2021年03月06日

Cafe&Dining Bar Lin 2021.2.20

予定より一カ月延期され、当日は会場がお隣の Cafe&Dining Bar Lin に変更となった。なかなか難しい2回目の船出であった。
最初に声を出したのは村田譲氏。詩人紹介ということで知里幸恵の略歴と叔母たちから聞き集めたアイヌの物語『アイヌ神謡集』より、梟神が自ら歌った謡「銀の滴降る降るまはりに」。アイヌの方は鳥でも獣でも射殺すという考え方をしない。梟神も人の作った矢が欲しいので、その矢を受け取るのであると捕らえている。であるから金持ちの子どもの金の矢が当たらない(受け取らない)ならば、貧乏人の子どものただの木の矢を受け取るわけがないという中傷が成立する。そもお金持ちであるということも、神様からのお恵みと考えるなら、ふんぞり返っているのはおかしなことだろう。
次いで飛沫感染防護シートの向こう側に、坂上審亮氏である。まどみちお作品を一篇。金子みすゞ作品を何篇か披露、「雀のかあさん」は珍しく冷静な作品、「露」のメルヘン、有名な「こだまでしょうか」はこだまでもあり友達でもあり。自作詩の「花かむり」はあなたのための、満ち足りたひとときへ。「ヨチヨチテケテケスタタタタ」ママと声、パパと一歩、みているよみていてね、でも捕まらないでスタタタタ、成長の寂しさ嬉しさ。他の詩を披露した。DSCN6471
村咲紫音氏は昨年の12月に亡くなった渡辺宗子さんへの追悼詩である。書いたのは小樽の長屋のり子氏。宗子さんは出立した、詩集『水の巣』に潜むマントラ・2という数字が象徴しているのだと、亡くなって56日が過ぎ紐解く詩集の言葉、人間を信頼している言葉たち、バタイユをアルトーを冴え冴えの滑空を、真の鳥、詩人の透明な在り方を学ぶ、残された詩があるからさよならとは言わない、See you later! soon! 続いて村咲氏チョイスは『水の巣』から「水の巣」鏡の凪に欲求が騒ぐ、他「遠くの絵」など数篇を紹介。
最後にオープンマイクということで、マスターであり共同主宰の朱田年秀氏が登場する。いきなり、バカじゃないか、との炸裂音!かと思ったが微妙に厚みをのせてくる。自分という内と世界という外と、ボクたちは闇から生まれる、今のあなたの光の色を問う、鼓動を感じよ、困難を超えて奇跡であるここのこと、体の内側からのみなぎる力を信じて、バカになりきるその前に。
その後に村田譲氏がオープンマイクで再登壇し、自作詩「処置室にて」「幸福の秤」の二篇は次の市民文芸の増刊号に載るらしいです。
それにしても金子みすゞは、やはり若すぎると思うわけだ。夫の無理解が創作を失わせ命を失わせる。いくら時代とは言え、しかし今も男尊女卑は続いている気がする。   
最後には朱田年秀氏から、今後の「朗読会 + in 未来日記」は春夏秋冬の年4回の定期開催と発表された。次回は、春4月17日(土)14:00スタート。


M0814gliding_flight at 18:41│コメント(0)朗読・ポエトリーリーディング │

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