2017年12月02日

札幌自由学校「遊」 2017.11.25

~土曜の午後のひととき、詩の魅力に触れてみよう~の第一回目として、講師に長屋のり子氏を迎えて長屋氏の自作の詩「盲いたシンキンチョウの恋唄」を中心のお話があった。
カラフトアイヌのエレジーとして書いたものである。ポーランド人ピウスツキの妻となり、祖国へと帰国し独立運動の最中に事故死(一説には暗殺)した夫との再会を願いながら盲しいたシンキンチョウの絶叫。カラフトこそがエカシ(アイヌ語=祖父の地)であり、不屈の精神の宿る場所。そこでのビウスツキとの抱擁の記憶。女に革命などいらないのだ、あなた聞こえますか、白い鳳となってあなたを目指す、ムックリの響きのなか、あなた聞こえますか、と問いかけながら。
シンキンチョウの夫であるブロニスワフ・ピウスツキはポーランドの文化人類学者であり、流刑の身となってカラフトに来たのだ。そしてブロニスワフの弟は、ユゼフ・ピウスツキという政治家で、ポーランド共和国の初代首相であるから、流刑の理由も分かりそうなもの。いずれにしても家族は結婚に反対であった。縄文時代から「文字を持たない民族」として生きたアイヌ人にとっての、聞こえますかという語りは、重たくもある。
それから長屋氏の兄である山尾三省氏の詩について。屋久島に会いに行った時に兄が是非に入れと風呂を沸かす、病が体を侵してもうすぐ死ぬであろう兄が火を焚く、杉の匂い、桜の葉の匂い、森の匂い、あの頃の匂いを伴にしながら兄妹の別れの時間が過ぎる「五右衛門風呂」。亡くなる少し前に、子どもの時のように薬をくれる「あーんしてごらん」、妹に注ぎ込んだものは何であったのか・などを紹介。
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また、叔母の語るエッセイを交えたり、当日参加していた村田譲、嘉藤師穂子、中筋智絵氏らにも山尾作品を朗読をさせて、自分の語りとの違いを聴衆に聞かせた。
後半では花崎皋平氏も長屋氏の隣に座って「チョサンマとピウスツキ」の自作詩を朗読しながら、ご自身のコタンでの体験などを語られた。また、研究と称して骨を掘り返すものばかりが多く、ビウスツキほどに友好的であったものはいないだろうとも。



この記事へのコメント

1. Posted by 北海道ポーランド文化協会(安藤厚)   2017年12月11日 11:06
5 長屋のり子さんの詩の関連で、北海道ポーランド文化協会HPにこの記事のリンクを付けさせていただきました。
よろしくお願いいたします。

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