2017年12月16日

小樽中央市場3楝 2017.12.9

ユニットSanaは田中美智子氏とカンテレ演奏鈴木伸子氏二名のユニット。今回の出し物は伊藤整の詩作品「雪よ」道などなくなる雪そのもの、「海の捨児」浪を重ねて灰色の老いた浪となり、くず折れ漂う捨児であると、景色へと溶け込み休む間もない。
長屋のり子氏は「盲いたシンキンチョウの恋唄」。先住民族への畏敬の念を持ち継づけたポーランド人の魂へと寄せるシンキンチョウの抱える夕暮れ、うち続ける波、盲いて聞こえるもの。
花崎皋平氏は「チョサンマとトミ」。自分の人生に大きな影響を与えたトミさんとサハリンに流刑となったビウスツキの妻チョサンマはとても似ている、ともに誇り高いアイヌの女性。
尾花啓一氏は詩誌『小樽詩話会』の表紙を担当している松田研氏の絵に対するオマージュ。小樽に戻って三年、亡くなった版画家の富士夫さんへの作品「決壊したように」など自作四篇を朗読した。
中筋智絵氏は自作「夏を祈る」。朝風にラジオ体操へ向かう少女、公園への砂利道は鬼ごっこの舞台、その背中を追う、いつの間にかかくれんぼ、声は遠く、蝉の声、水を、止まれ!一音の固さに。もう一篇は「三月」父の命日、夏と冬の間の生と死の間の。
村田譲氏「本日のヘクトパスカル・1・2・3」までを披露する。市場のなかでの朗読会であればの、たわいない日常を軽く流してみる。
鈴木伸子氏によるカンテレ演奏での休息後、白井順氏がジャック・プレベールの「バルバラ」、あの日のことを思い出せ、幸せな雨。「朝の食事」「枯れ葉」などを声にした。
高橋明子氏は、今回の市場のなかでの朗読会に是非との参加。「かぼちゃに耳あり」「梨」と自作短篇詩を重ねる。「我が家の朝食」はFMおたるのこと、「雪しずか」この静けさ、一人で食べる菜の花のおひたし、また戦争のニュース、目の前にあるご飯の光るあたたかさ。
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坂本孝一氏は方言の作品「もんもん雪降るもんじゃ」。もんもんもんじゃ、人っ子かわる、記憶の底探してもどうもなんね、こまい話だども、時化で舟だせね、雪はなんも言わねぇけど、雪降るもんじゃ。
森れい氏は作品、薔薇は薔薇を咲き続け、雪は降り、時間を押し流しながら「星の鳴く空」。そして渓谷の井戸からのかぐわしい、秋を飲み下す、雨中の孤独、誰もいない栗の落ちる音、想念のカンターラ「秋の庭」を響かせる。
田中瑞枝氏は河邨文一郎詩集『ニューヨークの詩集』から「踊れメアリー」を選択。絹のドレス、ココア色の足、お前の足で回れ。連打するジャズ、白一色の綿畑、一点の黒い小屋、踊れマンハッタンの悪の巣窟のなかジャズだジャズだジャズだ。
萩原貢氏は亡き大原登志夫氏、米谷裕司氏らの作品を紹介しつつ、自作詩「船見通り界隈」ガンガン市場にやってくるカモメの顔と足跡。「十年」ではキムちゃんという飲み屋のこと、がらりと開けたならこの世とあの世の引き戸が一遍に遊びに来る、と。
全体の司会は嘉藤師穂子氏が務めた。終了後には懇親会を喫茶コロンビアにて行ったのである。



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