2022年12月25日
札幌文化芸術劇場 hitaru 2022.11.23
2022ポーランドとアイヌ女性の国際アート・プロジェクト。
短篇動画「アイヌとカムイのためのレクイエム」で、これはスウェーデンのエプレサ祭参加作品との説明があった。
パフォーマンス「Mowi ONNA 女は語る」は、ポーランドの「アマレヤ劇団」と札幌の「アイヌ女性会議―メノコモシモシ」による舞踏劇。
海、波の映像が映し出される。10名が舞台の上に立つ。コントリが一台置かれている、そこにムックリの音がゆるゆると響く。唸り声なのか、映像の海に魚が一匹。ああ、るるるるッ。へぇえパッチェパチュ、ノエテエェェヨるるるるる。鳥の風のうなり、波音、唸りが消え波が静かにつながっている。天からスポットが落ちて光をひろおうとする。手を伸ばし掌に掬おうとする、受けては捧げ、地に戻す。拝礼して後ろを向く。一人が中央に向かい「わたしの左手、右手、戦後アラスカから移住して本土へ」と語り始める。水を掬い体にかけながら飲みながら。二人目の女が右手を上げ「母のアイヌの血」左手に「和人の父の血、言葉は運命」と両の手を胸の前で愛を包む。三人目の女は、弦を引いているような動きを見せている。四人目の女が右手は愛したい、されたい。左は傷ついた心、向き合う心。手を天に向け自分らしく広い人に成りたい、と。五人目、左手は見ている、右は知っている、善と悪。あなたの手は何を知っているかと問う。六人目の右手は人差し指で人を指すな、導きの指になんだ女かと言われた、100年の人生まだ頑張る、と。七つ目の右手左手にかけるように、移すように巻きこむ。八つ目の右の手が親の愛、左の夫の愛、両手に世界の愛、左の薬指、小指のちいさなヨロコビ。九つの両手は開いていて、右の中央に当てる、移動する。十番目の右は仕事で、左は温もりで、薬指が家族、人指し指は出る人、すべてが人生。鳥に風に成りたいあなたのもとに飛んでいきたい。鳥は踊り歌となり輪となって踊る。


映像が流される、赤い紐をもう一人へと渡し、たどり着く捨てていた衣服。貼られる結界、雪の影絵、許された木々、シンメトリー、カードメッセージ、かざされる絵。
最後は10人によるトークが行われた。そのなかで映像のなかの赤い紐の意図、先祖の思いに対して眠っていたものを引き出すのだ、と。