、自分の足に合った靴が手に入るとなれば、妥当な金額と感じる方も多いようです。

残念ながらスキーブーツの場合は、靴をオーダーするように、完全オリジナルのスキーブーツを手にすることはできません。

というのも、スキーブーツのシェルはプラスチック製で、オリジナルのシェルを作製するためには、プラスチックブーツを成型するための金型から作製しなければならないからです。

詳しくはわかりませんが、数百万円という金額では納まらないような気がします。

ワールドカップ選手のブーツでさえ、金型からオリジナルのものを使っている選手は極めて少なく、トップ選手でさえ、一般の方々と同じようにブーツを加工して使用していることを考えるといかに大きなコストがかかるのかを想像することができます。

いい方は悪いかもしれませんが、もし、完全オリジナルのスキーブーツが、たかだか数百万円程度で製作可能なら、有名選手のほとんどは、スポンサーに負担してもらってオリジナルブーツを手に入れるはずです。

スキーブーツが革製からプラスチック製に変わり、その生産システムやコストなどからも、スキーブーツをより良い状態で使用するためにはブーツ・チューンが必要性だということですね。

2011年09月22日

ブーツ・チューンで上達する?

神戸では台風も過ぎ去ったので、最近少し離れていたブーツの話をしていきたいと思います。

生まれて初めてブーツ・チューンを体験された方のなかには、それまでのブーツと比較して、操作の感覚が格段に良くなったために、「上達した」と感想を述べられる方がいます。

そうした体験をされた方のなかには、悪気はなくても「ブーツを作ると、スキーが上達するよ」と表現する方がいらっしゃいますが、誤解のないようにお話すると、ブーツ・チューンでスキーは上達しません。

確かに、ブーツ・チューンを機に上達される方はいらっしゃいますが、僕達ブーツ・チューナーから言わせてもらえば、それがそのスキーヤーの本来の実力なのです。あまりにも合っていないブーツを使用することによって、スキーヤーの実力が十分に発揮できないケースはありますし、それ自体は決して珍しいことではありません。

そのような経験があれば、確かにブーツを加工・調整することによって、上達したと感じても不思議はないかもしれませんが、僕達が行っているのは魔法でも催眠術でもありません。だからこそ、あえて、ブーツ・チューンをしても上達しないと言いたいのです。

全てのことに原因と結果があるように、ブーツも何らかの調整を施せば、何らかの結果が生まれるのです。

僕達は、この因果関係を整理して、調整に利用しているにすぎないのです。お解かりいただけますか?

もし、どなたかにこのブーツを履けば上達するよとか、このインソールを使用すれば・・・と言われたら、少し考えた方がいいかもしれませんね。

2011年09月01日

グラウクスの存在意義

僕達は、ブーツ・チューンを生業にしてはいますが、
敢えてみなさんにお伝えしなければならないことがあります。


・最新の設計が全ての問題を解決するわけじゃない。

・ブーツ・チューンで全ての問題が解決するわけじゃない。

・運動やトレーニングが全ての問題を解決する訳じゃない。


ブーツ・チューンは、一番効率よく、効果的な方法が理想なわけで、そのことを一部の利点を強調することによって覆い隠そうとする売り方は、僕達にとっては恥ずべき行為です。

恣意的にチョイスされたブーツを加工して、結果が悪かった場合、スキーヤー個人の技量のなさを指摘されることが多い現状を僕は知っています。(・・・僕自身が経験してきたからです)

この道具が使いこなせるようになったら、上達してるから、頑張って!といわれたこともあります。
・・・そりゃ、当たり前ですよね。

その当時は、「ふむふむ」なんて思いましたが、今考えれば、なんだか腑に落ちません。

もっと自分の技量にあった道具を使っていれば、もっと上達も早かったんじゃないだろうか?

と思わずにはいられません。
僕達は、そうした普通に考えて、誰もが疑問に感じる事柄に、きちんとした説明が与えられるように絶えず考えています。

ブーツやブーツ・チューンから、思い込みによる非合理的な判断を排除し、誰もが納得できる説明が与えられるようにしなければ、ブーツ・チューンの胡散臭さは決してなくなることはありません。

量販店の店頭でブーツを試し履きしてみて、痛ければ、それよりも大きなサイズをチョイスしますよね。

その結果、足の実寸よりも2cm程度大きなサイズをチョイスすることはよくあることですが、僕達は、そのようなサイズの勧め方はしません。

加工で対応できるなら最適サイズをお勧めしています。
なぜ、僕達がより小さなサイズのブーツを勧めるのか、この根拠がきちんと説明できなければ、やはり僕達も「胡散臭い」と思われるわけです。

大きなサイズのブーツが、最適サイズのブーツと使用上全く変わらなければ、どちらでもいいのですが、じじつ違うんですよね。(・・・それはお店で)


ちょっと生意気な書き方をしましたが、みなさんの利益に繋がることが、長い目で見て僕達の利益にもなると思うので・・・。


おしまい。

2011年08月30日

グラウクスの存在意義

時間があるときにゆっくり書くので間があいてすいません。

僕達がブーツ・チューンを行う場合、「ブーツ」、「スキーヤーの身体」、「スキー運動」という3つの側面から考えて、そのバランスを考えながら加工していますが、冷静に考えてみると、思い入れによって、飛躍してしまうことが稀にあります。

例えば、最新のブーツでは、「・・・な操作が可能になる」というセールスポイントがあったとします。

以前の設計と比較すると、たしかに設計上はその様にいえるかもしれません。

しかし、そのセールスポイントは、誰にとっても同じ意味を持ってはいないことは明らかですし、また、その必要がない場合も少なくありません。

良い面ばかりが強調されて、誰にとって、どんな使い方でという視点が欠けて暴走してしまうことがあるんですよね。(内脚が操作しやすくなったというセールスポイントは、もともと内脚が使えていたスキーヤーにとって必要な性能といえるかどうか・・・)

ちょっとしたスキーヤーの勘違いで、内脚の使い方が悪いのであれば、ブーツで対応するよりも、その勘違いを指摘してあげることも、ブーツ・チューナーの仕事だと思いませんか?

少なくとも僕達はその様に考えています。
必要以上に加工して、実は何も変わらないということは、よくあります。

僕達の感覚では、それは決してブーツ・チューンの本質ではないのです。


つづく・・・

2011年08月25日

グラウクスの存在意義

前回は最新のブーツが最良の選択ではないということと、それぞれのスキーヤーに最も適したブーツをチョイスするためには、スキーヤーに関する情報収集が重要であることをお話しました。

僕達の考えとは異なって、みなさんがブーツ・チューンに期待することは、それぞれ違うと思います。

例えば、

快適にして欲しい・・・とか、

苦手なターンを克服したいとか・・・、

よりタイムを伸ばしたいとか・・・。

それぞれのスキーヤーが重視するポイントを優先して考えることは大事だと思いますが、僕達はそれ以外の要素を無視していいとは考えていません。

僕達がブーツ・チューンする場合、例えば快適性だけを考えてブーツを加工することはありません。
スキーヤーが快適性を第一に考えていたとしても、バランスを考え、操作性を考え、運動を考えてブーツを加工しています。スキーヤーが望む用件を満たした上で、かつ、他の部分もできるだけ合理的なアプローチをするよう心がけているのです。

つづく・・・

2011年08月19日

グラウクスの存在意義

これまでもいろいろ書いてきましたが、ご来店いただいたことのない皆さんからすれば「いちスキー専門店」でしかないと思います。そこでグラウクスの存在意義って何かなぁと考えてみました。

僕達は、これまでずっと、最新のマテリアルは、全てのスキーヤーにとって同様の意味を有していないという主張を繰り返してきました。

それは、開発者が想定している滑りを全てのスキーヤーができるわけではないからです。

例えば、一般論で考えて、最新のブーツを、かつてのような「捻り」主体の操作で使用する場合、最良の結果が得られると思われる方は、いらっしゃいますか?

おそらく、いらっしゃらないと思います。
そう、それはマテリアルと運動には密接な関係があることをみなさんが実感しているからです。

現実にはどうでしょうか?

最新の情報を集約して開発されたマテリアルが最良の結果をもたらすと考える人が多いのはよく理解できますが、一般的には、スキーヤーの技術や運動を無視して、「最新のマテリアルが最良の選択である」と考えるような雰囲気があります。

じゃあ、どうすればいいのか?

僕らがブーツ選びに際して重要だと考えることのひとつにブーツを新調したいと希望される方の、情報収集をしっかりするということが挙げられます。

どんな身体的特徴があるのか、
どんな運動をしているのか、
どんな目標をもっているのか、
トレーニングする環境は整っているのか?

できる限り多くの情報を収集することによって、はじめてそのスキーヤーには、どんなブーツが必要かという発想が生まれます。

僕達が、ご来店のお客様の滑りのビデオをお持ちいただくのは、こうした考えがあるからなんです。

つづく・・・

2011年08月12日

機能美

今日のお話は、ある程度ブーツの知識がなければ、ピンっとはこないはず。

グラウクスのお客様ならお解かりいただけるのですが、僕達がチューンするブーツは、どこが加工してあるのか分からないという方がとても多いんです。・・・もちろん、ちゃんと加工してますよ。
加工の必要ない人は、御代は頂いてませんので、安心してください。

僕達のように毎日ブーツと接している人間にしてみれば、加工しているブーツは、全く何も加工していないものと比べると一目瞭然なんですが、あまりブーツを見慣れていない方にしてみれば当然の反応かもしれません。

インソールに関しても、他店では見られない調整をしていますが、極めてシンプルなつくりにしています。
あんなに凹凸があって、裏に調整までしているにも拘らず、その存在を忘れるという人がいるくらいですから。(実は、僕達もそんなインソールが理想だと考えていて、そういって頂けるインソール作りを目指しているんですけどね。)

何が言いたいかというと、チューンナップしてご提供するスキーブーツは、結果としてシンプルなものが望ましいと僕達は考えているということです。

例えば、必要以上にシェル加工すると、必要以上にインソールを調整しなければならなくなったり、カント調整やパッティングも目一杯しなければならない場合もあって、結果的に仕上がったブーツを見ると、「ブーツを頑張って加工しました」という何ともイタダケナイものが出来上がってしまうんです。

それだとハッキリ言って、どのメーカーのどんな機種のどのサイズのブーツがいいのかなんて議論は全く意味がなくなります。

要は、あるスキーヤーが使用するためのブーツとしてきちんと機能するかどうかが問題なわけで、どれだけ手間やお金をかけたかというのは問題ではないということです。

以前も、「インソールのひとり歩き」ってお話をしたことがありますが、「どうしてもこのインソールを使用したい!」なんて考えると、当然、「不必要な調整」ってでてくるでしょ?

それも確かに一つの価値観ではあるんでしょうが、「本末転倒じゃないですか?」っていうのが今日のお話です。

お解かりいただけました?ま、マニアックなお話なので、もっと詳しく聞きたいという奇特な方は、お店にでも来てください。

2011年08月09日

インソールを議論する

仕事柄、いろんなショップや会社のインソールを目にします。

オーダーメイド、もしくはカスタムメイドと称して販売していても、実は洋服でいうパターンオーダー的な商品も決して少なくないことをみなさんはご存知でしょうか?

また、きちんとオーダーメイドされたインソールであったとしても、足にはフィットしていても、ブーツとはマッチしていないインソールが実在していることをご存知でしょうか?

例えば、こんなインソールを見てきました。

○ヒールカップが大きすぎて、ブーツの中で浮いているインソール
○使用ブーツのサイズより小さく、インナーブーツの中で前後するインソール
○逆に、使用ブーツ・サイズよりも大きく、折れ曲がったインソール
○ブーツ、インナーブーツにあった加工が出来ずに、捻じれてしまったインソール・・・などなど。

ハッキリいって、これらはノーマルのインソールを入れているほうがまだ良かったというケースです。
これを15000円から25000円程度出して、購入していると聞くと、同業者として、正直恥ずかしいし、ブルーな気分になります。

昔、三木さんも言っていましたが、「インソールの一人歩き」現象が起こっていると感じています。

すなわちインソールをそれ単体で評価し、ブーツ・チューンの一手段であるという認識が不足しているように感じているのです。先に指摘したような問題のあるインソールは、実は、そのほとんどがショップ外、社外に発注したインソールです。

本来、高性能なインソールを提供しようとすると、それなりの知識と技術が求められるために、量販店や中規模店では、資本投下が少なくて済み、表面上は知識と技術を補うことが出来るために、オーダーメイド、もしくはカスタムメイドインソールを外注すると考えられます。

しかし、現状の販売方法では、インソールを作成した責任者が、ブーツにインソールを装着したスキーヤーの状態をチェックすることはありませんし、最終的にスキーヤーと接点を持つ店頭のスタッフに対し、微調整の技術や知識が移転されていないために、少し手を加えるだけで解決する不具合まで放置されること自体が問題だと言えるのではないでしょうか?

前にもお話ししましたが、議論の対象となっているのは、あくまで「スキー用のインソール」であることを忘れないで下さい。

どんなに高い知識や技術、高価な素材を使用しようとも、それがスキー専用であることを前提としていないものであれば、今回の議論の対象からは外れます。

ですが、現実的にはウォーキング用のインソールもスキーブーツ用のインソールも同じ土俵で議論されていると感じます。というよりも、そもそもそれが別物であるという感覚が無いようです。

少し考えれば解るのですが、「歩く」ときと「スキーをする」際の足の動きは違います。
その違いを考えただけでも、インソールに求められる機能が異なっていて当然という結論は自然と出てきそうなものです

。さらに、最近、競技スキーヤーが特に敏感になっているFISレギュレーションなどの規制や、ブーツの加工手段、量を考えていくと、スキー用のインソールにどんな機能が求められるのかを議論する必要性が出てくるはずです。

ですが、なぜかこうした問題や課題は議論すらされません。
この現状を僕達はどう考えるべきなのでしょうか?

グラウクスのインソールは、いろんな知識や意味が詰まっています。
これから新しい知識や新しい素材の導入で、僕達の提供するインソールも少しずつ変わっていくと思いますが、議論の本質をきっちりと踏まえた上で、理に適った商品や技術をご提供していきたいと思います。

ご期待ください。

2011年07月31日

トレンドと現実・・・

毎年新しくリリースされるブーツを見ていると、やはり感じるのはスキーブーツ開発サイドの「スキー運動に対する考え方」の変化です。

「良い・悪い」、「好き・嫌い」は別にして、明らかに開発の方向性がブーツの形状や構造、フレックスなどに反映されていることが分かります。
ずばり、問題となるのが、こうした「ブーツの変化」と「みなさんの行う運動」とのギャップについてです。

現在のスキー技術は、非常に簡素化され、同じゴールに向かって進んでいるように思われます。
こうしたスキー技術の現状から考えて、スキーブーツの開発だけが違う方向へ向かうということは考えにくく、各メーカーは、そうした開発の方向性に沿って、違ったアプローチから、独自の解答を表現しようと努力しているわけです。

例えば、ラングとノルディカのブーツ開発における「解答」は違うけれども、それがどちらが正しいとか誤っているなどということは誰も言えないわけで、その違いによって、どんな人に向いているか向いていないかという現実があるだけなんです。

最新とされるブーツを使用することが、そのまま最良の結果には結びつきません。

ブーツには、「・・・な」特徴があって、「・・・な」利点があると、宣伝文句には書いてあります。
僕がメーカーの広告担当者でも、同じように広告コピーを考えるでしょう。

しかし、現実には、その特徴や利点は誰にとっても同様の意味を提供してはいないわけです。(クドイようですが、ここは大事です。)

ブーツのコンセプトがたとえ古いとされても、それを使用して結果が良い場合と、新しいコンセプトのブーツを使用して期待する結果が得られない場合と、あなたならどちらを選びますか?

いろんな考え方があるはずですが、大部分の方は、結果の良い選択肢を選びたいと思うのではないでしょうか?

ここで重要なのは、スキーヤーの運動が、ブーツを変えることによってどれほど変化するのかということです。
メーカーサイドの話を額面どおり受け取るならば、同じブーツを使用している方々は、同じような動きになっても不思議ではありません。

しかし、現実的に、それはありえない話であることは、みなさんが一番理解されているはずです。

実際に、ブーツを新調しても、全く滑りに変化の見られないスキーヤーを見たことはありませんか?
その一方で、スキーブーツを変えることによって、見違えるほど動きが変わる方もいらっしゃるのです。

こうした結果に対して、様々な立場から異なる説明が可能ですが、私達が今最も有力であると感じているのは、スキーヤーの運動パターン(一般にはクセと呼ばれるもの)を理解して、それをブーツ選択から加工・調整に反映させるということです。

特にナショナルチームの選手のように、スキーのためだけに日常生活を捧げることができない環境にある方は、ご自身の運動に欠点が見つかって、それを改善しようとしてもなかなか思ったようにはいかないですよね。

トレーニングに割ける時間には限界がありますし、何より最新のトレーニング・メソッドについても情報が不足しているはずです。
だとすれば、どんなチョイスが合理的なのかお解かりになりますよね?

ブーツ・チューンは、良い結果を期待して行うものです。
もしかして、ストイックに自ら逆境に立って、自分を追い込みたいとか?

・・・まぁ、それは、嗜好の問題ですから・・・。

手段(ブーツ・チューン)が目的化しないことを望んでやみません。

2011年07月30日

キツい?ユルい?

グラウクスに初めてご来店される方々は、それまでショップ店頭で試し履きして痛くないサイズのブーツを購入されていた方がほとんどです。

ブーツを加工するという前提がない選び方ですので、当然といえば当然ですが、僕達がブーツ・サイズもお選びすると、ほとんどの方が小さなサイズになります。
小さなサイズのブーツになると、それまでご使用のブーツより容量も小さくなり、且つインソールなども装着してタイトフィットにはなるものの、シェルの加工をして部分的なアタリを少なく出来るため、小さなサイズのブーツにスムーズに移行できる方が増えます。


もちろん、ヒトの感覚はそれぞれ違いますので、正直なところ経験的なカンで決めた「ボリューム」が外れることもあります。

「このサイズのブーツにこの足が入るの」

と僕達でさえビックリしてしまうような小さなブーツを使用している方や

「これだけユトリがあれば十分でしょう?」

っていう大きなブーツを履いている方など、平均的な感覚と少しギャップのある方がいらっしゃいます。

そんな場合は、当然、ご本人の感覚を無視することはできませんし、尊重しなければならないのですが、みなさんの言う通りに加工するだけでは、僕達の存在価値はありません。

「タイトなので大きくして」

といわれた方が、シーズン途中には、

「ユルイから小さくして」

というケースをこれまで何度も目の当たりにしていますので、一応はご説明した上で、加工するようにしています。

「足」って全身から考えると占める体積は小さいのに、骨の数でいうと10%以上も占めている計算になるんですよ。それだけ関節も多く変形もしやすいようです。
事実、小さなブーツに足を納めて、1時間ほど滑って、ブーツを脱ぐと、足は明らかに小さくなっていますからね。

そうやって、ブーツの加工の成果や過程を体験してきた方々は、徐々にどのくらいのフィット感のブーツを選べばよいのかが分ってきます。すると、ほとんどの方がよりタイトなブーツを求めるようになります。

なんて「M」なんだろう!

って思うでしょ?でも、実際そうなんですよ。

じゃあ、タイトなブーツを使用する利点は何でしょうか?

「操作が敏感に行える」、
「パワーの伝達が良くなる」、
「ブーツのフレックスが出やすくなる」

などの利点が考えられます。

すなわち、タイトなブーツを選ぶ方々は、上に挙げたような利点が、「快適でなくなる」などのマイナス要素を上回ると考えているということです。

まだまだあなたの知らない世界があるかもしれませんよ。

2011年07月19日

”GLAUX”ってどんなお店???

7月に入って、ご予約の電話が少し増えてきました。一昔前だと7月の土日は予約でうまってたくらいなので寂しいといえば寂しいですがこれも時代の流れです。

今日はゆるめの話なので肩の力を抜いて見てください(笑)

突然ですが、みなさん、うちのお店ってどういうイメージをお持ちですか?

ブーツがべらぼうに高いとか、よくわからない費用がかかるだとかいろんなイメージがあると思います。

そこでお店のほうから一言。

このブログを見てるほとんどの方はいまさら何いってるのと思うかも知れませんが、

GLAUXは「ブーツチュン・ショップ」です。

スキー楽しむためにお客様の身体の軸、足の形、技術レベルなど多角的にみて、ブーツ選びから加工、インソール作成、調整をさせてもらっています。

ここで注意して欲しいことがあります。
一番誤解を受けやすいところなんですが、

「加工、インソール作成」は絶対ではありません。

必要ない方には加工はしません。
ブーツ選びとインソールのみの方とか、ブーツ選びだけの方も当然いらっしゃいます。
理由は身体的なもの、予算の関係など人それぞれです。
ブーツ加工がなければもちろん加工費はかかりませんし、インソールもいらなければインソール代もかかりません。簡単に言うと、ブーツに手を加えれば加えるほど費用はかかりますし、逆に加えなければブーツ代のみです。わかりやすいでしょ?

少しはイメージ変わりましたか?

今年はブーツを新調しようと考えられてる方は一度ご相談ください。

2011年07月17日

インソールの加工

最近サボり気味だったので、少しマニアネタでいこうと思います。

インソールについて。

グラウクスのインソールは、裏に別の素材を貼り合わせて削っていますが、なぜだかわかりますか?
僕たちは、インソールに、パワー伝達性の向上や、足部と脚部のアライメント調整、スキーヤーの重心調整などの役割を期待しています。(ですが、インソールはブーツを調整する手段の一つに過ぎないということをお忘れなく。)

最近は、オーダーシューズやオーダーインソールを作成するお店が増えていますが、そういったお店で提供されるインソールを、スキーブーツに転用しているスキーヤーや販売店があります。いろんな考え方がありますので、それをどうこう言うつもりはありませんが、販売している側がお客さんにきちんと説明しているのか少し疑問です。

例えば、ウォーキング用やスポーツ用インソールのほとんどは、運動したときの足部の形状変化を考え、第1指の付根と第5指の付根を結んだラインより前方は、インソール自体が変形するように作られています。当然コレは必要だからこそ、そのインソールに備わっている機能なのですが、その機能が必要ないカテゴリーにまで強引にそれを当てはめようとしている販売店が多いように見えます。

スキーを考えたとき、テレマーク用のブーツならともかく、アルペン用ブーツでどれほどブーツの底がたわむのかを考えれば、ウォーキング用のインソールをスキーブーツに転用することの矛盾が容易に想像できるのではないでしょうか?

どんな小さなことでも、少し踏み込んで考えれば、新しい発見があるんですよね。
何でも素直になりすぎないことも大切です。

最後に、さらにマニアネタで。
偏平足の方の足は、いわゆる土踏まずが垂下している状態ですが、スキーブーツに装着するインソールを作成する場合、垂下している土踏まずを持ち上げるようにアーチを高く加工することが、いつも正解とは限りません。
じゃあ、どうやってインソールを加工するのがいいのか?
ま、企業秘密というほどのことではありませんが、グラウクスのインソールがあんな形状になっている根拠が、この問題を解くカギです。

少し考えてみてください。

2011年07月09日

ブーツ・チューンの評価基準2

昨日お話したようなことも経験してきて、僕達は過度な調整は慎むようにしています。

「静的なバランスが完璧とはいえませんが、一度滑ってから再度調整しましょう」ということもよくあります。実際に滑っていただくと、私達が予想していたよりも調整が行きすぎだと感じることも少なくはなく、ブーツに滑らされているという感じの方が実際にいらっしゃるのです。

そういう場合は、デチューン(調整を少なく)し、運動が改善するのを待ってから、再度調整することになります。

ブーツの調整というと、加工機材の問題も含めて、店頭で行うことが一般的なために、誰にでもわかりやすい調整の評価基準を設けるというのは当然といえば当然なのですが、結果的にその基準を”絶対”のものと考えるような風潮が強くなってきているように感じます。

小難しい言い方をすると、
「手段が目的化する」とは、まさにこういう状況を指すのであって、本来、運動を改善するための調整の判断基準が「絶対」とされ、「運動」が無視される、もしくは軽視される傾向が生まれるのでしょう。

僕達は、お客様の身体を拝見して、滑走シーンの写っている映像などを拝見したうえで、まずそのスキーヤーの問題や課題を明らかにしようと努力します。
そのうえで、ブーツ・チューンで出来ることをご説明します。

お客様によくお話しするのは、「問題や課題は、改善はします。ですが、解決はしないでしょう・・・。」
というのも、これまでのお話からご理解いただけるものと思いますが、ブーツ・チューンだけでは出来ないことがたくさんあるからです。

最後にひとつ誤解のないように言っておきたいことがあります。
僕達は、ブーツ・チューンの評価基準を「運動」だといっていますが、これが全てのスキーヤーに当てはまらないことは当然のことだという認識も持っていますので、ご安心ください。
「快適性」や「膝の向き」が最優先基準という方がいらっしゃるのも否定はしません。

もちろん、一通りご説明はいたしますが、お客様のご希望であれば、「快適性」を優先したブーツもご提供しますよ。

2011年07月08日

ブーツ・チューンの評価基準

結論から言うと
「運動の質」なんです。

実際の指導現場でも、スキー技術を評価する基準は、私達がブーツ・チューンでそうするのと同じく、「運動の質」だと思います。

例えば、「X脚だから1級検定に合格しない」ということは、まずないということ。板の動きや足首の動き、膝の動きだけを見ているのではないということです。
実際に僕は、X脚の方で1級検定に合格された方をたくさん知っています。

確かに、X脚の方は、これまでの経験から膝や足首の運動が大きく、股関節や骨盤といった体幹部の大きな筋肉群を有効に使うことが出来ない方が多いのですが、点数が出ないのはX脚だからということではないはずです。
わかりますか?

こんな方がいました。
「X脚だからもっと膝を外側へセットして欲しい・・・。」
ご希望通り、そのように調整しました。
「もっと外へ、もっと外へ」と調整していくうちに、エッヂは立つようになりましたが、板はたわまなくなりました。

・・・わかりますよね。
要は、「運動の質」なんですよ。
ミラーだって、コステリッチ(妹)だってX脚ですよ。

確かにミラーのような素晴らしい動きが出来る選手のブーツ・セッティングが良くなれば、もっと速くなる可能性もあるのですが、それはもともと質の高い動きをしているという前提があってのことです。
運動のクセの強い選手は、そのことを自覚したうえでブーツを調整して欲しいと思います。


小さなことにこだわりすぎて、大事な本質を見逃さないように。



(最近のWC事情に疎いので、僕の印象に残っている選手の話ですいません・・・。)

2011年07月07日

ビデオが必要な理由

グラウクスでは、初めてご来店いただく場合やブーツの調整をさせていただく場合、スキー滑走の状況をビデオ等で確認させていただいています。

それは、ブーツの形状をあし(脚・足)の形に近づけるだけでは、チューンナップに関して最良の結果が得られないからです。

スキーブーツと一口に言っても、それぞれ個性があり、使用感覚も全く異なります。足首が柔らかく使いやすいものや、剛性が高くてエッヂングが強く感じるもの、ズラしやすいものなど様々なタイプのものがあります。

だとすれば、やはりどういう滑りをされているのかを確認した上で、ブーツを選択させていただくほうがより良い結果が期待できると思いませんか?

僕たちはご来店されるスキーヤーのビデオを拝見しますが、技術についてコメントするのが目的ではありません。冷静に滑りを判断して、どのようなブーツがチューンナップして効果を出しやすいのかを考えています。
(ときどき、自分の滑りはゼッタイに変えない・・・なんて方にはお話しするときもありますが。・・・)

「ビデオを見ただけでスキーヤーのクセや感覚がよく解りますね」なんて言われることがありますが、見続けると不思議と見えてくるものなんですよね。

どんなスポーツでも、指導者が「○○○の力が入りすぎ」なんて注意をすることがありますが、そのスポーツを経験したことのない者にとっては分かりにくい注意だったりしますよね。
僕たちがビデオを見てするコメントもそんな感覚に近いのかもしれません。

2011年07月04日

相互作用

「より速く」、「より扱いやすく」、「より快適に」・・・。
スキーブーツ開発に際して、開発者が重要だと考える要素が、その製品コンセプトに取り入れられるということに否定的な意見を持つ方はいないでしょう。
開発者が重要だと考えるポイントが違ったり、ターゲット層が違っているからこそ、スキーブーツには数多くのカタチがあり、フレックスやボリュームの違うブーツが存在しているのです。

道具とプレイヤーの関係はきちんとした学問分野でも研究されていて、道具を使用するスポーツでは、道具の「良し・悪し」、もしくはマッチングによって、そのパフォーマンスが左右されるという認識が一般化しています。
スキー用具をはじめ、ゴルフクラブやテニスラケット、シューズ開発にもその考え方が導入されています。

僕達がいくつものブランドや機種を揃えているのは、こうした考え方が根底にって、ブーツごとに異なるコンセプトがあると考えているからです。
仮にスキーブーツが単なる履物だと考えると、取扱ブランドや機種を絞り込みやすく、在庫リスクも軽減して、店舗運営の面から考えると、たいへんラクなのですが、それでは全てのスキーヤーを満足させることが出来ないのは明白です。

今、グラウクスでは、8〜9ブランドの取扱がありますが、それでも全てのスキーヤーを満足させることが出来ないと考えているくらいですから、ブーツひとつとってみても、その複雑さをご理解いただけると思います。

ただ、こうした商品開発や研究の方向性は、一般に認知されることが少なく、ほとんどのスキーヤーは、ブーツを購入する際の明確な根拠を持つことが少なく、デザインや感覚、雑誌などの情報で購入を決定することが多いようです。

言い換えれば、それだけ「ブーツ選びは難しい」とも言えるのですが、こうした状況は、研究開発と販売(マーケティング)のズレが生じた結果だと僕なりに解釈しています。どの企業も利益を追求しなければ存続できない現実を考えると、こんな状況も否定することが出来ない現実として受け入れざるを得ません。

結果的に、スキーブーツをはじめとするスポーツ用具は、開発者が考えるコンセプトと違った使われ方をすることが多く、スキーブーツに限ってみても、それがスキーヤーの誤ったイメージを増幅させているように思われます。

「このブーツを使用して上達した」、「このブーツを履いて速くなった」という話はよく耳にしますが、それは当然、偶然そのスキーヤーにマッチしていたということであって、全てのスキーヤーに等しいブーツの性能を約束するものではありません。

上級者であれば、ある程度技術の幅がありますので、それなりの対応は可能ですが、そのスキーヤーの最高のパフォーマンスを得たいと考えると、ブーツ選びも加工の方法も変化してくるでしょうね。

僕達はこれまで、ブーツを変えることによって、スキーヤーにどんな変化が生じるのかを見てきました。
いい結果も悪い結果も、ともに見てきましたので、ブーツという道具を変えることの重要性を十分理解して、選択・加工・調整しているつもりです。

スキーヤーは単にブーツを使用しているのではありません。
ブーツという道具によって、あなたの技術も運動も影響を受けているということをお忘れなく。
それが、良い影響なのか、悪い影響なのか、こればかりは使ってからでないと評価出来ないかもしれませんね。

「こんなセッティングのブーツを使えば、あなたの滑りはこんな風に変化する」という考えを持って、ブーツを選んで加工しても、必ずそうなるとは限らないですもんね。そこまで解れば「神様」です。
残念ながら、僕達は「神様」ではありませんので、こつこつ努力して、より多くの経験を積み、少しでも多くのスキーヤーの力になりたいと考えるのみです。

2011年06月30日

フットベット

今回取り上げた「フットベット」、この他にも、「ゼッパ」、「ザッパ」など様々な呼び方がありますが、今回は、「フットベット」と呼ぶことにします。フットベットとは、ブーツのロアシェルの底にセットされているウレタンやプラスチック素材のパーツのことです。
10年ほど前までは、予備パーツとして、もともと標準装備されているものとは異なるセッティングのフットベットが付属したブーツが市販されていました。硬さの異なるフットベットを用意していたメーカー、踵の高さの違うフットベットを用意していたメーカーがありましたが、これはフットベットのセッティングを変えることで、何らかの調整効果が得られることを示している証拠といえます。

正直なところ、FISの規制などによって、現在、フットベットを使って行う調整には、限界があります。もちろん、基礎スキーの方などは、規制に縛られないといえなくもありませんが、ブーツの開発がワールドカップの規制を意識して行われる以上、全く影響がないとはいえません。
単純にいうと、フットベットを硬くすると、ブーツの捻じれを制限することができます。結果的にエッヂグリップが強くなるといえますが、低速でのスキー操作が難しくなるというマイナス面も無視できません。使用状況に応じた選択が望まれます。

つづいて、踵の高さの違いについてですが、これはスキーヤーの重心の位置を変化させ、荷重ポイントやスキー板のたわみを変化させることができます。現在、FISの規制で、ブーツソールからインソール上面までの高さが43mm以下となっていますが、今後どうなるかは現在はわかりません。

以上のような理由から、FISの規制に従えば、フットベットによる調整は難しくなることが予測されますが、その意味や可能性を知っていただくだけでも、多くのスキーヤーがブーツのセッティングを煮詰めるために、いかに小さな部分にもこだわっているのかをご理解いただけるものと思います。

2011年06月29日

スポイラー2

リアスポイラーとは単純に言えば、前傾角の調整用パーツです。
しかし、誰でもブーツの前傾が強ければ良いというわけではありません。例えば、後傾になるからという理由で、リアスポイラーを装着する方がいらっしゃいますが、それでは発想が安易すぎます。

みなさんは意外に感じるかもしれませんが、

ブーツの前傾角が強すぎることでも、スキーヤーは後傾になるのです。

ブーツの前傾角が強すぎると、膝が前方に出て、骨盤が上を向き、胸が起きて、後傾する方もいらっしゃるのです。
この場合の対処法は、リアスポイラーの装着とは逆にブーツの前傾角度を起こすことです。スポイラーがインナーブーツに装着されているタイプのブーツに関して言えば、その厚みを調整したり、取り外したりすることで対処できますが、そうでない場合は、シェル加工やインソールの調整が必要になります。

僕達がリアスポイラーの使用をお薦めするのは、たいてい、スキーヤーがブーツの設定前傾角通りにブーツを使用できない場合で、厚みや大きさ、位置を気にしながら、使用することになります。
もちろん、もう少し、スキー板のトップコントロールを良くしたいという場合などにも、リアスポイラーの使用をお薦めすることがありますが、ブーツの設定を崩してまで使用することには抵抗を感じます。そういった場合、個人的には、スキーヤーに適したブーツを選択することや運動を改善する方が良いと思っています。それは、リアスポイラーを使用しないことによる利点も存在するからです。

調整用の各種パーツは、使用者の運動の特徴や骨格、筋肉の付き方によって、調整効果が変化します。時には、ブーツの基本性能を低下させる場合もないとはいえません。
付属パーツを使用した後のご自身の滑りを客観的に観察し、必要か不必要かを判断する余裕があればいいですね。

2011年06月28日

スポイラー1

スポイラーにもフロントスポイラー、リアスポイラーの2種類があることをご存知ですよね。

「付属しているパーツだから・・・」という唯それだけの理由で、全てのパーツをブーツに装着しているスキーヤーを時々見かけます。それぞれの装着効果や意味を知れば、スポイラーのより効果的な使用方法がご理解いただけると思います。

先に誤解の無いように言っておくと、もし全てのパーツを装着することでブーツの性能が100%になるとお考えの方がいらっしゃるとすれば、それは明らかに間違いです。

なぜなら、もしそれらのパーツの装着が絶対、もしくはブーツを使用するための前提であるなら、ブーツは最初から設計にその機能を組み込んで、商品としてリリースするはずだからです。僕達は、フロントスポイラーもリアスポイラーも、使用者の骨格的・運動的な特徴や使用状況を考慮して使用する調整手段と考えています。

通常は、フロントスポイラーを装着すると、足首稼動域が小さくなり、ロアシェルへの力の伝達が良くなります。ブーツのレスポンスが速くなり、エッヂングが鋭くなると感じる方がほとんどですが、なかにはブーツが柔らかく感じるという意見も耳にすることがあります。これは恐らく、力の伝達効率が良くなることでそのような感覚が生じるものと思われますが、フロントスポイラーの取付位置や、大きさ、素材によっても感覚が変化しますので、全ての方が同様の感覚を得られる保証はありません。

繰り返しになりますが、僕達は、スポイラーを性能向上のために使用することは考えておりません。

あくまでブーツを理想的な状態で使用するために用いる調整手段と考えております。例えば、ロアシェルがルーズに感じるスキーヤーで、かつブーツの設定前傾角度以上に足首の角度が強い状態で使用されている方にフロントスポイラーを装着することが多いです。

みなさんがもし、現在ご使用中のブーツのフレックスを硬くしたいなどの思惑から、フロントスポイラーの使用をお考えでしたら、正直なところ、あまりお薦めいたしませんし、逆にご自身の滑りを客観視し、その身体の使い方にあったブーツ選定をお願いしたいと思います。

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