2022年05月21日

ドラマシアターども 2022.4.30

嵩文彦氏による自作詩の朗読会、伴奏は田中光俊氏。作品「私の町」。さて生まれ故郷か、住んでいる町なのか。その迷いに投じる最初の言葉が「私の町はクジラである」。わはははは、きっと港町なんだろう。月の白さ、畑の畝、眠そうな猫、影が大きくなる太陽に近いところ。町であるはずのクジラの中は映画館である。それは酒樽で、夕暮で(え、沈みそうなのか?)好奇心を抱えながら敬意を払い、爆発と闇との瞬時がスターマインのようで。カラカラと切れたフィルムがもたらす夢と現実の狭間。大きなクジラの映画館に猫を敬愛する男たち(胡散臭そうかな?)に紛れての顔つきはゆるゆると開幕を待っている。おや、巻き戻されたか、プランクトンを食いながらの鯨の金色の飛行機雲、その下でゆらりとする町である。潮風が吹いて小道を歩く猫、そこに顔を出す月の東にむかいヒゲを震わせる町である。草むらには虫が鳴いて、私もあなたもいるようだけれど、さて映画は何が上映されるのかなんてあんまり関係のない、きっとタイトルのないしかし映画の開幕を待っている町であれ。
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「夏の大雪」お猿の親子が水をくぐるから、その後はきっと布団で丸まるんだろう。そんなときの夏の大雪に世界中が大騒ぎ。
後半の部ではギター奏者の田中氏の独奏、帯広時代の同窓生であるとのこと。そしてまた嵩氏の作品へ。「床下の王国」台所です。賑やかな行進があったようですが、祭られるもののないマツリらしい。であって小さな人の世界は、そこはもっと大きな王国。楽隊が行く、猫の髭はぴくぴくする。私はキャベツを刻んでいる。
作品「床下の夕日」。台所に夕日、刻む野菜が夕日に照らされている。それは光にこぼれること(?)、照らされるのが嫌で隙間に落ちていくのかしら? 目立たないように住む人々の小さな夕日。砂となるまで刻まれる野菜の、しかし小さな人々に手を出すことのない私たちの…夕日が落ちる。大きな小さな人々の家に夕明かりがともる。


M0814gliding_flight at 17:33│コメント(0)朗読・ポエトリーリーディング │

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